チェチェン駐留軍の撤退はキャンセル

(4/1 コメルサント紙 Musa Muradov記者)

 チェチェンにおける対テロ作戦は終わらないーー3月31日に開かれた国家対テロ委員会は、メドベージェフ大統領にあてた対テロ作戦終了の勧告を採択せず、今後の議論に委ねるとした。その一方、作戦体制は緩和されるとされ、チェチェン共和国側には独自の国際空港と通関の設置/運営が許可される見通し。

 対テロ委員会の長、アレクサンドル・ボルトニコフFSB長官はこう言う。「対テロ作戦の終了は、FSB内務省国防省の協議に委ねられる。その上でメドベージェフ大統領に報告が行われる」と。

 対テロ作戦の終結は、チェチェン共和国のカディロフ大統領(親ロシア派)が要望していたもので、今回の決定に関してカディロフは、「委員会の決定はこちらの要望を汲んだものだと思う。いろいろな手続きがあって、最終的にメドベージェフ大統領が決断するための報告がされるのだろう。チェチェンにとって作戦の終了は重要だ。国の経済にとってよい影響があるから」とコメントした。

 カディロフは3月20日に行われたプーチン首相との会合の直後から、チェチェンからのロシア軍撤退が近いと発言していた。下院安全保障委員会のウラジーミル・ヴァシリエフ委員長も「チェチェンの状況は安定している」といった発言をし、グリズロフ議員も「経済危機の状況下で作戦を継続することは難しい」と語るなど、今回の対テロ委員会の結論を示唆する報道が相次いだ。

Source: Kommersant, No. 57, April 1, 2009, p. 5