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2018-04-14

「黒井戸殺し」(フジ)

概要

  • アガサ・クリスティの「アクロイド殺し」の三谷幸喜によるリメーク(舞台を日本に改変)・実写化。
  • 2015年に同じ主人公で「オリエント急行殺人事件」が作られたらしい。三谷幸喜のクリスティもの第二弾。

出演

俳優配役「真田丸」での役備考
野村萬斎勝呂武尊(すぐろ・たける)-探偵
大泉洋柴平祐真田信之医師・語り部
斉藤由貴柴カナ阿茶局柴平祐の姉
遠藤憲一黒井戸禄助上杉景勝被害者
向井理兵藤春夫-黒井戸禄助の義理の息子
草刈民代黒井戸満つる-黒井戸禄助の義妹
松岡茉優黒井戸花子春(信繁の側室)満つるの娘
寺脇康文冷泉茂一-黒井戸禄助の秘書
余貴美子来仙恒子-黒井戸家の女中頭
秋元才加本多明日香-黒井戸家の女中
藤井隆袴田次郎佐助黒井戸家の執事
今井朋彦蘭堂吾郎大野治長作家
吉田羊唐津佐奈子稲(信之の正室)未亡人
佐藤二朗袖丈幸四郎-警部
浅野和之鱧瀬-顧問弁護士
和田正人復員服の男-復員服の男
  • 今回は真田丸同窓会ではない(「真田丸」に出演していない人も何人もいるし、出演していた人も、その時の役を引きずっていない)が、かなり「真田丸」とかぶっているので一応併記してみた。

スタッフ

  • アガサ・クリスティ(原作)
  • 三谷幸喜(脚本)

公式サイト

雑感

  • 「アクロイド殺し」はミステリーファンの間では非常に著名な作品で、犯人は誰でも知っている。それでは面白くないから、本作では犯人を変えたと思い込んでいた。そのため、後半に入るまで犯人が誰だかわからず、そういう意味では楽しめた。
  • 全部がわかってから再度視聴してみたが、かなり細部に至るまできちんと計算して作り込んであることが改めて実感され、感動した。
  • 上に記した登場人物全員を(役者を)知っていた。自分としては、これは非常に珍しいことだ。
  • 斉藤由貴が存在感があった。一説によると、不倫騒動で今年の大河ドラマの出演を辞退した斉藤を三谷が惜しみ、直接オファーを出したという。斉藤はその期待によく応えた、というところか。別に法律を犯したわけじゃあるまいし、こういうすぐれた役者はどんどん出演してほしいと思う。

(2018/5/17 記)

2018-01-01

「風雲児たち〜蘭学革命篇」(NHK)

概要

  • みなもと太郎の不朽の名作漫画「風雲児たち」の三谷幸喜による実写化。

出演

俳優配役「真田丸」での役
片岡愛之助前野良沢大谷吉継
新納慎也杉田玄白豊臣秀次
山本耕史平賀源内石田三成
草刈正雄田沼意次真田昌幸
村上新悟中川淳庵直江兼続
迫田孝也桂川甫周矢沢三十郎頼幸
大野泰広大槻玄沢河原綱家
長野里美萊子(良沢の妻)こう
岸井ゆきの峰子(良沢の次女)たか(信繁の側室)
中島亜梨沙富士子(良沢の長女)吉野太夫
栗原英雄奥平昌鹿真田信尹
阿南健治工藤平助長宗我部盛親
高木渉林子平小山田茂誠
小林隆国松片桐且元
山西惇多紀元徳(御殿医)板部岡江雪斎
浅利陽介安岡玄真小早川秀秋
加藤諒小田野武助石合十蔵(信繁長女の夫)
中川大志石川玄常豊臣秀頼
近藤芳正役人・新蔵平野長泰
中原丈雄桂川甫三(甫周の父)高梨内記
高嶋政伸高山彦九郎北条氏政
小日向文世吉雄耕牛(通訳)豊臣秀吉
遠藤憲一須原屋市兵衛上杉景勝
みなもと太郎寛三(版木屋) -
有働由美子語り語り
  • 三谷幸喜の作品は同じ役者が呼ばれることが多いが、今回は主要な役者は全員が「真田丸」から召集されている。単なる時代劇として見ても面白いが、「真田丸」ファンにとっては同窓会のような気分だったろう。もちろん自分も。
  • 「真田丸」で徳川方を演じた役者は一人も呼ばれていない。徳川幕府を倒す(ことにつながる)話だからか。
  • 草刈正雄の演じる田沼意次は、まんま真田昌幸であった。時代が変わっても性格は変わらんなあ。
  • おこうさんが、ではなくて萊子が咳込むシーンは、狙った演出だろう。それとも長野里美のアドリブか?
  • ほかにも、真田丸の時のキャラを意識した演技や設定が密かに散りばめられている気がした。
  • 唯一、真田丸に登場していないのがみなもと太郎。原作者ということでのゲスト出演だが、なかなかどうして芸達者なところを見せてくれた。若い頃に「仕出し」(映画の端役)のアルバイトをしていたのは伊達じゃない!?

