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OTAKU UNITE!
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監督からこのブログへの独占メッセージ。

2006-02-27

アメリカ人マンガ家によるコラム:「アメリカの少女たちは、日本の少女マンガを理解できるのか?」

以前もこのブログで取り上げたアメリカ人マンガ家タニア・デル・リオのコラム「Read This Way」で興味深い話題が取り上げられていた。それは「文化的違いから日本の少女マンガアメリカの少女たちからちゃんと理解されていないんじゃないか」ということだ。

リオ氏のコラムでは更に、「日本の少女マンガに出てくる少女たちが、アメリカ人の感覚ではおとなしすぎて感情移入できないから、アメリカの少女たちは少女マンガより少年マンガに惹かれているのでは?」と暗に示唆している。もちろん日本でも「ジャンプ」の読者に女の子が多いのは良く知られていることなので、リオ氏の推測は少し的外れの可能性も高い。しかし、少女マンガの主人公がアメリカ人読者にとって「従順すぎる」ことについては、別のアメリカ人マンガ家が自分のブログでも取り上げ、リオ氏に強く賛成している。

まずリオ氏のコラムを私なりに読むとこんな感じ。(かなり要約)

以前は日本のマンガもアメリカのコミックス同様男性市場だったが、女の子たちもマンガを読むようになった。そこで女の子たちが読んでいたのは「少年マンガ」と言われるマンガだ。その後少女マンガアメリカに入ってきて徐々に人気を得てきたのだが、多くのアメリカの少女たちは今でも「少年マンガ」を読んでいる。

そこでいくつかの疑問がわく。アメリカの少女たちはストーリーやキャラクターの何に惹かれているんだろう?そこに文化的なものが影響しているんだろうか?日本の少女マンガのテーマは、日本の少女と同じようにアメリカの少女に強く訴えることができるんだろうか?

例えば、アメリカでも人気のある『きみはペット』の主人公すみれはキャリアと女性としての幸せを両方手に入れようとするが、これはアメリカではごく当然の事、と受け取られている。しかし日本でもすみれの望みは同じように受けとめられているのだろうか?『花より男子』の主人公は自己主張しているが、このマンガが日本で持つインパクトと同じインパクトをアメリカの読者に対して持てるだろうか?つまり、社会的に期待される女性の役割が違う日本とアメリカで、少女マンガが同じような魅力を持つことができるのか、ということだ。

少女マンガがよく批判されるのは、少女マンガの主人公たちは彼氏や真実の愛を求めることに執着し過ぎていて、読者に「良い男を求めることだけ心配すればいい」と教えているかのようなところである。

しかしアメリカでは夢見がちな印象を与える少女マンガの登場人物たちも、結婚相手に親の意見が重要だったり、お見合いの制度が存在する日本では、自分だけの男を求めるという行為それだけで西洋の読者が受けとめるのとは違うニュアンスがあるのかもしれない。

男女の役割に対する社会的プレッシャーにおいて日本より恵まれている西洋の少女たちは、いかに自分たちが恵まれているか理解することなく、少女マンガのメッセージをちゃんと理解するのは難しいのではないだろうか?

このコラムを受けて別のアメリカ人マンガ家リヴカ氏がブログで次のように書いている。(要約)

リオ氏のコラムは良い点をついていると思う。私はずっと少女マンガの主人公たちの従順な感じのところがイヤだった。もちろん従順なのにも良いところはある。少女マンガでは保護者として男の子たちが少女を救いに駆けつけてくれるからだ。

でもアメリカではこうならない。少なくとも私は自分をもっと強く、自立していると考えているし、多くの少女マンガのように誰かに幸せにしてもらうより、自分に何ができるかやってみるのが先で、その後なら誰かと関係を結んで、その人を幸せにすることができると思っている。だから『きみはペット』のすみれは理解できるが、『ホット・ギミック』の主人公には腹が立つ。

しかしアメリカ産の少女マンガは違う。例えば『Mark of the Succubus』『Dramacon』なども主人公は従順さを持っているがそれほどあからさまではなく、いざという時は自分のために立ち上がる。

私がそう感じるのは、アメリカでは少女は伝統的女性と進歩的女性の二つの役割を上手くやっていくよう求められてきたからかもしれない。そして日本ではそうではなかったのかもしれない。

リブカ氏のコメント欄では、「少女マンガの少女は従順に見えるが、日本とアメリカでは強さの表し方が違うのでは?」「従順だから弱いとは限らない」「(自分はアメリカ人だけど)『ホット・ギミック』が好き」「(アメリカの)マンガ好き少女たちの同人誌の創作意欲を刺激するのは少女マンガよりジャンプ系の少年マンガ」など色々な方向に向かって議論が進んでいる。

