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cardrivegogoの日記

2017-02-27 ダウンサイジングターボ以外は認めないと言ってた連中はどこへ?

  「ダウンサイジングターボ教」の熱心な出家信者の皆様はお元気でしょうか?ゴルフ7発売の節には、私のクソブログにも散々に言いたい放題な人々がやってきましたっけ・・・。「ダウンサイジングターボなんて本当に欲しいの!?」なんて率直な疑問を投稿するたびに、「もう世の中の流れはそうなっているんだから抗うな!!」と完全に悟り切ったかのような強い口調のコメントがしばしば届きました。「1.2Lターボ&DCTこれが宇宙の真理!!」「日本メーカーは開発費をケチっているから遅れているだけ!!」・・・あーあこれはもう何を言ってもムダだな。

  実際にそう思ったことは1回や2回ではなかったので、容赦なく「もう何を言ってもムダのようですね・・・」と何度突き放したことでしょうか。人様にブログを読んでもらう身でありながら、そんな後ろ向きな気分になった自分の未熟さを今は情けなかったと恥じてはいますけどね。それでも同じクルマが好きなもの同士なはずなのに、電車が好きな人と「乗り物」について話している時のような噛み合わせの悪さを感じたんですよね・・・。

  そんな連中が「教義」を確かめ合う某掲示板などを覗くと・・・そこには
「ゴルフ7いいねー」「やっぱりもう時代はダウンサイジングだねー」「あのDCTの変速スピードに慣れちゃうともう日本車のCVTには戻れないよ」「さらに大衆車とは思えないくらいにインテリアの質感もいいしね」「ハンドリングもさすがドイツ車って感じ!!日本車ではこうはいかないよ!!」「リアサスも日本車のトーションビームだと怖くて乗れないけどVWのトーションビームはしっかり接地感がある!!」「飽きのこないデザインがいいよね。」

  ・・・これが最先端の自動車MODEな会話ってヤツですか。ただ単にオッサンライターが使い古した表現をなぞっているだけな気がするんですが・・・。ゴルフを運転した事がない中学生でもクルマ雑誌を読んでいればこれくらいのこと言えるんじゃねーの?失礼を承知で言いますけど、これは「ユーザーであることすら放棄」している!!そもそもクルマへの探究心が欠如している!!いやいやそれ以前に「思考が完全に停止」している!!そしてちょっとマトモなヤツが「(ゴルフ7は)アシがむしろ柔らかいくらいなのがいい!!」とかコメントしようものなら、「は?オマエは何いってんの?あれで柔らかいは無いだろ!!」と「ドイツ車=固め」というイメージを壊すような表現をするヤツは徹底的に放り出す・・・。

  「それにしてもエンジン音が軽いなー」とか率直な感想を言うヤツが現れると、スバルかマツダの工作員だと断定されたり、「日本車のチューニングされてもいないダサダサな音と一緒にするな!!」とかまたまた事実?を「教義」で徹底的に「修正」していきます。・・・もうこれ立派な「宗教」ってヤツじゃないですか?・・・教祖様は誰だ!?いろいろなヤツの顔が浮かんでくる。最近の諸氏の著作を読んでいると、アラフィフ以下の比較的若い世代のライターは、2013年頃とは全く逆の立場を取るヤツが増えてきました。一方で還暦組のS水(和)、K沢、K村はまだまだ「ダウンサイジングターボ」に未来があると思っているらしい。

  そんな連中の同年代と思われる人々から頂くコメントはもっと痛々しいです。1.4〜1.6Lターボなどの最大トルクがおよそ25kg・mくらいあると、メーカーやカーメディアは2.5Lエンジンと同じスペック!!みたいな表現をするんですけども、それを間に受けたようなコメントはキツいですね。ゴルフGTIの最大トルクは確かに35kg・mですけども、3.5L自然吸気エンジンを搭載したモデルとは加速の質感が全然違います(回転数が違い過ぎる)。ほぼ同じ車重のフェアレディZと同じスペックと言い切るのはとても無理。そもそもトルクの意味がわかってないんじゃねーの!?

