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餞驟窟誌

2015-09-17

【今日は何の日】9月17日(木)旧暦8月05日(赤口)中潮 牧水忌 鬼城忌

モノレール開業記念日
東京モノレールが制定。 1964(昭和39)年、浜松町羽田空港(現在の羽田空港駅とは別)の東京モノレールが開業した、日本初の旅客用モノレール。遊覧用のものでは1957(昭和32)年に上野動物園に作られたものが最初。

マージャンの日
(毎月第3木曜)

台風襲来の特異日
統計上、台風襲来の回数が多い日。

いなりの日
日本の食文化の中で多くの人に親しまれているいなり寿司を食べる機会を増やすきっかけを作ろうと、いなり寿司の材料を製造販売している株式会社みすずコーポレーションが制定。日付はいなりのい〜なで毎月17日に。

国産なす消費拡大の日
4月17日の「なすび記念日」の17日を、毎月なすの消費を増やす日にしようと、冬春なす主産県協議会が2004年2月9日に制定した。

世界スカウト平和の日
(9月第3木曜日)

[著名人の誕生日・命日]
牧水忌

歌人若山牧水の1928(昭和3)年の忌日。

鬼城忌
俳人村上鬼城の1938(昭和13)年の忌日。


奈良最大の恒例行事、春日若宮祭、始まる。明治の改暦後は12月17日に(1136)
アメリカで飛行機事故犠牲者第1号(1908)
若山牧水、没(1928)
西日本枕崎台風、死者・行方不明者2400人余(1945)
浜松町羽田空港間の東京モノレール開業(1964)
阪神・江夏投手、354三振を奪い、シーズン最多記録を塗りかえ(1968)

誕生:正岡子規(俳人1867) 木下良順(1893) 東野英治郎(俳優1907) 
   金丸信(政治家1914) 中村寅吉(1915) 杉下茂(1925) 
   曽野綾子(作家1931) 橋爪功(俳優1941) ちあきなおみ(歌手1947) 
   大島智子(タレント1959) デーモン・ヒル(1962)
   ビスマルク(サッカー選手1969)

誕生花:エリカ (Heath)     花言葉:孤独




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木語:センターとられた=金子秀敏
毎日新聞 2015年09月17日 東京朝刊

 <moku−go>


 9月3日、天安門前の閲兵式に臨んだ中国習近平(しゅうきんぺい)・国家主席が浮かない顔だった。

 習主席が全軍を掌握したことを内外に示す儀式だった。香港メディアは「戴冠式(たいかんしき)」と表現した。わかりやすい。権力の座について約3年、政敵との激しい死闘のすえにやっと独裁権力を手にした記念の行事というわけだ。

 晴れの式典が北京名物のスモッグで汚れてはならないと、1カ月も前から工場の排煙を止め、自動車排ガス規制をして青空にした。それほど力を入れたのに、なぜか元気がない。

 天安門の上で習主席は最前列中央に立っていた。主席の右手側にはロシアプーチン大統領、その隣に韓国朴槿恵(パククネ)大統領中央アジア各国の首脳たち。戴冠式を祝うかのような、華やいだ空気だ。

 それが一変したのは、習主席が左手側を振り返った時だ。両脇を支えられて江沢民(こうたくみん)・元国家主席が泳ぐように前に出て習主席の左隣に立ち、手すりにしがみついた。その左側には胡錦濤(こきんとう)・前主席も。

 現役の党指導部も引退組の長老も、みな後列に下がり、主役の習主席と外国貴賓を引き立てた。が、江、胡両氏が最前列に出たために、主役は3人になった。しかも習、江、胡の順で並んだので、センターは江氏だ。舅(しゅうと)、小舅(こじゅうと)の婿いびりのような光景を見て、プーチン氏は習主席がまだ本当の独裁者ではないと見たのではないか。

