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2015-01-03

アナ雪コーナーのサプライズ/第65回紅白歌合戦

紅白歌合戦はとりあえず毎年見ている。知っている歌手は少なく、始まる時間はどんどん早くなるが間延びするばかりで、満足したことはなかったが、2014年の紅白歌合戦は実に見ごたえがあり、満足度の高い内容だった。といっても、アナ雪コーナーがよかったというだけなのだが。

もともと、May J.が紅白出場に色気を見せている、という噂があった(真偽のほどは知らない)。アナ雪枠で松たか子と神田沙也加の出場は固いだろうが、あれだけ流行った映画の主題歌を歌っているわけだから、出場しても悪くない。ただし、May J.が歌うのは「ありのままで」しかなく、松たか子もまさか同じ歌を歌うわけにもいかないだろうから、じゃあ何を歌うかな、というのと、神田沙也加は何を歌うだろう、という疑問があった。

アナの歌で印象に残るのは「雪だるまつくろう」「扉を開けて」「生まれてはじめて」の三曲。ただ「雪だるまつくろう」は、一番はいいけれどフルコーラスやるには哀しい歌だ。「扉を開けて」はいい曲だが、津田英佑の出場が条件になる。だったら松たか子とデュエットで「生まれてはじめて」を歌ってくれないかな……、などと夢想していた。

紅白出場歌手が発表になり、松たか子の不出場を知った時は驚いた(May J.と神田沙也加は順当に出場)。その後、松の妊娠報道がなされ、それでは致し方ないと納得したものの、なんとも残念な思いでいた。

ところが今回、NHKはとんでもない演出力を見せてくれた。なんと、ゲストでイディナ・メンゼルが登場するというのである。しかも「For the First Time in Forever(生まれてはじめて)」を神田沙也加と英語と日本語でデュエットという、夢の共演! おまけに「Let It Go」もフルコーラス歌う!

沙也加の通訳ぶりも見事だったし、二人のデュエットも素晴らしかった。それに、やはりなんといっても本家の「Let It Go」だ。挿入歌と主題歌のアレンジの違い、といった専門的なことは知らなくても、May J.の歌を聴いた多くの人は、「あれ? この歌、知っているのとなんとなく違う……」と感じただろう。が、イディナ・メンゼルの歌を聴いて、そう、私が知っているのはこれ! と安心したに違いない。どちらがいいとか悪いとかではないのだが、昨年、数限りなく聞かされ、世界中の人の耳に残っているのは、エルサが氷の城を作るシーンで歌われたイディナ・メンゼル(日本では松たか子)バージョンなのだから。

娘が歌っている姿を見て涙ぐんでいる松田聖子も印象に残った。それはそうだろう。神田沙也加の紅白出場は2回目だが、一度目は、親の七光りで、半ば「母子出場」という話題作りのためだけに出させてもらったような印象を受けた。ところが今回は押しも押されもせぬ、堂々たる実力での出場。親じゃなくてもこの成長は嬉しかろう。

聖子は聖子で、初の大トリを務め、瞬間視聴率は一番高かったとか。娘に負けじと、順調に女王への道を歩んでいるといったところか。もっとも僕は、神田沙也加とイディナ・メンゼルの歌を聴いたところですっかり満足し、寝てしまったのだが。薬師丸ひろ子までは聞いてもよかったかな。

(2015/01/09 記)

2014-08-13

アナ雪、DVD/BDが早くも200万枚を突破

発売3日でミリオンを突破した「アナと雪の女王」だが、発売4週目にしてダブルミリオンを記録した。

ビデオ、レーザーディスク等も含めた全映像作品すべての中でダブルミリオンを突破したのは「千と千尋の神隠し」(2002年)以来2作目。ただし同作は11週目の達成だったため、これを大幅に塗り替える史上最速でのミリオン突破となった。

「千と千尋の神隠し」は240万枚だそうだが、この数字を超えるのも時間の問題ではないか。

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2014-07-28

アナ雪、DVD/BDが100万枚を突破

7月16日に発売された「アナと雪の女王」のDVD/BDが、発売後わずか3日で100万枚を突破したという。ブルーレイ作品の売上げが100万枚を超えたのは初めてとのこと。

DVDとBDをセットで販売するというディズニーの作戦が当たったと思う。一般にはDVDとBDは別々に販売されていて、BDの方が高い。我が家には今のところBDプレイヤーがないため、今すぐ見るならDVD版を買うしかない。しかし、恐らくそう遠くないうちにBDプレイヤーを購入するのは明らかで、そうなったらBDディスクの方がいいに決まっている。かといって、今はDVDを買ってあとでBDを買い直すのもちょっと、となると、DVDとBDのどちらを買うかすごく迷う。今はこういう人が多いと思うが、迷わなくていいように一枚分の価格で両方をつけたのは、良心的なやり方だ。これは、ぜひ他社も見習ってほしい。

同時に、戦略もあっただろう。BD版を別売りにすれば、BDだけで100万枚を超えることは難しい。しかしセットなら合わせて100万を超える可能性は高い。そうなれば、「初めてミリオンセラーとなったBDは『アナと雪の女王』だ」という歴史的事実が永遠に記録に残ることになる。これを狙ったのではないか。