スタッフ

  • みなもと太郎(原作)
  • 三谷幸喜(脚本)

公式サイト

原作との違い

  • 原作へのリスペクトはあるが、必ずしも原作に忠実ではなく、かなり大胆に変わっている部分もある。
  • 石川玄常は、原作には登場しない。桂川甫周も、解体新書の訳読会には参加していない(顔はどこかに描かれていたかも知れないがセリフはない)。ただし原作ではのちに日本を代表する学者となるが、本ドラマでは政治的な意図で訳読会に参加させられたことになっており、あまり賢そうではない。
  • 漫画の最大の見せ所は、解体新書を出版するかしないかで前野良沢と杉田玄白が決裂するシーンであろう。珍しく2ページにまたがる大ゴマを使い、そのあとは良沢と玄白が全く同じセリフをしゃべりながら全く逆の方向を目指すという見事な演出であった。ドラマでももちろんそのシーンはあるが、残念ながらあまり印象的とはいえなかった。あの演出はやはり漫画ならではのもので、芝居で同じことはできないのだと改めて感じさせられた。とはいえ、原稿を渡したくない良沢が、日々原稿に手を入れ推敲を重ねており、適当な訳語がない場合は新たな和語(「神経」「十二指腸」など)を創作しているシーンは良かった。
  • 原作では決裂後も交友は続くが、本ドラマでは玄白自身は良沢と縁を切った形になっている。解体新書が上梓された時、刷り上がった本を良沢に持って行くのは中川淳庵のみだった。良沢の古希、玄白の還暦の祝いで久々に再会するのだが、約20年ぶりに顔を合わせた二人が、何も言わずにただ見つめ合っているシーンは、片岡愛之助と新納慎也の力量もあり、圧巻であった。これを漫画でうまく描くのは難しい。

雑感

  • 版木屋の寛三が締め切りを守らない作家に苦言を呈するシーンには笑った(みなもと太郎自身が締め切り破りの常習犯であることは、原作ファンならよく知っていることである)。
  • 「ターヘルアナトミア」「解体約図」「解体新書」などが具体的にどの程度の大きさのものなのか、原作ではピンとこなかったが、本ドラマではよくわかった。これは実写の良いところだろう。約図は漠然と思っていたよりはるかに大きく、逆に「ターヘルアナトミア」は意外にコンパクトだった。
  • 専門書の翻訳は時間がかかるもので、現代でも数年がかりはザラであろう(本業の片手間にやる時間的な問題もあろうが)。オランダ語は片言しかわからない、辞書はない教師はいない、オランダ医学に関する知識もない人が丸四年で訳したというのは、驚異的なスピードなのではあるまいか。

(2018/5/2 記)

2013-08-24

これが平成の夫婦善哉「芸妓とぼんちが出会うて惚れてああしてこうしてこうなった」

「夫婦善哉」という言葉は聞き覚えがあるけれど、それがどういうものなのか全く知らなかった。もとは織田作之助の小説で、何度も映像化されている作品らしい。もともとそのような定評ある作品である上に、脚本が藤本有紀、主演が森山未來と尾野真千子と知って、見てみようかなと思った。

