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2009-05-13 DNPと出版大手三社がブックオフ株を取得!? このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

ブックオフ株を大日本印刷、講談社、小学館、集英社らが取得へ(海難記)

仲俣さんの記事で知って仰天!&新文化の続報。

講談社、小学館、集英社とDNPグループがブックオフ株式約30%を取得へ(新文化)

またしても筆頭株主としてDNPがここで登場しているんですが、今回の主役は出版大手三社ではないかと思われます。出版大手三社がブックオフ株を取得するために、まずブックオフとDNPの両方につながっている丸善に相談、丸善が影のフィクサーとなって、ブックオフの投資会社に話をもっていき、DNPに資金を出させたという構図っぽい気がします。DNPはICタグの件で若干のメリットはあるものの、ブックオフとなると自社の主業務と直接的なシナジーは生みにくいので、今回は出版大手に恩を売るという感じだったのではないかと推測します。

これによって、大手三社は、断裁していた返品余剰在庫を堂々とブックオフに売ることができるようになってしまいました。たとえば、講談社の場合、返品余剰で倉庫に滞留している本でも、絶版にするまで三年間置くという内規があって、断裁するまでの倉庫保管コストがかかっていたのですが、さっさと絶版にして新古本化し、ブックオフ900店舗物流に載せることができるようになるということです。ちなみにブックオフでは新古本1タイトルにつき3000部は確実に販売することができるそうで、出版社の狙いとしては、一番がこれなんじゃないだろうか。そうだとすると八木書店http://www.books-yagi.co.jp/wsale/index.htm)やダイヤ書房http://www.daiyashobou.com/)あたりのバーゲンブック業者には打撃になる話だと思います。

第二には、退潮が明らかになってきているコミックの売上に対する対策。ブックオフは書籍売上のうち平均で40%がコミックの売上です。しかもそのうち、30%は発売2年以内のタイトルなので、完全に競合している状況。今回株主になることで、この買取施策に何らかの制約をつけるようにもっていく(例えば発売半年以内のコミックは買取禁止とか)ようにしたり、例のブックオフの1億円騒動にあったような著作権者への還元を合法的にできるようにもっていく、という狙いがあるのではないかと思います。例によって妄想ですけどね。

ただ、仲俣さんが指摘しているように、

基本的には、既得権をもっている人たちの防衛的な施策にすぎないように思え、このことで本来の出版業界の改革は、むしろ遅れるのではないかと懸念する。

いまのところ、旧来の「出版流通システム」に依存している側からは、企業買収や系列化といった経営面での動きに終始し、消費者である読者に対しては目立った提案がなされていない。*4。となると、今回の大手出版社+大日本印刷によるブックオフ株取得は、ブックオフが「黒船」側によって買収されることへの、「旧幕派」からの先行的な防衛行為だったんじゃないか、とさえ勘ぐりたくなる。

という見方はおそらく正しい。

ついでに言うと、今回の話って、要は新刊書店抜きの流通を大手が始めますと宣言したようなもので、新刊書店が出版社から半分見捨てられたって話でしょ?というようにも捉えることができます。そういう意味では、驚いたと同時に、どうしようもなく憂鬱な気持ちになったことは事実。衝撃的すぎる…。

それはそれとして、朝一番に上の人に「えらいことがおきましたよ!」と報告したら「ごめん、それ知ってた」と過去形で返されてしまいました。最近業界(と会社)から取り残されている自分を感じます…。

MORIMORI 2009/05/13 14:36 ブックオフに過剰在庫を卸すぐらいなら、新刊書店に卸してバーゲンブックとして
売れるようにしてもいいと思うんですが、それは再販絡みで大っぴらにはやりにくい
ということでしょうかね

大手版元「様」はこんなことの前にもっとやるべきことがあるような気もするんですが。
そして、業界再編の話題でいつも書店は脇役であり、自らが主体的に動くことはない
(というかできない)なのは仕方ないことなのでしょうかね・・。

おんせんココアおんせんココア 2009/05/13 15:47 いつも楽しく拝見しております。
注目エントリーのブックオフ〜。雑誌返品やめたら〜 のコメントを書いたときもすこし思ったのですが。

あくまで推論の域をでませんけども。主要出版社が書店・取次の株を持っていること自体は差して珍しいことではないし。
トーハン自体は一ツ橋や音羽グループが主要出資母体ですし、ニッパンも経営・法規関係が出資母体です。他の大手書店も出版社が押さえていたりしますので。
DNPがジュンク堂の株を収得したときも思ったけれども、ジュンク堂の財務基盤はそれほど強いわけではないし手元の資金がそれほど多いわけではないです。
あまり書くと、多方面からの追及を受けそうですが。
神戸の震災で地方都市の大手という立場に不安を感じたジュンク堂が大阪や東京などの都心部に店舗を増やし始めたのは震災というきっかけが一番大きかったのではと思います。それからイスを置いたり顧客に目をむき始めたのですけど。
首都圏に進出したときにはビルのオーナーに特別に保証金を返還してもらったり、従業員の冬のボーナスが一時金になり住宅ローンがある社員には特別融資をしたほどです。新規オープン時の在庫の延べ勘も半年などの一般の書店の比ではなく常備よりも長期っていったいぜんたい。超長期にわたりますのであれだけ長期なら支払いがいらないほどですよ。
潤沢な資金があるわけではないのです。DNPの申し入れは渡りに船だったのではないかと思います。株主数の制限があるので上場は出来ませんけれども。


今回のことは、どこが画策したと言うよりも。
既存の枠内にブックオフを取り込んだというのが正しいように思います。ブックオフの規制強化になりますし今までのように好き勝手には出来なくなることの方が出版社にとっては都合がいいのではないでしょうか。

匿名希望漫画家匿名希望漫画家 2009/05/13 18:22 絶版と断裁は別ではないのですか?
絶版にはせず必要な在庫を残して、余剰を断裁という融通をきかすことはできないのでしょうか?
(というかドラマがこけた●●(たとえ匿名でも言えない)を刷りすぎてしまって断裁するハメになった・・・という話を当の編集部の編集者から聞いたことがあります)

rafatirafati 2009/05/13 23:20 そんなもんがブックオフにドバドバ流れてきても
ぼくたちはどうすればいいんだろう

ぼっちゃんぼっちゃん 2009/06/17 17:44 なるほど。納得しながら、読ませていただきました。
良書が絶版になることなく、長く流通する時代に
なることを希望いたします。