  別にダウンサイジングターボが何の役にもたたないクソ技術だと貶しているわけではないです。この技術の本質は、トヨタのHV技術が届かない市場(インド東南アジアアフリカなど)で、より合理的に低速トルクの充実した走りをさせたいクルマにとっては大きなメリットがあります。(断定的に書くことはあまり好きではないですが)そんなことも解らないで3.5Lと同じスペック!!だと喜んでいる日本のオッサンはあまりにも痛過ぎる!!日本の恥だから黙ってろ!!信号地獄の日本の都市部ではなんのメリットもないですから、東南アジア優雅なリタイアライフでも送りながら、ダウンサイジングターボでも愉しんだらいいんじゃないですかね!?何が楽しいのか若い世代には全くわからないですけども・・・。

2017-02-18

ブログでちょっと叩き過ぎたか!?ゴルフと3erの販売低迷が止まらない・・・ごめん。

ルボランに2014・2015・2016年の主要輸入車の販売台数が一覧になっていましたが、あれれー・・・2012年にブログを書き始めて以来、事あるごとに批判してきたBMW3erとVWゴルフが見事なまでの右肩下がりを見せています。3erは2012年に、ゴルフは2013年にFMCですから、まあ順当な推移と言えるかもしれないですけども、もっと前から発売しているボルボS60などは逆に売り上げを伸ばしていたりします。旧型アテンザの設計でフロントサスをストラットに格下げしたシャシーを使った時代遅れのセダンがなんですが、ジワジワと伸びています。

VWゴルフに関しては北米での事件が日本市場には関係しないのに、大きく報じられてしまったことで2015年の後半から苦戦が続いています。鳴りもの入りで登場したMQBと呼ばれる新型プラットフォームを使う7代目ゴルフですが、先代と比べてGTIは進化しているけど、ベースモデルは「味」が薄まったとかいう声がちらほら聞こえます。「味」が薄いといえば日本車の代表的な「悪口」なんですけども、ゴルフと同じCセグのアクセラやインプレッサは代を重ねて重厚感がちょっと出てきました。日本車になりたいドイツ車と、ドイツ車になりたい日本車がクロスして立場が入れ替わったといっていいかも。

アクセラもインプレッサもリアがそれぞれマルチリンクとダブルウィッシュボーンを使っていて、ボデーのワイド化も含めて「安定志向」に振られています。売り上げも3台が三つ巴でどれも日本市場だけで20000台/年くらいは売れています。2014年に30000台を越えていたゴルフが、2016年には22000台まで下がりました。2016年は249万円に値下げして歯止めをかけようとしましたが、下げ止まりはせずに、独走していた輸入車ランキングでもとうとうMINIに追い抜かれました。

私の弱小ブログが散々にディスったからといって、売り上げに変化が出るとは思いませんが、やはり過去数年のVWを見ているとあまりにもお粗末な事例が噴出していて、ブランド全体として伸びる要素は全くと言っていいほど無かったです。ただ皮肉なことにブランド別でトップを独走するメルセデスに関しても、ほぼ同じことが言えるわけですが、その渦中の1台であるAクラスは前年よりもわずかながら伸びています。また派生モデルのCLAは2016年に一気にブレイクしました。・・・VWの味方をするわけじゃないですけど、CLAよりもゴルフの方がよっぽど良いクルマなんですけどねー。

Aクラス(A180)とゴルフ(トレンドライン)を比較したらやっぱりゴルフだった!!」という意見にはとても賛同できます。これは「A250とゴルフGTI」「A45AMGとゴルフR」の関係になってもやっぱりゴルフが貫禄勝ちです。これらの「お遊びのクルマ」に優劣を付けるなんて全くの蛇足ではありますけど。この局地的なゴルフの優越性を考えると、売り上げが伸び悩むVWの現状は受け入れ難い部分もあるかもしれないですが、やっぱり日本のユーザーってバカじゃないですから、これまでVWがやらかしてきた所業を見ているわけです。

簡単にまとめると・・・
1) マツダ&ボルボを擁するフォード陣営の前に4代目ゴルフが惨敗。
2) VWはフォード陣営からエンジニアをごっそり引き抜きフォーカスをコピーして5代目ゴルフを作る。
3) 6代目ゴルフからダウンサイジングターボの旗手として業界の注目を集める。当初導入された1.4Lターボ&スーパーチャージャーは、小排気量の欠点を2種類の過給器でカバーする革新的なエンジンとして絶賛されるも、いつのまにかエンジンの仕様が変わり1.4Lターボになる。当然に始動時の挙動が怪しくなる。
4) 割と短いタームで7代目ゴルフを投入。やはり始動時のトルクに難がある1.4Lターボと1.2Lターボを引き続き使うために、徹底したボデーの軽量化をMQB採用によって実現する。
5) 日本の研究機関から1.2Lターボの排気ガス成分が、国土交通省の2012年排ガス規制値においてNOxに関しては規制ギリギリであることが暴露される。当然に2017年に改正された規制値では完全に違反なので、次のゴルフの年次改良には新しいエンジン(1.5Lターボ)が載せられる見通し。
6) アメリカディーゼルの排ガステストを不正に抜けるディフィートストラテジーの搭載が暴露される。VW擁護派の言い分には日本やアメリカの規制は度が過ぎているというものがある。
7) スズキとの提携解消で訴訟問題に発展。