 後列には、逮捕説や失脚説の絶えなかった江沢民派の大幹部たちの、うきうきとした笑顔が見えた。パレードの最中に超望遠の一眼レフを構えてシャッターを切り続けた長老もいた。

 実は、習主席は自分の左に人気のある彭麗媛(ほうれいえん)夫人を立てるつもりだったが、江氏筋から「前例がない」とクレームがつき実現しなかったと香港紙は報じる。事実なら、江氏はいまだに権力を手放していない。香港メディアももう戴冠式と書かなくなった。

 むかし、飛騨(ひだ)の農家ではご飯を盛るのはカカサ(主婦)の専権だった。アネサ(嫁)はカカサが「シャモジ渡し」する日をじっと待ったが、いつまでも渡さないババカカサもいた。(江馬(えま)三枝子「飛騨の女たち」三国書房)。ババカカサ−−中国には今もいる。

 習主席はオープンカーで広場の部隊を閲兵し、左手で11回敬礼した。左手敬礼は軍礼違反だ、どうしたことだと中国のネットは騒然となった。きっと深いわけはない。心ここにあらずだったのだ。わかる。(客員編集委員



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社説安保関連法案 成立に強く反対する
毎日新聞 2015年09月16日 02時30分

 安倍晋三首相は予言者になったつもりだろうか。

 安全保障関連法案について「成立し、時が経てゆく中において間違いなく理解は広がっていく」と14日の参院特別委員会で述べた。

 提起された数々の異論に適切な反証ができていないのに、「いずれは分かる」と根拠なく言うのは国民を見くびる慢心の表れだ。

 法案への反発は、一時の感情ではない。平和国家としての積み重ねが崩れ、常識がゆがめられることへの危機感に基づいている。

 日本の安全保障政策は、憲法9条と日米安保条約との強い緊張関係の下で成り立ってきた。無謀な戦争への反省と、現実の国防とを両立させるために生み出された、戦後日本の太い背骨だ。

 しかし、安保法案が成立すれば9条の持っていた拘束力は極端に緩められ、政策の重心は日米安保の側に大きく傾く。

 戦後70年。まっとうなプロセスを経た政策転換ならば議論の余地はある。ただし、今回は違う。

 4カ月近い安保国会で最も印象に残るのは「法的安定性は関係ない」という礒崎(いそざき)陽輔首相補佐官の発言だ。安保政策の実務者である礒崎氏の言葉こそ、法案の設計思想を如実に示している。

 冷戦型の思考で軍事上の必要性を最優先させる。40年以上維持されてきた集団的自衛権憲法解釈を「環境が変わった」のひと言で正反対にする。最高裁長官の経験者から論理の粗雑さを批判されても「今や一私人」と無視する。

 中国の強引な海洋進出に対して「法の支配」を訴えてきた安倍首相だが、国内の法秩序を軽視しているのは明らかだ。行政権ののりを超えた越権行為である。

 法案は質のみならず量の面でも欠陥がある。「切れ目のない対応」を旗印に自衛隊の活動を極大化していることだ。

 安保法案には、地球規模での後方支援や外国軍への弾薬の提供、国会の承認なしに米軍を守る武器等防護などが盛り込まれている。その一つひとつが戦後安保政策の重大な変更であるのに、一括して提出されたために、国会の審議では手つかず同然のものもある。

 国家の要諦が危機管理である以上、起こり得るリスクへの備えは必要だ。ただし、内容の決定にあたっては法秩序の安定や国力、国民の理解度などの要素に見合った水準でなければならない。

 安倍内閣安保法案は、いずれの条件もクリアできていない。にもかかわらず、生煮えのままで採決を迎えようとしている。

 政治は国の針路を選び取る営みだが、政治指導者は同時に国民を統合していく責任を負う。国内に生じている亀裂を修復する展望を持ち合わせずに、時間が解決するのを夢想するのは許されない。

 日本は今、戦後史の大きな分岐点にさしかかっている。自衛隊の創設や安保条約の改定時に匹敵するかそれ以上だ。日本を傷つける分岐になることを強く憂う。



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発信箱:素手で勝負=二木一夫
毎日新聞 2015年09月17日 大阪朝刊

