celebes2006-06-01

5月27日、ジョグジャカルタ特別行政地域南部バントゥル県付近で、マグニチュード6.3という規模の地震が発生しました。この地震により亡くなられた方は、6月1日現在で6,234名、家屋倒壊により避難所やモスクなどでの生活を余儀なくされている方々をはじめとした被災者数は13万人超。震源地バントゥル県においては、総人口の3分の2に相当する3,900余名の方が犠牲になりました。浜元の調査地、バランロンポ島の人口(正確には3,800人弱)にほぼ相当します。3,800人というと、全員の名前を覚えることは無理ですが、顔を見ればおなじ村だということがわかる程度の知り合いの範囲です。それだけの方が亡くなられた深い喪失感を、無事だった人たちは今、抱えていることでしょう。
バントゥル県の村落部を襲った地震は、平屋建てのジャワ社会の伝統的な家屋を軒並み倒壊させました。ジャワの農村の上空を飛行機で飛ぶと、苔むした赤い瓦葺きの家並みが目に映ります。この風景をまた再び手に入れるまでに、どれほどの時間を数えることになるのでしょうか。
東南アジア研究所では、これまで培ってきたインドネシア地域研究の人脈と情報の蓄積を最大限に活かして、ジャワ地震の復興のためにできる限りの支援をおこなっていくことにしています。まずは募金の開始と、研究者の現地派遣をとおして、復興に向けての段階的取り組みの大枠を作り始めています。現地の研究者や研究機関、NGOそして卒業生等々との密接な連携を取る下地はできています。村落の生活基盤の再生とともに、インドネシアにおける観光産業もまた再建させる必要を強く感じています。国際的なゴトンロヨンによって、ジャワの村にまた青々とした水田と赤い瓦葺きの家々のある風景を取り戻すためにどんな協力ができるでしょうか。東南アジア研究所のサイトでも、逐次、情報発信とわたしたちの取り組みの進行状況を報告していきます。