まあこれだけのことを巻き起こしているわけですから、日本で売れなくても文句言えないだろってところです。それにしてもMQBになったゴルフは日本車的な軽快感に溢れていて、福野礼一郎さんを始めとした還暦くらいのライターには若かりし頃のシャレードパルサーを思い出すとかで好評なようです。たしかにGTIの余裕なパワー、アシさばきの良さ、機敏過ぎないハンドリングは、なかなかの中毒性を持っていましたね。

  もう1台のBMW3er(F30系)もなんだか地味なクルマになっちゃいましたね。しかしまだまだ売れていて2016年も12000台程度は達成しています。500万円くらいするDセグセダンで発売から4年経っても月1000台売れるのは、クラウンとCクラスと3erだけですから、日本を代表する「ハイソカー」という地位は守っています。400~500万円のスカイライン、アコード、アテンザも月1000台はなかなか達成できない数字です。

  現行モデルになってCクラスの方が3erよりも売れるタームになりました。このクラスのボデー&インテリアなんてどれもそこそこに満足できるわけで、単純に価格をスペックから割り出した「お買い得度」で言えば、ガソリンターボもディーゼルも3erが勝っているんですけどね。3erの辛いところは、Cクラスに対して持っている優位さを、同じようにスポーティなグレードを持つジャガーXEやボルボS60によってもぎ取られているところでしょうか。

メルセデスはC180(1.6Lターボ)で台数を稼いでいるので、BMWも318i(1.5Lターボ)で対抗しようとしましたが、販売台数は下げ止まらなかったです。小さいエンジンでも満足するのがメルセデスユーザーで、ひたすらにスポーティに憧れているのがBMWユーザー・・・そんな立場の違いが明暗を分けているのかもしれません。あるいはもっと単純にインテリアのモダンさでCクラスが圧倒している!?という可能性もあります。色使いからして「大人と子ども」というくらいに両ブランドは差があります。

さらにあまり言われていない3erの難点を一つご紹介しましょう。コクピットに座って、ふと左斜め後方を見ると・・・あれ!?ってなります。なんだこの80年代だか90年代だかの古き良きセダンみたいな眺めは!!付いているはずのないレースのシートカバーがうっすら目に浮かぶ!!ブラウンのダコタレザーのせいか!?リアのサイドウインドーがデカ過ぎるのか!?Cピラーが細過ぎるのか?リアウインドーの趣きが乏しいのか!?これは今は亡きコロナチェイサーの景色じゃないか!?なんとなく柔らかい足回りもなんだかトヨタ車のようだし・・・。

  これが3erGTや4erグランクーペになると全然別の景色になっていて、最新のクルマに乗っている!!という満足感を得られますし、4erグランクーペはアシも引き締まっていて、ハンドリングも3erの派生車とは思えない出来映え。420iでもそこそこ満足できる仕上がりだったですねー。同じようなことを乗り換えのBMWユーザーも感じているでしょうから、3erと4erグランクーペのトータルがBMWのDセグ4ドアの正当な評価なのかもしれません。

  さてさて、ゴルフと3erが象徴する時代がいよいよ終わるのか!?ってことなんですけども、この両車に引導を渡すだけの求心力のあるクルマがあるか!?というと「無い」ですよねー。ホンダシビックが2台まとめて蹴散らすんじゃないか!?という気もしますが、国沢光宏氏が「絶対売れないのに、狭山にラインを作ったホンダは大丈夫?」なんて断言してましたからやっぱり売れないのかな(笑)。ゴルフがC-HRに、3erがジュリアに追われる!?なんかいまいちその状況が浮かびませんねー。


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↓ゴルフや3er的な旨さのウイスキーかも!?

2017-02-06

プロトエンジニアリング

  トヨタ86が登場した2012年頃からでしょうか? これまでのクルマの価値感がガタガタと崩れて、「憧れのクルマは!?」と訊かれて、「GT-R」とか答えるのがなんだかちょっと小っ恥ずかしくなった気がします。クルマへの願望がリアルからエアになった!?とか言われますけども、20年前の比べて若者の経済力が無くなったわけでもなく、売れなくなった主な理由は、20~30代にかけて仕事が忙しくて海外転勤だって多いですから、クルマ趣味を育む環境も与えられない(けど経済的に恵まれている)若者は確かに増えたかもしれないです。そういう意味ではクルマを買わない(=エア)ままで憧れを語る人も多いかもしれません。

