谷本 心 in せろ部屋

はてなダイアリーから引っ越してきました

アケコンの天板を自作ステッカーでカスタムした話

FEXLのためにRAP.N HAYABUSAを買ってアケコンデビューしたわけですが、アケコンについて調べていると、ボタンや天板をカスタマイズしている事例をよく目にします。
特に痛々しい痛アケコンなど見るにつけ、自分もやりたい気持ちが高まります。

またそもそもアケコンの天板やボタンは消耗品みたいなものなので、ボタンや天板を交換することで、アケコン自体の寿命も延ばせそうです。
そう思ってRAPの天板交換をしている事例を調べていたのですが、いずれも接着されている天板を剥がしてしまい、カットしたアクリルパネルと印刷した紙に差し替えています。いやいや、買ったばっかのアケコンの天板を剥がすとか貧乏性なのでできないし、のちのち譲ったり売ったりする時にも困りそうです。

もっと普通に、アケコンの天板と同じサイズのステッカーを作って貼ればいいんじゃないの?

ステッカーを貼るだけなら作業工程が大げさにはならなさそうですし、剥がしやすいステッカーであれば天板保護の役割にもなるはずです。そう思って事例を探してみたのですが、全く見つからず。仕方ないので、自分で考えて挑戦することにしました。


先に結果を出しておきますが、いまのRAP.Nがこれです。とても良いです。

印刷屋さんにお願いして、印刷やボタン周りのカットなど行ってもらって、5枚で3000円程度でした。1枚数百円って考えると、だいぶコスパがいいですね。


では、自分がやったことを時系列で書いていきます。

1. 天板の画像づくり

テンプレートは、Art's Hobbiesのサイトにあったものを使わせて頂きました。
http://tek-innovations.com/arthobbies/index.cfm?loc=about&sub=templates
RAP.NはソウルキャリバーVアケコンと同形状ですので、「HORI Soul Calibur V Panel Template」と記載されているものを使います。
Photoshopや、FireAlpaca、GIMPなどのpsdファイルを編集できるツールで画像を開き、自分の好きな画像を差し込んで、拡大縮小などしながらいい感じの配置にします。

2. 最初は自分で印刷してカットしました

ステッカーの印刷やカットは業者にお願いするのが品質的に良いと分かっていたのですが、そもそもステッカーを作って貼るなんてできるのかどうか、ステッカーの厚みでボタンがハマらなくなることはないのか、そういう不安がいくつもあったので、業者に発注する前に、自分でステッカーを印刷してアケコンに貼ってみることにしました。

2-1. 手作りステッカーのシートを買う

家庭用のインクジェットプリンターを使って、ステッカーを自作するような製品がいくつかりますが、今回はこれを選びました。

保護フィルムで防水でき、また、キレイにはがせるタイプのものです。アケコン用なので防水にしたかったというのと、はがす時に天板を痛めたくなかったのでこのタイプにしました。

2-2. A3印刷できないので、A4で2枚に印刷

なおRAP.NはA3相当のサイズなのですが、我が家のプリンターではA4までしか印刷できません。またコンビニでも用紙持ち込みの印刷は難しそうなので、A3サイズの画像をA4 x 2枚に分割して印刷することにしました。
Photoshopなどの画像編集アプリで画像を2つに分割して(一部、重なるようにするのがコツ)それぞれをA4サイズで印刷します。印刷をして保護フィルムも貼ったら、2枚のシートの印刷の重複した部分がちょうどいい感じになるように重ね、カッターでまっすぐ切ります。
・・・この辺りの写真を撮ってなかったので文字で説明したんですが、全く伝わりませんね。すみません。

2-3. デザインナイフとコンパスカッターで切断。ダイソーは神

2枚に切れたら、あとは枠やボタンの切り抜きです。枠に沿ってデザインナイフ(ダイソーで買ったよ!)でカットし、ボタンやレバーの周りをコンパスカッター(ダイソーで買ったよ!)でカットしました。あとカットする時には、カッティングマット(ダイソーで買ったよ!)があると便利ですね。というかダイソー、なんでもありすぎてヤバくないですか?

2-4. レバーとボタンはきちんと外す

カットが終われば後は貼るだけ。本当は裏蓋を開けずに(レバーやボタンを外さずに)貼り付けたかったのですが、特にレバーを外さずに貼るのは不可能でした。
裏蓋を開け、レバーとボタンを外し、天板を止めているビスも外して、天板(とその裏の金属板)だけを取り外します。このあたりの取り外し方法はググればすぐに出てくるので割愛します。

2-5. 完成と感想

天板にステッカーのシート2枚をぴったり貼り付ければ、完成です。こんな感じになりました。


パット見かなりいい感じなのですが、ビスの周りがグチャっとなってるし、ボタンの周りは念を入れて広く切り過ぎたし(むしろ切り足りないぐらいで良かった)、何よりアケコンの中央あたり、A4シートの2枚の境界線あたりが失敗してしっかり下地が見えてしまっています。あと気泡がいっぱい入ってます。