 うそ、冗談のことをいう法律用語の「心裡留保(しんりりゅうほ)」を読めなかった。抵当権の一種の「根抵当権」の「根」を誤植と思って教官にメールした。理系学部を卒業し、大阪大学法科大学院に入った男性は未知の世界に苦労したが、昨年、2回目の受験で司法試験を通った。

 司法試験には、それまで見たことのない問題がたくさん出る。判例や学説を覚え、解答のテクニックを身につけたとしても、試験問題は「そういう武器を捨てて、素手で勝負しよう」と迫ってくる。つまり、受験生の知的基礎体力がどれほどあるかが試されている。

 合格体験を後輩に伝える報告会で、男性はそう話した。実務でも試験と同じように知らない問題が出てくるだろうが、一から順を追って考えることが重要だ、とも語っていた。

 明治法科大学院の教授が出題内容を教え子に漏らしたことが明るみに出て、この体験談を思い出した。難関の試験に正攻法で挑む受験生の苦労を無にするような不正である。

 社会人や法学部以外の他学部卒業生に門戸を開いて、裁判官検察官弁護士として法曹界で活躍する多様な人材を育てる。そういう目的でつくられたのが法科大学院制度だった。

 ところが、法律を学んだ経験のない未修者の合格率は低迷している。苦学生のために例外として設けた予備試験は「最短コース」に利用され、大学院制度の骨抜きが心配されている。

 合格体験を聞くと、勉強法十人十色で、試行錯誤して自らが決め、それを貫くと道が開けるという。公正を掲げる司法試験に抜け道があっては法曹離れは止まらない。


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======================  (近頃の世情)  ===================



安保法案:参院特別委で可決 与党、採決を強行
毎日新聞 2015年09月17日 16時45分(最終更新 09月17日 16時52分)

 参院平和安全法制特別委員会は17日午後4時半過ぎ、安全保障関連法案の採決を強行で行い、与党などの起立多数で可決した。


安保法案:鴻池委員長の不信任動議を否決
毎日新聞 2015年09月17日 16時30分(最終更新 09月17日 16時32分)


 安全保障関連法案を審議している参院平和安全法制特別委員会は17日午後、鴻池祥肇委員長への不信任動議を否決した。これを受け、与党は関連法案の採決に踏み切りたい考えだ。



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クローズアップ2015:財務省還付案、困難に 与党「国民負担大きい」
毎日新聞 2015年09月16日 東京朝刊

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軽減税率財務省案を並行して協議
拡大写真
 消費税軽減税率に代わる負担軽減策として財務省が提案したマイナンバーカードを使った還付金制度の導入が15日、事実上困難になったのは、「国民の負担が大きい」という懸念が与党内で広がったためだ。自民公明両党はひとまず、軽減税率財務省案を並行して協議することを決めたが、2017年4月の消費税率10%への引き上げに向け、今後の議論の方向性は見えていない。

 ◇官邸は静観の構え

 「欧州を中心に使われている軽減税率制度を所与のものとして議論してきた。財務省案はこれまでイメージされてきた制度とは受け止められていない」

 公明党山口那津男代表は15日の記者会見で、財務省案への党内外の厳しい意見に言及。「いくつかの選択肢を議論してあるべき制度設計を追求すべきだ」と述べ、軽減税率財務省案と並行して検討していく考えを強調した。

 記者会見に先立ち、山口氏は国会内で井上義久幹事長ら執行部と対応を協議。財務省案には先週来、支持母体創価学会からも批判が上がっており、原案のまま推し進めるのは厳しいとの認識で一致した。

 ただ、財務省案を拒否しても与党に妙案があるわけではなく、出席者の一人が「じゃあその後どうするんだ」と指摘する場面もあった。執行部は「並行協議は持っても1〜2週間だ」との認識で一致しており、その間に財務省から新たな提案があることに期待をかけている。