  実際には買わない!!となると「憧れ」そのものはどんどん肥大化していった結果、「アウディR8」や「アストンマーティンDB11」のような日本で1年に100台売れるかどうか!?くらいのクルマにばかり関心が移っていきました。それ以外のセダンとかSUVとか今ではあんまり興味なくなっていて、実際のところ「C-HR」とか「新型CX5」とかマジでどーでもいい感じです。それとは別に「R8」や「DB11」みたいに2000万円を越える価格を提示できるクルマは、それはそれでいろいろな意味を持っていて、まずはそれだけ「クルマ造りに自信がある」ということの証明になります。あの高級車ブランドの代名詞であるメルセデスですら、さすがに2000万円という価格設定には躊躇します。スペシャルなショーファーカー仕様のSクラス、あるいは「AMG」の最上級レベルのモデルでも無い限り、2000万円ではマーケット的に成立しないと思われます。

  メルセデスの長い歴史で高性能GTクーペとしてその名を刻んだ「300SL」の時代から早くも半世紀が経過しました。バブルの頃まではメルセデスの高いエンジニアリングが認知されていましたが、現在では1000万円で世界最速に限りなく近づけるGT-Rが広く知られるようになって、メルセデスAMGの存在意義はすっかり薄まりました。まだまだ最速の4ドアセダンという看板は維持していますが、ヤクザ以外にE63AMGを必要とする人はいるの!?メルセデスが2000万円を提示できない根本的な原因は、メルセデス車全般が200万円そこそこのトヨタ車にすら及ばない水準のエンジニアリングだということが完全にバレているからです。ここ数年でベンツの新型モデルを試して、インテリアのセンス以外の部分で感動した!!って人います!?

  300万円で買える「プリウス」「マークX」「ハリアー」に比べて、同じ300万円の「A180」ってあまりに落差があります。失礼ですが、日本車とインド車くらいハッキリと違う。エンジンの抑揚も、ミッションの品質も、アシ回りのフラット感も、車内の静粛性も・・・。これがCクラスになってもEクラスになっても同様の不満がいくらかマシになることはあっても無くなることはないです。まあそれでもユーザーがそこそこ増えているのは、メルセデスのステータスが都内で乗り回すのにほどほどに丁度いいことと、現在のメルセデスがトヨタと大きく価格差が付かないような絶妙な落とし所をつくるなど、目一杯に日本市場を研究して価格設定しているからだと思います。もっともGT-R、R8、DB11が普通のクルマとどこが違うか!?なんてこと全く解らない人にとっては、メルセデスの設計なんてどーでもいいことですけどね。

  どうやら最近のドイツブランド(特にメルセデス、BMW、VW)の基本戦略は「クルマそのものは弄らないで、ユーザーの気持ちを徹底的に弄る」といったものです。クルマの開発費はやたらとケチっていて、広告宣伝費にカネをかける。そして必要な技術を得るために業績が傾いている老舗メーカーを積極的に買いあさります。メルセデスはクライスラーと三菱とスズキにちょっかいを出し、BMWはMINI、ランドローバー、ロールスロイスを買ったり捨てたり、VWはシュコダ、ポルシェ、スズキなどなど。デザイナーや技術者も他のブランドから節操なく引き抜きます。・・・まあそんな環境からは「マトモ」かもしれないけど、無理して買いたい!!って思えるような傑作車は出てこないですよね〜・・・。日本メーカーがどっかの海外メーカーを買収した!!って話はまず聞かないですよね。自前での開発こそが大切だとわかっているメーカーにとっては、ドイツメーカーの行動はほぼほぼ意味不明です。

  R8やDB11への「憧れ」を隠さない「エア」な人々は、本能的に実用車において「空洞化」が激しく進行していることを察知しているんだと思います。「Aクラスとか1erとかたとえ乗り出し100万円でも要らないレベル」この言葉の真意がわからない人は、ある意味でとっても幸せな人です。そーいうクルマで満足できる人々は羨ましい。去年は日本車が不作だった!!とか言われてますが、確かに絶対数も少なかったし、200万円のトヨタ車や700万円のメルセデス車と互換性が高いだけの徹底した「実用車」しかなかった!!という意味では「不作」でした。インプレッサもスバルが出遅れていた次世代シャシーがやっと登場したもののそれ以上のインパクトは無かったです。旧型シャシーでは現行フォレスターのデビューモデルの乗り心地がヒドかったり、自信作であるはずのWRX・S4がスポーティでもラグジュアリーでもないビミョーだったり・・・と次々と期待を裏切るメーカーだったですけども、マツダやトヨタとの差がちょっと埋まったかもしれません。