そんな残念なところはありつつ、なんというかかなり満足度がありました。痛アケコンってこんなにも満足度が得られるもんなんだな、という感じです。気泡とか下地が見えてるところがあっても満足度が高いんだから、やっぱステッカーを業者に発注してちゃんと印刷しよう、となりました。

3. 業者に頼もう

自分でステッカーを作成した場合、ステッカーシートとカッターや何やかんやを買ったおかげで、結局1500-2000円ぐらい掛かりました。じゃぁ印刷業者はいくら掛かるのよと思って調べてみたら、なんと1枚なら2000円程度、5枚でも3000円ぐらいじゃないですか。
こんなに安いなら最初から業者に頼めば良かった、僕の苦労は何だったんだと、やや大きめの後悔がありました。自作した経験、プライスレス、ということで(ちょっと古い)
気を取り直して、業者に頼んでみましょう。印刷業者は、ITコミュニティ界隈ではよく利用される、デジタというお店にしました。
https://www.digitaprint.jp/

3-1. Photoshopでカットパスを入れる

業者に頼めば印刷だけでなく、カットまでしてくれます。要するに、レバーやボタンの周りなどにカットを入れてもらえば、自分でカットしなくても良いわけです。こういう感じになるってことです。


ただその際に必要なのが、画像ファイルへの「カットパス」の定義。ステッカーのどの部分をカットするのかという定義です。このカットパスはPhotoshopIllustratorでなければ入れることができません。
今回はPhotoshopを使ってカットパスの定義を行いました。やり方は「カットパス」でググってください。
テンプレートの黒枠にぴったり合うよう、円形のカットパスや直前と曲線を組み合わせたカットパスを定義します。たぶん2時間ぐらいかかったと思うんですが、もしかして自分カットパス職人になったのかなと誤解するぐらい、思い通りにカットパスを描けるようになりました。

カットパスを入れるのはそれなりに面倒なので、カットパスを入れた後のPSDファイルを置いておきますね。
https://drive.google.com/file/d/1KMXZFIIbrNfPIEI5QmvMkYd4urb8J8sK/view?usp=sharing

3-2. 業者に発注

カットパスの定義まで終われば、業者への発注です。なお画像ファイルの入稿のため、画像ファイルから余計なレイヤーを削除して、画像とカットパスのみにしておきます(きちんと元ファイルも残しておきましょうね)

さて、発注する際にまず決めるのが「紙質」「シールのオプション」「枚数」の3つ。
まず紙質ですが、大きく分けてテカテカする光沢系と、サラサラした手触りのマット系の2種類があります。今回はアケコンならサラサラした手触りが良いと思ってマット紙系の「合成紙ユポ」を選びました。またシールのオプションは「再剥離」を選びました。やはり剥がす時に天板にダメージを与えたくありません。そして枚数は、仲間内で配ることも考えて5枚にしました。というか1枚に比べれば5枚はだいぶコスパが良かったので、自然と5枚を選んだという感じでした。
あとは、印刷サイズは900平方cm以内、ハーフカット11カット、カットパス60以内など、入稿するファイルに合わせて指定しました。

3-3. 届いたので、貼る!

入稿から2週間でステッカーが届きました。


ボタン穴などもステッカーになってるので、自分でカットする必要なく簡単に穴を開けられます。


あとはステッカーを自作した時と同じ手順で、レバーとボタンを外し、天板のビスも外して貼り付けます。


なお天板のビス穴は小さすぎて印刷屋ではカットができませんでした。そのため天板にステッカーを貼った後、ビス穴の中央あたりにカッターで切れ込みを入れます。それで上からビスをはめれば、ビス穴が見えなくなります。
またビスはあまり強く締めすぎるとステッカーが巻き込まれて歪んでしまうため、弱めの力で締めたほうが良いでしょう。


これで見事にカスタムアケコンができあがりました。

4. ふりかえりと次に向けて

うまく行ったように見えるステッカー貼りですが、よくよく細部を見てみると、少しだけズレていることが分かります。


これ、印刷機材やカット機材の都合で100%ぴったりというのはなかなか難しいと思います。なので、下地が見えないように少しカット範囲を狭くするべきか、あるいは、カット範囲を狭くしてステッカーが浮くと剥がれやすくなってしまうため、下地が見えてでもカット範囲を広くするべきか、その2択です。
まだ結論が出ていませんが、僕の好みは、下地が見えないようカット範囲を狭くするほうですね。


また今回はマット系の紙を選びましたが、やはり光沢系の見栄えが良いでしょうし、またアケコンは手が滑らないほうが良いようなので、その点でも光沢系のほうが良かったように思います。


という感じで、初めての発注にしてはなかなか上手くできたと思いますが、上に書いたようなこと微調整して、また発注しようと思います。
もし意見とかフィードバックとかがあれば、ツイッター( @cero_t )かなにかで連絡をください。


念のため、カットパスを入れた後のPSDファイルのリンクを再掲しておきますね。
https://drive.google.com/file/d/1KMXZFIIbrNfPIEI5QmvMkYd4urb8J8sK/view?usp=sharing


それでは、
Enjoy, your custom arcade controller!!


※その後、印刷した絵がかすれてしまいました。詳しくは次のブログエントリーで。
http://d.hatena.ne.jp/cero-t/20180318/1521344648