リオ氏が自分のコラムで言っているように、日本の少女マンガが日本社会の完璧な反映であるわけではない。そして「日本の少女マンガにでてくる少女たちは従順過ぎる」とアメリカ人のマンガファン全てが感じているとは限らない。それにそもそも現在の日本の少女マンガの主人公たちがそんなにみんな従順な女の子たちなのか?という疑問を持つ人も多いだろう。

80年代後半から90年代初頭にアメリカで日本のアニメ・マンガが人気と日本で話題になったころ、その意外性からか「アニメ・マンガが日本と同じようにウケている」ということが驚きを持って強調されていた気がする。でも本当に同じように受け止められているのかな?という疑問を個人的な経験から持っていた。もちろん外国人には日本の○○が理解できない、とするのは間違っていると思うし、同じ日本人どうしだって人によって受け止め方は色々だ。でもかなり細かいところで文化の違いによる受け止め方の違いみたいなものがあるのではないかとも思う。

この話題は面白いと思うのだが、考えがまとまっていないのでこの辺で。

以前このブログで取り上げたタニア・デル・リオ氏のコラム:「Manga論争について」

↓リヴカ氏のOELマンガ。自分の高校生の時の性格(頑固で扱いにくく知的)を主人公に反映させたそうだ。

Steady Beat 1

Steady Beat 1

r 2006/02/28 03:52 向こうの人は「少女漫画」で一くくりにしてるけど、そもそもホットギミックは中高生向け雑誌に掲載、きみはペットはもう一つ上の年代向けの雑誌に掲載、されてる。
掲載雑誌、対象年齢なんかによって、同じ女向けマンガとか男向けマンガと言っても傾向が違うからなあ。

きんぎょきんぎょ 2006/02/28 06:37 ちょっと中途半端な感じがしますね。
アニメについて「ドラゴンボールZ」と「ポケモン」「セーラームーン」だけで語っているような感じ。

彼女達にはアメリカ少女マンガの先駆者達なので
保守的な伝統を守っている少女マンガの成り立ちは、好みは別にして理解して貰いたいですね。
時代性というものはありますが、
比較的内向的な少女向けのファンタジーというジャンルは立派な意味があったと思うのです。
簡単に現在の文脈で国民性だけで語って欲しくないというか。
評論家の仕事かもしれませんが。
保守的な少女マンガの表現法が、主人公の内面描写や心象風景を描こうと進歩してきた事などを。

勿論、彼女達が自国民向けにアレンジしていくことは賛成なのですが。

お茶妖精お茶妖精 2006/02/28 07:45 アメリカの男性読者の考えも聞いてみたいです。自分達の見せ場がなくなり、内心では大昔のような男女の関係に憧れている男は多い、という話も聞いたことが・・・。

こるちこるち 2006/02/28 08:11 イタリアで日本の翻訳マンガを扱っているyosshyさんに、イタリア人に少女マンガのあのじれったいノリは理解できるのか?と聞いてみたところ、「けっこう男の子にも人気はあります。あの奥ゆかしさが返って新鮮なのでは?」とのことでした。少女マンガにも膨大な系譜があるのでお国によっては受け入れ方も違うのかもしれませんね。参考→http://italianiamoci.blog8.fc2.com/blog-entry-29.html  
でも「腹が立つ」って気持ちは私もわかりますが。「何うじうじしてんのよ!んもうっ!」って日本人でも思うわけで。『ハチクロ』とかの世界はまたあのじれったさがいいんですけどねぇ。

NagateNagate 2006/02/28 10:15 初めまして。
現在NY在住でで子供達に漫画の描き方等を教えてたりした事があるのですが、このアメリカ人漫画家さんの指摘はあながち間違えてはいないような気がしますね。
好きな漫画はあるか、ときいてみると必ず上がるのがセーラームンとか、フルーツバスケット、ピーチガールといったところですが、それと一緒に「魔法先生ねぎま」の名前が挙がる事があったりします。
ファンタジーが好きな子供も多いんですが、少女漫画に何を求めるかと言ったら、かわいい女の子を求めている気がします。
たまに、時間が空いたら頼まれて絵を描いてやるんですが、かわいい女の子のリクエストが、特に女の子から多いですね。
アメコミの世界で女の子にとって魅力的なヒロインが、特に視覚的に魅力的なキャラクターってあまり見かけませんから。
そういう影響もあるのでは、と穿った見方をしたりしてます(笑)