  R8やDB11への「憧れ」とは、裏を返せばある種のクルマの誕生を渇望する禁断症状とも言えます。「クルマへの情熱を失ったマーケット」や「チャレンジ精神の欠如したメーカー役員」や「サプライヤー主導の技術導入」といった数々のクルマをつまらなくするファクターを全部振り払って、歴史に名を残したい!!というメーカー開発者の「エゴ」が存分に発揮された意欲作を待っているんです。R8、DB11、NSXといった高額なモデルじゃなくても、そういうクルマは作れる!!例えば「ルノー・トゥインゴ」「ホンダS660」「マツダロードスター」そして「トヨタ86/スバルBRZ」・・・。なんでこれらのクルマ(スポーツカー)が良く売れるようになったのか?トヨタ・アルテッツァ、アルファロメオ156やマツダGGアテンザみたいな、開発者の「エゴ」が丸出しの4枚ドアのプライベートなGTセダンがことごとく消えてしまったからだと思っています。

  昔のトヨタ(2000年頃)はたった1つのカローラの設計に、あらゆるレベルの「エゴ」を放り込んでました。3BOXでサイドラインが美しい2ドアの「レビン」。全高低めの3ドア・ファストバッククーペの「セリカ」。欧州戦略用に作った5ドア・ハッチバックにYAMAHAチューンの可変バルブタイミングの高回転エンジンを載せたホットハッチ版の「ランクスZエアロ」。挙げ句の果てにはランクス後継の「ブレイド」に3.5LのV6を搭載するトヨタ版・ゴルフR32みたいなモデルまで登場しました。150万円くらいで買えたカローラにこれくらいのバリエーションがあって、さらにアルテッツァやスープラまであったわけですからね〜。その後は奥田碩会長・張富士夫社長というコンビの時代となり、語弊を恐れずに言うと(豊田章男社長の談話から推測するに)トヨタから「エゴ」が消えました。

  奥田・張時代に生み出されたトヨタの看板モデルといえば、ミニバンの概念を完全に変えた傑作ミニバンの「アルファード」です。そしてそのアンチテーゼとして作られたらしい「トヨタ86」は豊田章男時代の幕開けとなりました。とんでもなく大雑把に分けると、日本で発売されているクルマは「アルファード」路線か、「トヨタ86」路線のどちらかに色分けできます。家族で使うクルマなら「アルファード」が一番です。高齢な母親を乗せるにもとってもいい選択ですし。電動スライドドアなんてなんとも贅沢な設計です。メルセデスもBMWも敢えて分類するなら現行モデルの全ては「アルファード」路線といっていいです。M2/M3/M4がアルファードだって!?ドライサンプでもない、トランスアクスルでもない、超軽量設計でもない、専用シャシーでもない・・・。ごくごく普通のタイヤが4つとナビが付いて、ミッションは200万円のルノー車でも使われているような、ゲトラグ製のありふれたDCT。そしてアルファードのような押し出し感を意識したフロントマスク。・・・これに「エゴ」を感じますか!?

  2012年の段階ではまだまだ不鮮明でしたけど、これからの新型車は「素性」で決定的に立ち位置が決まっていくんじゃないでしょうか。最初の設計段階(プロトエンジニアリング)で間違えたらもうダメ・・・。たとえばプジョー308やマツダ・アクセラのようにいくらハイテク要素を見せつけたからといっても、最初に「アルファード」的なスタンスを採ってしまったら、あとは徹底的にファミリーユーザーに媚びないと売れないと思います。メルセデスもBMWも「We are ファミリーカー!!」と開き直ったモデルの販売が好調なようです。プジョーもマツダもスバルも中身はファミリーカーなんですけども、ファミリーユーザーに媚びる姿勢は出して無いですね。だから日本では不調なんでしょう。・・・この3メーカーのイタいところは、「中身が無い」ことがすでにバレているのに、必死で「ある」フリをし続けているところです。もちろんロードスターやBRZ以外の話ですけども。

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2017-01-11

安全なクルマとは・・・輸入車大好きなバブル世代に教えてあげよう!!

  アメリカで発売されている数多くのモデルの中で、「最も安全な23車種」というのがIIHSから発表されました。そのモデルとは・・・

「シボレー・ボルト」「マツダ・アクセラ」「ヒュンダイ・エラントラ」
「トヨタ・カローラ」「トヨタ・プリウス」「ホンダ・アコード」
「マツダ・アテンザ」「日産ティアナ」「スバル・レガシィ」
スバル・レガシィアウトバック」「レクサスES」「ジェネシスG80」
ジェネシスG90」「マツダCX3」「日産エクストレイル」
「三菱アウトランダー」「スバルフォレスター」「トヨタRAV4」
「ヒュンダイ・サンタフェ」「レクサスRX」「メルセデスGLE」
クライスラー・パシフィカ」「ホンダリッジライン」

