中東、とある爆弾処理班。彼らは残り約1ヶ月で帰国を迎えようとしていた。
果たして彼らは無事に帰国することが出来るのか。
観賞日3月18日
【83点】
あらすじはこのぐらいのもので、単純な話です。
面白いかと問われれば間違い無く面白い作品です。
一言で言うなら、極限状態の戦場の現実をリアルに映した作品。(平和な世界に生きる我々から見たらではあるが)
見た目通り、明らかにアバターとは違うベクトルです。だからこそアカデミーの予想が割れたわけですが…
まぁアバターは新たな映画を切り拓いた作品として、後々さらなる評価を受けるとは思います。
この映画はとにかく緊張します。ハラハラドキドキとも言えますが、どちらかと言うとリアルな「不安」です。
まるで自分が現場で彼らを見ているかのように…
映画はそもそも客を引き込むエンターテイメントと思うので、アバターもハートロッカーもこの点においては真に映画たると言えます。
ここまでリアルなのは、
戦争映画でよく見られる手法、つまりあえて手ブレの画を多く導入している、などが挙げられます。
しかし、音も重要です。音響賞を取った実力はダテではなく、銃の発射音、爆発音は重く、腹に鈍く響いてきます。
命を奪う銃の「重さ」を音が表現していると個人的には感じました。
リアルさの最大要因は物語がドキュメンタリーくさく撮っている点。
爆弾処理班に密着したドキュメント作品かと錯覚する部分も。
物語や人の死が淡々としているのも、現実にあった出来事だということを意識させるためかもしれません。
いわゆるハリウッド映画でよくある善悪の対決という構図ではなく、そこにあるのは事実のみ。生か死か。
黒幕はあいつだ!とか、国の裏切り者がいる!とかのドラマチックな展開はありません。
ピグロー監督の女性ならではの繊細さが滲みでているのでしょうか。細かくリアルです。
結局のところ、この世界がスクリーンの中だけならアカデミーは取らなかったでしょうね。