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2012-02-21

人外の者の集まり「荒川アンダー ザ ブリッジ」

公開後2週間経ち、他の映画館では早くも一日2回上映とかになっているが、新宿ピカデリーはかなり混んでいた。売店でニノの体操服を売ってた。ちょっと萌えた。

題名荒川アンダー ザ ブリッジ
監督飯塚健
原作中村 光
出演■TVドラマからの登場:林遣都(リク・市ノ宮行)、桐谷美玲(ニノ)、小栗旬(村長)、城田優(シスター)、山田孝之(星・ミュージシャン)、片瀬那奈(マリア、サディスト美女・乳製品の管理)、安倍なつみ(P子、ドジっ子・家庭菜園)、平沼紀久(ビリー、タイハクオウム・米調達)、有坂来瞳(ジャクリーン、女王蜂・ビリーの恋人・マッサージ)、徳永えり(ステラ)、末岡拓人(鉄雄、兄)、益子雷翔(鉄郎、弟)、駿河太郎(ラストサムライ、美容師)、手塚とおる(シロ、空き缶集め)、上川隆也(市ノ宮積、行の父親)
■本作初登場:浅野和之(高井照正、第一秘書)、井上和香(島崎、第二秘書)、高嶋政宏(高屋敷、国土交通大臣)、桐谷美玲(リクの母)、他
公式サイト『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』公式サイト
制作日本(2012年2月4日公開)
劇場新宿ピカデリー

雑感

いろいろと予想外であった。

ストーリーはTVドラマの続きになると思っていたので、そのためTVドラマ全編をあらかじめ見ておくという予習をして臨んだわけだが、なんと映画の前半はほとんどがTVドラマから抜き出したエピソードだった。つまり、映画もTVドラマ同様、リクとニノの出会いから始まり、いわばTVドラマのダイジェストになっていたのだ。

TVドラマを知らない人でも問題なくストーリーに入っていかれる、映画として完結しているという点では出色の方法だと思う。ただし、構成の仕方がTVドラマとは異なる。ドラマでは荒川での日常が淡々と描かれ、その中でリクが少しずつ人間性を取り戻す話になっていたが、ここでははじめからリクが不法占拠者を立ち退かせるために荒川にやってきたことが示され、立ち退かせるための努力をするもののうまくいかず、ついにミイラ取りがミイラになっていくという軸にそってまとめられている。ちょっと捉え方が違うため、ドラマをよく知っている人でも新鮮に見ることができるだろう。こういう点はうまいと思った。

リクとニノがじゃんけんをして勝った方が進む、というゲームをした時、負けてばかりのニノが、悔しがってジャミラになり、「うー、うー」と唸りながら地面を蹴飛ばすシーンなどは、ドラマでも見たシーンだけど、か、かわいい……とぐいぐい迫ってきた。「ぐいぐい」←鉄人兄弟の声で

一方、リクが荒川河川敷の住人を立ち退かせようと努力し、その結果どうなったか? 自称「金星人」のニノは金星に戻るのか? どうなのか? というあたりの展開がドラマにはなかった部分ということになるが、原作からも大きく乖離した映画オリジナルのストーリーになっていた。

原作からの乖離はそれはそれでいいと思うが、今回はとてもじゃないが褒められない。

素朴な疑問

冒頭で、川に落ちてニノに助けられたリクが寝かされていた枕には「2-3 仙石」と書いてあったように見えた。この「仙石」が荒川にくる前のニノの名前なのではないか?

