ロンドンの街はずれに突然現われる、さびれた舞台。そこに街の人を鏡の中に招待し、夢の体験をさせようとする人々がいた。
その鏡はDr.パルナサスの"頭の中"であり、その中で人々は誘惑に打ち勝てるかの選択を迫られる。彼は悪魔との契約(賭け)に打ち勝つために人を招待するが、今や劇団のような出し物は見向きもされない。
そんな時橋の下でパルナサスの娘は首を吊っている人を見つけ、助け出す。彼は記憶を失っていたが、彼の言葉・喋りは人を引きつける。パルナサスは彼が何かの運命に導かれた人間と考えるのだが…
観賞日1月27日
【65点】
『ダークナイト』のジョーカー役で注目を浴び、アカデミー助演男優賞を獲得したヒース・レジャーの遺作。
遺作っていうか撮影途中で亡くなったんすけどね…しかし、生前彼と親交があったジョニーデップ、コリンファレル、ジュードロウが彼を演じ分けたことで作品は完成しました。
ある意味それが今作の話題になってしまったというのも皮肉ですが…
本来は「奇才」テリーギリアム監督の名で注目されるべき作品ですし。
鏡の中が厄介です。なんつっても人の夢を反映するので抽象表現の嵐。
奇才ギリアム監督の名は伊達じゃない…
特に最後の方は鏡の中のシーンが長いので、意識を映画からずらしたら置いてかれそうに。
考えようとしすぎれば疲れもするが、かといって全く考えないようにするとつまらなく感じてしまうだろう。
人間の欲を反映するという鏡内の設定は、人間の本性を暴くような様相。
ラストは少しなんだかなぁ・・・という感じでしたが。
人間の本性に対する罰なのでしょうか?
それともヒースではなくなったがためにラストが変更されているのでしょうか?
正直分かりかねます。
鏡の中でのヒースは3人が演じ分けましたが、これが逆に良いアクセントになって作品の出来を向上させました。
しかし、やはりヒースのオーラはハンパない…喋り方に説得力がありすぎて…同時にジョーカーのような妖しさもありますが(笑)
全体的に何か呪われた作品のような気がします。
最初にヒースが出て来るのも首吊りのシーンだし…
夢の世界の中でも「死んだら永遠」になるというセリフがあるし…
ヒースファンは観とくべきですね。まぁ夢のあたりはわかんなかったら許すくらいの気概がなきゃいけません。心象世界ですから。
感覚で観ましょう。
エンドクレジットの後のサプライズな"音"には何か心うたれました。
ヒースよ永遠に