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2014-04-12

確かにすごい作品だ「利休にたずねよ」

関東最後の上映。紆余曲折あってこれまで観る機会がなかったが、観て良かった。確かにすごい作品だ。観終わって、是非もう一度観たいと思ったが、それは叶いそうもない。まさに「一期一会」だったということだろう。

題名利休にたずねよ
原作山本兼一
監督田中光敏
出演市川海老蔵(千利休)、中谷美紀(宗恩、利休の後妻)、成海璃子(おさん、利休の娘)、伊勢谷友介(織田信長)、大森南朋(豊臣秀吉)、檀れい(北政所)、福士誠治(石田光成)、袴田吉彦(細川忠興)、黒谷友香(細川ガラシャ、利休が美しいものに怯えているように見えたと話す)、長次郎(柄本明、瓦職人/楽茶碗の創始者)、中村嘉葎雄(古渓宗陳、利休木像を設置した大徳寺の住職)、川野直輝(山上宗二、利休の弟子)、伊武雅刀(千与兵衛、利休の父)、市川團十郎(武野紹鴎、利休の師)、クララ(高麗の女)、大谷直子(たえ、置屋の女将)、他
公式サイト映画『利休にたずねよ』公式サイト
制作日本(2013年12月7日公開)
時間123分
劇場下高井戸シネマ

内容

利休の強烈な美意識と野望は、若い頃の恋愛体験に基づいていた……

雑感

全体に「気品」というものがみなぎっていた。

冒頭で切腹の前夜が映り、そこから若き日の宗易に戻って話が始まる。話が飛ぶ時は「切腹の×年前」と説明が入る。運命の日を最初に描き、そこからいったん時代を遡って描くのは一般的な手法だが、利休の生涯を「死(破滅)」に向かって進んでいると明確に位置づけたのは興味深い。

切腹の一年前まで近づいた時、もう一度時代を遡り、今度は10代の与四觔になるのだが、しばらくの間その仕掛けがわからず、利休そっくりの若い人が出てきたが、それが誰なのか、これまでの話とどうつながるのか理解に時間がかかってしまった。逆にいうと、市川海老蔵(36歳)の若作りが非常にうまかったということだが。

与四觔にとって重要な意味を持つ海辺の小屋が、宗易時代の早い段階で印象的に映されていたのはうまい。そのシーンにおさんを絡めたのも、のちのおさんの悲劇を考えるとうまい(おさんの登場シーンは短いが、印象的に登場するので、悲劇が際立つ)。

このあともう一本「ローザ・ルクセンブルグ」を観ていくつもりだったのだが、良質の作品でお腹いっぱいになってしまったので、一本で帰宅。

配役

  • 成海璃子があまり喋らなかったのは良かった。彼女はきれいで好きな役者なのだが、「平清盛」で時代劇特有の喋り方ができない人だとわかったので。
  • 袴田吉彦は「踊る大捜査線」(TV版)のプロファイリングチームのリーダーだった人。えっあの人がそうか。
  • 川野直輝は「踊る大捜査線」(movie3以降)の栗山孝治である。えっあの人がそうか。「交渉人 THE MOVIE」でもハイジャック犯の兄として登場している。ええっ、あの人がそうか!?
  • 黒谷友香は「謎解きはディナーのあとで」では船医として、「二流小説家」では赤羽の元恋人として登場。記憶になし。
  • 大谷直子は「軍師官兵衛」の第二話、信長の生母として登場。
  • 北政所、きれいな人だとは思ったが檀れいだったとはわからなかったなー。

日本アカデミー賞

これで日本アカデミー賞の大賞にノミネートされた作品(優秀賞の受賞作)は全部観たことになる。こうしてみると、主演男優賞は市川海老蔵であるべきではなかったか。今年は「舟を編む」が全部持っていく、というのが日本映画界の総意だったように思えるくらい偏重した結果だったが、納得がいかない。それがわかってよかった。

中谷美紀も良かったが、まあ主演女優賞は真木よう子でいいだろう。

原作

原作が直木賞受賞作だとは知らなかった。作者の山本兼一が今年の2月13日に亡くなられていたことも。

劇場

下高井戸シネマは初めて。駅前の商店街は大型スーパーはなく、小さな店が立ち並ぶこじんまりとした懐かしい風景。駅を少し離れるともう何もない住宅街で、その一角にあるマンションの2階にある。名画座はかくあるべきかも。劇場自体は意外に大きく、その点は「新宿シネマカリテ」よりずっと上。

作品のせいか、立地のせいか不明だが、ご年配の方が非常に多かった(しかも鼾をかいて寝ている人も複数)。

スケジュールを見ると、見逃して残念に思っていた「ウォールフラワー」「ROOM 237」「17歳」「メイジーの瞳」「エヴァの告白」「東京難民」などが続々と上映されるようである。これはいい映画館を見つけた!

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