2014-07-12

アナ雪が敗れた理由

先週末に公開された「マレフィセント」が週末興行で1位になり(ついでに「オール・ユー・ニード・イズ・キル」が2位に入り)、3月14日に公開以来3ヶ月以上にわたって首位の座を守ってきた(途中一度だけ2位に落ちたことがあったが)「アナと雪の女王」がついにその座を明け渡した。

とあちこちでニュースになっているが、僕に言わせれば、首位の座を明け渡したのではない。明け渡させられたのだ。

映画館のスケジュールを見てみると、先週末からアナ雪の上映回数が減っている。これまでは毎週末新作が公開されても、大きくていいスクリーンはアナ雪に確保され、残りの中でやり繰りするしかなかったのだが、ここへきて同じディスニーの「マレフィセント」が公開されたため、「大人の判断」が働いたのだろう。

映画を観る場合、事前に「これが観たい!」と思って、上映している劇場や時間帯を調べ、それに合わせて自分の予定を確保し、観に行く……というやり方をする、いわばコアな観客は、それほど多くはないと思われる。多くの人は、仕事が早く終わったから映画でも観て帰ろう、とか、今度の土曜日の午後は彼女とデートだから、映画でも連れて行くか、とかいうように、まず自分の空き時間ありきで、その時やっている映画の中から面白そうなものを選ぶ、というやり方なのではないだろうか。

だから上映回数が多ければ有利だし少なければ不利になる。人気作をいきなり打ち切って批判やクレームが殺到すると困るので、新作を大いに宣伝すると同時に上映回数を少し減らす。これがうまくいって今回は「マレフィセント」が一位、「アナと雪の女王」は三位に落ちた。このことがニュースになったので、世間では、ついにアナ雪も勢いが衰えた、今後はこのままターミネートしていくだろう、という雰囲気になったしまった。こうなれば劇場側も上映回数を減らしやすい。恐らく来週末はもっと順位が落ちるだろう。

こんなことをわざわざ書くのは、こうしたやり方は興行側の都合であって、客の側の都合ではないと思うからだ。これまでにも週末ランキングでベスト10の上位にいるのに上映回数が減らされるという不思議な現象は何度か目撃した。一方で映画館に足を運ぶ人が減っているだの、映画産業の斜陽だのという話も耳にする。こうした時に観客の側の姿勢が問題にされることが多いが、このような観客不在の興行を押し付けるから客からスポイルされている面もあると思うのだ。

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2014-05-13

「アナと雪の女王」の魅力(3)予告編のミスリード

「アナと雪の女王」の魅力(1)ストーリーの意外性』(2014/05/08)で二つの意外性と一つの伏線について述べた。が、意外性という点では実はもうひとつ大きく意表を衝かれることがある。それは、予告編との違いだ。

エルサが「LET IT GO」を高らかに歌いながら雪山の上に氷の城を築く。なかなかに印象的なシーンである。僕はこの予告編を見て、こんな一番いいシーンを、しかもフルコーラスがっつり予告編で見せてどうするんだよ……と呆れていた。しかも何度も何度も見せられたから、すっかり映画を見た気になってしまい、それが理由のすべてではないが、当初、この映画には食指が動かなかった。

映画を観たら、始まったばかりでいきなりこの歌が歌われることに驚き、さらに、この歌が、当初思っていたのとは真逆の意味で使われていたことに気付き、心底驚いたのである。予告編を作った人がどこまで計算していたのかはわからないけれど、予告編を見てなにがしかのイメージを持って本作を見た時の「やられた」感は半端ではなく、それも魅力のひとつなんだろうと思う。

この「LET IT GO(れりごー)」という歌は、世間のしがらみや、周囲の雑音を気にすることなく、自分は自分らしく生きればいいんだ、という応援歌のように思われていて、昨今ではそのような文脈で引き合いに出されることが多い。いや、歌自体はそういう意味の内容だから間違ってはいないが、本作の中では、それは否定的に扱われた。たとえてみれば、こんな感じである。引き籠りのニート君に対して、親が、「あなたも少しは世間とつながりを持たないと……」みたいに言うのに対し、その子が逆切れして、

「うるせーなクソババァ、俺はそんな世間なんか気にしないでありのままに生きたいんだよ。部屋に籠って一人でゲームしたりネットしたりするのが俺らしいってことなんだよっ」

と怒鳴っているようなものである。

エルサは、ありのままに生きると言いながら、それは結局、世間で起きていることに頬かむりをし、他人の意見に耳を傾けず、一人、自分の殻に閉じ籠って暮らしているだけである。それが自分らしく生きることなのだと自分で自分に言い聞かせているだけで、結局のところ、結局、自分も含めて誰一人しあわせにしていない。それじゃだめなんだ、というのがこの映画の主張なのだ。

そんなエルサも、最後は自分の間違いに気づき、現実と向き合う覚悟を決めた。周囲の人もきちんと受け入れることにした。エルサが変わったところで物語は終わりを告げる。エンドロールでもう一度「LET IT GO」が流れるが、だからエルサはもうこの歌を歌わない。