岳-ガク-


椎名久美(長澤まさみ)は、北部警察署山岳救助隊に配属されたばかりの新人女性隊員。彼女は着任早々、山岳救助ボランティアをしている島崎三歩(小栗旬)と出会う。彼は世界中の山を登り、山の楽しさ、山の厳しさ、山の美しさを知り尽くしている、「山そのもの」のような人間だった。

山岳救助隊の隊長・野田(佐々木蔵之助)や三歩の指導の下、厳しい訓練をこなし新人女性隊員として着実に成長していく。しかし、実際の救助では自分の未熟さを実感し、打ちひしがれ自信をなくす久美。
そんな折、猛吹雪の雪山で多重遭難が発生する。





観賞日

2011年5月27日





【70点】











日本の大作映画にはハズレが多い。
そんな空気感が正直に言えばある。もちろんそれはハリウッドの大作映画でもある。

だが日本はマンガを原作として映画にしているため、よりガッカリ感が大きいのかもしれない。それだけマンガの原作の力がすごいわけだが。









さて今作もマンガ賞をとったマンガ原作にしては、ストーリーに薄さが感じられた。

というよりも、映画として作品をまとめる時には重要な要素しか抽出できないからストーリーが王道になってしまうのはある意味しょうがないところではある。


そうなるとこのストーリーの単純さには目をつぶらなければならないだろう。
むしろ、「娯楽大作」映画として割り切るとこういうものだと結論付けられて、すがすがしくなる。

なのでこの映画についてストーリーがどうこう言うのはもはや問題ではない。





















私としては、小栗旬が演じた主人公・三歩の演技に少し違和感があった。
確かに原作の三歩の雰囲気にすごく近づいているし、快活な笑顔・言動にも原作の三歩に近づいているんだけど、
結局のところそれは

小栗旬が自身を三歩に近づけようとしているしか見えなかった。

違和感が無ければ、彼自身が三歩として見えるわけだけど、どうしてもそうは見えなかったのが残念だ。

















しかし高所恐怖症(ジェットコースターに乗らない位)なのによくもまあこの映画の主人公を引き受けたものだ。まさに命がけであったろう撮影の努力には役者魂が感じられる。上映中もあまりにも私は三歩ではなく小栗旬としてみてしまったために、「小栗旬マジすげええ」という感想になってしまいます。(笑)




そう考えると、今作の撮影は困難が多くあっただろうと容易に想像がつく。


長澤まさみ小栗旬の両名は撮影の困難だけでも、もう手放しでの賞賛に値するんだろうけれども、←エラそうな言い方


スタッフの方は…
と思うと大変どころの話ではない。何10キロもの機材などを運ぶことを考えればもう「おつかれさまでっす!」といわざるを得ない。
















そういった苦労があったからこそ
凄絶なる山の映像がこの映画には収められている。



とにかく映画館の大スクリーンで観る景色が素晴らしい。
(これだけで採点が10点上がるほどw)

自宅のテレビで観たら多分迫力は半減してしまうだろう。
これこそまさに映画館で観るべき迫力の映画。


ストーリーも、山の壮大な映像があるおかげで、
山の美しさと厳しさが際立って感じられる。
















「画に力がある」とはよくいったものだが、この映画こそ典型的なその例だろう。

CGにはつくれない力。
これは劇場で観る価値大であること間違いなし。