- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2009/04/29
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ロジャー・フェリス(レオナルド・ディカプリオ)は、上司であるエド・ホフマン(ラッセル・クロウ)から命じられるままに潜入調査を行うCIAの敏腕工作員。今回の命令は、中東の爆破テロ組織のリーダーであるアル・サリーム(アロン・アブトゥブール)を捕えること。
だが、任務を遂行していく間にフェリスは現地の人間との交流や交渉を通して、ホフマンへの不信感を募らせていく…
観賞日
2009年1月18日
【73点】
ワールドオブライズは「嘘」がテーマの映画。
簡単に言えば中東でCIAなど様々な組織がテロ組織のボスを探索する物語。
中東モノの映画が多い中で、
今作も「国内部」への皮肉じみた作品に仕上がっております。
実際に批判があるわけじゃないけれど、ほのめかすようにして
何かこっちに訴えかけるような作品なので個人的にはかなりいいんじゃないかと。
(監督は政治的メッセージは無いと言っている。まあ若干、古めの示唆だからかな?実際『ハートロッカー』のほうが強烈だし。)
多少アメリカ色が入った中東の見方ではありますが…
嘘がテーマだけあって基本交渉やスパイ活動、拷問などで物語が進行するんで、ハデなアクションには期待出来ません。
そのかわり、実際に現在動いているかもしれない中東状勢のリアルな描写の光る、リドリースコット監督らしい作品になってます。
リドリースコットの代表作は『エイリアン』、『G.I.ジェーン』、『グラディエーター』、『ブラックホークダウン』などなど多数。骨太な映画が多い印象。どれもテーマが固まっているの映画なので、ハズレがない。
同監督のアメリカンギャングスターなどのような社会派好きにはオススメです
緻密な映画。とにかく所々が細かいこと。
物語の多層さも見逃せない。
主人公フェリスの現地の情報部のリーダー、現地の看護師、そして本土の口うるさい上司との絡み。
それが物語の後半になればなるほど、螺旋のようにからまって進んでいく。
頭もこんがらがりそうになるけど、それもまた面白い。
現地と本土をどっちを信じればいいのかという主人公の苦悩もかなりひしひしと伝わってくる。あっさり冷酷な命令を下すホフマンに対して、若干の疑問を抱きながらもプロとして命令を実行していくフェリス。
観ているこちらもフェリスに感情移入して、「どーするの?」みたいな感じになってきます。その時点でもうこの映画は大成功。
主人公等々に感情移入をさせられてしまった時点で監督の勝ちですから。
つーかラッセル演技うめぇなおい。
『グラディエイター』では見事な肉体美を披露した彼も今作では、ピザが似合いそうなアメリカのエリートを演ずる。
言われなきゃわからないほどの太りっぷり。かなーり役づくりしてますな。
とてつもなく冷酷な命令もあっさりと電話越しにしてくるホフマンをまさに「イヤなヤツ」として好演してくれました。この役がけっこう本作のテーマやオチの肝になってくるので。
ディカプリオもよかった。
最近は精神的 or 肉体的苦痛ばかり受ける役どころばっかりだけど(笑)
それでも真剣な役がかなり板についてきた。
最近は特に、脱『タイタニック』的、つまりハードな役柄が多い。
そしてだいたい髭が生えているというね。