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2010-12-12

第七回「子規、逝く」

12月12日、今回も19時半開始。ようやく思い出した。この「坂の上の雲」は、そもそも一話90分という変則的な構成で、毎回19時半から21時までの放映なのだった。第一部もそうだった。

しかしなあ。日曜日の20時から大河ドラマ、というのは幼少の頃からしみついた時間間隔。今回だけ19時半と言われたからといって生活のリズムはそうそう簡単には変えられない。日曜日に19時半までに食事とその後片付けを終えてテレビを見られる状況にするのは結構大変なのだ。そこまでの熱意がわく内容ではない、という問題でもあるのだが……。〔追記:第一部は20時〜21時半だった。また「坂の上の雲」は大河ドラマではない―2014/01/03〕

出演

  • 本木雅弘(秋山真之)
  • 香川照之(正岡子規)
  • 阿部寛(秋山好古)
  • 菅野美穂(律)
  • 柄本明(乃木希典)
  • 真野響子(乃木静子)
  • 松たか子(秋山多美)
  • 石原さとみ(稲生季子)

感想

好古は袁世凱と飲み比べをして勝ち、さらに酔って騎馬を行ないその凄さを見せつける。酒が飲める方が偉く、酔っても馬を走らせられる方が偉い、という感覚はどこからくるものか。こんにち飲酒運転がなくならない根本に、「この程度の酒を理由に運転ができないなどといえない(自分はそんな柔な人間ではない)」的な思い込みがあるように思う。根は深いのだ。

正岡子規の最期。あの無精ひげは自毛だろう。龍馬伝のクランクアップから間がないのに、もうあれだけ髭がのびたのか? と訝(いぶかし)んだが、あとで調べたところ、来年放映予定の第三部も含め、この「坂の上の雲」はすべて撮影が済んでいるという。香川が弥太郎を演じたのは子規が死んだあとなのだ。第二部の香川の演技に対して、弥太郎の雰囲気をみじんも感じさせない、すごいという評をネットで見たが、それは当然なのだった。

二度の離婚経験がある律は、口に出せる立場ではないのだろうが、本当は幼い頃から真之が好きだったのだろうと思う。真之もそれをわかっていないわけはないと思うのだが……なぜか物語の最後に不自然に登場した女学生・季子と結婚することになってしまった。子規は短い人生ではあったが、やりたいことをやって生き、死んでいったといえる。律の人生の方があわれだ。当時の女はそんなものだったともいえるが……

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2010-12-05

第六回「日英同盟」

12月5日、坂の上の雲の第二部開始。20時少し前にテレビをつけたらもう始まっていた。「???」と思いつつ見ていたら、20時45分になっても終わらない。初回拡大枠放映か? 終わりが伸びるのはともかく、始まりが前倒しになるのは気がつかなくて困る。〔追記:第二部から19時半開始になっていたのを知らなかった―2014/01/03〕

出演

  • 本木雅弘(真之)
  • 藤本隆宏(広瀬武夫
  • 加藤剛(伊藤博文)
  • 織田俊樹(桂太郎)

感想

ロシアとの関係は緊張の度合いを増し、首相の桂は日英同盟を結ぼうと根回しを開始。伊東博文は、大英帝国と日本が対等の関係が結べるわけがない、むしろ日露同盟を結ぶべきと考え、単身ロシアへ向かう。が、この試みは失敗。

広瀬武夫に帰国命令が出、6年にわたるロシア駐在が終わる。それは、付き合っていたアリアズナとの別れを意味した。「あなたについていく」というアリアズナに首を振る広瀬。お別れに開かれた音楽会で、広瀬は、日本の友人である滝廉太郎が作曲した曲を披露したいといって、アリアズナに「荒城の月」をピアノで弾かせる。

その曲は観衆の心をとらえたが、「こんな曲を日本人が作曲できるわけがない。盗作に決まっている」と決めつける人がおり、広瀬は傷つく。当時の日本人は、ロシア人からこのように見られていたわけであり、これでは日露戦争が避けえないものだったであろうと思わせる、効果的なシーンだった。

ダイジェスト的な脚本は寸を考えれば致し方ないところだが、個々のエピソードの作り方、役者の演じ方、演出などすべての点で「龍馬伝」とは一線を画している……とは言い過ぎか。龍馬伝の世界のほんの何十年かあとの出来事であり、時代の流れという点では興味深い。

2010-01-02

坂の上の雲 第五回「留学生」

出演

  • 片岡鶴太郎(八代六郎、海軍)
  • 藤本隆宏(広瀬武夫、海軍)

