ミッション：インポッシブル　ゴースト・プロトコル

IMFエージェントのイーサン・ハント（トム・クルーズ）は、ロシアのクレムリンに潜入し、”コバルト”と呼ばれる男についての情報を入手するというミッションに参加する。だが、彼らのミッション中に別の何者かがクレムリンを爆破。
ロシアとの関係悪化を恐れたアメリカ政府は、IMFを政府から切り離す「ゴースト・プロトコル」を発動し、IMFの機能を停止させてしまった。しかしイーサンは”コバルト”の恐ろしい企みを止めるために、本国のバックアップを受けられないまま、残った４人だけで動き出す…

観賞日

2011年12月23日

【75点】

大人気シリーズの第４弾。

鑑賞前はもうこれ以上やることはなさそうなのになぜ続けるのかと疑問に思っていたが、そんなことはなかったようだ。

まずシリーズの醍醐味である、全編に渡るアクションの緊張感は当然備わっている。
第1作のかの有名なロープで床ギリギリで耐えるシーンで感じた、ハラハラ感が甦る。

それが最初から最後まで2時間とにかく続くため、飽きることはない。
かくいう私も睡眠時間が十分に足りず、目がシパシパしている状態で見に行ったわけだが、あまりにも緊張感のあるシーンやエキサイティングなシーンが連続するため、目を閉じる暇も無かった。

シリーズを追うごとにイーサン・ハントが成長しているという点も見逃せない。
今までのシリーズでは、イーサンが仲間を信じて行動するというよりも何とか自分自身の力で打開する、という色が濃かったが、
本部のバックアップが消滅した今作では仲間も信頼せねばどうにもならない状況になる。

特に１，２のイーサンは一匹狼要素が強かったが、段々と成長しチームリーダーとしての自覚も垣間見える。次回以降があるならよりチームリーダー”らしい”イーサンがみれる上に、新しい物語・展開が生まれてきそうで楽しみがさらに拡がりそうだ。まだまだやれる？

チームメンバーを頼りにするという観点からみると、今回のメンバーそれぞれの動きもまた楽しく見れる。

しかもメンバーも中々面白い。新キャラのブラントを演じるのは、『ハートロッカー』や『ザ・タウン』での演技が光ったジェレミー・レナー。なりゆきでチームに合流することになってしまっただけに、時たま混乱したりボケたりする点が面白い。
前作から再び出演しているベンジーを演じているサイモン・ペッグとともにいいコンビで、緊張感の連続する映画の中でユーモアを差し込んでくれる。

敵役には世界的ベストセラー『ミレニアム』シリーズで、主役（準主役）のミカエルを演じたミカエル・ニクヴィスト。インドの富豪に『スラムドッグ＄ミリオネア』で司会者を演じたアニル・カブール。さらにロシアやフランスなどなど、ワールドワイドに展開する物語に合わせて国際色豊かなキャストが揃っているのもみどころのひとつ。

監督のブラッド・バードは『アイアンジャイアント』、『Mr.インクレディブル』、『レミーのおいしいレストラン』などアニメ作品の監督を務めてきた監督。それがいきなり、ミッションインポッシブルシリーズに参戦。

一見するとミスマッチにも考えられる組み合わせだが、ひたすらハラハラドキドキの連続するシーンをみてみるとこの選択が正解だったとわかる。映画の中でハラハラドキドキするシーンの連続がいくつかあるが、それらは空間をうまく使っており「あっちからこっちへいく」というような単純なものではないことが一目でみてとれる。

ストーリー（アクション）を空間的に組み立てていく、という点で、空間を自分たちで作り出さなければいけないCG映画を手がけてきた彼の手腕が存分に生かされているにちがいない。