 「軽減税率導入」は公明党選挙公約の柱で、もともと慎重だった自民党財務省を動かして検討してきた経緯がある。与党協議が暗礁に乗り上げ、財務省に投げた宿題の答えが「還付金制度」だった。しかし、唐突な方向転換に公明党は困惑し、税調幹部ですら「先の展開が見通せない」状況に陥った。

 麻生太郎財務相は15日の記者会見で「財務省がこの案をぜひやってくださいと頼んだことは一回もない。頼まれたので案を提出しているだけだ」と主張。「決めるのは与党」と開き直った。「軽減税率が実現できず困るのは公明党」というのが本音だ。

 これに対し山口氏は「消費税率引き上げと(負担の)緩和策はセットで論じていく必要がある」と強調。公明党幹部は「財務省が『これ以上できない』と言うなら、10%への引き上げに党として反対する」と息巻く。財務省は昨年11月、「デフレ脱却が危うくなる」(安倍晋三首相)として1年半延期された10%への消費再増税が最重要課題で、公明党はこれを逆手にとって軽減税率の議論を巻き返そうとしている。

 首相官邸は今のところ静観の構えだ。菅義偉官房長官は15日の記者会見で「与党の検討状況を見守りたい」と述べるにとどめた。

 財務省幹部が首相や菅氏に制度の説明をしたのは9月1日。田中一穂事務次官らが「与党の要請で作った案です。これで与党と調整を進めさせていただきたい」と了解を求めると、首相らは「やってみればいい」と距離を置いたという。菅氏は周囲に「国民が面倒な制度。このままではまとまらないのではないか」と漏らしている。

 自民党野田毅税調会長は15日の与党協議で「針の穴を通すより難しいテーマだ」と語り、協議の行く末に懸念を示した。官邸関係者も「調整はしない。あの案は『政府案』ではなく『財務省案』だ」と突き放し、当面は与党協議の行方を見守る構えだ。【横田愛、野原大輔】

 ◇負担軽減、打開策が焦点

 自民公明両党は15日の与党協議で、財務省が提案した還付金制度と軽減税率を並行協議する方針を確認したが、財務省案が原案のままでは実現するのは困難な情勢だ。一度行き詰まった軽減税率の制度設計も含め、打開策を見い出せるかが焦点となる。

 財務省案は来年1月に始まるマイナンバー制度を前提としている。レジで読み取り端末にマイナンバーカードをかざし、消費税2%分のポイントを後日、受け取るしくみ。消費者には煩雑なうえ、カード所有者しか還付が受けられず、15日の与党協議でも自公両党から「財務省案は機能するのか」との批判が出た。財務省幹部は「詰めの甘い案だが、軽減税率の議論が行き詰まり、これ以外に方法がなかった」と明かす。

 与党は今春、軽減税率の対象品目について「酒類を除く飲食料品」「生鮮食品」「精米」の3案を検討したが、対象品目の線引きの難しさ、企業の事務負担の増加−−などの課題に改めて直面し、6月に暗礁に乗り上げた経緯がある。

 対象品目の線引きでは「生鮮食品」に生シラスが含まれるが、シラス干しが除外されるなど定義の難しさの問題が浮上した。企業の経理事務でも、税率が複数になると商品ごとに税率や税額を明記した請求書(インボイス)の発行が必要で、経済界の「事務負担が重い」との強い反対から、そもそも自民党インボイス消極的だ。

 ただ、欧州では軽減税率が広く導入され、インボイスも浸透している。公明党内では「事務負担はさほど変わらないはず。なぜ欧州にできて日本でできない」という声が強い。斉藤鉄夫公明税調会長は「インボイスをもう一度検討する余地がある」と軽減税率の導入をあきらめない姿勢だ。

