イラク戦争開始から4週間…ミラー(マットデイモン)率いる部隊による大量破壊兵器捜索は空振りが続いていた。
情報の真偽を疑うミラーだが、上層部の精査された情報なので間違いは無いと一蹴される。次の捜索場所で、現地人フレディから要人が会合を開いているという情報を聞いたミラーはそこへと向かう。
しかし、折角拘束した重要人物も突如現われた特殊部隊に連れさらわれてしまう…
観賞日5月26日
【70点】
ちなみにグリーンゾーンとは、バグダッド市中央部で旧フセイン宮殿やイラク政府があった場所。そこに多くの軍関係者がいる。
面白い…といえば面白い。単に戦争ものでなく、『ボーン〜』シリーズで培われたアクションがラストには押し寄せて、思わずハラハラするだろうし。
問題提起と娯楽を両方兼ね備えてると言える…けれども少し中途半端な気もする
ハートロッカーがあくまで兵士のドキュメントのような撮り方をしたのに対して、今作はかなり物語的。
しかし今作もワールドオブライズと同じように根底にあるのはアメリカ対イラクでは無くてアメリカ対アメリカ。あの戦争の矛盾をテーマとしている点はけっこうイイネ!
『大量破壊兵器がある』という建て前と9・11のショックによる戦争は、明らかにアメリカによって、つくられたものだった。
メディアも暫くはこの事実に気付かず、真実の裏の更なる真実を見過ごしてしまったのだろう。ジャーナリズムの面でも矛盾が存在した。
それを暴こうと奔走するミラーだが、彼は果たして正義なのだろうか?と皆この映画の最後で感じるに違いない。
何故ならラスト近くのフレディのセリフにハッとさせられるからだ。
そして観ていた我々もアメリカのロジックの中に組み込まれていたと漸くそこで気付くからだ。
つくるものも追うものも、イラク国民ではない。全てを決める当事者ではないと。