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2014-01-02

石原さとみの熱演「眠りの森」

新参者・加賀恭一郎、3年ぶりに登場。

公式サイト

http://www.tbs.co.jp/shinzanmono/nemurinomori/

原作

  • 東野圭吾

出演

警察関係者
  • 阿部寛(加賀恭一郎、警視庁捜査一課)
  • 松尾貴史(富井刑事、警視庁捜査一課/加賀の上司)
  • 名高達男(真野管理官)
  • 柄本明(太田刑事、石神井北警察署)
  • 竹財輝之助(佐野刑事、石神井北警察署)
高柳バレエ団
  • 石原さとみ(浅岡未緒、「白鳥の湖」では黒鳥を踊る)
  • 音月桂(高柳亜希子、トップダンサー)
  • 木南晴夏(斎藤葉瑠子、未緒の親友/不審者に襲われ殺害してしまう)
  • 大谷英子(森井靖子、以前は亜希子とトップ争いをしていたが最近は不調)
  • 宮尾俊太郎(紺野健彦、エース)
  • 益子倭(柳生講介、若手のホープ/葉瑠子の恋人)
  • 平岳大(梶田康成、演出家)
  • 堀内敬子(中野妙子、教師)
  • 草村礼子(高柳静子、経営者/亜希子の養母)
その他
  • 山粼努(加賀隆正、恭一郎の父)
  • 加藤虎ノ介(青木一弘、画家の卵)
  • 内田朝陽(風間利之、青木の後輩)
  • 映美くらら(宮本清美、風間の恋人)
  • トリンドル玲奈(ウエイトレス)
  • 仲間由紀恵(山田)

内容(ネタバレあり)

4年前、高柳亜希子と森井靖子はニューヨークに一年間バレエ留学したが、その時亜希子はニューヨーク在住の日本人画家・青木と恋に落ちてしまう。が、帰国の日が迫り、青木と別れて日本に戻りバレエに専念する決意をする。青木は納得せずニューヨークに残るよう頼み、聞き入れない亜希子を力づくで押さえようとして揉み合いになり、手にしたナイフが刺さってしまう。

幸い青木は一命を取り留めたが、亜希子は梶田を呼んで事情を説明、梶田は青木に、彼女の将来を考えて二度と亜希子につきまとわないように、また亜希子と付き合っていたことを誰にも口外しないように命じる。青木は梶田の命に従ったが、亜希子のことが忘れられず、自暴自棄の生活を送り、衰弱して亡くなってしまう。

事情を知った風間は、高柳バレエ団に亜希子を訪れ、青木の命がある間にニューヨークへ来て一目でもいいから青木を見舞ってほしいと懇願する。断わった亜希子に、力づくで言うことを聞かせようと揉み合いになったところを、後ろから未緒が殴りつけ、打ち所が悪くて風間は死んでしまう。

未緒は、半年前に葉瑠子の運転する自動車に同乗中、葉瑠子の起こした交通事故の影響で聴力を失いかけていた。音楽が聞こえなければダンサーは務まらない。次の「眠りの森の美女」を最後の公演と決めていた未緒は、公演の邪魔をされたくない一心で風間を殴ってしまったのだ。未緒に責任を感じる葉瑠子は、自分が罪をかぶる決心をし、暴漢に襲われ正当防衛で殺したと警察に告げる……

感想

非常に面白かった。登場人物が多く、最初は混乱したが、見終ったあと、録画したものをもう一度最初から見直してみると、細部に到るまでよく作り込まれていることがわかる。

これは、浅岡未緒という希代のダンサーの物語である。不幸な事故によって起きた問題にも正面から立ち向かい、いつ聴力を失うかわからない不安と闘いつつ、踊っている途中でたとえ音楽が急に聞こえなくなっても踊れるように音楽を身体にしみつかせ(るよう努力を重ね)、残りわずかなバレエ人生にすべてを賭ける。一回目に見た時は彼女は恋愛問題には無縁と思っていたが、二度目に見ると、加賀と心を通い合わせている風に受け取れるシーンもある。最後、加賀の腕に抱かれる中で完全に耳が聞こえなくなる場面は壮絶であった。彼女が最後に聞いたのが加賀の声だったのは、せめてもの幸せだったか。

加賀と太田の関係性もうまい。

「本庁から刑事さんがくると、我々所轄の人間がどれほど気を遣うかわかりますか?」

「いえ、わかりません」

「わかろうと努力しろよっっ!!」

「俺は出世を諦めてるからはっきり言うけど、捜査一課の人間は大嫌いなんだ」

「知ってます」

当初のこうしたかけあいはコミカルではあったが、とにかく太田がしょぼくれた冴えないオッサンで、エリートを嫌っているのがよくわかる。ところが、そのうちに加賀を飲みに誘うようになり、最後は加賀に味方して管理官に(加賀のニューヨーク出張を)直訴するまでになる。この変化がうまかった。柄本明の真骨頂だろう。