 一方で、野田毅自民税調会長は15日の与党協議後、記者団に「9月に骨格がまとまれば、精力的に中身を詰め(年明けの通常国会に)法案を出したい思いはある」と語り、財務省案を軸に決着を急ぎたい考えをにじませた。与党内の協議難航は必至で、17年4月の消費増税と同時の負担軽減策導入にも暗雲が漂う。

 政府は14年4月に消費税率を8%に上げた後、低所得者対策として「簡素な給付」を実施し、1人当たり年6000円(15年度)を配っている。軽減税率などの恒久的な対策が導入されるまでの暫定措置との位置づけだが、協議難航で17年度以降の継続も現実味を帯びる。一律額の給付継続にバラまき批判が出る可能性もある。

 与党が13年に軽減税率導入に合意して2年以上。負担軽減策をめぐる議論の迷走に「決められない政治」との批判も高まりそうだ。【朝日弘行、小倉祥徳】




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そこが聞きたい:新たな国連長期目標 蟹江憲史氏
毎日新聞 2015年09月16日 東京朝刊


 ◇先進国の行動がカギ 慶応大教授・蟹江憲史氏

 途上国の貧困解消などを掲げた「国連ミレニアム開発目標(MDGs)」=1=が年末に達成期限を迎え、その後継目標が今月、国連総会で採択される。今年は国連創設70年。「国際関係論」の専門家として目標案の議論に参加した蟹江憲史・慶応大教授(46)に聞いた。【聞き手・大場あい、写真・森田剛史】

−−新たな目標は「持続可能な開発のための2030アジェンダ(計画)」と呼ばれます。MDGsとは何が変わるのでしょうか。

 来年から2030年までに達成を目指す世界共通の目標です。飢餓撲滅や地球温暖化、災害による被害対策など、17分野169項目の目標で構成されます。12年の「国連持続可能な開発会議」(リオプラス20)=2=で策定することが決まりました。貧困対策がメインである点は同じですが、MDGsは、途上国が発展するための目標という色彩が強かったように思います。今回は、先進国途上国問わず、世界全体で環境保全など将来の世代のことを考えながら、今生きている世代の利益も実現させる「持続可能な開発」を目指すことを目標に盛り込みます。

 自然災害や環境汚染の影響を受けやすいのは、貧困層高齢者などの社会的弱者で、それは先進国でも同じです。例えば、地球温暖化が進んで巨大台風や高潮などの被害が拡大すれば、弱者が貧困から脱却することはますます難しくなります。社会全体の発展のためには、人間活動による温暖化を抑えるなど、環境のことも考える必要があるという共通認識ができたと言えます。

−−目標はどのように策定したのですか。

 各国政府だけでなくNGO(非政府組織)や経済団体、学識経験者らも議論に加わり、約2年かけてまとめました。私も最初から参加しました。日本は議論の中で、東日本大震災の教訓を踏まえ、強じんな社会作りのための目標を随所に盛り込むことを訴え、取り入れられました。全ての人が基本的な医療を負担可能な費用で受けられるようにすることも主張し、目標に入りました。ただ残念なことに、日本政府は当初、単に途上国支援の延長という認識だったため、当事国意識に欠け議論全体で存在感を示せたとは言えません。

 けん引したのはコロンビアなど南米の国々です。彼らは「持続可能な開発目標を作ろう」と提案し、「目標達成の状況を把握する指標は、加盟国が選択可能なものにすべきだ」などと提案し、取りまとめに貢献しました。「途上国」とひとくくりにされた国々から中国インドなど急激に経済成長を遂げる国が登場し、危機感があったのだと思います。自然環境を守ったり先進国に支援を求めたりするために、これからもさらに成長が必要な途上国グループとして、存在感を示す必要があったのでしょう。

−−30年までに目標が達成できない場合、どうなるのですか。

 各国に達成義務はなく、目標を達成できなくても罰則はありません。しかし、新たな目標では、世界全体の取り組み状況を国連総会などの下の閣僚級会合で検証する仕組みを盛り込み、政治レベルでの取り組みを促します。各国の進捗(しんちょく)状況も公表され、国ごとにランク付けされるようになるでしょう。国内総生産(GDP)や温室効果ガス排出量などのように、各国を比較する新たな「ものさし」ができるのです。

