わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

だからヨウジヤマモトは偉大なのだ

 夜中に小刻みに起きているせいで、なのかどうかはよくわからんが、夢の内容を近ごろはまったく思い出せない。夢は必ず見ているらしいから、覚える必要のない、箸にも棒にもかからぬ内容の夢ばかりをムダに見つづけているのかもしれない。もっとも、夢の大半は、少なくとも他人にとってはロクでもない内容でそこに価値を見つけるなんてことは至難の業だ。夢のお告げ、というのであれば話は別だが。六時起床。
 身支度、掃除、麦次郎の皮下輸液(200cc。食欲が落ち、朝に吐いたので心配したが、食欲増進のお薬を与えたらすぐに復活し、ばくばくとゴハンを食べ、いつもどおり元気になってくれた)などを済ませ、十一時過ぎにカミサンと外出。天王洲アイルにあるイタリア料理店でパスタランチ(カミサンはほうれん草とワタリガニ、ぼくはベーコンと菜の花と筍)を食べてから、毎シーズン楽しみにしているヨウジヤマモトのセールへ。以前は山本耀司さんが所属していたレコード会社の方から案内状をいただいていたのだが(ぼくが学生時代からヨウジのファンだというので取りはからってくれた)、今はその会社自体がなくなってしまったので、直接会場に出向いている。今年は会場が変更になったようで、場所がわからず、しばらくムダにさまよってしまった。今年はお客が少なめだったかな。全身ヨウジ、という人は、ぼくら夫婦とスタッフのほかは、あまりいなかったような気がする。剣襟シングル1つボタンのウールギャバジャケットとヨウジにしてはタイトめのウールギャバパンツ、墨色の長袖シャツ、ワイズ最終シーズンのときのコットンジャケット。ワイズマンダリーナのビジネスバッグも買おうかと思ったが、大量の本を入れたらハンドルがぶち切れそうだったのでやめた。カミサンはショートジャケット、スカート、カットソーなど。時代の流れからすれば、完全にヨウジはアウトサイダー。だがそれは、見方を変えれば時代に左右されない服作りをしているということ。ギーブズ&ホークスみたいな背広の歴史とともに歩んできた超老舗ではないというのに時代に左右されずにブランドが存在しつづけるというのは(経営危機に瀕してはいるが)、とんでもなくすごいことだ。

たかが服、されど服 -ヨウジヤマモト論

たかが服、されど服 -ヨウジヤマモト論

Yohji Yamamoto (Memoirs)

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ちぐはぐな身体―ファッションって何? (ちくま文庫)

ちぐはぐな身体―ファッションって何? (ちくま文庫)

 夕方、帰宅。どら焼きをバクバクと食ってしまった。
 夕食は餃子など。

青木淳悟「私のいない高校」

 修学旅行が少しずつ近づく。物語としては他愛もない、しかし当事者からすればとんでもなく重要な問題やトラブルが地味につづく。それに取り組む担任の姿もまた、まったく感情移入できないというくらい地味。なのにおもしろい。おそらくこのおもしろさは、留学生の受け入れだの修学旅行の準備だの健康診断の様子だの、といった出来事を、冷静に、客観的に、そしてできるかぎり緻密に、しかしシンプルに、語り続けているからだろう。

群像 2011年 02月号 [雑誌]

群像 2011年 02月号 [雑誌]

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