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2016-04-03

幸せな人生とは「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」

観たのは4月2日。シネスイッチ銀座の上映最終日だった。間に合ってよかった。

題名ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります(5 FLIGHTS UP)
原案ジルシメント「眺めのいい部屋売ります」
監督リチャード・ロンクレイン
出演モーガン・フリーマン(アレックス・カーヴァー、画家)、ダイアン・キートン(ルース・カーヴァー、アレックスの妻で元教師)、シンシア・ニクソン(リリー・ポートマン、カーヴァー夫妻の姪で不動産エージェント)、コーリー・ジャクソン(若き日のアレックス)、クレア・ヴァン・ダー・ブーム(若き日のルース)、他
公式サイトニューヨーク 眺めのいい部屋売ります|大ヒット上映中!
制作USA(2016年1月30日日本公開)
時間92分
劇場シネスイッチ銀座(スクリーン2/182席)

粗筋

結婚してから40年、カーヴァー夫妻はニューヨークでブルックリンの街並みを一望できる眺めの良いアパートの最上階に暮らしていた。気持ちのよい部屋だが、たったひとつの欠点はエレベーターがないこと。年を取るに従って階段の上り下りが辛くなってきたため、この部屋を売り、マンハッタンに引っ越すことにした。

内覧会が大騒ぎとなる中、ブルックリンとマンハッタンを結ぶウィリアムバーグ橋でタンクローリーは横転、大渋滞を引き起こす。さらに愛犬・ドロシーが体調を崩し入院する羽目になる……。

雑感

ニューヨークの地名がもう少しわかっていればもっと面白かったと思う。ブルックリンは、昔は夜の一人歩きは危険と言われた場所だが、地価が安く、アーティストたちが盛んに住んだらしい。現在は再開発も進み、人気エリアになっている。画家およびモデルとして知り合ったカーヴァー夫妻の住まいとしてブルックリンを選んだのは自然であったのだ。

家を売る(買い換える)というような人生の大事な局面を迎えて、どこで二人が知り合ったのか、どうして結婚したいと思ったのか、結婚してどのように暮らしてきたのか、これから残りの人生をどのように暮らしたいのか、改めて振り返るというのはありきたりだが意味のあることだ。

とかく映画は若き美男美女が主人公であることが多いが、この年代(モーガン・フリーマン78歳、ダイアン・キートン70歳)の夫婦が、これまでの自分たちの人生を振り返って、自分たちは幸せであったと確認できる、そういうストーリーの作品はこれからもどんどん作ってもらいたい。この世代が、日本でも欧米でもどんどん増えていくんだから。

後味のよい作品であった。

今日の英語

  1. That's a relief.(安心した)

2016-02-13

マニア心は刺激するが「スティーブ・ジョブス」

題名スティーブ・ジョブス
原案ウォルター・アイザックソン「スティーブ・ジョブス」
脚本アーロン・ソーキン
監督ダニー・ボイル
出演マイケル・ファスベンダー(スティーブ・ジョブス)、ケイト・ウィンスレット(ジョアンナ・ホフマン、マーケティング担当)、セス・ローゲン(スティーブ・ウォズニアック)、ジェフ・ダニエルズ(ジョン・スカリー)、マイケル・スタールバーグ(アンディ、音声担当エンジニア)、他
公式サイト映画『スティーブ・ジョブズ』公式サイト 絶賛公開中
制作USA(2016年2月12日公開)
時間122分
劇場イオンシネマ新百合ヶ丘(スクリーン4/175席)

雑感

マニア心をくすぐる内容だった、という点では二年前の同題の映画よりは好感が持てた。

驚いたのは、舞台となった場面は、Macintosh、NEXT Cube、iMacそれぞれの製品発表会の直前数十分を描いているに過ぎない。スクリーンの中で流れた時間は非常に短く、あとはすべて回想とセリフによって構成されているのだ。こういう映画もありなのか。映画史上、初めてかどうかは知らないが、実に大胆な構成であることは間違いない。ただ、これだと流れはわかるけど、ドラマがない(リアルなやりとりがないから)。長いセリフはアーロン・ソーキンさんらしいとはいえるが。

デモがうまくいかなくてスタッフを怒鳴りつけたり、うまくいくように最後まで努力を惜しまず、直前に、フロッピーを胸から出すと格好いい、と思いついて、フロッピーの入る大きさのポケットのついたシャツを大急ぎで探しに行かせる、といったエピソードは面白い。しかし、プレゼン直前の大事な大事な瞬間に、知人が入れ替わり立ち代り現われて、非難したり自慢したり金の無心をしたりするのはいただけない。邪魔にしかならないだろうと思う。強いて言えばスタッフへの謝辞をいれるように依頼に来たウォズは理解できるが、それにしても、直前に言うことはない。前日までに伝える時間はあったはずだ。

疑問なのは、なぜMacintosh、NEXT Cube、iMacなのか、だ。

Macintoshはわかる。作中では失敗したと語られるが、それはおかしい。その前のLisaは確かに失敗したが、MacintoshはAppleにとっては数少ない成功例のひとつだろう。あれは本当の意味で世界を変えた製品だ。*1