 既に、一部の機関投資家などが新たな目標に関心を持ち始めています。目標は、国や企業が持続可能で、経済的にも環境的にもリスクの低い取り組みを実行しているかどうかのチェックリストにもなるので、投資家はランクの低い国や、目標に沿わない事業への投資を避けるようになるかもしれません。そうなれば、多くの国は目標達成につながる政策を進めざるを得なくなるでしょう。

−−MDGsは、途上国が抱える解決課題に先進国が取り組む構図でした。今後も先進国には途上国支援が求められるのでしょうか。

 途上国支援だけではなく、むしろ、先進国自身が実現に向けて努力しなければならないことがたくさんあります。例えば、世界全体で再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる▽水害など災害の死者数を大幅に削減する−−などです。

 「持続可能な開発が実現できているか」という観点でみれば、世界に先進国はありません。日本も途上国です。日本は、省庁ごとの縦割りの政策だけではなく、国全体が持続可能な方向に向いているかという視点から政策を決める新たな仕組みが必要だと思います。新たな目標は、日本の国際競争力を高める可能性もあります。先進国途上国の目標実現を支援する過程で、自国の産業が進出しやすい枠組みを提供できれば、市場拡大につながります。海外では、目標に沿った商品作りに動き出している企業もあると聞きます。日本ではまだ、新たな目標の認知度は非常に低い。この潮流に乗り遅れると、経済的なデメリットも大きいことを認識すべきです。

 ◇聞いて一言

 経済成長のためにも「持続可能性」が重要だと頭では分かっていたが、これまで何をしたらいいのかはピンとこなかった。新目標は、どんな行動が必要なのか、具体例を挙げている。途上国のための目標と見られがちだが、蟹江さんは「日本では『開発』を『成長』と読み替えてはどうか」と提案する。新目標のメインタイトルは「私たちの世界を転換する」。目標が完全達成されれば、「環境配慮の活動が経済的にももうかる」世界に変わっているだろう。

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 ■ことば

 ◇1 ミレニアム開発目標(MDGs)

 2000年の国連ミレニアムサミットで採択された「国連ミレニアム宣言」を基に、01年にまとめられた世界の目標。1日1.25ドル未満で生活する貧困層の人口を1990年比半減▽飢餓人口を同半減▽初等教育の完全普及▽5歳未満児死亡率を同3分の1に−−など8分野21項目の目標、60の指標を掲げた。

 ◇2 持続可能な開発会議(リオプラス20)

 リオデジャネイロで1992年に開かれた地球サミットから20年後の2012年に開催された。191の国・地域の首脳らが参加。環境保護や貧困対策について議論をしたが、取りまとめられた成果文書に具体的な施策や目標は盛り込まれなかった。

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 ■人物略歴

 ◇かにえ・のりちか

 1969年生まれ。東京工業大准教授などを経て、今年4月から現職。国連大学サステイナビリティ高等研究所シニアリサーチフェローも務める。リオプラス20には日本政府代表団顧問として参加した。



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日銀決定会合:海外景気の判断下げ 総裁、国内は強気崩さず
毎日新聞 2015年09月16日 東京朝刊

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質問に答える日銀黒田東彦総裁=東京都中央区日本銀行本店で2015年9月15日午後4時14分、神崎修一撮影

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海外経済と輸出・生産は判断を下方修正

 日銀は15日の金融政策決定会合で、中国などの景気減速を踏まえて、海外経済に関する判断を引き下げた。黒田東彦総裁は会合後の記者会見で日本経済については「緩やかな回復を続けていくという見方に変更はない」と強調。海外経済の減速による影響は一時的との認識を重ねて示し、強気の見方を崩さなかった。だが、市場では「中国の景気減速は長期化する恐れが強く、日銀は追加の金融緩和を迫られる」との見方が出ている。【中井正裕】

