- 出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)
- 発売日: 2009/06/24
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1949年ー架空都市「帝都」。それは第二次世界大戦が回避された日本。
ある日、無線送電システム「テスラ装置」が盗まれる事件が発生する。
犯人が怪人二十面相ということでライバルの明智小五郎(中村トオル)はその事件を捜査することになる。サーカス団で働く曲芸師・藤堂平吉(金城武)は、金銭的事情からある依頼を受けてしまう。だが依頼を受けた平吉は罠により、二十面相に仕立て上げられてしまう。
果たして平吉は無実を証明することは出来るのだろうか…
そして平吉は怪人二十面相を追い詰めるために二十面相に変装する。
観賞日
2009年1月5日
【68点】
やっと日本がまともなアクションものを作れるようになった。
そう言える快作に仕上がった。
監督・脚本は、女性。佐藤嗣麻子。
「鬼武者」のOPムービーや、ドラマ・映画「アンフェア」などを担当した彼女によって、がっちりとしたアクション映画が作られたというのは、やはり時代か。
個人的には、男よりも繊細な感性を持ちうる女性がこいった映画をつくると、
細やかさと豪快さが合わさってすごく良い映画になるのではないかと思っていた。
実際「鋼の錬金術師」や「ハート・ロッカー」なども女性が描いた作品だ。
それでいて男がつくるよりも、カッコいい(汗臭い?)男の世界観をつくりだしている。
今作も同様。
世界観といえば、「帝都」の世界観も完璧だ。
「ALWAYS 三丁目の夕日」のスタッフが絡んでおり、
「ALWAYS」でもみせた映像美を余すところなく表現している。
この映像の迫力が、今作でも一役買っているのは間違いない。
建築物ひとつひとつをしっかりとつくられているというから驚き。
オープニングカットだけで3ヶ月とは… 果てしない努力の積み重ねが生んだ迫力か。
想像の世界のものが違和感なく観られるというのは、間違いなくハリウッド映画と同じ位置にあるということだ。
こういう映画は日本映画らしくないと切って捨ててしまう方もいるだろうが、
実際にこういう映画があらわれた事には喜びを覚えたい。
だからといって、ポンポン漫画を映画化していけば良い訳ではないが…
「ドラゴンボール:エボリューション」のような失敗はしてほしくないし(笑)
アクションがやはりすごい映画なわけだが、
金城武がそのアクションを大半やっているというのもすごい。
設定がサーカスの曲芸師なだけに動きが激しく、
恐らくワイヤーアクションも相当あっただろう。
そうなると、その役を演じきったという点は評価すべき。
ストーリーはオチも含めてけっこう見え見えだったので…
まあ楽しめないわけじゃないけど、そこまでの驚きもなく終わった感じか。
アクションシーンのハラハラ感がこの映画を根底から支えているので、
人々の心情を最優先に表現している映画が好きな人には厳しいかも。
とにかく楽しむ映画。
まぁ家族連れやカップルなど万人受けは確実な感じですかね。
映画どうしようとまよったら無難に選べる感じ。
さすがにスパイディやダークナイトには及びませんが…