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2010-10-03

[]『新しい労働社会―雇用システムの再構築へ』を読んだ。

書評 新しい労働社会―雇用システムの再構築へ(濱口桂一郎)―極東ブログを読んで興味を持ったので読んでみた。

新しい労働社会―雇用システムの再構築へ (岩波新書)

新しい労働社会―雇用システムの再構築へ (岩波新書)



生まれてから一度も正規社員であったことがないせいか、

日本において労働する上でどう立ち回ったらよいのか未だによくわかっていない私の社会人人生ですが、

その中でも2つ、とびきり意味のわからなかったことがあった。


ひとつ、昔、上司に昇給を打診したときに退けられつつ言われたこと。

chanmさん別に生活困ってないでしょ。


えっ


実家だし独身だし、ということだろうか。

しかし、仕事量や生産性とのみ相関を持つはずの給料ではないか。

その社員が生活に困っているかどうかが給料になんの関係があんの?

てかそういえば扶養手当って何だろう。意味がわからない。

子供ができたらその人仕事出来るようになるの。


と、はてなマークが大量に浮かんだ。



もうひとつ、新卒で入った大企業を定年まで勤めあげたある男性が、

定年後すぐ亡くなった同僚について語った内容。

ああいう生き方が幸せだよねって同期と話したよ。

子供も結婚したし、もういつ死んでもいいしね。


えっ


コロっと死ぬのがよいということだろうか。そりゃ確かに理想だが。

でもあの、あなたの人生、仕事しかしてないよまだ。学校行って会社行って、それだけだよ。

家や地域のことはほとんど奥さんに任せきりだったし。

これからゆっくり自分の趣味や奥さんとの旅行楽しむんじゃないの。そっちが人生なんじゃないの。

定年してさあこれから!って時に死ぬことのどこが幸せなの。奥さんどう思ってると思うの。

てか同期全員馬鹿なの?


と、はてなマーク・・というよりはどん引きした。



以上2点の意味不明が、本書の、しかも最初の方を読むだけで氷解した。

基本的なことを分かっていなかったらしい、私。


日本型雇用システムにおける雇用とは、職務ではなくてメンバーシップなのです。(強調:私)

日本型雇用システムの特徴とされる長期雇用制度、年功賃金制度および企業別組合は、すべてこの職務のない雇用契約という本質からそのコロラリー(論理的帰結)として導き出されます。

Amazon.co.jp: 新しい労働社会―雇用システムの再構築へ (岩波新書)

ああーー。

あああーーー。


そりゃ新卒(処女)かせいぜい20代しか採らないし、

学校で覚えたこと関係ないし、

会社の命令に従って職務はなんでもありだし、

能力に応じた給料じゃなくて職能給(年齢や勤続年数による給料だそうだ)や生活給(家族が生活できるような給料だそうだ)という基準だし、

その代わり滅私奉公&女性は結婚したら家庭に入って旦那を支えろだし、

会社に言われた転勤を断ったらクビだし、

クビになったからってその会社にのみ最適化された中高年が働ける場所はないし、

仕事できなくてもその組織に長くいれば給料多くもらえる権利あるし、

最終的には収支が合うから若いうちの薄給には我慢しろだし、



正社員(=メンバー)以外の生活なんて知ったこっちゃないわ。



大変に納得した。

ひとつ目の疑問の答えは、その会社が生活給という観点で個人の給料を設定していたということで(非正規の人も?)、

二つ目のほうの疑問の答えは、その男性の人生は「会社」に帰属していたということなのだ。社会ではなく(あとはロスタイム?)。


本書の目次はこちら(著者のサイト)。

冒頭の(私には)衝撃的な事実のほか、

月給制と時給制のへんなねじれ、女性社員の扱われ方がなぜ微妙なのか、非正規社員ワープアっぷりが昔はなぜ取り沙汰されていなかったのか、等、いろいろ私が謎だなあと思っていたことが、

制度の成り立ちを交え、私レベルにも大変分かりやすく、すっきりとした言葉で説明されていた。

引用したいところは数多くあるのだけど、時間が取れなさそうなので断念。ぜひ読んでー。


著者は、主にEUの事例を挙げ、賃金改革の方向性を示す。で、では誰がそれをやるのかというと、

最終的には政府からの押し付けではなく、組合側(正社員だけではない)から変革していくしかないとしている。

一人の生活を支えられない給料の非正規社員もどうにかしなきゃいけないからといって、

今はアレでも将来の昇給を生活設計に組み込んで会社にコミットしている正社員にとって、

突然、たとえば同一労働同一賃金というフラットが実現されて給料が下がっても困る。

両方に適応できるような公的なセイフティーネットを配備しつつ、メンバーシップ型からジョブ型へ

変革していくことが必要であろうとのこと(多分。また読んでみる。ざっと読んじゃったし。)


まあ、結局そういうのが実現されて割を食う「正社員」っていうのは

その年には結構な年齢になっているだろうわれわれの世代(第一次氷河期世代)でしょう。

さすが貧乏くじ世代。

マッチポンプともいう。

いいません。


てかその前に雇用なんですけどね。

雇用の前に景気なんですけどね。

景気良くなるといろいろ忘れちゃうんだなこれが。日本って。


あー頭よくなりたいわー

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