圧倒的な日本車と韓国車のオンパレードに対してドイツ車がなんと1台とアメ車が2台だけという、予想こそしていましたけども、なかなか衝撃的な結果です。やたらとドイツ車が大好きな自動車ライターの連中は「アメリカ向けの日本車は全く別の仕様」だとか「欧州車にとってはアメリカは衝突の基準が違うから全く意味がないテスト」だとか、必死に「言い訳」を考えてくれるわけですが、どんな基準だからといっても、一定のテストで良好なスコアを残せないドイツ車を「安全」と言い切るのはだいぶ無理があるような気がします。まあこれに関してはあまり断定的なことは言いたくないですけどね・・・。

この中で日本未発売モデルは、アメ車2台とヒュンダイ4台にホンダリッジライン、レクサスES、トヨタ・カローラ(日本とは別のクルマ)の9台で、残りは14台は日本でも絶賛発売中です。スバル、マツダ、トヨタ(レクサス)が3台ずつ、日産が2台、ホンダ、三菱、メルセデスが1台。事故で死にたくない人やバカだと思われるクルマに乗りたくない人は、黙ってこの14台から選んでおくのが無難かもしれないです。クルマもファッションと同じで、「攻める」要素と「合理的な」要素が合わさって「センス」になるわけですから、「VWは乗っても大丈夫かな?」なんて後ろ指さされることにビビっているような人は、とりあえずプリウスにしておけばいいと思うんですけどね。「プリウスなんて怖くて乗れないからゴルフ乗ってます!!」みたいなバブル世代の生き残りに遭遇することもあるかもしれないですが、もはやプリウスはゴルフを完全に凌駕している!!という事実を知っていれば「ドヤ顔」ゴルフユーザーが哀れに見えてきますよね・・・。

選ばれた23台を見てみるとDセグの日本車の異常なまでに衝突安全の高さが目立ちます。やっぱり選ぶなら「日本車」「Dセグ」「FF」がもっとも合理的な選択なのは全く変わってないです。カーグラフィックなどの日本のクルマ雑誌では完全に雑魚扱いのFFセダンですが、アコード、アテンザ、ティアナ、レクサスES(カムリベース)に加えてAWDのレガシィが、ドイツ勢(BMW3er、アウディA4、メルセデスCクラス)を圧倒しているのは5年前から全く同じです。もっとも5年前のドイツ勢はアメリカの新しいテストの前に大惨敗を喫してCクラスやA4など「POOR」評価が連発しました。これだけ安全なFFセダンなんですけども、日本ではセダンはやっぱりFRという固定観念が強いみたいでどれも販売台数はイマイチです。

日本では根強い人気のクラウン、Cクラス、3er。それにすっかり高級車として定着したレクサスISとスカイラインですが、北米で発売されていないクラウンは別としても今回も全部ダメみたいです。安全なFRセダンジェネシスブランドのヒュンダイ車だけ!?確かにラグジュアリーセダンとしては最後発なのがこのジェネシスで、もちろん設計も一番新しいですから有利です。ヒュンダイはレクサスやアウディに対抗するラグジュアリーブランドとして「ジェネシス」を立ち上げましたが、ブランド開設に際して相当に気合いが入っていたようです。27年前にトヨタが「レクサス」を立ち上げる時も当時の常識を根本的に塗り替えるような画期的な「LS」(セルシオ)を作って世界を驚かせましたが、その再現を狙ったようですね。

ヒュンダイはかなり広範に渡って「ジェネシス」専用の装備を開発したようで、独自の設計でLクラスセダン(これはキアと共有)を作り、さらにメルセデスやトヨタに勝つために縦置きミッションも傘下のヒュンダイパワーテック製を投入してきました。BMWの置かれているヒドい有様を見ていて汎用のZF製ミッションを使っていては逆立ちしてもメルセデスやレクサスには絶対に勝てない!!と判断したようで、「本物の高級車ブランド」としての道を歩み始めました。Sクラス、LS、キャデラックCT6といった1000万円クラスのLセグセダンに堂々の仲間入りを果たしています。

  衝突安全基準(IIHS)に話を戻すと、この手のテストでは上位の常連であったはずのボルボが今回は1台も無いなんて・・・5年前は日本勢と並んでトップ評価だったのに!!! ボルボは日本市場においても「最先端」のセーフティを謳っていますが、北米のテストから一気に消えたのはとても気掛かりです(ホントに大丈夫!?)。たしかに一時期のボルボはアメリカからの全面撤退も視野に入っていたようですが、新しく中国資本をオーナーに迎え、再び北米を狙う大型モデルを次々と発売していて、日本にもいよいよXC90に続いてS90/V90が投入されるようですけど、「安全のボルボ」というお墨付きがあれば日本でもチャンスがあると思っていたんですけどね。ちょっとがっかりです。マツダの旧型シャシーを使っている時分は世界最強だったのですけどね。

