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2010-06-07

ラノベにおける鉄道関連の表現の考察

ここをいつも見てくれている方は知っていると思いますが、私はラノベをよく読むと同時に鉄道マニアでもあります。

ここ最近ですが、鉄子ブームとか鉄道アイドルなどと騒がれたり、最近電車マニアのドラマもありました。

まぁ、悪い意味で鉄道マニアが事件や社会的問題にもなったりして、良い悪いはともかくここ最近目立ってますね。

そんな目だっている部分は、ラノベにおいてもちょろちょろと表現されていたりします。

今回は、そういった作品をいくつか抽出してみました。

そして、私が敢えてラノベ読者としてではなく、一人の鉄道マニアとして『これはマニア的にはどうなのか?』というところを考えます。


まず最初に言っておきますが、決して作品内容に付いて言及するものではありません。

大きく分けて考えたのは以下の項目

・作品内における鉄道表現の適正さ

・作品内における鉄道表現の使われ方

・鉄道表現を通して著者や編集に携わる人が、どれだけ鉄道マニアなのかwwww

こんなところです。


あくまで私個人の主観であり、またほとんどの作品は別に鉄道の専門的な知識や経験がなくても楽しめる作品が多いので、悪魔でもその部分に突出した場合という事です。

また、ここのブログは鉄道マニアも見に来ますが、鉄道に詳しくない方も見に来ています。

なので、悪魔でも詳しくない方に、鉄道マニアとはこういうものだということを説明しながら、どういうことなのか解説するという体裁をとっていこうかなと思います。

それでは作品をいくつか見てみましょう。

最近スニーカーが元気ない割には、そこそこ楽しめた作品でした。

私はこの展開結構好きです。

さて、この作品ですが鉄道マニアではなく、一般人でも舞台が富山県である事は分かっていると思います。

著者が富山県の出身のようですね。

確か『火見線』というのが出てくると思うのですが、これはJR西日本氷見線がモデルと思います。

さて、ここでこの路線を著者はこう書いています。

電車に乗る

この表現鉄道マニアからすればツッコミどころ満載ですww

なにがおかしいのかというと、モデルとなった氷見線は非電化の路線であるため電車は走っていません。

金沢支社富山地域鉄道部管理下のディーゼルカーで運転されています。

なので、鉄道マニアはディーゼルカーの事を"電車"とは言わないのです。

では一体なんと呼ぶのかというと『気動車』あるいは『ディーゼル動車』と呼びます。

しかし、一般の人は別に電車でも通じますし、もしくは列車とか世代の古い地元の方は『汽車』などと呼ぶ事があります。

ですが、マニアは『気動車』と呼ぶんですね。

著者は電車と敢えて書いているので、マニアでない可能性が高いです。

まぁそもそも、『気動車に乗る』とか書かれたら、逆に読者から『なんだ?こりゃ?』と思うでしょうから、電車という表現は無難でしょうね。


この作品は電車が降車に突き刺さるという謎の現象を解決しようとする、まぁ推理物というよりはファンタジーな作品でした。

そこそこ良かったです。

この作品ではその内容が豪快なせいもあるか、ちょっと無理があるだろうと思われる推理が登場しましたが、こんなシーンがありました。

地下鉄は地下で組み立てるんじゃない。地下に搬入するための大きな穴があるんだ。

地下鉄をどうやって入れるのか疑問に思う点を応用した推理に対するツッコミです。

さて、この表現ですがまちがってはいません。

しかしながら、完璧ではありません。

皆さんも地下鉄をどうやって入れるのか疑問に思った事があると思いますが、地下鉄は以下の方法で入れるのです。

1.道路がふたになっていて、地下鉄を入れるときにあける

2.車庫は地上にあるのでそこまで運ぶ

3.直通相手の会社に頼んで運んでもらう

この小説の台詞は1番に該当します。

おそらく著者はあまり鉄道に詳しくないので、調べたのだと思います。

そうなるとインパクトが大きい1番が一番面白いと思ったのでしょうね。

しかし現実として1番の方法は余り使われません。

ということで、東京の地下鉄はどうやって地下に車両を送り込んでいるのか?

