窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「顔」第6話「完全犯罪を狙う犯人の素直な自白……」

出演

粗筋(ネタバレあり)

長谷川マキは、ローカル紙ではなく大手の東都日報への転職を狙っており、内村に協力を依頼する。内村は、それなら君の力を見せてくれといい、長谷川はそれから連日特ダネを抜き、それを(自社ではなく)内村の手柄として東都日報へ提供し続ける。

捜査一課では、内部の人間しか知らないはずの情報が次々に抜かれるため、情報漏洩のルートに必死になっていたが、トイレに仕掛けた盗聴器で情報を収集していたことが判明する……

感想

第一話からセキュリティのあまりの甘さに、このドラマではセキュリティは気にしてはいけないんだな、そういう設定なんだなと思っていたので、まさにそのセキュリティに焦点を当てた話がでてきてびっくりである。

新聞記者がその辺の廊下を平気でうろうろしていたり、部屋に入ってきても「勝手に入るな」と注意されるだけで終わりだったり、記者がそばにいるところで業務命令を出したり、これでは情報を持って行ってくださいといわんばかりである。僕が記者なら部屋に盗聴器を仕掛けるよな、と思ったものだ。まして誰が出入りするかわからないトイレで捜査状況をペラペラしゃべるなどというのは不謹慎にもほどがある。

誰か情報を漏らしている者がいる、と本間から調査を命じられた鶴田と亀田は、課員の携帯の通話履歴を再三調べたが、内村と連絡を取っている人はいなかったという。いやいや、いくらなんでも内村に直接電話するアホはおらんでしょ。一見関係ない第三者を間にはさむとか、通常の携帯とは別にプリペイド携帯か何かをこっそり購入してそこからかけるとか、考えるでしょ。それからありがちなのが、本人は漏らすつもりじゃなかったけど、うっかり家族とか親しい友人とかに話してしまい、そこから伝わってしまうということもある。内村に電話して者はいません、調査終わり、では杜撰もいいところ。

このほかにも突っ込みどころは満載だが、これ以上言っても仕方がないので割愛。自分としては、今回は評価のしようがない。

一方、見所もいくつかあった。

神崎加奈子の射撃の腕は一流。県大会で準優勝し、全国大会への出場も内定(?)。それが理由か、捜査一課への異動が実現。もっとも当初はお茶汲みや資料のコピーなどの雑用ばかり命じられてやる気がそがれた上に、情報漏洩の犯人に仕立てられ、警察を辞めることも考えるが、警官なら自分の疑惑は自分で晴らすと、調査に意欲を燃やすあたりは見応えがある。そうした姿勢が認められたか、ラストでは捜査に加わるように言われる。指名を受けて驚く神崎に、鶴田が「俺に恥をかかすなよ」と独特の言い方で励ますところはなかなか良い。

神崎が仕事をさせてもらえないことを知った平野は、西島に文句を言う。「組織は、出来る人にできることをやらせているだけだ。……っていうか、俺に言うなよ」というあたりのやりとりは、既に慣れ合い感が出てきてオカシイ。神埼は鶴田の部下なのだから、文句を言うなら鶴田に言わなければ意味がない。平野は、一課のことで何か文句があると必ず西島に言う。言われる西島はいい迷惑だが、ま、仲良しなんだから仕方ないか。