  この結果を見ると、やっぱりなんだかんだいっても、自動車メーカーの力というよりも、製鉄業の発達した日本や韓国が圧倒的に有利なんだなーと思います。欧州では高級車を中心にスチールに変わりアルミボデーが大流行していて、メルセデスもジャガーも軽量化による燃費の向上と、ラグジュアリーカーに必須のエキップメントを充実させても車重が1600kg程度に収まるくらいのクルマを作っています。良く言えば経済性や環境性能とクルマの性能を両立させるバランスの取れたクルマなんでしょうけども、逆に言えば10年くらい前のやたらと軽い日本の高級車みたいな設計だと言えます。BMW、メルセデス、ジャガーがどんどん軽くなっていって、欧州の衝突安全基準(ユーロNCAP)でもVWの新型SUVティグアンにジャガーXFやEクラスといった高級セダンが負けるなんてことが起こっています。

  もうアルミで勝負するしかない!!という欧州勢に対して、日本や韓国ではアルミ化を検討している自動車メーカーに、スチールの会社がアルミよりも軽くて丈夫な設計の持ち込みで提案してくるんだとか!!日本車や韓国車がなかなかアルミ化しない理由がコレみたいです。オッサンライターは日本車はアルミ化が遅れている!!みたいなことを書いたりしますけども、日本のアルミ精錬技術が低い!!なんて事実はないです。ホンダは初代NSXを作るためにアルミ精錬所を併設した工場を仕立てたりしましたし、富山県で作られるアルミホイールがイタリアスーパーカーで使われているので、富山で大災害が起こった場合は世界中のフェラーリの納車がストップするとか言われています。

  その気になればアルミを採用することもできるんですけども、衝突安全基準のシュミレーションをすると、日本メーかーが望む数値が出るのはスチールなんだと思います。BMW、メルセデス、ジャガーに加えてボルボもアルミ化が進んでいますが、いずれも衝突安全基準で苦戦するようになりました。もちろんこれらのメーカーにもアルミを採用する「理由」ってのがあって、沢村さんが言うには、衝突安全基準は下がるけども、捻れ剛性などはスチールよりも優れているんだとか・・・。とにかく素材ってのは奥が深いんだってさ。だから断定的なことは言ってはダメなんだってさ。さて2017年はこの問題を掘り下げてある程度の結論を出したいと思います!!今年もよろしくお願いします。


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2016-12-21

自動運転の時代が来る!!だからどうした・・・?

  今年も「間違いだらけのクルマ選び」が発売される季節になりました。故人となられた徳大寺さんから、このシリーズをバトンタッチした島下泰久さんですが、相変わらず「ひたすら真面目」に書いておられます。素人が上から目線で恐縮ですが、自動車評論家というお仕事は、「ユーザーの変わりに厳しい眼で市販車をチェックして伝える」という極々当たり前のものから、「メーカーからお金を受け取って、そのメーカーに有利な情報を流す」というちょっとグレーなものまであると一般に思われてますが、読者のほとんどはいわゆる「カーキチ」なので、そんなもの読まずともスペック表(諸元表)から大まかな特徴は掴めますし、メーカーに有利な情報(プロパガンダ)を単純鵜呑みにする人も年々少なくなってきたように思います。

  結局のところ、多くの読者が望んでいるのはクルマに関する「深い洞察」であったり「ウンチク」であったり「業界情報」であったりなので、島下さんのような仕事をたくさん貰っているライターはその点を踏まえた書き方をしているように思いますが、一冊の単行本に自動車業界を詰め込むという仕事はやはり想像を絶するものらしく、島下さん自身が書くのに飽きてんじゃねーか?と見受けられる箇所もあったりします。1モデルに充てられる紙面も僅かなので深いウンチクを披露する場所も少なく期待していた読み応えとは程遠い内容でした(来年にまた期待します)。

  それともう一つ、自動車ライターの仕事の優劣を決定付けるのが、ライター自身の「ライフスタイル観」でしょうか。どのクルマも本来の「機能」に加えて「文化的側面」が合わさって「商品」を形成しているものですが、それらをまったく無視して書かれているレビューを見ると、まるで素人の「アウディA3に感激です!!もう日本車には戻れません!!」みたいなごくごく主観的な感想と大して変わらないわけです。島下さんもこの本の序盤で「自動運転の時代」がやってくる状況に対して「2040年の『間違いだかけのクルマ選び』はどうなってしまうのだろう?」と、なんとも呑気に「突っ込みどころが満載」なことを書いておられます。

