ラノベ部 読了

ラノベ部 (MF文庫J)

ラノベ部 (MF文庫J)

物部文香はごくごく普通の高校一年生。高校に入学して一週間、今まで通りさして特徴のないごくごく普通の毎日を送ってきた文香だが、ある時ふと気がつくと軽小説部、通称『ラノベ部』に所属することになっていた…!かといってたいそうな事件が起こることはなく、ライトノベルを読んだりちょっとだけ変わった友達と友情を育んだり、一風変わった先輩に絡まれたりと、楽しく日常を過ごしたり過ごさなかったりしていた。そんな、どこにでもありそうな、でもどこにもなさそうな日々が繰り広げられる新感覚ライトノベルのはじまりはじまり。

 平坂読の4つ目のシリーズ。刊行順に読んでいくと作者の筆力の向上が少しずつ感じられていいもんですな。
 
 まさしく、ライトノベルだと思った。読むのにかかった時間、1時間ちょっとだからね。なのに、内容はけっこう鋭いとこをついているのがスゴイと思う。
 本編でも言ってるんだけど、とにかく楽しむことが大切なんだよね。この作者は本当にライトノベルが好きなんじゃないかな。珍しくというかなんというか、あとがきもマジメ。ここまで作品を読んできた人間からすると、なんだか感慨深いものが・・・・・・(笑)

 あるあるネタも、なかなかにいい。あとは、フォントいじりはもちろんのこと、直筆解説図が衝撃すぎる。まさかこんなん出てくるとはww
 本当に読みやすいし、とてもいい内容なので、はがない読んでこれをまだ読んでない人は読んだ方がいい! はがないの新刊が出るまでのつなぎにとかさ!!


 とか偉そうなこと言ってるくせして、自分はまだはがない読んでないんですけどねー。

グラスホッパー 読了

グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)

「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに―「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。

 ちょーっと惜しいかなあ。つまらないってわけじゃあないんだけどね。物足りないというかなんというか。続編にあたるマリアビートルはべらぼうに面白いらしんだけど。ま、それの文庫が出るのはおそらく2013年だから読めるのは当分先のことになりますな。

 あらすじにもあるとおり、殺し屋たちが主人公の、物騒な小説。といっても、鈴木はそうでもないか。
 それに蝉もただ殺してるだけだし。いや、人を殺すということに「ただ」ってのもおかしいとは思うけど。
 一番危ないのは鯨だと思うんだよね。だって、自殺させるんだよ? 俺に会った奴は自殺していくとか、さらりと言うけど、相当に現実離れしているしおかしいことなんだよね。
 で、読んでて思ったんだけど、そんなに疾走感に溢れてたかな、って。むしろ着々と距離を詰めるような雰囲気だったと思うんだけど。むうぅ、この作品に限ったことじゃないけど、あらすじを考える人は巧いと思う。


 ・・・・・・あらすじを考えるのって編集だったっけ、確か。