わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

妖猿

catkicker0012005-07-28

 べったりとかいた寝汗を風呂で流してから身支度するのが夏の朝のはじまりだと思っていたが、いよいよ夏も本番となったここ数日、それほど不快な朝を迎えたことはない。汗よりも分断される眠り、その浅さの方が気になってしまう。花子、日中の態度は窓辺にもたれかけたり机の上に寝ころんでみたりとすっかりいつも通り、抜歯のショックや痛みからは立ち直れたようなのではあるが、夜になると情緒不安定な部分が出るのか、抜歯直後にあまやかしたので惰性でつけ上がっているのか、とにかくわがままが多くなる。三時にゴハンをせがまれた。量を少なめにしたら、もっとくれとせがまれた。あまり好きでない缶詰めにしたら、これはキライといって食べない。そんな日々がつづいている。ニンゲンの子どもがこんなことをしたら叱り飛ばすところだろうが、花子の場合はそうはいかない。叱るという行為がもっているらしいニンゲンの怒りの感情、負のエネルギーのようなものに、花子の精神は敏感で、おまけにすぐに影響を受けるからだ。薄くて、曇りひとつない鏡。花子はそんな猫だ。扱いを間違えば、割れてしまうかもしれない。

 五時三十分、起床。七時、事務所へ。首からハガキ大のカードをぶら下げた小学生をよく見かける。ラジオ体操だろうか。
 ITベンダーのPR誌の記事に終始する。今日も最高気温は三十五度を越えたらしいが、ほとんど外に出なかったのでわからない。座敷牢に軟禁された人物の話というのは陳腐でよくあるもののリアリティに欠けると思っていたが、案外その発想は仕事に追われ、追われ、追われつづけて一歩も外に出られなかったときの心境が生み出すのかもしれない。なら、なおさら陳腐だ。
 カミサンの知り合いのZさんの猫が死んだそうだ。享年二十歳。

 二十時、終了。涼やかな夜風が心地よい。あちこちで夕涼みする猫を見かけた。アスファルトに、パタンパタンと倒れている。
 
 夜、ドラマ「電車男」。あぶなっかしいドラマだと思う。視聴者に「ここは泣くところ」「ここらへんは遊びですから笑って観流してください」と楽しみ方を強要しているからだ。もっとも、その強要通り素直に観なければ、この作品を楽しむことはできない。
 
 活字の読書はせず。「週刊モーニング」。それと、昨日から諸星大二郎西遊妖猿伝』を読み返している。諸星大二郎の最高傑作。楽しむだけなら『栞と紙魚子』のほうがおススメだけれど。
 

諸星大二郎西遊妖猿伝(1)』
西遊妖猿伝 (1) (希望コミックス (300))