  まずは島下さんは2040年までには完全自動運転が実現していると本気で思っているのか? どう考えても無理だろ・・・。20年以上前から飛行機の自動操縦は実現しているわけなので、技術的には可能なのでしょうけども、「可能」と「普及」では全く意味合いが違いますし。100万歩譲って2040年に市販車の多くが自動運転になったとしましょう。だから何だって?島下さんが言うには「そうなったらBMWやマツダは買わないだろうな・・・」って。たとえ自動運転が普及したとしても運転を愉しむ趣味が完全に奪われるとは思えないのですけどね。むしろスポーツカーという一定のマーケットはおそらくかなりの確率で残るんじゃないでしょうか。もしスポーツカーが2040年に全く売られなくなる!とするならば、そりゃ島下さんのおっしゃる通りだと思うんですけどね。

  そもそも「間違いだらけのクルマ選び」を2040年まで続けるんだ!!ってことにビックリです。もちろん頑張って欲しいですけども、このシリーズの本当の「転換点」は2040年ではなくて、まさに今現在だと思うんですよ。「完全自動運転」が到来しようがしまいが、すでに現段階で「走りの良さ」で勝負しているモデルと、「そうではない」モデルとではハッキリと立ち位置が分かれていてそれぞれに別のユーザーを囲いこんでいます。もはや完全自動運転のクルマと同じように、運転の楽しさなどは不問にしていいようなザ・「ファミリーカー」は、HV&CVTの普及とともに着実に増えています。それなのに国産の大部分のモデルを列挙して島下さんの主観で走りの良し悪しをベースにクルマを採点するわけですから、読んでいる側はシラけますよ!! すでにこのシリーズのフォーマットに無理があるんじゃねーの!?走りにキレが無いファミリーカーを片っ端から切り捨てて何か楽しいですか!? マツダ、レクサスの高性能なステップATを配したモデルが圧倒的に優勢になるのは当然じゃないですか? そりゃCVTでエコ運転するトヨタやホンダのファミリーカー相手に負けるはずがないじゃん・・・。

  「完全自動運転」によってシリーズが危機に立たされる未来を憂いてる場合じゃなくて、現段階で「走り」自慢のクルマの性能がどれほどのもので、運転を愉しむ為に買っても後悔しないクルマがどれなのかハッキリさせるべきだと思うんです。CVTのエコカーに「走りがイマイチ」なんて下劣なコメントは一体?誰得なんだ!! そんなムダなエネルギーを使うくらいなら、走り自慢のクルマばかりを集めて、誰もが納得するような強烈な筆致でもって「走りのチャンピオン」を独断と偏見で認定!!してほしいものですね。失礼ですが、それくらいの企画力が無いと「完全自動運転」がやって来る前にお仕事無くなっちゃうんじゃないでしょうか?

  せめて日本市場でよく売れている輸入車に関しても取り上げて同じような採点をすべきだと思います。少なくともゴルフ、MINI、Cクラス、CLA、Aクラス、3er、2erアクティブツアラー、ポロ、X1、Bクラス、500X、V40、1er、208、308といった販売台数上位のモデルは入れるべきじゃないですか? 確かに日本車と輸入車の比較はいろいろとリスクはあると思いますよ・・・。某有名ライターF氏のように、レクサスISがBMW3erに完全勝利した!!と宣言して輸入車好きからの支持を失ったり、ゴルフ7を絶賛したはいいものの、多くの読者から執拗にツッコミが入れられ、事あるごとに連載でその言い訳を書き続けたものの、最終的にはVWに関する様々な疑惑が持ち上がって窮地に追い込まれる・・・という悲しい結末になったりするかもしれません。

  それでも誰が何と言おうとも、勇気を持ってゴルフvsアクセラやレクサスISvsBMW3erを徹底的に分析した有名ライターF氏は讃えられるべきだと思います。VW、マツダ、レクサス、BMWのいずれもが「走り」を良くしようと奮闘して世界の最前線で戦っているという自負を持って開発を行っているのに、燃費やラゲッジの広さやインパネの質感で優劣を決めちゃおうとするなんてクズのやる事です。「走りの質」という数値化できない「主観的」な領域だからこそ、専門のライターが必要になってくるんじゃないですか? 素人がブログを書いてるだけでも、内容が気に入らない連中が「何とでも言えるよな(笑)」とか書き込んできますが、クルマの走りなんて「エゴ」剥き出しで判断することに意義があるんじゃねーの?って思うんですけど、それを全く理解しない「つまらない人々」もいるみたいですね、そういうアホはブログなんて読まないでブランドHPのスペック表でも見てればいいじゃん!!

  さて一冊を通して読んで島下さんが多少なりとも熱くなっていると感じるモデルは、「ノートe-POWER」「アコードHV」「シトロエンC4カクタス」「86/BRZ」「マークX」の5台ですね。いやー!これは一般のクルマ好きとかなりシンクロした面々じゃないですか、さすがは売れっ子ライターですね、すばらしいバランス感覚です。ぜひこの5台を熱く語った島下泰久の「裏・間違いだらけのクルマ選び」も発行してほしいなと思います。

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