一方、NEXT Cubeは、業界の一部では注目されたが、そもそも製品が出てこなかった。というかあれはワークステーションであって、パソコンではないから、Macintoshと比較するのもおかしな話で、僕らは「高級Mac」と思っていた。IBM PCに対してMacがあったように、高機能であっても無味乾燥な他社のワークステーションに対してNEXT Cubeがあった、と考えるべきだ。いや、そうなるはずだった(だって出てこないんだもん)。

iMacは、商業的には成功したけど、技術的にはUSBをつけたことが(そしてフロッピーディスクを標準にしなかったことが)目新しいくらいで、中身はこれまでのMacと何も変わっていない。スケルトンのデザインは確かにはやったけれど、あれは「一時的にはやった」だけで、世界を変えたわけではない。

アップル社が、あるいはコンピュータが主人公なら、まだわかるが、ジョブスが主人公なら、商業的に一番成功したのはピクサーだと思うのだが、なぜその話をスコンと省くのだろうか(これは前作でもそうだが)。まあ、いろいろな考え方があるだろうが、製作者がこの三つのイベントを選んだ理由は自分にはわからなかった。

最後の方で、若き日のジョブスがスカリーを誘うシーンがあるが、この時は「あなたは人生の残りの日々を、ただ砂糖水を売って過ごすんですか?」と言ってほしかったな。

*1:パソコンの元祖は、AltoかAltairか、いろいろな考え方があるだろうが、僕はApple IおよびApple IIがパソコンの元祖だろうと思っている。ただし一部のマニアが使っていただけ。本当の意味でパーソナルなコンピュータはMacintoshから始まったのだ。

2015-11-10

ありそうでない作品「ジョン・ウィック」

キアヌ・リーブスが約2時間、ひたすら人を殺しまくる!

題名ジョン・ウィック(John Wick)
制作総指揮キアヌ・リーブス
監督チャド・スタエルスキー
出演キアヌ・リーブス(ジョン・ウィック、元殺し屋)、ブリジット・モイナハン(ヘレン・ウィック、ジョンの妻)、ミカエル・ニクヴィスト(ヴィゴ・タラソフ、ロシアン・マフィアのボス・ジョンの元上司)、アルフィー・アレン(ヨセフ・タラソフ、ヴィゴのドラ息子)、ディーン・ウィンタース(アヴィ、マフィアの弁護士・ロシア語がしゃべれない)、エイドリアンヌ・パリッキ(ミス・パーキンス、女性の殺し屋)、ウィレム・デフォー(マーカス、殺し屋・ジョンの親友)、イアン・マクシェーン(ウィンストン、「コンチネンタル・ホテル」の支配人)、デヴィッド・パトリック・ケリー(チャーリー、裏掃除屋:遺体の回収や現場の洗浄を行う仕事人)、ジョン・レグイザモ(オーレリオ、盗難車の解体屋)、他
公式サイト映画『ジョン・ウィック』オフィシャルサイト
制作USA(2015年10月16日日本公開)
時間101分
劇場TOHOシネマズ 川崎(screen 2/147席)

内容紹介

ジョンの愛妻・へレンが病に倒れ、死去した。悲しみにくれるジョンは、ヘレン最後の贈り物である子犬を可愛がることで寂しさを紛らわせようとしていた。そこへ、ジョンの自動車(1969年型のムスタングだったかな?)に目をつけたチンピラが盗みに入り、ジョンを痛めつけると同時に子犬を殺してしまう。

ジョンの自動車を盗んだチンピラはロシアン・マフィアのボスであるヴィゴの息子ヨセフで、組織がついているから何をしても問題ないと思っているが、事情を知った父親に激怒される。盗むのは構わないが、相手が悪かった。ジョンは、かつて自分の組織にいた腕っこきの殺し屋だったのだと。当然、仕返しをされるだろうが、ヨセフでは相手にならないだろうと……

ジョンは、自動車はともかく、ヘレンの生まれ変わりと思っていた子犬を殺された恨みで怒り心頭。単身、ヨセフを狙う。ジョンの腕を知りながら、ヨセフを溺愛するヴィゴは、ヨセフを守るため、組織をあげてジョンを返り討ちにしようとする……。

雑感

上記で説明したような背景は、いわば「つけたり」であり、本作は、ただひたすらキアヌ・リーブスが次々と大量の人殺しを実行していくのがミソ。ターミネーターに似ているが、ひたすら人を殺し続ける映画はあるようでなかなかない。変にストーリーをひねったりせず、シンプルにまっすぐ進めたのは悪くなかった。

とはいえ、組織のメンバーはヴィゴの命令で一斉にジョンを狙うのだけど、ほとんど人はジョンと旧知の間柄であり、またジョンの腕をよく知っているため、この人はヴィゴの命令に従うのか? 裏切ってジョンの味方をするのか? というあたりはサスペンスフルだった。

まあ、強いて言えば、アクションシーンが少々物足りなかったが……(銃撃プラス体術の「ガンフー」と呼ばれる新しいアクションなのだそうだが、銃撃はともかく、相手を投げ飛ばすシーンでは、いかにも相方に「投げられてもらっています」がミエミエで残念だった。「図書館戦争」における岡田クンのアクションなどを思い出すと、差があるなぁと思った)。

疑問点

ジョンは、引退したとはいえ、かつて大勢人を殺しており、いつ誰がどんな理由で襲ってくるかわからない。引退宣言をしたからといって即、セイフティゾーンに逃げ込めるわけではないだろう。それなのに、ヨセフのようなチンピラに寝込みを襲われて痛めつけられた上に、大事な子犬を殺されてしまうとは、ちょっと警戒心がなさ過ぎたのではないだろうか?