 この日の決定会合は大規模な金融緩和策の継続を賛成多数で決めた。国内景気の基調判断は「緩やかな回復を続けている」に据え置く一方、海外経済と輸出・生産は判断を下方修正した。海外経済の減速で輸出や生産が鈍化し、今年4〜6月期の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除いた実質ベースで3四半期ぶりにマイナス成長に陥ったためだ。

 さらに7月の輸出や生産も低調だ。夏場の悪天候もあり、市場では「7〜9月期のGDPもマイナス成長になる」との見方が浮上しているが、黒田総裁は「7〜9月期はプラスに戻ってもおかしくはない」と先行きには自信を示した。

 日銀が強気の見方を崩さないのは、円安を背景に企業収益が過去最高水準となり、所得・雇用環境が改善しているとみているためだ。企業の利益が賃上げや雇用拡大をもたらして消費が増える「経済の好循環」の動きがあると判断している。

 中国経済の先行きについても、黒田総裁は「中国の財政金融政策に支えられ、今年から来年にかけて6〜7%の安定成長を続ける」と強調。米国の利上げで投資マネーが新興国から米国に流出して新興国経済が失速する懸念もあるが、黒田総裁は「利上げは米国経済が回復を続けることであり、世界経済にプラスだ」と一蹴した。

 しかし、市場関係者の見方は慎重だ。バークレイズ証券の森田京平チーフエコノミストは「企業業績は好調だが、原油安という特殊要因も大きく、持続的な賃上げにはつながりにくい。日銀の想定ほど景気の好循環メカニズムが働かない可能性がある」と指摘する。

 また、SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストも「中国の景気減速の影響が長期化して、日本の輸出回復が遅れ、企業業績が悪化しかねない。日銀は10月にも追加緩和に追い込まれる可能性がある」と話す。

 日銀は2015年度の日本の実質成長率を1・7%と見込むが、市場では「想定を下回る可能性が高い」との見方が多い。原油価格も、緩やかな上昇を見込んだ日銀の想定を下回っている。黒田総裁は「16年度前半ごろ」としてきた2%の物価上昇率目標の達成時期について「原油価格の動向によっては多少前後する」と後ずれの可能性を示唆した。




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経済観測:見直される廃用牛=農業ジャーナリスト・青山浩子
毎日新聞 2015年09月16日 東京朝刊

 廃用牛という言葉をご存じだろうか。牛にすれば失礼な名称だが、搾乳の役目を終えた乳用種のことで年間約27万頭が処分される。精肉売り場では切り落としやひき肉となって並ぶが、私は気に留めることもなかった。ほかにも、肉用の子牛を産み終わった経産牛も約7万頭(頭数はいずれも推定)が処分される。

 考える機会を与えてくれたのは隠岐の島町島根県)で肉牛の繁殖を行う姉妹だ。島では経産牛を食す文化がある。遠藤亜希さん、理佳さん姉妹は母牛を放牧し、生まれた子牛を育てて出荷するかたわら、飲食店「ラ・シガルカフェ」を運営し、経産牛を使ったメニューを提供する。サシこそ少ないが赤身にうまみがぎっしり。生涯に約10頭の子牛を産んだ母牛がなお、人間の命の糧となることを伝えようと飲食店を営む。

 最近、廃用牛の価値が見直されている。ドライエイジングといわれる熟成肉の原料には経産牛や廃用牛が使われることが多い。ブロックにした肉を1カ月ほど熟成庫で保存すると酵素の働きで肉が軟らかくなる。長く育てた牛ほど赤身にうまみが凝縮されており、そのうまみを引き出せる技術だという。提供者により熟成方法がまちまちであるため、国が日本農林規格(JAS)での基準作りに向けて動き始めた。