エンドロール

ありがちなのは、役者の名前がただ単に表示されるもの。これだと誰が誰だかさっぱりわからない。多いのは、役柄名と役者名が並んで表示されるもの。これも、主要な登場人物の全員の名前を覚えているわけではないので、わかりにくい。ところがこの映画は、主要な人物はその人の顔を大写しにし、一緒に役柄名と役者名を表示していた。これだと顔と役者名がダイレクトに結びつくため、役者名を覚えやすい。他の作品もこの方法を見習ってほしいものだ。

ネタばれ注意

原作にない母親を登場させ、それがニノそっくり(演じた役者さんは同じ人)、というのはよい改変。ニノとしては表情の乏しい桐谷美玲が、明るく笑っているのは、見ていても楽しい。

ところで、リクは住人を立ち退かせるべく、一人一億払うという。みんなが興味を示さないと、さらに値段を釣り上げようとし、村長から「ここの連中は金じゃ動かねえぜ」と言われてしまうのだが、……そもそも地上げで大金が動くのは、土地の権利者に対して売却を依頼するからである。村長以下の連中は不法占拠であり、一切お金を払う必要はなく、説得して動かなければ腕ずくで動かせば済む話だ。そうはいっても気持ち良く動いてもらうために、多少の支度金を積んだとしても、一人一億などという法外な金額はあり得ない。

リクは、世の中にはお金で買えないものがあることがわかった、と盛んに言うが、そんなことは誰でもわかっていること(リク自身、父親からもらったというガラス玉を大切にしていることが、物語冒頭から描かれている)。具体的に「何が」お金で買えないとわかったのか、についての説明がない。そのため、とってつけたようなお題目を唱えているだけにしか聞こえず、説得力を欠く。リクは荒川の再開発を阻止することで、何を守ろうとしたのだろう?

村長が、実は政界の大立者で、総理大臣にタメ口を利き、大臣の首のすげかえすら可能な権力者であった……というのはあまりにも荒唐無稽。そもそも彼の年齢(って、いくつか知らないけど、小栗旬の年齢と考えれば29歳)で政治的権力を持っていること自体あり得ない(戦後の最年少大臣は小渕優子の34歳、最年少総理大臣は安倍晋三の52歳)。仮にある時期権力があったとしても、不断の努力を払わなければその力は維持できまい。隠遁生活を送っている人に逆らえないほど、現役の政治家はやわではないはずだ。彼の祖父が実は日本を動かす権力者で、家族に反発して家を出たが、今回だけ泣きついて動いてもらった、とかであればわかるのだが。

ニノが金星人である、という設定をどう回収するかは難しい。原作でもその回収のさせ方は疑問が残った。が、映画版の回収はさらにその斜め上をいく。要するに「いくらなんでもアレはないだろう」と言うしかないシロモノ。たとえば、回収せず観客にあれこれ想像させたまま終わる、というやり方もあったのではないか。そうすればパート2もあり得たし。

ただし、最後にリクとニノが結ばれたのはよい改変。原作を読み始めた時からずっとモヤモヤし続けてきたが、ようやくカタルシスが得られた。恋愛ドラマは、最後に二人が結ばれて終わりを迎えることが望ましい。「のだめカンタービレ」と違い、リクとニノの場合には別れが待っているわけだが。

TVドラマ編からずっと、苦虫をかみつぶしたような顔をしたままだった市ノ宮積(に扮する上川隆也)が、最後の最後に楽しそうに笑う。上川隆也の笑顔は本当にさわやかだ。これまでの表情とのギャップが大きく、なおさらインパクトがある。これもうまいと思った。

2012-02-16

「荒川アンダー ザ ブリッジ」第10話(最終話)

感想

冒頭のニノの日記はいじらしい。いじらしい分、化粧のどぎつさが際立ち、違和感が残る。もちろん一般のレベルでニノが厚化粧だというわけではない。しかし河川敷でその日暮らしをし、魚を取りにたびたび川に潜ることもあるニノが、眉をばっちり揃えていたり、唇に常にルージュを塗っていたりするのはやはり不自然だと思うのだ。もう少し美少女っぽいメイクがあったのではないか。

シリーズを通しての感想

リクもとい一ノ宮行の秘書(高井、島崎)は登場せず。ニノが荒川開発のためにやってきたという伏線も回収されることなく終わり。ニノが金星人だというのは、村長が河童でビリーがタイハクオウムであると同様、単なる「設定」という以上の意味は持たず。