・メトロ丸ノ内線、銀座線

丸ノ内線の中野車庫は実は地上にあり、搬入口が用意されています。

そこまで車体だけを仮の道路用台車に取り替えて、トレーラーに引かれて夜中の環状7号線を走ります。

ちなみに大井埠頭-中野車庫は陸送ですが、大井埠頭までは船などを使ってます。

なお、私は実際に環状7号線を走行する丸ノ内線の02系と遭遇した事があります。

台車などは先に車庫にもって行き待機しています。

その後、車体と合体させるのですね。

銀座線と丸ノ内線は赤坂見附で線路がつながっており、銀座線の車両は全車両が丸ノ内線を走行できるようになっています。

・メトロ東西線

東西線の車両はほとんどが常陸、東急車輛などで製作されてますが、これらの工場は全部JRと線路がつながってます。

JR貨物が車両工場からJRと東西線の接点である中野駅まで運んでくれます。

そこから東西線の車庫に持っていくんですね。

・メトロ千代田線、有楽町線、南北線、副都心線

東西線と同じく車両工場からJR貨物に運んでもらいます。

ただし、こちらは中野駅ではなく綾瀬駅。

そこから一度綾瀬工場にいれて整備して、メトロ線内を自走して各担当の車庫に向います。

千代田線の車両はそのまま綾瀬の所属ですが、副都心線は和光、有楽町線は新木場、南北線は王子と浦和になります。

実は霞ヶ関付近に千代田線と有楽町線を結ぶ連絡線があります。

鉄道に詳しい人なら知ってますが、アニメ『薬師寺涼子の事件簿』でも出てきたことがあるので、このアニメを見たことがある人も知っていると思います。

ここを通って、有楽町線に入り小竹向原に向えば副都心線にも入る事が出来ます。

さらに、有楽町線の市ヶ谷駅付近に南北線の市ヶ谷とを結ぶ連絡線も用意されています。

なので、綾瀬⇒霞ヶ関⇒市ヶ谷と千代田線、有楽町線を通って南北線にも入れるようになっています。

長くなりましたのでここまでにしますが、実際にはほとんどが地上の車庫に搬入するか、直通相手の会社の境界駅までJRに運んでもらうのが主流なんですね。

実際に種明かしをすれば、これが現実ですww

昔の漫才で『地下鉄はどうやって車両を入れているのでしょう?それを考えたら夜も眠れない』なんてものがありましたが、『上記のように入れている』とネタで話したら誰も面白みを感じません。

創作というのはこういった事実を書くより、派手なものやちょっと予想外の現象を書いたほうが受けがいいということですね。


Baby Princess〈1〉 (電撃文庫)

Baby Princess〈1〉 (電撃文庫)

Baby Princess〈2〉 (電撃文庫)

Baby Princess〈2〉 (電撃文庫)

この作品、絵師が鉄道娘担当の『みぶなつき』さんということもありますが、登場人物の中で9女である麗が鉄道マニアという設定なんです。

設定でそう決めた以上、じゃあマニアの私からしてどのくらいのマニアっぷりなのか考えてみました。

じつは以前にも書いたものがあります。

ライトノベル『BabyPrincess』

1巻では『E231系が〜〜』と叫ぶ9女麗の台詞があります。

この叫びは麗が所有するE231系の模型を、誰かに蹴られて思わず模型を握りしめたまま叫んでしまう麗の描写があります。

さて、このE231系ですがJR東日本の主力通勤電車の形式で、山手線、総武・中央緩行線常磐快速線、東海道や湘南新宿ラインなどで走っています。

麗が持っていたのは湘南新宿ライン、東海道線、宇都宮線ww、高崎線などで見られるタイプです。

E231系ですが、この形式のつけ方は旧国鉄形式といわれるもので、冠のEはJR東日本が他のJRとの重複を避けるためにつけるようにしたEASTの"E"といわれてます。

