スラウェシ地域研究メモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

京都大学東南アジア研究所:スラウェシ科研のサイトへ
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2006-02-20/Monday

celebes2006-02-20

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スラウェシ島情報マガジン Majalah Informasi Sulawesiに掲載されたばかりの最近記事です。→マリノ

マリノ郡は、マカッサル市の南部に横たわるゴワ県の東端に位置します。オランダ時代に避暑地として開発されたため、マツなどの樹高のある針葉樹が植林されています。オランダ時代の建物なども残されており、きれいに整備された道路沿いには、おおきな別荘やホテルなどが点在します。

マリノの名産は寒冷な気候を利用した蔬菜類とマルキッサ(パッションフルーツ;和名:クダモノトケイソウ、英名:Passion fruit、学名:Passiflora edulis)です。雨季などは、霧が出て、強い風が吹きます。標高1,000メートルを超える高原地帯らしく、うっかり半袖しか用意していないと、ひどい目に遭います。

さてこのマリノ高原を越えると、シンジャイ県西シンジャイ郡に入ります。脇田さんのサイトでも説明されているとおり、スラウェシ島でももっとも壮大で美しい棚田が視界に飛び込んできます。トラジャ県ともバリ島とも違う、圧倒的なスケールと計算され尽くした精緻な土地利用の構図には、ただただ「すごいー」ということばが出るのみ。道が悪いのが難点ですが、それだけに、棚田地帯にたどり着いたときの感慨も一入です。

スラウェシ科研では、2004年8月に、ボネ湾のシンジャイ方面からマカッサルへの帰路に通過しました。島上宗子と浜元聡子は、2001年にもやはり同じルートを走っています。浜元は2006年1月に、マカッサル方面から通過しました。何度行っても、飽きることのない場所です。

2006-02-12/Sunday

celebes2006-02-12

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マカッサルを拠点として、周辺の地方都市に向かう場合、いろいろな交通手段が考えられます。スラウェシ科研では、まとまった人数がみんなで一緒に調査へ出かける際には、船や車を借り上げることがよくあります。船の場合は、遅沢の「チンタラウト」号を使うこともありますが、バランロンポ島の漁師さんの木造ボート、ジョロロを借り上げたりもします。ジョロロの場合は、一日の移動距離は、100勸焚爾任垢、短時間で効率よく、島から島への移動することが可能です。車を借り上げる場合、自家用車としても人気の高い四輪駆動車のキジャンがよく使われます。ただし、乗車人数が6人を超えると、少々、窮屈。その場合には、観光用小型バスのコルトがもっぱら活躍します。さて、調査者一人もしくは調査協力者と二人くらいで移動する場合は、何を移動手段に使うでしょうか。

陸上での移動の場合は、マカッサルと地方都市を結ぶ大型バスがなんといっても快適で安全でしょう。目的地に最寄りのターミナルまで、途中に1〜2回程度の食事休憩などを含めて、7−10時間程度の距離を移動します。料金は5−6万ルピア程度で、バスは最新型のものが導入されるようになっており、ひじょうに快適です。5時間程度の移動であれば、パンテル(Panther)にぎゅうぎゅう詰めになって、運ばれる旅ができます。運転手を入れて、一台に最低でも10人が詰め込まれます。パンテルは、「パンサー」という自動車固有名詞が、いつのまにやら普通名詞化されたものです。座席列が3列になっている四輪駆動車のこと。驚異的なスピードでもって、競争相手のパンテルに抜きつ抜かれつしながら、街道をひた走ります。そのスピードたるや、初めて乗った人は、とても生きて目的地に到着できないのではないかと思うほど。追い越しの技術は、確かに一級品ではありますが、怖がりの人は、次回も乗ろうとは決して思わないでしょう。まさに心臓が縮む思いをすることができます。

しかしながら、パンテルの旅は、病みつきになる楽しみもまたあります。街道筋の名産売り場には必ず停車して、小休止があるのです。季節の果物や名産物のある宿場町をゆっくりと楽しむことができます。短い時間に、売り子の人から、地方の情報を聞き出すのも、また楽しいものです。

