熊をめぐる冒険

夏子の冒険 (角川文庫)

夏子の冒険 (角川文庫)

電車の中での愛読書がまたひとつ無くなってしまった・・・。
これは面白かったです。
三島由紀夫って今まで『潮騒』しか読んだことなくて、しかも、潮騒はなんか全然私好みじゃなくって、なんとなく三島由紀夫を敬遠してたのだけど、カバーがかわいいのと、あまりに読むものがなかったということで、読んでしまった!うちにハードカバーのお父さんの所持する三島由紀夫全集的なものがあって、それにはもっとメジャーな作品がいっぱい詰め込まれているんだけど、カビくさい本を読むのが好きじゃないので、手をつけずにいた三島由紀夫
マイナー(たぶん)から入るあたり私も天邪鬼だなぁー。まぁいいや。


夏子というハタチの我儘別嬪娘が、情熱を追い求めて男とふたり北海道で熊を追って旅する話。北海道をねぇ、熊をめぐって右往左往。いるかホテルは無いけれど。
これって、羊をめぐる冒険を彷彿とさせるなぁ、なぁーんて思って読みました。
夏子が最初から最後まで「これぞ夏子!」という様で読んでて小気味良い感じです。途中、恋によって夏子が若干脆くなってしまうのだけど、そんなありがちなとこも可愛くて素敵。
中盤でなんとなく、これ最終的にこうなるんじゃないかな・・と思ってた結末がそのとおりになったので、わかりやすい話なんだろうけど、なかなか良いとおもう、総じて。コメディー的要素の祖母・叔母・母の三人組が良い味出してます。
最後の解説を読んだら、羊をめぐる冒険がこれのパロディなんでは?的仮説があるということが書いてありました。ははーん。やっぱりね。羊をめぐる冒険の第1章は、「1970/11/25」となっているんだけど、これは三島由紀夫が自殺した日らしいよ。ほへー。

羊をめぐる冒険

羊をめぐる冒険

私は春樹作品のなかでは、たぶんこれが1、2位を争います。これは好き。ハードボイルドも好きだなぁ。ノルウェイの森は好きくない。たぶん10回くらい読んでるけど、すきじゃない。主人公が特に好きじゃないんだろうな。というか、ほとんどの登場人物が好きでない気がする。
この話は、読んでて、結構わくわく感を味わうことの出来る作品な気がする。
わくわく感。大事だよ。
また読んでみようかなー。羊。