土曜日の夜にテレビを見る(時間を確保する)のは正直厳しいものがあるのだが、再放送もあるようだし、全4回なら続けられそうだ。「島の先生」と同じ枠だな。

公式サイト

http://www.nhk.or.jp/dodra/meotozenzai/html_meotozenzai_story01.html

脚本

  • 藤本有紀

出演

  • 森山未來(維康(これやす)柳吉、老舗化粧品問屋・維康商店の若旦那)
  • 尾野真千子(蝶子、北新地の人気芸妓)
  • 火野正平(種吉、蝶子の父)
  • 根岸季衣(お辰、蝶子の母)
  • 青木崇高(子河童、蝶子の幼馴染)
  • 団時朗(河童、材木屋)
  • 山村紅葉(「梅の屋」女将、蝶子の雇い主)
  • 佐藤江梨子(金八、蝶子の同僚
  • 岸部一徳(維康半兵衛、柳吉の父)
  • 平田満(維康商店の番頭)
  • 草刈正雄(草楽、柳吉・蝶子の大家)
  • 麻生祐未(おきん、ヤトナ斡旋業)

雑感

第一回目からネットでは評判が良かったようだけど、自分は、どのあたりを面白がればいいのかがわからなかった、というのが正直なところ。別に詰まらなかったわけではないが、特に盛り上がりもなかった。

柳吉は絵に描いたような放蕩息子で、とにかく生活力はゼロ。今風に言えば、典型的な「ダメンズ」だ。

ダメンズの中には(意外にも)女性にモテ、彼女や奥さんが必死で尻拭いをしてくれている人もいる。こうした人は、生活力がなくても遊びが洗練されているとか、女性を口説いてその気にさせるのがうまいとか、女性を虜にさせる「特技」を持っているものだ。ところが森山柳吉には、そのような魅力は(少なくとも僕には)全然感じられなかった。

蝶子をいろいろなレストランに連れて行ってハイカラなものを食べさせ、蝶子はそれが気に入ったようだが、蝶子のような仕事をしていれば、いろんな男を見て、それなりに目も肥えているだろう。普通に考えれば、おごってくれている間は(店に通ってきてくれている間は)仲良くするが、お金が切れたら縁を切るべき人のはず。まして、蝶子は「大阪一の芸妓になる」ことが目標なのだから、そのための役に立ってくれない人には興味がわかないはずではないか?

店の金を湯水のように使えた時はいいお得意様だっただろうが、勘当され(一文無しになって)蝶子に駆け落ちを迫ってきた時に、なんで仕事も家族も捨ててついて行こうと思ったのか。そこがわからない。そこがわからないから、そのあとの話がすべて嘘くさい。

以上、入り込めなかった理由を分析してみた。

終了後、twitterを見てみると、かなり盛り上がっていた。どこがどのように面白かったのか知りたいと思ってあれこれ眺めていたが、さっぱりわからない。twitterなんて多くは脳髄反射で書くものだし、140文字の制約もあるから、理路整然とした内容にならないのは仕方ないが、面白いと感じた部分やその理由をきちんと(他人にわかるように)述べたものはほとんどなく、読んでいる人も面白いと思っていることを前提に、「面白かったねー」「ねー」とやりあっているだけ。これでは面白さが外部には伝わらない。

昨年、大河ドラマの「平清盛」が、視聴率とは裏腹にtwitterではおおいに盛り上がっており、視聴率視聴率と騒ぐ人にtwitterでのこの盛り上がり具合を見てもらいたいと強く思う一方、テレビを見ていない人がこうしたTLを見て、そんなに面白かったのなら、自分も来週から見ることにしようかな、……というように思う人が出てくるのではないか、つまりは視聴率の改善に貢献するのではないかと思ったが、効果はなかったようだ。