また、猛スピードで走る車の乗客たちも、運命共同体のような思いを共有するからでしょうか、買ったばかりの名物などを分け合ったり、小さい子ども連れの両親を休ませるために、順番に膝の上に子どもを抱いたりと、和気藹々とした雰囲気も生まれてきます。こうなると、如何にして他の車に追い越されずに目的地に速く着くかを信条とするドライバーの気持ちも丸くなり、少しずつ、快適なスピードに落ち着いてきます。

先日の調査で訪れたマンダール地方では、季節のサラック、ドリアン、街道の名産であるダンゲ(ヤシ砂糖とココナツ、モチ米粉の焼き菓子)、ゴラ・カンブ(ヤシ砂糖とココナツの練り菓子)などを食べながら、どこからどこへと人が移動するのかという話に花が咲きました。普段、船の旅ばかりしていると、景色が次々と変わる陸上の風景が、とても楽しいものに思われます。

さて来年度は、スラウェシ科研の最終年度です。パンテルの速度よろしく、あっという間に駆け抜けたような気がしますが、どのような軌跡を残すことができたのでしょうか。今度の松山合宿では、そのあたりの話をじっくりとすることになりそうです。

(浜元聡子:京都大学東南アジア研究所)

2006-02-07/Tuesday

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スラウェシ科研・研究協力者の島上宗子さん(いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク(あいあいネット))からの、お知らせです。

通常は、東京で研究会をおこなっている「あいあいネットワーク」の活動ですが、今回は、スラウェシ科研との共催として、京都大学東南アジア研究所で研究会を開催いたします。

スラウェシに関心をお持ちの方のご参加を、お待ち申し上げております。

「いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク(あいあいネット)」はこの

度、京都大学東南アジア研究所を拠点とするスラウェシ研究会との共催で、京都

で下記のような研究会を開くことになりました。関西方面の皆さまのご参加、心

からお待ちしております。

■テーマ:中スラウェシ:森をめぐる権利と慣習

     −−「いりあい交流」の実践とその可能性−−

■日 時:2006年2月28日(火)15:00〜17:30

■場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟2階セミナー

     http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/organization/contact_ja.htm

     (京阪「丸太町」駅から北へ徒歩5分)

■報告者:今北哲也(NPO杣の会、滋賀県朽木在住)

     家中茂(鳥取大学地域学部、環境社会学

     三俣学(兵庫県立大学経済学部コモンズ研究会)<レジュメ参加>

     島上宗子(いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク)


「日本の入会の歴史と経験をもっとインドネシアに伝えてほしい!」

インドネシア・中スラウェシを拠点に、森と土地をめぐる紛争解決にあたっている弁護士ヘダール・ラウジェン氏は、2003年夏、短期来日した際、こう繰り返しました。ヘダール氏のこの言葉が端緒となり、インドネシアと日本の研究者・実践家・山村住民をつなぐ共同調査・経験交流の試み(以下「いりあい交流」)がはじまりました。昨年9月には、日本から研究者・実践家らが、中スラウェシを訪問し、焼畑を主な生業とする二集落での調査・交流が実現しました。

中スラウェシの山村で議論の焦点となったのは、

1)近代的な所有制度とは異なる共有資源管理は、国の制度の中でどう位置づけられるのか?、

2)森・山との関わりを豊かに保ちながら生計を向上させる方策とは?、

の二点です。これはインドネシアと日本に共通する課題であることも確認されました。

研究会では、昨年9月の中スラウェシ訪問時の見聞・体験を中心に、「いりあい交流」に関わってきた中心メンバーが、これまでの取り組み、その中から見えてきた展望について報告します。「いりあい」をキーワードとして、インドネシアと日本、研究と実践をつなぐ意義と可能性について議論を深めたいと思います。

みなさまのご参加を、お待ちしております。


■共催:いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク / スラウェシ研究会

■問い合わせ先:

□いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク(あいあいネット)

〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-17-10 稲穂コーポ2A

Tel/Fax 03-3204-1316  e-mail:i-i-net@zj9.so-net.ne.jp

http://i-i-net.seesaa.net/

□スラウェシ科研(京都大学東南アジア研究所) 

