わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

イガグリとの遭遇

 五時五十分起床。夏の暑さを体の奥のほうでまだ引きずっているようで、明け方の肌寒さに、あわないピースを無理やりねじ込んだジグソーパズルのような違和感を覚えた。
 曇天の空を鴨が横切った。
 仕事。午前中は事務処理、午後は某企業(業種は言えない)パンフレットなど。
 夕方、カミサンと散歩へ。わが家から五日市街道のほうへ歩いて行くと、住宅街のなかで突然、ポトポトと落ちているイガグリに出くわす。そのすぐそばに、栗畑がある。このあたりの地主さんのようなのだが、ご自宅で採れた栗を直販してくれている。いつも夕方から夜にかけて散歩しているので買う機会がなかったのだが、今日こそは、と買ってみた。帰宅後、カミサンが下ごしらえをしてくれている。栗ご飯だの、栗のお菓子だの、いろんなものに化けさせる予定(多分ぼくは調理しないけれど)。楽しみ。

田中慎弥「燃える家」(1)

 三章目の視点は教師。セックスの話からキリスト教の信仰の話へ。
 ちょっと阿部和重の『シンセミア』に似ているような。しかし根本的なところがまったく違う。『シンセミア』は表層的な部分で悪巧みだの悪趣味な行為だのにふけっていると突然奇妙な深みにドーンと落ち込んでいくような感覚があった。一方、本作は、妙な考えを持つ登場人物たちの内面や記憶をひたすらえぐり出すように描写しつづけている。その先に何があるのかは、まだよくわからない。

群像 2010年 11月号 [雑誌]

群像 2010年 11月号 [雑誌]

犬と鴉

犬と鴉

シンセミア〈1〉 (朝日文庫)

シンセミア〈1〉 (朝日文庫)

シンセミア〈2〉 (朝日文庫)

シンセミア〈2〉 (朝日文庫)

シンセミア〈3〉 (朝日文庫)

シンセミア〈3〉 (朝日文庫)

シンセミア〈4〉 (朝日文庫)

シンセミア〈4〉 (朝日文庫)

田中慎弥の作品はこちら。
阿部和重の作品はこちら。『アメリカの夜』と『インディビジュアル・プロジェクション』はスゴかった。最新の話題作『ピストルズ』は未読。