少数派日記

社会派エロブログ、少数派日記です。

“安藤総理の少数派日記”

2144 54歳の入団会見1

全米の野球ファンが注目したNYヤンキース田中将大投手の入団会見の翌日、もうひとりの日本人プレーヤーの入団会見が同じ会場で行われた。
そして、こちらの選手の入団会見も田中投手に勝るとも劣らない盛況ぶりだった。
ただし、田中投手の会見は、NYの期待と願望を込めた実にシリアスな内容だったが、こちらの投手の会見は、どちらかというと物見的な好奇に満ちた、見世物小屋の宣伝のような前代未聞のパフォーマンスのようでもあった。なぜなら、その新人投手の年齢は、なんと54歳。38歳の不滅の英雄ジーターでさえ、今季限りで引退する。
この老齢投手がNYの聖地で、たとえ1勝でも挙げることができたとしたら、まさにミラクル。ニューヨーカーたちは、彼を万冠の思いで祝福し、敗れたチームはチャーター機をキャンセルして3Aの選手と同じグレイ・ハウンド(長距離バス)でホームタウンへ帰るべきだろう。そして同様にヤンキーズは、この54歳が1勝もできなかった場合、創設以来、永年培ってきた栄光を捨て、ピンストライプに懺悔しなけれなならないことになるだろう。(NYタイムズ一面)


(夢中の記者会見。つまりフィクション。興味のない方はスルーを。でもオモローだよ。寝てたら突然、降ってきました。忘れないうちに記録しておきます)


記者「まずは54歳という高齢で、しかも名門ヤンキースに入団された経緯から教えていただきたい」
アンドロイド「オファーがあったからだ。ヤンキースからの」
記者「アメリカでは結果がすべて。年齢など関係ありませんが、その年齢で本当にまだやれるのですか?」
アンドロイド「君の質問の中に半分の答えがある。まず年齢など関係ない。これは日本でも同じさ。結果がすべても同じ。だけど、過程があるから結果があり、自分の過去の結果をヤンキースが評価してくれた。メジャーで通用するかどうかは、まったくの未知数。やってみなければわからん。自信がなければ契約書にサインはしないしオファーも受けない。かと言って、絶対に1勝する確固たる自信があるわけではない。むしろ、不安や恐怖の方が大きいかも知れない。それが正直な心境だ。なんたってメジャーの選手は、みんなプロレスラーみたいな人たちばかりだからね」(会場爆笑)


記者「しかし、現実問題としてヤンキースは勝たなければならない」
アンドロイド「当然だと思う。日本にもヤンキースと同じような考え方のチームがある。常勝を宿命づけられている・・・とか言ってね。次の一言を発したら、NYのファンから一斉に、ソッポを向かれるかも知れないが、あえて言っておきたいことがある。私は強いチームに興味がない。むしろ弱小と呼ばれる球団の方が性に合ってる気がする。だから、このピンストライプには、正直、いささかの抵抗がある」


記者「どういう意味ですか?ヤンキースが嫌い・・・だと」
アンドロイド「まさか・・・そんなことは拷問を受けたとしても言えないよ」(会場大爆笑)
アンドロイド「ただ、自分の趣味ではないのさ、ヤンキースは。華やかすぎてね。エリートという言葉にささやかなる抵抗があるのかも知れない。むしろ雑草という表現に親しみを感じる。自分は日本でも少数派人間として通してきたからね」


記者「それはcontraryということですか?」
アンドロイド「ああ、ちょっと待ってくださいね。contraryって単語わからないなあ・・・」
(ここでアンドロイドは日本製の電子辞書を引く・・・会場爆笑。なお、この記者会見は通訳なしの、すべて英語で行われている)
アンドロイド「なるほど、contrary・・・ひねくれ者ね。日本じゃ、天邪鬼とか言いますけど、ちょっと違うかな。強いていえば、反体制主義者。アメリカ人も好きでしょ、ロッキーとか、ランボーとか、ダイハードとか、組織や体制に逆らうヒーロー・・・。私を、そんな性格にさせたのは、そんなアメリカ映画の影響かも知れません」(会場爆笑)


ここで、アンドロイドは「日本製電子辞書」「アメリカ映画」という単語を意図的に出しています。お気づきかな・・・。


つづく