高柳バレエ団の人間が、皆バレエがうまくてびっくり。バレエの専門家に演技をやらせたのか、バレエの素養のある俳優を集めたのか。あとで調べると、宮尾俊太郎、益子倭は熊川哲也が主宰するKバレエカンパニーのメンバーだとのこと。だとすると前者だ。恐らく他にも専門家がエキストラで出場しているのだろう。(しかし益子倭の演技は素人には見えない。まあバレエも演劇の一種みたいなものだから、この程度はやればできるものなのか?)音月桂は元宝塚で雪組トップスターだったそうだから、後者に当たるか。

では石原さとみは? これもいろいろ調べると、どうも舞台での踊りは、首から下はプロのバレリーナで、それをCG合成したものらしいのだが、仮にそうだとしても、あの表情の豊かさはどうだろう。練習風景の身体の柔らかさは? 本作は石原さとみの熱演が強く印象に残るドラマだった。

冒頭チョイ役で仲間由紀恵が登場。仲間が共演することは話題になっていたが、あんな役とはね。加賀の見合いの相手で、一緒にバレエを見に行くのだが、徹夜明けの加賀はぐっすり眠ってしまう。この時の加賀の眠り方やいびきの音は戯画的で、まさにTRICKの風景であった。仲間は「加賀さん、加賀さん」と声をかけていたが、「コラ! バカ上田」と言い出すのではないかと思ったぞよ。TRICKはテレビ朝日、新参者はTBS。いいのかな。

ところで、青木、風間、梶田の男三人はどうしようもないクズだ。だから死んでも当然だとは言わないけど、少なくとも同情はできなかった。梶田が青木に「亜希子の名前は出すな」と言ったのは、警察やマスコミに対してという意味だろう。後輩の風間にまで「俺の彼女の名前は靖子だ」と言う理由が全くわからん。別れた相手が忘れられないのは仕方がないが、だからといって自分の健康を顧みないのはただのバカ。そもそも別れるという相手に刃物を向けるなんてサイテー。

風間は風間で、亜希子に「あなたは青木さんではなくバレエを選んだんだ!」って……そこまでわかっているなら、青木のためにニューヨークへ行くというのがどんなに無茶な頼みか、わかるだろうに。しかも、口で言ってわからないからといって手を出すのはサイテー(さすがは青木の後輩)。

梶田の演出家としてのやり方がいいのか悪いのか、僕に判断する能力はない。ただし亜希子を守るために靖子がいくら犠牲になっても構わないとする考え方は、批判されてしかるべきだろう。

リンク

2012-01-28

「麒麟の翼」は出色

これは本当に面白かった。ミステリーとしても堪能できたし、人間ドラマとしても楽しめた。今年観た映画の中では文句なしに最高……って、まだ2本しか観ていないけど。中井貴一の熱演が光る。

題名麒麟の翼
監督土井裕泰
原作東野圭吾
出演■TVドラマからの登場/阿部寛(加賀恭一郎、警視庁日本橋署刑事)、溝端淳平(松宮脩平、警視庁捜査一課刑事)、松重豊(小林、警視庁捜査一課主任)、黒木メイサ(青山亜美、雑誌記者)、山崎努(加賀隆正、恭一郎の父)、田中麗奈(金森登紀子、看護師)

■本作初登場/中井貴一(青柳武明、カネセキ金属製造本部長・被害者)、松坂桃李(青柳悠人、武明の長男)、竹富聖花(青柳遥香、武明の長女)、三浦貴大(八島冬樹、青柳殺害の容疑者)、新垣結衣(中原香織、容疑者の恋人)、鶴見辰吾(小竹由紀夫、カネセキ金属工場長)、柄本時生(横田省吾、カネセキ金属派遣社員)、劇団ひとり(糸川肇、青柳悠人の水泳部の顧問)、菅田将暉(吉永友之、青柳悠人の水泳部の後輩)、秋山菜津子(吉永美重子、友之の母)、山崎賢人(杉野達也、青柳悠人の同級生)、聖也(黒沢翔太、青柳悠人の同級生)、他

公式サイト映画『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』公式サイト
制作日本(2012年1月28日公開)
劇場109シネマズ港北

