スラウェシ地域研究メモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

京都大学東南アジア研究所:スラウェシ科研のサイトへ
2005040506070809101112
2006010203040607081011
20070405
20080510
20090406

2009-06-10/Wednesday お国訛り このエントリーを含むブックマーク

全国放送のテレビ局が制作するドラマは、シネトロンと呼ばれます。高校生などの学園恋愛もの、家族や結婚といったオーソドックスなテーマに宗教が組み合わさったり、なぜかインドネシア人が大好きな幽霊・妖怪などお化けものの話が組み合わさったものが多くあります。ドラマやエンターテインメント系の番組では公用語のインドネシア語が使われているわけですが、実はジャカルタ方言であることが一般的です。とくに学園ものの場合、今時のジャカルタ近郊で高校生活を送っている若い人たちの話すアクセントや言い回しがふんだんに使われています。さて、地方の人は一体、どの程度、会話の内容を理解しているのでしょうか?

バランロンポ島界隈の島では、島毎にアクセントが異なります。またサカナや海の生物などを示す単語も、微妙に異なることがあったりと、その人が少し口を開いただけで、どこの島の出身であるかがすぐにわかります。

ジャワ島で言えば、バニュマス地方の方言に相当するのはバランチャディ島の訛り(Logat)。特徴的な抑揚とリズムを持つこの島の人のマカッサル語は、一度聞いたら二度と忘れることができません。聞けば聞くほどにとても愉快な気持ちになってきます。バニュマサンとはちがい、演劇に使われるような言語にまでは至っていません。残念なことですが、バランチャディを少し歩くだけで、なにか別の世界に踏み込んだような雰囲気を味わうことができますから、これはとても貴重な方言文化ですね!

このように、さまざまな微妙な方言を聞き分け、話すことができる島嶼部地方の人々ですが、実はジャカルタ方言(ジャカルタ弁)は、あまりよくわかっていないようです。とくにある程度に年配の人々は、学園もののドラマを見ても、何を言っているのかちんぷんかんぷん、という人もいます。

このようなバランロンポの人々は、やはり典型的なマカッサル語訛りをその会話の端々に見ることができます。

  • 〜mi(例:sudah mi)
  • 〜pi(例:belum pi)
  • 〜ji(例:ada ji)
  • 〜to(例:begitu mi to)
  • mbak'i(例:jappa ma, mbak'i)

日本語に置き換えれば、…だべさ、…やねん、といったような感じになるような接尾辞。しかしそれぞれに意味があります。すでにおこなわれたことを語るときには、mi。まだおこなわれていないことを語ったあとでは、pi。未来について語るさいには、ji。間投詞的にひじょうによく使われるのが、to。標準インドネシア語のmari kitaに相応するmbak'i。年長者の質問に答えるさいの接尾辞となるのが、ma。と、大体、意味を与えることができます。普通に役場や大学で職員や先生たちと話していてもひじょうに頻繁に登場するこれらの接尾辞を使いこなすことができたら、もうマカッサル語訛りのインドネシア語は合格です。

また何かを話し始める前に、アノ〜というのもあります。日本語で、なにかを尋ねる前に、あのー、というイントネーションとはことなり、「ノ」音をぐっと下げます。これがさらに加われば、マカッサル人にも笑われるようなマカッサル語スピーカーへの第一関門は合格です。