むしろ、正統派というか、そういった少女漫画はもう少し年齢層が高くなるような気がします。
少女漫画と言っていいのかわかりませんが、桜沢エリカさんが比較的年配の方にはウケている気がします。

rorororo 2006/02/28 12:34 はじめましてnagateさん、ブログ読んでますw

nagatenagate 2006/02/28 12:37 こちらこそですw。どうも初書き込みで長々と済みません^^:

trolltroll 2006/02/28 18:37 少女漫画といっても、現在かなりの数出てますからね。全てが米国で発売されているわけではないですから、発売されている分にはそうかもしれないけど、未発売の中には興味をそそるものがあると思います。
ハチクロのアニメは、向こうでも評判ですし、原作にかなり忠実ですから漫画もいけると思うのですけどね。学園アリスなんかも受けないかなぁ?みかんは、うじうじしてないし。

ceenaceena 2006/03/01 01:22 rさん。

>掲載雑誌、対象年齢なんかによって、同じ女向けマンガとか
>男向けマンガと言っても傾向が違うからなあ。
そうですね。日本のマンガ市場は本当に細分化されていますから、特にその掲載雑誌の違いにより読者が期待するマンガの微妙な違いはアメリカには伝わり難いかも。

きんぎょさん。

>保守的な少女マンガの表現法が、主人公の内面描写や心象風景を
>描こうと進歩してきた事
なるほど。少女マンガの歴史を知らないと、登場人物の内面描写や心象風景に重点をおいた表現方法が単に登場人物がウジウジしているように見えるだけになってしまっているかも、ということですね。

>勿論、彼女達が自国民向けにアレンジしていくことは賛成なのですが
私も大賛成です。アメリカ産マンガも色々読んでみたいと思ってます。

お茶妖精さん。

>内心では大昔のような男女の関係に憧れている男は多い、
>という話も聞いたことが・・・
昔アメリカにいた頃、外国人の女性と付き合うならどこの国の人がいいか?というアンケート記事があって、日本の女性が一番人気でした。理由ははっきり覚えていませんが、確か「自己主張が激しくないから」とかそういう感じでしたよ。

こるちさん。

>「何うじうじしてんのよ!んもうっ!」って日本人でも思うわけで。
思いますよ(笑)。文化的なものか、個人の差異によるものか、今回取り上げたような意見を見極めるのは難しいですね。

Nagateさん。

こちらこそ、はじめまして。私もroroさんと同じく、Nagateさんのブログはいつも読ませていただいています。最近の「一大決心」のエントリーでは本当にPC画面に向かって「頑張れ!」と言いそうになったくらいです。

>少女漫画に何を求めるかと言ったら、かわいい女の子を
>求めている気がします。
今回取り上げた二人のマンガ家さんの年齢はわかりませんが、かなり下の世代の子供たちは少女マンガの主人公たちの性格をどう見ているんでしょうね。絵だけに惹かれて少女マンガを読んでいる場合もあるのかな?

trollさん。

>未発売の中には興味をそそるものがあると思います。
そうなんですよ。でも以前TokyoPopの社長さんが日本のテレビに出た時、アメリカで出版するマンガを選ぶ基準は「絵だけ。ストーリーは関係ない」と言っていて、かなりビックリした覚えがあります。

横濱kabitan横濱kabitan 2006/03/01 04:53  私も、一女性として一言。
 『少女漫画は、米国で言う≪大衆小説≫≪恋愛小説≫と同じ』
 きわどいのひたすらきわどいですから

aaaa 2006/03/01 20:12 >でも以前TokyoPopの社長さんが日本のテレビに出た時、アメリカで出版するマンガを選ぶ基準は「絵だけ。ストーリーは関係ない」と言っていて、
規制獣で感動した人間のいうことかリイビイよ。

icenervicenerv 2006/03/02 01:02 はじめまして。私は、どちらかというとりぼん専門の少女まんがファンサイトをホストしている者です。そして海外における少女まんがの受容について…事実はあまり知らないのですが、興味を抱いているうちにこちらへ到着しました。

そしてこちらの議論の流れをふまえて愚考しますのですが、USAに対する少女まんがの最大のインパクトというのは、≪カワイイ≫という価値観の提示ではなかろうかと。

まず。りぼんのような児童向け少女まんがの読者たちは、そこにまず何を求めているのでしょう? それを超カンタンに言いきれば、≪カワイイ女の子≫という像の提示です。その像はもちろん、読者たる少女たちの≪鏡像≫として機能します。こうして≪カワイイ≫が、創作と現実との間の相互作用を経ながら再生産されてゆきます。