事件の概要を知ったヴィゴはジョンに電話をして、「大人らしく交渉しよう」と言うが、ジョンに電話を切られてしまい、交渉決裂と判断。ジョンを襲う指示を出す。しかし、この場はそんなに偉そうに言うのではなく、「話は聞いた。申し訳ない! 相手があんただとは知らなかったんだ。自動車は返す。ヨセフには詫びをいれさせる。死んじまった子犬には悪いことをしたが、いくらか包ませてもらう。あんたの気の済むようにするから、それでコトを収めちゃくれないか?」のように、もっと下手に出るべきだったのではないか? 

今日の英語

  1. 〔ジョンがオーレリオに〕I need a ride.(クルマがいる)
  2. 〔ヴィゴがアヴィに「手下を集めろ」と指示したあとで〕"How many?" "How many do you have?"(「何人?」「一人残らずだ」)

(2015年11月15日 記)

2015-10-31

いい映画を観た「マイ・インターン」

ずっと書いていなかったが、映画を全く観ていなかったわけではない。いずれは記録しておきたいと思うが、取り敢えず最近のものから。

題名マイ・インターン(The Intern)【TCX/Dolby ATMOS】
監督・脚本ナンシー・マイヤーズ
出演アン・ハサウエイ(ジュールズ、通販ファッション会社のCEO)、ロバート・デ・ニーロ(ベン、シニアインターン)、レネ・ルッソ(フィオナ、エステシャン・ベンの恋人)、ジョジョ・カシュナー(ペイジ、ジュールズの娘)、他
公式サイト映画『マイ・インターン』オフィシャルサイト
制作USA(2015年10月10日日本公開)
時間121分
劇場TOHOシネマズ 新宿(SCREEN 9/499席)

内容紹介

ジュールズはベンチャー企業を立ち上げ大成功。良き夫、可愛い娘にも恵まれ、人生最高の幸せを満喫中。……に見えたが、仕事は突っ走り過ぎて社員はついていかれず、夫との間にも溝が。そんな時に、社会貢献の一環でシニアインターンを採用したが……

雑感

なんだろう、久しぶりにいい映画を観たと思った。いや、最近観た映画はそれぞれにいい映画だったのだが、アクション・サスペンス系が多く、ハートフルコメディタイプは久しぶりだったためか。特にどこに感動したというわけでもないが、全体として隙がなく、引き込まれた。

アン・ハサウエイが、いかにもベンチャー企業のCEOといった風で、それが成功の第一。自分もベンチャーを渡り歩いてきたからよくわかるが、分刻みのスケジュール、何にでも一言口をはさまずにはいられない、決断が早い、しかしすぐ気が変わる、なかなか他人に任せられない……などなど、典型的ではあるが、よくぞあそこまで、と思う。

急成長した会社の創業者が、経営者としての経験に乏しいから、外部から経営のプロを招聘する、というのは、まさにスティーブ・ジョブスがアップルにジョン・スカリーを招聘したのと同じケース。これはねえ数年後に創業者が追い出されるのよ。追い出された人は新たな会社を作って成功し、追い出した人たちはジリ貧になっていくと。成功例もあるのだろうが、出来上がった会社に入ってきていい思いをしようというのは、納得できないな。(映画の批判ではない。スタートアップにつきまとう問題)

アン・ハサウエイの着ている服が、毎日違うのだけど、そしてこれといって贅沢な装いではないのだけど、よく似合っていて、彼女の美しさを引き立てていた。衣装にも注目だ。

今日の英語

ベンがフィオナと初デートの帰り、「初めてのデートが親戚の葬式というのも、悪くないかも知れない。一気に打ち解けられるから」というようなことを言っていたのだが、ここで「Ice Breaker」と言っていた。今年の「入門ビジネス英語」に出てきた。

劇場

TOHOシネマズ新宿は二回目、SCREEN 9は初めて。TCX + Dolby ATMOS環境は最高だ。TOHOシネマズ日本橋の同じ環境よりスクリーンは大きく、客席も多い。

その他

久しぶりに感想を書いたけど、結構たいへんだなあ。

(2015年11月10日 記)

2015-03-01

グランド・ブダペスト・ホテル(BD)

雑感

過去に劇場で観た時、三つの時代を行き来するのがわかりにくい、と書いたのだが、これは間違いで、実は四つの時代だった。そして、今がどの時代かを示すために、時代ごとにスクリーンサイズが変わっているのだ。でも、言われないと気づかない。

アカデミー美術賞受賞。確かに。

(2015/4/01 記)

過去記事