劇場版「相棒」

 行く前に少しヤフーの映画感想なんか見たりして…… 2時間SPで良かったんじゃないの?とか書かれていたり…… 「踊るみたい」と書かれていたり…… 番宣では水谷豊が4回しか見てないと言ってたりで、ファンとしては期待と不安が混じったドキドキ感を持ちながら見てきました。

 なるほどねぇ……2時間SPで良かったんじゃないの?っていう意味がわかった。扱う事件自体がでかかったけれども、フォーマット自体はテレビとまったく変わっていなかった。つまりファンとしてはこれが見たかったのよ!ということだ。踊る大捜査線THE MOVIEみたいにバカ騒ぎ、バカ脚本、バカゲスト多数みたいなお祭り映画じゃなくて、今まで積み上げてきた延長としての劇場版相棒がある。これが正解じゃないか。まったく文句なし。

 では、例によって細切れな感想をツラツラと。まず!納得できなかった点が2つ!青酸カリのシーンと真犯人がわかるキーアイテム。青酸カリであんなシーンは無いわ。ヒドス。そしてキーアイテム。あんなん無くてもわかるっちゅうねん。あんなにはっきりしたアイテムはいらんべ。ヒドス。ここまでいいテンションで話が進んできたのにそこだけミョーに劣化した部分に見えた。その後、盛り返して行くけれど、この2点が無ければ満点を付けてもいいぐらいに良い出来だった。確かに映画だからと話を詰め込み過ぎな感はあったけれども、これは普段は杉下右京のキレすぎる推理でペースを作っているテレビ版とは違って、頭の良い犯人に振り回されて、後手後手に回ってしまっている杉下右京の感じが出ていて良かったと思う。だからこそ、もっとキレた感じの犯人役がいいと思うんだが、これは事件よりテーマが重要な相棒なので仕方ないかもしれないけれど。しかし、あらためて思うのはシーズン6まできっちりと重ねてきたすごさ。犯人以外は今までの登場人物で十分持つというすごさ。何にも浮いたところがありゃしない。私的に素晴らしいと思ったのが、片山雛子役の木村佳乃。テレビ版では映像のシャープさと相まって少し浮いた感があったのだが、映画だと凄味がビシッと伝わってきた。逆に考えると、テレビでも映画でも変わること無い存在感を放つレギュラーメンバーの演技力のすごさもあるんだろうなぁ。そして、例によって重すぎるテーマ。素晴らしい。良いところに目を付けてるよなぁ。色々考えさせられる話だ。そんなところかなぁ。

 結論として、出演者が話の筋に振り回されまくっているけど、相棒ファンなら見に行って間違いなし。