Jリーグ、横浜FM対大分(0−3)

もうなんかすごいブーイングの嵐だった。どっちが降格圏なんだか。終了後にスタンドに歩み寄っていくマリノス選手たちの足取りの重いこと。
マリノスの先発2トップはグラウと大橋。3バックで奥と大橋を両方使いたいとこうなるのかな?せめて大橋には前線で動き回って他の選手にスペース作ったり相手DFを疲れさせて欲しかったが・・。それ以前にフォワードにいい球が入らないので仕方ない面もあった。
大分は監督代わってから組織できっちりしたサッカーをやってくる。カウンターこそそんなに鋭くなかったけど、守備は相手ボールへの寄せが速くて激しさがあった。黄色も何枚かもらってたけど戦う姿勢が窺えた。マリノスにはその気迫が足りないように映った。
トラとハユマの両サイドはきっちりマークされてあまり攻め上がれなかった。マグロンを早い時間に失ったので中盤の組み立てが難しくなったの痛かった。終盤必ずと言っていいほど前線に人を増やしてパワープレイをするが、スペースが無くなるだけ。中盤からの仕掛けができていない。もっと遠めからのシュートも欲しかったし。
ポストとクロスバー叩いた惜しいシュートのどちらか1本でも入っていれば流れも違っていたと思うが、とにかく得点が生まれる気配に乏しかった。
山瀬も上野も使えず、頼りの奥もイマイチな不調。マグロンも途中で下がってしまっては監督も手の施しようがなかったと言えなくもないが・・。こういうときに雰囲気盛り上げたり怒鳴ったりする精神的リーダーが欲しかったが松田も停止。せめてみんなガツガツしたファイターになってくれ。
次のナビスコ・ガンバ戦は上野がダメな上にマグロンまで欠いてしまう。久保をスクランブルでぶっつけ登板もあるんだろうけど、中盤をつくることが先決。これで負けて今季の望み失うと雪崩式に崩壊しそう。開き直って肉弾戦を挑んで奇策でもなんでもいいから一矢報いてください。

シン・シティ


ロドリゲス+タランティーノというよりフランク・ミラーのハードボイルドなテイストが全面を覆っている。映像表現は斬新で面白かったが、とにかく「ハードボイルド」が不快。
ミッキー・ロークにしろブルース・ウィリスにしろ、寡黙なはずなのにベラベラと科白がうざい。アナクロな「男の美学」に酔っているナルちゃんぶりが気持ち悪いのだ。
たしかに、不利な状況を一人背負って闘うヒロイズムには正直きもちいい部分もある。イヤなのは“女を殴る男は許せない”とか言って、男は女を守るもの的な古臭い男らしさを公然と押し付けてくるところ。特にミッキーロークの役は見た目もメイクや増量で男らしさ50%アップ。粗野な肉体派でいつもくわえタバコ。情けなくなってくる。
こんなゆがんだ「男らしさ」は、家父長制を基にした家族単位で産業社会の労働力となるために欧米型近代社会以降が求めたものと認識している。つまり性差なんてその時代の社会が後天的につくったもので、子を産む機能を除けば無いに等しい。むしろあるのはそれぞれ個人の「人間らしさ」ではなかろうか。
みみっちいアイデンティティにすがって生きている姿はすごく窮屈。100人いれば100通り、いろんな性のかたちがあるのよフォーッ!それを認め合える世の中になればもっと豊かな社会になるのに、と思いました。
そういう意味ではデヴォン青木ロザリオ・ドーソンのキャラは良かった。デヴォン青木にはもっと斬りまくって活躍して欲しかったが・・。
やっぱり女を主役にして「ジャッキー・ブラウン」とか「キル・ビル」とか撮ってるタランティーノに比べて、「フロム・ダスク・・・」や「デスペラード」で男らしさムンムン臭いロドリゲスの方がより保守的なかんじ。なんか女に対してコンプレックスあるんじゃないの?
あと、イライジャ・ウッドが禁断の領域に踏み込んでたカニバリズムね。ルトガー・ハウアーのセリフでオオッと思わせるんだけど、それ以上はいかなかった。あっち方面に突き進んでくれるなら、それはそれでちょっと期待です。
(☆2.5)