スラウェシ地域研究メモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

京都大学東南アジア研究所:スラウェシ科研のサイトへ
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2007-05-04/Friday

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4月29日、無事にジョグジャカルタはバントゥル県パンダック郡ウィジレジョ村ゲシアン村で、京都大学東南アジア研究所の震災募金を財源とする「プカランガン計画」の開始式がありました。ガジャマダ大学留学中の日本人学生による寸劇で、これからここでおこなわれる予定の活動などを、こどもたちや女性たちにわかりやすく説明。集まったおよそ120人ほどの住民も、最後まで楽しみながらこのイベントに参加していただけたようでした。

さて例によって、ジャワ語とインドネシア語混じりのPidato(演説)を用意し、Sambutan(挨拶)をおこないました。このときはだれにもなにも指摘されなかったのですが、日本に帰国後、友人によんでもらい、チェックしてもらったところ、「おもしろい。。これはジャワ語みたいなインドネシア語だね」とのコメント。ついでに用意していた計画の活動主旨説明文も読んでもらったところ、そちらもジャワ語的インドネシア語文だとか。書いている本人はまったくの無自覚なので、興味深い指摘でありました。

さて、このプカランガン計画は、地域研究のあたらしいパラダイムを見つけることも念頭において立てられたプログラムです。研究者が積極的に地域にコミットしながら、一緒に新しいことを始めようという試みです。今月末には、ジャワの村の人々を連れて、マカッサルを訪れます。自然災害の被災にあった村を訪問し、社会経済的な復興がいかにおこなわれたかをみてもらおうと考えています。スラウェシとジャワは、どのようにつながっていくことができるのでしょうか。

同じインドネシアでも、ほとんど接点のないままでいたかもしれないふたつの地域。これを日本人が媒介役となって地域と地域の新しい動態を作りだすことを試みようとしています。うまくいくも失敗もなく、なにかおもしろい反応がみられたら、それでOKだと思います。マカッサル育ちのくせに、ジャワ語的インドネシア語を話す立場として、どんなふうにこのプログラムを進めていくことができるのか、とても楽しみにしています。

2007-04-16/Monday

celebes2007-04-16

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Siapa nama kita?

スラウェシでこのように質問されたら、どのように答えるべきでしょう?一般的なインドネシア語の辞書的意味に従って頭の中で翻訳すれば、一瞬、とまどうはずです。この質問の意味は、「わたしたちのお名前はなんですか?」となります。えっ?、誰のことをきかれているのだろう?と、あたりをきょろきょろと見回すことになるでしょう。

スラウェシで聞かれた場合は、素直に、「はい、わたしの名前は、ダエン・ケボです」と答えます。スラウェシではkitaは、「あなた」という意味で使われています。しかも適度に丁寧な意味合いが込められていますので、Andaと同義語といっても差し支えないでしょう。日本で少しインドネシア語を勉強してきた人たちは、大抵、この質問に面食らいます。この人には、自分の背後に別の人影がみえるのだろうか?と思うこともあるでしょう。

スラウェシのほぼ全域、東カリマンタン沿岸部、そしてマレーシアはサバ州のあたりまで、二人称単数としてのkitaの使い方がみられます。

さて、そのような環境でインドネシア語を勉強してきたわたしは、ジョグジャカルタではたいへんな苦労をしました。Kitaはとても便利なことばで、適度な丁寧さが込められているため、初対面の人で名前がよくわからない場合などに重宝できました。またタクシーの運転手、店員さん、郵便局の窓口のひとに、普通に問題なく使える人称代名詞です。しかしこの法則は、ジャワではなりたたない。??なに??、だれのことを聞いているの?と問い返されたときに初めて、ああ、ここはスラウェシではない、そんなことを実感したものです。

2007-04-12/Thursday

celebes2007-04-12

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ジャワ震災緊急支援活動

京都大学東南アジア研究所が昨年おこなった、ジャワ震災緊急支援活動で集められた義援金の使途です。募金していただきましたみなさまには、報告が遅くなりましたことをお詫び申し上げるとともに、あらためて御礼を申し上げます。

大型の地震や津波などの自然災害のみならず、地滑り・洪水・有毒ガスの発生などの自然災害は、インドネシア国内で日常的に発生しています。被災地域の復興には、さまざまな形の活動が関わっています。自然災害からの復興を遂げた地域やその途上にある地域が、なんらかの形でつながるネットワークをつくることができるだろうか、そのようなことを考えています。自然災害を経験していない地域が、防災や減災について考えるようなきっかけを作ることができないだろうか、そのようなことも考えています。スラウェシとジャワを結ぶものは、案外とこのような日常生活の中で起こりうる現象となるのかもしれません。地域研究のひとつの方向性となりうるでしょうか。

(浜元聡子:京都大学東南アジア研究所)

2007-04-01/Sunday

バランロンポ島のバティック・プカロン

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久しぶりの投稿です。

しばらくジョグジャカルタに滞在しておりましたので、すっかりとスラウェシから遠のいてしまった感もありますが、まだまだスラウェシ地域研究は続きます。

ジョグジャカルタ滞在中に勉強していたジャワ語。ジャワ語の文法書の良書、TATA BAHASA JAWA MUTAKHIRの出版社、Kanisiusのような出版社がスラウェシにあればと思ったものでした。マカッサル市内にも、小さな出版社がいくつかありますが、たいていは重刷されません。見たときに買っておくしかありません。

Kanisiusは、全国的なベストセラーを出しているわけではありませんが、昨年のジャワ地震以降、家屋再建に自力で取り組む人の参考になるような良書を相次いで出版しています。

Kanisiusmediaで紹介されているベストセラー本、Seri Pengetahuan Lingkungan-Manusia-Bangunan PEDOMAN BANGUNAN TAHAN GEMPA / Heinz Frick & Tri Hesti Mulyani。9,000ルピア(約112円)ということもあって、建築を専門としない人でも気軽に買って読んでみようかと思える本です。内容も、手書きのイラストが多用されており、ぱらぱらと見ているだけで、視覚的に情報が入ってきます。グラメディアなど主要な大型書店では、建築書籍コーナーに並べられていますが、売れ筋の本なので、平積みされています。何冊か、バントゥル県の被災者のかたへのおみやげとして買いました。

Kanisiusからは、同書の著者ふたりによる、Seri Eko-Arsitektur 2 ARSITEKTUR EKOLOGISが出版されています。こちらも良書。初刷は、ジャワ地震の約2週間前。わかりやすいことばと、手書きのイラストのシリーズは、現在9冊ほど刊行されています。