田中耕司 kjtanaka@cseas.kyoto-u.ac.jp

浜元聡子 sulawesi-ml-admin@cseas.kyoto-u.ac.jp

Tel:075-753-7307

2006-02-03/Friday

celebes2006-02-03

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来月3月4−5日、愛媛大学松山市)において、第3回スラウェシ科研国内打ち合わせ・第3回スラウェシ研究会を、開催いたします。

お近くの方で、スラウェシ研究に興味のおありの方は、ぜひお越しください。

日程:2006年3月4日 午後 〜 5日 午前

(4日2時までに現地集合、昼食後、現地解散)

場所:愛媛大学農学部 51番教室

プログラム

3月4日(土)

14:00〜15:30 今年度調査の活動報告

  • (今年度、現地調査を行った分担者・協力者による活動報告[UNHAS側の活動を含む]と会計報告)

15:30〜17:30 研究報告

15:30〜16:10 小野林太郎(日本学術振興会特別研究員)

「サンギヘ・タラウド諸島における民族考古学調査の報告」

16:10〜16:50 遅沢克也(愛媛大学農学部)

「2005年度チンタラウト号を使ったスプルモンデ班の調査研究成果」

16:50〜17:30 立本成文(中部大学国際関係学部)

「スラウェシ研究の過去と現在」

18:30〜 懇親会

3月5日(日)

9:00〜10:30 「スラウェシ地域研究」に向けた意見交換

  • 田中耕司(東南ア研):問題提起と意見交換(出版計画を含む)

10:40〜12:00 来年度計画について

  1. )来年度の調査計画
  2. )21COE国際シンポ開催時のサテライトワークショップ

2006-02-02/Thursday

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スラウェシ科研の若手部門の楠田健太さん(京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科大学院生)が、21COE「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成研究」(ASAFAS +CSEAS)のメールマガジンに、下記のエッセーを寄せています。一カ所、修正すべき点は、このサイトはわたし個人のものではなく、スラウェシ科研のメンバーによって運営されている、ということでしょうか(笑)。また、肝心のスラウェシ科研のサイトが忘れられているようです!


<初出:http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/mailmag/list/30.html

■■フィールド・ステーション(FS)便り

「アンギン・マミリのそよぐ街」 

          ....................楠田 健太

植民地時代、セレベスの名で知られたK字状の奇妙な形をした島、スラウェシ。マカッサルはその南端部に位置する南スラウェシ州の州都であり、東部インドネシア最大の港湾都市です。誰が言ったかこの街のロサリ海岸から望む夕日は「世界三大夕日」の一つにも数えられるという絶景であり、その眺めが一望できるレストランの屋外テラスで友人たちと飲み干すビールはなおのこと格別なのです。

もうしばしそこに佇めば、「アンギン・マミリ(そよ風)」と呼ばれる心地よい風を体に感じることでしょう。同名のタイトルを冠して大ヒットした歌はいまや、風光明媚なマカッサルの代名詞であるばかりか、インドネシアで最も有名な歌の一つです。

この地の住民の大多数を占めるブギス人、マカッサル人は古くから、勇猛で造船術・航海術に長けた「海の民」として知られていました。アンギン・マミリに乗って、かれらの駆けめぐった足跡は東南アジア海域世界の各地に刻まれているのです。

そして近年、遅澤克也先生(愛媛大学)による海洋調査船・チンタラウト号の竣工(2003年)、島上宗子さんによるNGO「いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク」(http://i-i-net.seesaa.net/)の設立(2004年)、濱元聡子さん(京都大学)によるスラウェシ総合情報サイト(http://d.hatena.ne.jp/celebes/)の開設(2005年)など、長年スラウェシ地域研究に携ってきた方々による、さまざまな可能性を秘めたプロジェクトが次々と船出を迎えています。

われらがマカッサル・フィールド・ステーション(MFS)では、こうした先達の試みに続いて、スラウェシ地域研究をより魅力的なものにするための有用な中継港となるべく、資料の拡充・整理が精力的に行われています。

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インドネシア・マカッサルFS概要ページ:

http://areainfo.asafas.kyoto-u.ac.jp/japan/activities/fsta.html#8