雑感

事件が発生し、その直後に容疑者が浮かび上がる。どこからどう見てもその人が犯人としか思えない。ミステリーとしては、その人が犯人のはずがないわけだが、調べれば調べるほど容疑は高まる……。いったいこれがどう突き崩されるのか、いくつかの「謎」はどうしたら一本につながるのか、最後まで全く目が離せない。そうした点でまず秀逸。

それにプラス、加賀恭一郎だからといってしまえばそれまでだが、人間ドラマが加わる。これがまたうまい。テーマは「絆」だが、必ずしもハッピーエンドではない。結果的にかなり残酷なものと向き合っていかなければいけないが、そうした「考えさせる」余韻を残しているのも醍醐味だろう。

前半はいくつかのユーモラスな掛け合いもあり、重たいテーマもあるにはあるが、楽しく観られる。三拍子揃った見事な作品だと思う。これを見るために熱心に予習(TVシリーズ「新参者」およびスペシャル版「赤い指」をあらかじめ見ておいたこと)していたことも役に立った。

ただし、映画としてどうかといえば疑問も残る。独立した作品としても見られるので、「のだめカンタービレ」に比べればマシではあるが、予習が役に立ったということは、裏を返せば、予備知識なしに本作品を見ても100%は愉しめないのではないかと思うのだ。

本作品だけ考えれば、金森登紀子はいらない。本作のテーマである「家族の絆」には、加賀家の家族の絆も含まれるという意図なのだろうが、恭一郎とその父との関係(葛藤)は「赤い指」でじっくりと描いたテーマである。ついでに青山亜美もいらない。ドラマから見ている人間にとっては不可欠のキャラクターだが、被害者を見かけたという喫茶店のウエイトレスに加賀がいきなりお前呼ばわりして、前作を知らない人は戸惑うだけだろう。

ドラマで人気が出たから映画化するのか、映画の宣伝のために先にTVドラマを作るのかわからないが、ドラマの続きを映画で、という手法はそろそろ考え直した方がいいのではないか。

配役

柄本時生は柄本明の子で柄本佑の実弟。柄本明(と角替和枝)の子は二人とも俳優になっていたのか……。

リンク

ネタばれ注意

  • 中原香織は妊娠3ヵ月だった。本人が話したわけではないのに、八島冬樹がそれを知っていたのは少々驚きだ。3ヵ月といえば、本人だって気付かなくても不思議はないレベルでは。母子手帳でも見つけたのか。
  • 若い時の貧乏は大いにすべし、と言いたいところだが、冬樹や薫の貧しさは、将来が見い出せない。絵馬を買ったら帰りの電車賃がないとか。でも今ワーキング・プアと言われる層は、こんなものなのだろう。切ない。
  • 金森登紀子や加賀恭一郎の、香織に産ませようと追いつめる態度には疑問。それは、せっかく授かった命を葬るのは確かに切ないが、身寄りもなく、貯金もなく、身ごもった身体でこれから一体どうやって生活していくのか。香織は冬樹と結婚していたわけでもないし、なんといってもまだ若い。彼女の生涯のしあわせを考えるなら、堕ろした方がいいとの判断も成り立つ。そこまでいうなら仕事の紹介くらいしてやれよ、とちょっと思った。
  • 労災隠しに関しては、公的機関の調査は入らなかったのだろうか。結果からするに、新聞報道はかなり杜撰だ。
  • 青柳悠人が小竹由紀夫を殴りつけ、「オヤジはそんな汚いことをする人間じゃない」と叫ぶシーンはハイライトのひとつだが、残念ながら、個人の犯罪(万引きだとか痴漢だとか)と違い、会社の業務として法を犯すというのは、担当者の性格とはあまり関係がないんだなあ。むしろ、正直で善人な人ほど、やむにやまれず一線を越えてしまうことが多いのではないだろうか。今回の一件は、青柳武明には非がなかったという結論のようだが、そのようなことが公然と行なわれていたことを本当に何も知らなかったのだとしたら、青柳武明はかなり無能だということになる。まあ、実際息子に何が起きたのか何も把握していなかったくらいだから、そういう呑気な人間なのかも。
  • 結局、八島冬樹はなぜ逃げたのだろう? 警官に職質をかけられた時に「済みません!」と素直に鞄を差し出せば、説教で済んだ話だろう。重症の青柳武明を見て、動揺していたのかも知れないが……

2012-01-04

加賀恭一郎再び!「赤い指」

「新参者」シリーズに続いて昨年の正月に放映されたTVスペシャル。実に気合の入った作品で、見ている方も一瞬たりとも気が抜けず、見ている間は怖くて指が震え、見終わったらぐったり。近年稀に見る傑作だった。「容疑者Xの献身」に匹敵する、あるいは凌駕する出来栄えといえる。映画は堤真一の、本スペシャルでは杉本哲太の渾身の演技が光る。

