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2009-09-20

「官僚たちの夏」最終話「天下りせず」(TBS)

出演

  • 桂ざこば(岡屋文平、共同繊維常務)

感想

鮎川は死に、庭野は繊維業界が潰されるのを止められず、暴徒に殴られて失意の中で退場、牧は自分の主張をなくし手下の片山にまで咬みつかれる始末……自分たちにはどうすることもできない流れの中で、光が見えないまま幕切れとなった。最終話ではじめて原作のテイストに近くなったといえるが、どうにも中途半端な終わり方だ。

おまけに、エンディングではその後の日本の繁栄の様子をフラッシュバックで流していたため、結局通産省は何をやっていたのか? と虚しく問いかけることになっている。そんなことを企図したものだったのか?

岡屋社長が「この10年なにも変わっていない……」と庭野を激しく非難するが、彼ら(繊維業界の人たち)こそこの10年で何を学んだのか。かつて綿の輸出が右肩上がりで伸びてはしゃいでいた時に、アメリカから自由化を押しつけられて日本の綿は壊滅的な打撃を受け、岡屋社長も吸収合併を余儀なくされた。その後繊維業界は化学繊維に転じ、これがうまくいって輸出が伸び、さあ設備投資だなんだとはしゃいでいたら、アメリカは輸入規制を押しつけ……。

現実がどうだったかはともかく、ドラマを見る限りでは、日本が派手に儲ければアメリカに潰される。だから好景気に踊らされず、特に対米輸出には頼らない産業構造を作るべきだったのではないか。それを通産のせいにするなよ、とは思う。

片山が援助を申し出、庭野が「弱者救済は石炭で手一杯だ」と断わったのもおもしろい構図(これまでと逆)。それに対し片山が「日本の繊維は弱者じゃない」と切り返すところが今回のハイライト、かな。

風越の、辞めた後も天下りせず、雑文を書いたり講演をしたりして貧しく過ごすというのもポリシーではあろう。しかし力がない。日本を憂いて、庭野を心配して駆け付けても、「こんなことでいちいち先輩面してやってこないでくださいよ」と言われるのがオチ。牧のセリフにムッとしたのは風越だけではないかも知れないが、この点に関しては牧が正論だ。少々頼りなくても(頼りなく見えても)、だからといってOBにしゃしゃり出てこられたら現場はたまったもんじゃない。

藤田朋子がいかにも今風の奥さんだった。昭和40年代だと、いかに高級官僚の妻とはいえ、あんな若々しくないだろうと思うのだが。

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リンク

城山三郎の小説もこのテレビドラマも佐橋滋をモデルにした主人公「風越信吾」をヒーロー化して描いているが

それはどうだろうか。原作ではそうではないと思う。原作を読んだことがあってこのドラマを見た僕は、なんでこんなに風越たちが美化されているのか不思議だった(今でも不思議だ)。官僚を持ち上げる政治的な理由があったのか、最終回で急転したのは、政局が変わったからかなどと訝ってしまう。

2009-09-13

「官僚たちの夏」第九話「炭鉱事故」(TBS)

出演

  • 西村雅彦(丸尾要、大日製鉄副社長)
  • 藤田朋子(鮎川妙子、鮎川光太郎の妻)
  • 中村優子(遺族:子をおぶった母)

感想

斜陽産業をどうするかは難しい問題だ。しかし、この40年間で安全性に対する認識は進歩しているのではないかとは思う。炭鉱事故は痛ましい事件だったが、安全性を犠牲にしての人減らしは、今日では許されないことだと思うが……そういう認識が一般的になったのも、こうした事件が下敷きになっているのか。

最終的に次官になるこを目標に仕事に励むこと自体は悪いことではないと思うが、牧や片山が、次官になることだけが目的になっていて、次官になれそうもないから辞めるとかいう精神構造は全く理解できない。次官になったところで、所詮2年くらいの話で、永遠の安泰が待っているわけでもない。それまでをいかに過ごすかが大事だと思うのだが、時代の差だろうか……(それとも今でも、官僚の人はこうした考え方をするものなのだろうか……)。

鮎川が度重なる過労でついに不帰の人に。

次回が最終回。

2009-09-06

「官僚たちの夏」第八話「総理の死」(TBS)

第二部スタート。

出演

  • 佐藤浩市(風越信吾、特許庁長官)
  • 高橋克実(鮎川光太郎、鉱山保安局局長)
  • 堺雅人(庭野貴久、鉱山保安局管理課長)
  • 吹石一恵(山本真、特許庁職員)
  • 船越英一郎(玉木博文、事務次官)
  • 高橋克典(片山泰介、重工業局長)
  • 杉本哲太(牧順三、企業局長)
  • 北大路欣也(池内信人、総理大臣)
  • 長塚京三(須藤恵作、民自党議員)
  • 佐藤B作(古畑晋介、通産大臣)
  • 鶴見辰吾(倉橋太郎、松池炭鉱労組委員長)
  • 岡本信人(大沢和己、大沢無線社長)
  • 金田明夫(大原喜久雄、特許庁職員)

感想

ここに描かれている通りだとするなら、玉木はかなり頭が悪いと思うが、本当にそうなのか。伸びる産業があれば代わって斜陽になる産業がある。斜陽産業に従事していた人の方向転換や救済策は考える必要があるが、斜陽産業自体には投資できない。投資しても淘汰が先延ばしになるだけで、返ってくることがないから。これはわかる。が、これから伸びていくであろうが、現段階で力足らずの産業は全く事情が違う。ドラマでいえばコンピュータ産業がそうだ。これを一緒くたに考えていたとするならずいぶん問題である。

池内総理に、日本の産業が国際競争力をつけてほしいとは思っていたが、なんでも技術を外国から導入すれば済むとは思っていない、それをやれば国内産業は育たず、国が潰れる……と言われて瞠目する場面があるが、至極当然な話である。そんなこともわからなかったのだろうか。

もうひとつ、情に流されず大局的な見地から理知的な判断を行なうのが次官の役目、だから現場には足を運ばない……という場面がある。「情に流されず大局的な見地から理知的な判断を行なう」のは通産省次官に限らず、組織のトップはだれでもそうすべきであろう。だがもうひとつトップには、そこで下した決定を浸透させ、徹底させる、という役目もある。妥当な判断ができなければ困るが、判断がよくても周囲が聞いてくれなければ絵に描いた餅になる。自分のいうことに説得力を持たせるためにも現場との風通しをよくしておくことは重要なのだ。

いよいよ次回は風越が次官に返り咲き。須藤恵作が総理に。出世のために風越派から玉木派に乗り換えた牧は、どうなるだろう?

2009-08-23

「官僚たちの夏」は休み

本日は世界陸上のため、お休み。来週は選挙のためやはり放映休止とのこと。次回は9月6日。忘れそう。