今になって気づかされたが、熱心に見た視聴者同士で、内輪でいくら盛り上がっても、そのメッセージは外部の人間には伝わらないのだ。盛り上げているつもりで、却ってたこつぼ化を助長していたのかも知れない。

配役

  • 火野正平がすぐにわかって良かった。「終戦のエンペラー」を観ていたおかげだ。
  • 根岸季衣は、いつもあとで配役を見て「あれが根岸季衣だったのか……」と気づくのがほとんどだが、今回は見た瞬間にわかった。よかった、勉強の甲斐があった。
  • 佐藤江梨子の名前をなんで憶えているのか、作品リストを見る限り出演作を見たことは一度もないのに……と思ったが、東京新聞で「本音のコラム」を執筆していたことがあったことを思い出した。なかなか文が立つ人だった。
  • 麻生祐未は「官僚たちの夏」でのタカビーな通訳以来かな?

過去記事

夫婦善哉 完全版

夫婦善哉 完全版

2012-06-02

ホタルノヒカリはのだめか

5年前に、そういうドラマが流行っているというのは知っていたが、見たことはなかった(今年の大河ドラマで佐藤義清役に藤木直人が出てきた時、ああ部長か、と思ったので、藤木直人と綾瀬はるかが出ていること、二人の顔ぐらいは知っていたようだ)。つまり、どういう話かは知らなかった。

木曜日、映画館で「ホタルノヒカリ」の予告編を初めて見た。綾瀬はるかは仕事はできるが家ではぐうたらで家事もまともにできない「干物女」。これが面倒見のよい優男である「部長」と結ばれる、という話ですよね? 綾瀬はるかが幼児語みたいな喋る方をするのを見て、お前はのだめか!? と思った。

おまけに映画では二人がヨーロッパへ行き、そこで起きる珍騒動を描くのだという。話の進め方がますます「のだめカンタービレ」ではないか。のだめはフジテレビ、ホタルノヒカリは日本テレビ。いいのかな。

2011-02-14

南くんの恋人(2)「涙の電話」

これは「高校生のちよみが小人化してしまい、親にも言えず、恋人を頼る」というシチュエーションのみを原作から借りた、別の物語なんだな。特殊な状況下でのハートフル・ラブストーリーというか。ちょっと滑稽でちょっと切ない物語。

原作では、ちよみと南くんは既に性的な関係もあった。だから小さくなったちよみを風呂に入れたり、世話をしたりすることにお互いに違和感はなかった。が、本作の二人はちょっと手を握ったことがあるだけで、キスもしたことがない。そういう相手の生活一切の世話をするのはしんどいなあ。中高生にとってはギャグかも知れないが、オトナにとってはギャグでは済まないところだ。だって生活するって大変なんだから。

原作ではちよみの家族が登場しない。ちよみのことを心配しているだろうに、なぜ家に帰らないのか、という当然の疑問は、そういうことを考えてはいけない話なんだな、と納得できる。本作ではちよみの家族が克明に描かれる。彼女が行方不明になったことで心配し、狼狽し、リアルにやつれていく。それなのに家に帰らないのは不自然だ。

それで、とりあえず今回は電話で祖父に無事を知らせることになった。この電話での会話は、特に北村総一朗は、なかなか迫力があった。店の外に貼ってあった張り紙も、なかなかよかった。

とはいえ、南くんは両親が心配性で世話焼きで、しょっちゅう部屋に覗きに来るような親子関係であり、また下に妹が二人もいる。こうした環境で、家族に秘密でちよみを生活させるのはほとんど不可能だろう。たとえば、小鳥でもハムスターでもいいが、家族に内緒で飼えるものか、考えてみればいい。原作の南くんはおタクっぽい子で、一人っ子。部屋にこもって何かを熱心にしているのは以前からで、そのことに両親は干渉しない。そのくらいのシチュエーションがあってはじめて、秘密が守れる、かも? と思えるのだ。それでも、長期にわたったら無理だろう。その点、原作では長期にわたる前に……

原作との比較はともかく、これはこれで面白くなくはなかった。

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