出演

  • 杉本哲太(前原昭夫、会社員)
  • 西田尚美(前原八重子、昭夫の妻)
  • 泉澤祐希(前原直巳、昭夫の息子)
  • 佐々木すみ江(前原政恵、昭夫の母、認知症)
  • 冨田靖子(大森春美、昭夫の妹)
  • 石井香帆(春日井優菜、被害者)
  • 滝藤賢一(春日井忠彦、優菜の父)
  • 飯沼千恵子(春日井奈津子、優菜の母)
  • 山崎努(加賀隆正、恭一郎の父、元刑事)
  • 田中麗奈(金森登紀子、加賀隆正の担当看護婦)
  • 宮下順子(松宮克子、加賀隆正の妹、脩平の母)
  • 温水洋一(前原昭夫の同僚)
  • 松重豊(小林主任、警視庁捜査一課・捜査本部主任)

感想(ネタバレあり)

なんて恐ろしいドラマなんだろう。そう思わずにはいられない。

事件の経緯を追って述べると、春日井優菜という女の子が殺される。それに最初に気付いたのは前原八重子だが、どうやら自分の子である直巳(なおみ)が手を下したらしいと知り、昭夫に隠蔽工作を持ちかける。こんなことが世間に知れたら直巳の一生は台無しになるし、自分たちも殺人者の親として世間に顔向けができなくなるから。当初は反対し、自首しよう(させよう)とした昭夫だが、八重子から、「あなたは家庭のことはすべて私に押し付けて、都合が悪いことからは逃げるだけ」と言われ、返す言葉がなく、結局は偽装に協力し、死体遺棄を行なう。

そもそも昭夫の両親は子供が家を出たあと二人で暮らしていたが、昭夫の父が認知症になった時、大森春美は足しげく世話に通ったが、昭夫はおざなりに顔を出して適当なことを言うだけ。そのことを晴美に責められた(恐らく)昭夫は、父の死後、家族で実家に引っ越し、母親との同居を始め、これを以て長男の務めを果たしたつもりでいた。

しかしさして広くない家に顔を突き合わせて暮らす嫁姑がそうそううまくいくわけがなく、諍いが絶えなかった(もちろん昭夫は知らん顔)。そうした大人を目の当たりにして育った直巳は、(それだけが原因ではないかも知れないが、恐らくそれも影響して)心を閉ざしてしまう。ほとんどまともに他人とコミュニケーションを取ることができなくなり、部屋に引きこもりがちになる。昭夫は、そんな家へ帰っても安らぐどころか疲れがたまるだけと、よりいっそう仕事に打ち込むようになり、ますます家庭を顧みなくなっていく……

という矢先に事件が起きたのだった。殺人事件はともかく、家庭崩壊に関しては、一歩間違えばわが家にも起こりそうな、起きてもおかしくないような出来事であり、そのことがまず恐ろしい。そして、わが子の罪の隠蔽を図る昭夫と八重子は、刑事が前原家をマークし始め、知らぬ存ぜぬが通用しないと判断すると、こともあろうに、政恵がやったと主張するのだ。政恵は認知症だから、罪にはならないだろうと計算して。(というより、子どもには将来があるが、年老いた親にはもう先はないと冷酷に判断して、と言った方が正しいか。)いくらわが子をかばうためとはいえ、親のせいにして恥じない心が恐ろしい。

加賀恭一郎や松宮修平は、昭夫や八重子が隠しごとをしていると感じる。修平は、参考人として警察署で尋問すればすぐに真実が明らかになるだろうというと、恭一郎は、それではダメだ、真実は、この家の中で明らかにされなければならないという……

杉本哲太は人の心の弱さ、醜さを迫真の演技で表現していた。大それたことをしておきながら、加賀がちょっとしつこくあれこれ尋ねただけで、もうだめだ、やっぱり無理だなどと簡単に音をあげるあたりの動揺ぶりが見事だ。また、わが子を守るためなら何でもするという西田尚美の狂気ぶりもすごかったし、滝藤賢一の娘を失った悲しみの表現がすごくて、事件の悲惨さを際立たせていた。

メインの話とは別に、ここでは恭一郎の父が登場する。病院に入院していて、もう先は長くない。甥の修平はたびたび顔を見せるが、実の子である恭一郎は一度も病室へ顔を見せようとしない。そんな恭一郎に修平は愛想をつかすが、実はそこには深い思惑が込められていたのだ。そしてそれはメインの事件における前原政恵の行動とリンクし、二つの物語が最後に溶け合う。

