celebes2006-03-28

昨年の10月、今年の1月と、二段階にわたってBBM(石油燃料)が値上げされたインドネシア。最初の値上げで180%近くも価格が上昇したことにより、離島部の漁村などでは、一日の漁獲による純利益が、燃料費と釣り合わないという事態が続出しました。ちょうど断食月と雨季の始まりが重なっていたこともあり、長期的に無期限休業を決めた船主や漁民が相次ぎました。去年度は、小学校と中学校の学費が全国的に免除となっていたこともあり、こどもたちの生活にはあまり影響はなかったとのことですが、家計にはたいへんな影響が出ました。バランロンポ島では、人口3,700人、約750世帯のうち、3割ほどがプロパンガスを使って毎日の食事を準備するようになっていました。これが、流木などを使った薪燃料の利用にどんどんと切り替わっています。流木は、早朝、桟橋などに打ち寄せられたものを拾い集め、これを屋根の上などで乾かす作業が必要です。しかし全員には行き渡りません。次第に、島の共有地の樹木を、切り倒すということも頻繁におこなわれるようになってきました。政府からは、コンペンサシ(補償)と称して、3ヶ月ごとに貧困世帯に現金を援助するようになっています。生業活動への助成等は、今のところ、まだないようです。厳密には存在しないわけではありませんが、希望する人がすべて助成を受けることはできません。
長期的な展望で、今回の石油燃料の値上げを冷静に受け止める人もいれば、さまざまな不満を抱える人もいます。ただ、たとえ少額であっても、コンペンサシがあるのとないのとでは、人々の不満の有り様にも、多少の影響はあるのかもしれません。
写真は、ウアン・コンペンサシ(uang kompensasi)を受け取るためのチケットです。家族の数にかかわらず、1世帯につき定額が支給されます。
ちなみに、マカッサル市内周辺では、下記のような変化がありました。

  • タクシー初乗り:4,800/4,900ルピア
  • ペテペテ   :2,000ルピア(UNHAS行きは2,500)
  • ベチャ(2ブロック):人によっては、3,000ルピア以下では乗せてくれなくなりました。
  • パンシット・ミー:おいしいところでは、13,000ルピア以上。