ガンダム30周年記念上映 メモリアル・プログラム

富野監督コメント

MESSAGE【メッセージ】
2009年、ガンダム30周年によせて
歴史に埋没することなく ガンダム原作・監督 富野由悠季
過去を振り返るのは後退ですから、それはしたくありません。しかし、今回このような形で一挙上映の形をとることによって、嫌でも過去と対決しなければならなくなります。作品的な評価を、現在のわたしたちが身につけている基準で斟酌することになって、過去に考え至らなかった問題が露見してしまいますから、対決するということになるのです。その意味では、作り手としては楽しいものではありません。しかし、映画を個室で見るようになってしまった時代に、たとえ記念的なイベントの一環であっても、劇場で公開されるのは嬉しいものです。これが興行の形だからです。そして、それを成立しているのも、この文章を読んでくださるあなたがいらっしゃったからできることなのです。このことは、作品が過去に埋没していないでいることを教えてくれるものになるのですから、
作り手としては心より感謝するところです。
過去の興行にあたって出したコメントは、やや気負った感覚があって、赤面しないではいられない、という部分はあるのですが、その時々の正直な気持ちをかかげたものですので、削除も変更もありません。だから作品として認められたのではなく、時代時代がもとめるアニメの目指すべき道といったものをたどった作品群であったからこそ、現在までの道をつなぐことができたのだろうと思っています。その意味では、目指すべき目標値はわからないものの、向上心をもつことを意識したという自負は、揺るぎないものとしてあります。
つまり、ロボット物といわれるジャンルの作品でも、いっぱしの芸能にしたかったのです。この歳でこんなことを書くことこそ赤面の至りなのですが、その志を支持してくださったファンがいたことは、事実です。それが時代性です。そして、このような機会に、はじめて本作に触れるあなたには、この作品群が、女性たちのファンの支持によって始まった、ということをお知らせしておきます。だからこそ、長い間の支持を得る作品になったという意味は、芸能を考える上では大変重要なことだと思っています。
僕は、ひとりの力で創れるほど映画の仕事は甘いものではない、ということをこれらの作品群を製作するあいだに学ばせてもらえ、その時々のスタッフとファンがいてくださったおかげで、実力以上の作品を創ることができたという体験をさせていただきました。この嬉しさは、死ぬまで忘れることはないでしょう。だからこそ、現在という刻にあたって、これら作品群のなかに封じ込められている“絶望するな”というメッセージとビビッドさは、至宝であると思っています。この再会をスプリングボードに、次のお楽しみを! と、天に腕をかかげます。

サンライズ社長内田氏コメント

他にアムロ役古谷氏、シャア役池田氏GACKT氏のコメント掲載。
GACKT氏のZ曲でお気に入りの曲は「君が待っているから」。

宇宙世紀年表

  • 今回の上映内容に合わせ、TV版Zの記述を削除し逆シャアの93年までの劇場版Z仕様。ZZの記述もあり。
  • ベースになったのはエピソードガイド3巻と思われる。
  • Z以前の項目は0001年の項目が10月になったことと08の項目が追加された(9話まで。「ギレン暗殺計画」で提示された最終話の年末説は反映されていない)以外は変更なし。
  • Zの項目は既存のものからTV版のものを削除したもの。日付の変更はメールシュトローム作戦発動が2月20日になっただけで他は変更なし。
  • ZZも特に変更なし。
  • 巻末にUCのキービジュアルが掲載されているが、関係項目はない。

基本的にはエピソードガイド3掲載年表。発行時期上踏襲しているとはいえ劇場版Z準拠の、ZZまで内包された年表は初。
もっとも、公開当時から劇場版Z→逆シャアのルートでも逆シャアの内容から「以前にハマーンによる戦争があった」ことが示されているので、別に「ZZがなかったことになった」わけではないことは言われていた。

ちなみにメールシュトローム作戦日付について、EB以降、20日も空白期間があるのは変ではないか、という意見は度々上がっていた(はず)。
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