実は鉄道マニア同士の会話では旧国鉄形式の場合、数字だけを言えばどこの会社の所属でどんな車両なのか分かるので『系』を省略して言う事が多いのです。

なので、麗の叫びはマニア同士の会話ではないですが、独りよがりん叫びです。

したがって生粋のマニアであれば『E231が〜〜!!』と叫ぶのが如何にもマニアらしい叫びなんだけどなぁと思ったりもしました。

Baby Princess第2巻の麗の言葉

こちらの2巻では『土日は走っていない3000系も平日の通学時間帯なら並走シーンを見るのも夢じゃないもの!』と麗が話しています。

さて、3000系ですがこちらはJR以外の私鉄(JR四国は国鉄形式の型番を付けてない)がつけるような系列のつけ方です。

先ほどの旧国鉄形式は型番が重ならないようになっているので、系をつけずに数字だけで会話がすることが多いのですが、こういった型番になると今度はどこの3000系なのか分かりません。

ですので、マニアは冠に社名を入れて会話する事が多くなります。

リンク先でも調べましたが、3000系となのる車両は

伊豆箱根鉄道3000系電車

一畑電気鉄道3000系電車

伊予鉄道3000系電車

大阪府都市開発泉北高速鉄道)3000系電車

近鉄3000系電車

京王3000系電車

京阪3000系電車

山陽電気鉄道3000系電車

神戸電鉄3000系電車

西武3000系電車

秩父鉄道3000系電車

東急3000系電車

東武3000系電車

阪急3000系電車

福岡市交通局3000系電車

こんなにありますww

だから3000系だけでは分からないので、社名をつけて『●●3000系』と呼びます。

ですので、麗は本来は『土日は走っていない●●3000系も平日の通学時間帯なら並走シーンを見るのも夢じゃないもの!』と言うのが如何にもマニアらしかったなという事です。


ちなみに青字の神戸電鉄3000系は『破小路ねるのと堕天列車』で校舎に突き刺さった電車のモデルでもあります。


さて、最近始まった新シリーズ。

ラノベ業界の鬼才『鷹見一幸』大先生の作品です。

ここには下記の言葉が出てきます

客を運ぶために敷設された鉄道

これはかなり凄い書き方です。

普通の人なら『開業』『敷いた』等という言葉を使ったり、もっと砕けた言葉を使うところでしょう。

鉄道を開業させる場合、『路線を敷設する』という言葉は関係者かマニアくらいしか使いません。

日本語的には通じますし、間違ってませんがこれを見る限り、著者鷹見先生はかなり精通した作家さんということになります。

実は、ご本人自ら『私は鉄道マニア』と公言しています。

私も知っておりましたので、鷹見先生の作品の鉄道部分に関してはいかにも『らしいな』と思って読んでおりますww



今回はこれらの作品をあげてみました。

最初にも書きましたが、悪魔でも鉄道マニアの視点でその部分だけをピンポイントに見ただけのことで、決して作品がこれのせいでどうのこうのということではありません。

ライトノベルという作品が創作である以上、何も細部にこだわる必要はないと思います。

たとえば『最近では珍しくなくなったVVVFインバータの音を響かせながら、走り去っていく電車を私は見送った』なんて作中に書いても、『はっ?この著者なに書いているんだ?』となるだけです。

今回は鉄道マニア的な視点でしたが、銃器とか軍事とか戦略とか神話とか魔法とか宗教とか、ラノベではいろいろなものを取り入れています。

その道にはその道のマニアというのは必ずいます。

しかし、こだわる著者もそしてこだわる読者も結構いるようですが、そこはあくまでも創作ということで割り切るのが楽しい創作なのではないでしょうかね。


最後にこの作品を紹介します。

桐野くんには彼女がいない!? (一迅社文庫 か 3-3)

桐野くんには彼女がいない!? (一迅社文庫 か 3-3)

一迅社文庫からもうすぐ発売される、川口士先生の新作ですが、主人公が鉄道研究部所属という設定になっている学園ラブコメらしいです。

ご本人は鉄道マニアではないらしいので、正直その点では不安なようですが*1、私としてはまずラブコメを楽しもうかなと考えております。

*1:著者本人のブログより

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