感想

第一部最終回。録画したものをようやく見た。

1時間半は長い。二つか三つの話を続けて放送している印象で、話の核がなくわかりにくい。放映日の関係もあろうが、45分×2話構成の方がずっとよかったのではないか。

正岡子規は松山へ戻って小康を得るが、だんだん悪くなっていく。残された時間は少ないからこそ、命がけで俳句に取り組むという。が、彼が俳句を通じてどのような人と知り合い、彼の句がどのような雑誌に掲載され、それがどのように評価されたか、という点がすっぽり抜けているため、単に新聞記者が趣味で俳句を詠んでいるだけのようにしか見えない。野球に興じたのも一瞬だけだったし、「正岡子規」という名前を知っているから話が通じているだけで、どのような俳人だったかがさっぱり伝わって来ない。香川が熱演しているだけに残念だ。

律は献身的に介護し、「私が死なせません」と言い張る。真之が、子規はあなたには心から感謝しているが、一番望んでいるのは幸せな結婚をし、正岡家の跡継ぎを産むことなのだ、自分はあなたを説得するよう頼まれた……と言うと、「じゅん様はなぜ結婚しないのですか?」と訊き返される。律は結婚しない、一生兄の世話をするというが、2回結婚に失敗しているからね。本当なら、子規がさっさと嫁を娶り、自分の世話は嫁にさせ、元気なうちに跡継ぎを作っておくべきなのだろうが。そして律としては、淳五郎こと真之のことを本当は慕っているんだろうけど。

真之はアメリカ留学が決まり、戦術家として名高いアルフレッド・マハン(米海軍予備役大佐)から直接教えを受け、さらに米西戦争を目の当たりにして戦術およびその効果について詳しく調査。この体験がのちに日露戦争の際に大きな効果を発揮する。その後はさらにイギリスへの留学が決定。

真之の友人の広瀬武夫はロシアへ留学することになる。そこで美人のロシア娘に言い寄られ、それに腹を立てたロシア軍人ボリスと喧嘩になるも柔術の投げ技でこれを叩き伏せるなどやんちゃぶりを発揮。

政治面では――伊藤博文は戦争に否定的で、これ以上の挑発的行為を慎むよう陸奥宗光らにきつく言いつけるが、逆に、力の裏付けを持たない外交政策は何の意味もない、もっと軍事力をつけるべきだと言いくるめられる。日清戦争に勝って遼東半島を手にしたのに、三国干渉によって放棄させられ、しかもその日本が放棄した遼東半島をのちにロシアが実質的に支配するようになるので、このロシアに勝たない限り日本の将来はないというのが、当時の支配的な考えだったのだろう。

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ドラマでは描かれなかった正岡子規の状況が詳しい。

明治維新以降、日本が使節団や留学生を大量にヨーロッパに派遣したことは、良く知られている。

本来、国交を結ぶ際には、その国に視察に行き、相手国の状況をよく見定めてから交渉をすべきと思うが、鎖国が恐ろしいと思うのは、夷敵(外国人)が神国日本を踏み荒らしたら国が滅ぶ、などと言っておきながら、ちょっと脅されると(ちょっとではなかったのかも知れないが)、ろくに相手のことも調査せずいいなりの開国をしてしまったことである。明治に留学が流行ったのはその反省であろう。

2009-12-27

坂の上の雲 第四回「日清開戦」

出演

  • 柄本明(乃木希典、陸軍)
  • 村田雄浩(伊地知幸介)
  • 米倉斉加年(大山巌)
  • 石坂浩二(山本権兵衛、海軍)
  • 竹中直人(小村寿太郎)
  • 大杉漣(陸奥宗光)

感想

先週の日曜は見れなかったけれど、録画したものをようやく見た。

  • 秋山好古はアル中だ。
  • 正岡子規は喀血する時、口を手で押さえもせず周囲に血をまき散らすのは迷惑だ。結核は空気感染するんでしょう?
  • 明治の人は本当にヒゲが多い。江戸時代がヒゲ禁止だったからその反動で多かったとはいうが。
  • 東郷平八郎が薩摩出身とは知らなかった。戊辰戦争にも従軍していたと紹介され、ますます驚く。
  • 明治初期の政治家や役人高官はほとんどが薩長出身だというのはわかるが、明治27年ともなれば、もはや江戸時代も遠くなりにけりではないかと……自分の頭の中では完全に別の時代と思っていた。が、そうではないのだ。明治元年に二十歳だった東郷平八郎は日清戦争の時は46歳、日露戦争は56歳で現役軍人なのだ。
  • 森林太郎が兵士の病気のことを語るのにはちょっともやもやした。脚気の原因をつくったといわれる人なのに。