 農家の離農増加により牛の飼育頭数が減っている。需給バランスが締まっていることから廃用牛相場も上昇している。だが値上がりを喜ぶ声より、遠藤姉妹のように牛にまつわる物語を消費者に伝える農業者や、工夫を凝らして牛肉の価値を高めようとする食肉のプロの姿が目立つ。彼らこそ廃用牛の価値を高めたいと思っていたのだろう。機会があればぜひご賞味いただきたい。おいしさに隠された物語を思い浮かべながら。



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安保法案:中央公聴会 公述人の発言 要旨
毎日新聞 2015年09月16日 東京朝刊

 参院平和安全法制特別委員会の中央公聴会での発言要旨は次の通り。

 ▽坂元一哉大阪大学院教授 安全保障関連法案は日米同盟を強化し、抑止力を高める。安保環境が厳しくなる中で適切だ。中国との軍事衝突の可能性を減らし、関係構築に役立つ。最高裁集団的自衛権の限定行使について違憲判決を出さないとの政府の判断は当然だ。

 ▽浜田邦夫元最高裁判事 安保法案は憲法9条の範囲内ではない。違憲だ。本来は憲法改正手続きを経るべきものを閣議決定で変えることは、法解釈の安定性に問題がある。最高裁砂川事件判決を(集団的自衛権の行使容認の)理由にするのは問題で、1972年の政府見解の読み替えも法律専門家の検証に耐えられない。

 ▽白石隆政策研究大学院大学長 安保法案に賛成だ。日本の安全は世界の安全と平和があって初めて守れる。抑止により、日本の存立が脅かされない状況をつくることが重要だ。安保環境は急速に変わっている。

 ▽小林節慶応大名誉教授 安保法案に反対だ。成立すれば、内閣の判断で自衛隊を海外派兵できる。「戦争法案」以外の何物でもない。憲法は主権者国民が権力担当者に課した制約であり、無視するのは独裁政治の始まりだ。

 ▽松井芳郎名古屋大名誉教授 政府は集団的自衛権の行使例として、米艦に日本人を乗せて紛争地帯から退避させる例を挙げるが、軍艦は合法的な攻撃目標で民間人を退避させることは考えられない。(他国軍への)補給物資の供給などは、実施場所の区別が意味を持たない。軍事目標と見なされる可能性がある。

 ▽明治学院大4年の奥田愛基さん 憲法を無視することは国民を無視するのと同義だ。安保法案に関する国会答弁や安倍晋三首相のテレビでの理解し難い例え話を見て(政府の説明に)不安を感じた人が全国各地で声を上げ始めた。国会審議を9月下旬まで延ばした結果、国民の理解を得られなかったのだから、今国会での可決は無理だ。廃案にするしかない。法案が強行採決されれば、これまで以上に声が上がる。



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憂楽帳:DF
毎日新聞 2015年09月16日 大阪夕刊

 パソコンや携帯電話などのデータを完全にコピーして解析し、証拠を集める「デジタルフォレンジック(DF)」。さまざまな捜査、調査に欠かせぬ技術となっており、事件現場での鑑識作業になぞらえて「デジタル鑑識」とも呼ばれる。

 先日、大阪地検特捜部のDF設備を見る機会があった。特捜部では、押収品のデータ改ざん事件を機に、コピーを解析することで改ざん防止にもつながるとしてDFを導入した。

 地検庁舎内のDF部屋にはパソコンや特殊な機器が並び、ちょっとしたIT企業のオフィスのようだ。検察事務官が実演すると、10分ほどでスマートフォンのデータが完全にコピーされた。

 消去されたデータも専用ソフトを使って復元が可能だ。技術は「日進月歩」という。特捜部幹部は「改ざん防止のためだったが、今では積極的に捜査に活用するようになった」とDFの力を認める。

 改ざん事件から5年。その間も社会のIT化は進み、膨大なデータが記録されている。消去された「証拠」もあるかもしれない。DFを生かし、特捜部には巨悪を更に追及してほしい。【久保聡】



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