これまで東野圭吾作品はたびたびドラマ化、映画化されてきたものの、「容疑者Xの献身」以外はどうも感心しなかった。しかし本作はこれまでのどの作品より優れているのではないか。*1「麒麟の翼」には大いに期待したい。

配役

西田尚美は割とあちこちで見るが、今一つ印象に残っていない。ドラマ「白い巨塔」(2003年版)での第一外科病棟婦長、「クライマーズ・ハイ」での安西小百合(耿一郎の妻)、「南極料理人」での西村みゆき(淳の妻)、「あしたのジョー」での食堂の女将など。それだけに本作の前原八重子は印象的。今後の活躍に期待。

赤い指 [DVD]

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*1:強いて言えば、見る方にもかなりの緊張を強いるので疲れる。シリアスな題材でも笑える箇所や、息が抜ける箇所があった方がいい。そういう点を踏まえればエンターテイメントとしては「容疑者Xの献身」の方が上か?

2011-12-30

新参者最終話「人形町の刑事」

出演

  • 小泉深雪(菅原美咲、コマを売っている工芸店「ほおづき」店員。初回から登場しているようだが印象なし)
  • みのもんた(コマを売っている小間物屋「ちどり屋」の主人)
  • 沢木ルカ(奈々、タイ焼き屋の娘)←今までに何度も登場しているが書いていなかったので

雑感

初回から登場していて、全く怪しさを感じさせなかった人が一人だけ残ったので、その人が犯人かと思ったら果たしてそうであった。もちろん動機は不明だったがそういうことであったか。

しかし、どうもよくわからないことが残る。事件当日、岸田克哉は被害者・三井峯子と会っているが、それは何のためだったのか。犯人の元々の動機は金目当てだが、自分が遣うためではなく、別の人に渡すためだった。犯人から金を受け取った人は、その金を何に遣ったのか。生活費に消えたとするには(いくら贅沢な生活だとしても)額が大き過ぎないか。

峯子は、離婚する時にあまり慰謝料云々は深く考えず、あっさり別れてしまった。が、息子に子供ができたと勘違いし、援助するつもりで、まとまったお金を必要とし、今からでも元夫から慰謝料が取れないか画策していた。それが殺される遠因になってしまったのだが、離婚の理由はドラマを見る限りでは、生活のすれ違い、性格の不一致、あとは専業主婦の座から飛び出して翻訳家になる夢を追いかけたかったこと、などであって、特に夫婦どちらかに大きな責任がある(不倫など)というよりは、気持ちが離れてしまったというだけのように思われる。

峯子の気持ちが離れてしまった理由については、直弘の側にも原因がいろいろあろうが、少なくとも別れたいと先に思ったのは峯子の方であり、もともと直弘の方は別れるつもりはなかったようである。子供も家を出ており、養育費も必要ないとなると、法的にどうあれ、今さら慰謝料をもらうのは無理があるだろう。自分がお金を欲しかったわけではなく、息子のためとはいえ、だったら直弘にとっても息子なのだから、直接援助してやるよう素直にかけ合うべきだった。

直弘は弘毅のことをよく思っていないから、援助を依頼しても応じてくれないだろうと考えたのだろうが、いったん自分がもらっておいて、そのお金をあげるのであれば、自分ばかりいい子であって、ちょっと虫が良過ぎるのではないか。

いきなり事件の犯人やトリックを突き止めるのではなく、被害者を取り巻く人々のドラマをじっくり取り上げることによって、記号ではなく、人間や、街全体の生活感を実感させ、生きた物語に仕立てた手法は斬新で評価できる。阿部寛のキャラクターも良かった。しかし、加賀の相棒のはずの松宮脩平が今一つキャラが立っていなかったこと、青山亜美の存在が最後までよくわからなかったことが残念。青山亜美はドラマ的にはいったい何のために登場したのだろう?

新参者 DVD-BOX

新参者 DVD-BOX

2011-12-29

新参者第九話「民芸品店の客」

出演

  • 速水こもみち(岸田克哉、税理士・岸田要作の息子)
  • ちすん(岸田玲子、克哉の妻)
  • 中西龍雅(岸田翔太、克哉の息子)

雑感

岸田克哉初登場。なにやらうさん臭い人間だ。しかしなぜ克哉に事情を聞きに自宅に行くのだろう。刑事と克哉だけなら、案外あっさり教えてくれることでも、妻や子の前では話せないということはいくらでもあるのではないか。事実、翔太の前で研究会を接待と偽ったではないか。

清瀬直弘に対する疑惑も消えないまま最終回へ。