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戦争シーンでは、秋山兄弟ともに苦戦しっぱなしだったのに、突然ナレーションで「日本の勝ち」を告げられて、今回は感情がついていけなかった・・・

そう、僕もそれで筋がなんだかよくわからなかったのだった。

明治という時代は、法律の面では現代の日本国憲法より遥かに自由もないし、立憲君主の憲法ですから「封建的」な面は現代より強いはずですが、明治に生きた人間の方が遥かに自由で希望にあふれているのがよくわかります。これは明治政府の「富国強兵」「殖産興業」という方針の元、どんどん国民にチャンスを与え自らの努力によって成功を手に入れることを寧ろ奨励していた時代背景もあります。

ブログ主のKyojiさんが、自分よりも明治の人の方が、と感じたなら文句を言う筋ではないが、一般論として、平成時代の人よりも明治時代の人の方が……というのであれば、僕はそうは思わないということを述べておく。

明治時代は今ほど多様な考え方や生き方は受け入れられていなかった。江戸時代、長い鎖国政策で国際的に孤立し、科学技術は遅れ、島国なのに海軍ひとつなく、強引に開国させられて不平等条約を押しつけられた反動で、明治時代はなんでもかんでも欧米の物真似をし(それが先進的であると思い)、限りなき軍備増強に駆り立てられ、西欧列強に追いつくため帝国主義への道をひた走りに走っていた時代である。その延長線上に日清戦争も日露戦争もあるわけだ。

そうした流れに乗れる人にとっては良かったのだろうが、いや戦争とか興味ないし家に帰ってゲームやるわ、なんてことは許されなかっただろう。それ以前に、女はどんなに頑張っても政治家にはなれないし軍人にもなれない。そもそも選挙権がなく、どんなに頭が良くてもろくに学校へも行かせてもらえない。

現代が最高だというつもりはないが、明治時代に「希望にあふれていた」のはごくごく一部の人でしかなかったのではないかと想像する。少なくとも僕は明治のような時代はまっぴら御免である。

2009-12-20

坂の上の雲 第三回「国家鳴動」

出演

  • 佐野史郎(陸羯南(くがかつなん)、新聞「日本」主宰者)
  • 高橋英樹(児玉源太郎、陸軍)
  • 国村隼(川上操六、陸軍)
  • 渡哲也(東郷平八郎、海軍)
  • 加藤剛(伊藤博文)
  • 江守徹(山県有朋)

大杉漣(陸奥宗光)

感想

先週の日曜は見れなかったけれど、19日に再放送を見た。NHKに限らず、力を入れて作っているドラマは日時を変えて2〜3回放送すればいいのに。

正岡子規は喀血、結核と診断される。結核は当時、不治の病。療養のため松山に戻る。律は二度目の結婚をしていたが、兄の世話をするため婚家を飛び出す。結局、離縁されたのか? 再び東京へ戻ってきたため、病気はどうなったのかと思ったが、「時間がないんです」と焦っていたのは、余命わずかを悟ったということか。大学を中退し、新聞「日本」に入社。

真之は海軍兵学校を卒業。久敬が死亡。好古はフランスから帰国、ひとりになった母を松山から引きとって同居、児玉源太郎や母の強い薦めで佐久間多美を嫁に迎える。

一方、朝鮮の動乱をめぐって伊藤博文は、陸奥宗光や川上操六の強い主張に従い、出兵を決定。もっとも伊藤は2,000のつもりだったのが、川上が勝手に当初4,000、追加で3,000の兵を派遣し、ついに日清戦争の幕が切って落とされる……

真之が帰省した時のエピソードや久敬の死、好古の結婚など、やはりストーリーをダイジェストで追いかけている印象が拭えない。考えてみれば、一回が90分とか、3年がかりの放映とかいっても、年5回だから1回2話分としてもやっと1クール。3年分といっても3クールしかないわけで、文庫本で全8巻の内容を押さえようとしたら、やはりダイジェストになってしまうのだろう。

知らなかったのだが、正岡子規は短命だった。死んだのは35歳の時で日露戦争も始まっていない。

香川照之は芸達者な役者だと思うが、ちょっと動きが大げさ過ぎる。やたらに大声を出したり飛び上がったりするのはなんとかならないか。