1979年のオハイオ州。6人の子供達が、スーパー8(当時コダック社が販売していた8ミリカメラ)で映画を撮影をしていたところ、貨物列車が脱線・炎上する大事故を目撃してしまう。
まもなく町に大挙してやってきたのは、武装した空軍関係者。あの列車で、空軍は極秘裏に“なにか”を運んでいたのだ。やがて町では、飼い犬が姿を消し、車のエンジンのみが盗まれるなど不可解な事件が続発。一体”なに”が運ばれていたのか…
観賞日
2011年7月1日
【75点】
THE王道映画。この映画を言い表すのにこれほど適切な言葉はないだろう。
いや、むしろいまこの時代にここまでド直球な映画を撮るかと。
だが、オリジナル作品でド直球をやってしまうからこそ意味がある。
今や小説やドラマ、ヒット映画の続編が当たり前だから。
映画の宣伝で、『E.T.』+『スタンド・バイ・ミー』という言い表し方があったが、それもまさに適切だ。どちらかといえば、『スタンド・バイ・ミー』寄りなわけだが。
『LOST』シリーズや『スタートレック』を手がけたJ・J・エイブラムス監督とご存知巨匠スティーブン・スピルバーグ製作という協力タッグだから、今作に超SF大作を期待している方もいるかもしれない。
だが、ここではっきりさせよう。この映画の主眼はそこではない。
できるだけまっさらな状態で映画を観てほしいのでここではあまり内容には触れないが、メインは少年達の成長。「喪失からの成長」という永遠のテーマがそこにはあった。
メインが少年達にあるというのはタイトルからもわかる。スーパーエイトは当時流行していた8ミリカメラの愛称。つまり、これをタイトルにしていることから、この映画が自主制作映画をとる少年達にフォーカスをあてていることがわかる。
さらに言ってしまえば、この70年代後半はスピルバーグが『ジョーズ』、『未知との遭遇』などメガヒット作品を次々と生み出していった時期で、(80年代前半には『E.T』、『インディジョーンズ』も)J・J・エイブラムス自身もスーパーエイトで映画を撮っていた少年だった。
つまり、ある意味この映画はスピルバーグに捧げられたような映画でもあり、少年時代の自分自身を映した映画でもあるということだ。
この映画は少年達の「面白さ」が光っている。キャラの濃さとでも言うべきか。
自主映画の監督のガキ大将は常に威張ろうとする姿勢があって、何だか微笑ましい。爆竹・火薬好きの少年はいつもそのことばかりで、もっと重要なことがあるのに気が付かないボケっぷり。
などなど、少年達は見ていてとにかく面白い。
このへんはいわゆるジュブナイル・ムービーの感じがたっぷり。
だが、それでいて派手なところは派手にしてしまうのが両巨匠のこだわりだろうか。列車事故のシーンはとんでもない。そう、とんでもない。
大音響と長めのシーン、これでもかと爆発し、ダイナミックさには事欠かない。
映画のハイライトとも言うべきこのシーンこそは目を見開いて見てほしい。
なぜなら映画後半は非常に力技で物語が展開し、突っ込みどころはあるがそこに気をとられる暇も無くどんどん進むからだ。
個人的にはどれか削って、どれかのシーンを長くしても良かったのではないかと思ったが…そこが少々残念。
まあこれは娯楽大作として楽しんでナンボだ。こまけぇことはいいんだよ!っと自分に言い聞かせてみよう。
結局、この映画の肝だったのはある意味徹底した情報の機密処理にあったのかもしれない。
予告編では、輸送されていた”あるもの”の正体は明らかにされず、とにかくワクワク感を煽っている。うん、上手い。
個人的には、最後のエンドロールで流れる映像がクセがあって一番好きだったかもしれない。ぬくもりがあって、手作り感があって、映画ファンにはうれしいネタも仕込んであったり…
エンドロールになってすぐ席を立つという愚かな真似はしないように願いたいものだ(笑)。
映画の評価?
予告編と同じでどっちつかずな感じですよ(笑)
ジュブナイルムービーものを映画館でみるのにはうってつけかな?
巧みな予告編はコチラから↓
http://www.youtube.com/watch?v=rMjCJ3CPEBA
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