わたしが猫に蹴っとばされる理由 〜雑食系中年男子の加齢なる読書日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2011-10-10

[]TVゲームコッペパン/すぎなみパン祭り

 ゲタさん、という渾名の同級生がいた。名字が「○毛田」(○には漢字1文字が入る)だったので、下の二文字を取ってゲタさん。小柄だが四角い顔をしていて下がり眉だったので、ホントにゲタっぽいのだが、そう感じていたのはどうやらぼくだけのようで、誰もゲタさんのことをカランコロンのゲタさんなどと呼んではいなかった。ただ、単にゲタさんだった。理由は知らないが母子家庭で、兄と二人兄弟。二人とも四角い下がり眉で、今思い出しても笑ってしまうくらいそっくりだった。母親もそっくりだったらもっとおもしろいのだが、父兄参観日に確認したらそうではなかったのでガッカリした記憶がある。失礼な話だが。TVゲームが大好きで、学校で禁じられていたインベーダーゲームや当時流行したパックマンなどが異様にうまく、たいして小遣いをもらえていなかったのでゲームなんて全然やらなかったぼくからすれば彼は超人だったのだが、時折見つかっては怒られ、ものすごくいじけていた。今でも彼が、教壇に立たされてこっぴどく叱られ、いじけながら、そしてちょっぴり怒りながら、半べそをかいて席に戻る姿をありありと脳裏に再現できる。小学三年から中学二年までおなじクラスで、三年生のときにぼくは新設された中学校に移転になったのでそれきりの関係になってしまったが、彼はその後定時制の高校に入学すると同時にうちの母が勤めていた会社に就職したから、彼の話は母からしょっちゅう聞いていた。そのゲタさんが、夢に出てきた。二人で一緒にパンを買っていた。小学校の校門のそばにあったパン屋さんのコッペパンだ。真ん中にナイフで切り込みがはいっていて、そこにたっぷりといちごジャムが塗られている。それを二人で、通学路に突っ立ってほおばっていた。このパン屋のパンは母が好きだったのでときどき買って食べていたが、ゲタさんと買い食いしたという記憶はない。ゲタさんは、そんな金があったら絶対にゲームをやっている。そういえば、彼は放課後になると必ず駄菓子屋にいたのだが、お菓子は買わず、店先に置かれていた1プレイ50円の、型遅れのゲームを延々とやっていた。食にはあまり関心がなかったようで、中学時代はときどき彼から給食の一部をもらっていた記憶がある。だからぼくはゲタさんと買い食いなんてするはずがないのだ。だが、夢のなかでは買い食いしていた。二人とも、黙ってほっぺいっぱいにパンをほおばっていた。ありえない内容の夢だが、妙に懐かしくて、少しだけだが涙が出てきた。五時五十分起床。

スペースインベーダー エクストリーム 2

スペースインベーダー エクストリーム 2

 朝のうちは、夜に突然降った雨のせいだろう、色は淡いが不思議と淀んだ雲に空が覆われ、涼やかだが妙に湿った空気が停滞しているような感じだったのだが、あっという間に雲は流れ、秋晴れとなった。掃除を済ませ、カミサンと歩いて阿佐ヶ谷へ。産業会館で開かれていた「すぎなみパン祭り」に参加した。たいして人はいないだろうと踏んでいたが、大間違い。大行列で、入場できるまで40分もかかった。馴染みの店も多かったが、まったく知らない店や知っているものの中央線沿線ではないので買う機会がない店もちらほら。買ったことのない店、知らなかった店、なかなか行けない店からいくつもいくつも、いろんな種類のパンを買った。帰宅後、買ったパンで昼食。いちばん気に入ったのは、「マダム シュープリーズ」のカンパーニュ。奇跡の味。店は新高円寺にあるので、頻繁にはムリだが、何かの折に買うことはできる。カフェも併設されているようなので、今度ぜひ行ってみよう。

 午後は家事ばかり。シャツにアイロンを当て、夏物と秋物を入れ替えていたら日が暮れた。

[]高橋源一郎「恋する原発

 デビュー二作目『虹の彼方に』と同名の章が登場。歴史や社会問題、国際問題とAVとが混沌となり、奇妙な世界観を構築している。初期作品に近いのだが、言葉遊びはほとんどなく、虚構世界ではなく実世界にしっかり根付いている感じがするところも初期とは大きく異なっている。

群像 2011年 11月号 [雑誌]

群像 2011年 11月号 [雑誌]

さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)

さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)

ジョン・レノン対火星人 (講談社文芸文庫)

ジョン・レノン対火星人 (講談社文芸文庫)

↓来月には単行本化らしい。

恋する原発

恋する原発

高橋源一郎の作品はこちら。

[]古井由吉『蜩の声』

 正確には「予約」。連作短篇集。連載中に読んでいたが、通読すると印象ががらっと変わるかもしれない。あるいはグッと深まるかもしれない。期待。

蜩の声

蜩の声

古井由吉の作品はこちら。あの世の音が静かに聞こえてきそうな、ここ数年の作品は必読。