で、合衆国にはそんな≪カワイイ≫の文化が…。ゼンゼンなかった、ない、とは言えません。しかし、限られた時代を除いて常に抑圧されてきた。
そして現在のアメリカの少女まんがファンたちは、そこへと叛逆しているように見えるのです。…≪カワイイ≫を追求し続けることが、なぜいけないのか。むしろ「こんなにもカワイイ私たち」を、なぜそのまま愛して肯定してくれないのか、と。
(こうしたことから、「ネギま!」のような作品が向こうでは少女まんがとして受容される理由もいちおう理解可能です。何しろそこには、まず≪カワイイ≫がびっしりと描かれていますので)

ですから。万事にハキハキしてパワフルな女の子が能動的にハッピーになるようなお話が、少女まんがにもありますけど、でもそんなモノがウケることは大した現象ではありません(!?)。
むしろ「星の瞳のシルエット」のようなお話が合衆国で評判になるようだったら、それこそ大ごとかと思います(笑)。りぼん系では「神風怪盗ジャンヌ」も世界的に人気があるみたいですけれど、これはその中間的なソリューションを示して成功しているのかと。

つまり(こちらの話題を拝見しつつ)、日本においても米国においても、『1つの少女まんが』がある、とは思えません。どちらも、その内側で分裂しているようです。
そしてその分裂のベースは、少女たちの内面の、『小っちゃくてカワイイ自分を、そのまま肯定してほしい』という快楽原則と、『そーじゃなく、(いつか)社会に向き合って強く生きねば』という現実原則との分裂です。少女まんが草創期の1950年代から、「われわれ」はず〜っとこの葛藤を抱えてやってきたのです。
ただし、この葛藤において後者が完全に打ち勝ってしまえば、少女まんがはこの世に存在しなくなります。ゆえに少女まんがのコアのある部分は必ず前者、≪乙女チック≫な≪ファンタジー(夢想)≫です。少女まんがはどこかで社会に向き合わねばなりませんが、しかし社会に屈服してしまったら、それは少女まんがではありません。(…かつ、そうですからご存知のように、社会へと屈服した読者さんたちは、少女まんがを『卒業』します)。
そしてそういうモノとしての≪少女まんが≫が、米国でも機能し始めたのかな?…と観測しているのですが。…というわけで、こちらの皆さまの議論を非常に興味深く拝見いたしました。

…と、いきなりヘンな内容の長文すみませんでした。なお多くの補足の必要を感じますが、それは自分のページにかって書いた論にゆずります。
http://tokyo.cool.ne.jp/casioman/ribon/col010.html
宣伝ですみません。かつソレがなぜかフレンチポップの話題から始まるふしぎな文章ですけれど、第2節くらいから「米国文化VS少女まんが」のようなお話になっています。

ceenaceena 2006/03/03 17:05 色々なご意見があって面白いですね。また機会があったらアメリカの少女マンガファンの意見を紹介したいと思います。

横濱kabitan横濱kabitan 2006/03/04 05:33  なんて、素直に「人が読んでいるというのは、その作品はきっと面白いんだ」と受け取らないんでしょうか(トウキョウポップの社長も、何も「絵だけ選んでいる」と言わなくっても・・描いている作家さん、持ってきた担当者がやる気失いそう)。

nojapnojap 2006/03/05 23:28 「TOKYO POP」は誤訳も多くて評判悪いみたいですね・・・。
マンガを理解しているわけではなく、結局は金儲けのためにマンガを利用しているだけなのか。

rosalinerosaline 2006/04/11 05:34 初めまして。
コーエーの女性向け恋愛ゲーム「アンジェリーク」の英語版が出るニュースに
海外の女性ゲーマーが狂喜乱舞していると聞きましたが、
こういう話を鑑みると、彼女たちを失望させてしまいそうで気の毒だなぁ。
勝ち気なロザリアをプレイヤーキャラに選べる
「アンジェリークデュエット」の方が共感が得られるのかも。

ceenaceena 2006/04/13 21:29 「アンジェリーク」の英語版発売!?知りませんでしたー。米ゲーマーさんたちのプレイ後の感想が聞きたいですね。

poopoo 2006/08/14 00:37 アメリカの女の子って、普通に逆ナンパしますからね。(「逆」という言葉自体が適切ではないかも)そういう視点から見ると、日本の女性は受身で消極的に見えるでしょね。