それはそれでいいのかも知れない。ここの世界は、現実世界でさまざまに傷ついた人が自然に集まってできた集落で、お互いに本名を知らず、名乗らず、一部の人は素顔すらさらさず、それでもそこに新しい人間関係が生まれ、秩序ができていく……。そういう世界を描いたものである。自分は、ここには行かない、と思うか、仲間になりたい、と思うかは人それぞれであろうが、誰でも傷つくことはあるだろう。思い悩むこともあるだろう。そうした時に思い浮かべる場として荒川アンダー ザ ブリッジは存在するのだ。

ただし、そうであるなら……10回にわたるドラマの中で、過去が明かされたのはビリー(とジャクリーン)のみ。星の前歴はまあ明らかで、シロもちょっと触れられたが、どうして荒川にたどりついたのかは明らかにされない。登場回数もメンバー間で格差があったが、もう少し各人を掘り下げて描いても良かったのではないかと思う(原作ではニノ以外は過去が明かされている)。

また、河川敷の開発など、伏線だけ張っておいて回収せず、続きは映画で、という手法は、近年流行りのスタイルだが、詐欺に等しい行為だと思う。ドラマはドラマできちんと完結させてほしいものだ。

その他

ドラマの冒頭で「前回までのAUTB」というのが2〜3分挿入される。このAUTBの意味がわからなかった。粗筋のことを最近はそう呼ぶのか? で、タッタ今気付いたのだが、これはArakawa Under The Bridgeのことだったのですね。一言くらい説明入れろよ。

荒川アンダー ザ ブリッジ 1 (ヤングガンガンコミックス)

荒川アンダー ザ ブリッジ 1 (ヤングガンガンコミックス)

「荒川アンダー ザ ブリッジ」第9話

感想

リクの母が初登場(ただし一瞬)。役者名のクレジットなし。

リクはもともと荒川の河川敷開発を進める父親からの指示で、住人立ち退きのために荒川へきたのだった。

2012-02-11

「荒川アンダー ザ ブリッジ」第8話

感想

リクは自分一人がまともと思っているが、実はそうではないところがミソ。案外、最も荒川の住人らしいかも知れない。

配役

星を演じる山田孝之は「白夜行」の主人公・亮司だった人。今気がついた。

2012-02-10

「荒川アンダー ザ ブリッジ」第7話

感想

ニノとリクのデートに星が怒りを爆発させる。結局、全員で泡の付け合いに。

リクが急に皆を立ち退かせようとする。なんで?

P子が村長に告白して玉砕。ラストサムライがP子をゲット。しかしやっぱり、P子はトウが立ち過ぎているなあ。

2012-02-09

返却期限

「荒川アンダー ザ ブリッジ」DVD4枚を一気に見るつもりだったのだが、なかなかそうは進まず。ただ返却期限は金曜日だったので、木曜日一枚金曜日一枚でいけるつもりでいたところ、実は木曜日が返却期限だったことに気づく。*1

一晩で2枚はキツイかなーと思っていたところ、木曜日は職場の先輩と飲みにいくことになってしまった。帰宅した時は既に日付が変わっている。幸い、さほど酔っていなかったこともあり、せめて一枚は見るぞーとテレビの前でセットしたのだが、気づいた時は朝になっていた。テレビの前で寝落ちしてしまったようだ。結局、4枚のうち2枚しか見ないまま返却。新作だから割と高かったこともあり、ちょっとショックであった。*2

*1:僕がメインで利用しているツタヤは、会員登録しておくと、返却期限の前日に確認メールが届く。普段は忘れていることは滅多にないのだが、今回は完全に一日間違えていたため、このメールで救われた。

*2:ツタヤの場合、実際には返却期限の翌日の営業開始時刻までに返却すればいいことになっている。従って今回は金曜日の朝、出勤途中に返却した次第。この「プラス一日」は割とありがたい。