六時起床。眠いのか眠くないのかわからない目覚め。まぶたもアタマも重いのに、体は起き上がって一つ一つしっかりと身支度をこなしている。
掃除。麦次郎が押し入れに入ろうとしたので抱きかかえて阻止したら、病院に連れて行かれると勘違いしたらしく、しばらく挙動不審になっていた。ごめんよ、麦。
十時、外出。十一時、都内某所着。代理店の営業の方、デザイン会社の方、ぼく、の三人で某漢方クリニックへ。某雑誌の記事体広告のための取材を行う。漢方医というと仙人ヒゲと陰陽五行、というイメージを勝手にいだいていたが、お会いした先生はまったく違うタイプ。東京マラソンに出場したアクティブ派で、伝統的な漢方ではなく、現代人のライフスタイルにマッチした自由度の高い、いわば「新漢方」のようなことを実践している。陰陽などの東洋思想はしっかり吸収した上で、多くの現代人には直感できないことだし理解もしにくく説明もしにくいという理由から、そこをうまく避ける方法を心得ている。自分の信念と患者視点、両方をバランスよく持ち合わせた方。刺激を受けた。
午後より書斎にこもってひたすらライティング。まずは取材のテープ起こしから。時間がないので、要点をメモする程度のラフなスタイルにした。これでポイントを整理し、骨格を形作っていく。
夕方頃から花子が騒ぎはじめる。誰もかまってくれないので退屈らしい。何度か手を止め、だっこしたり、水を飲ませたり。
夕食は鶏肉のトマトソース煮込み。カミサンの得意料理。
川上弘美『真鶴』
真鶴で、何度も非現実世界に身を落としてしまう主人公。必ずそばには幽霊の女がいるが、彼女が原因というわけでもない。ふわっふわとした、非現実的な不条理。
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