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餞驟窟誌

2016-02-27

【今日は何の日】平成28年02月27日(土)旧暦01月20日(友引)中潮  新撰組の日 インテリアの日

新選組の日
1862(文久2)年、庄内藩の郷士・清河八郎の提案で、事件が頻発している京都の警護に当る為に幕府が江戸で集めた浪士組が「新選組」の前身となった。浪士組清河八郎と共に翌1863年の2月8日に江戸を出発2月23日に京都に到着した。しかし京都に着いた途端、清河が壬生浪士組の目的は尊皇攘夷だと言い出したため、浪士組空中分解した。まもなく幕府の帰還命令を受けて清河ら209名は江戸に戻ったが、近藤勇芹沢鴨土方歳三ら24名はそのまま京都に残留し、「壬生浪士組」となり、京都守護職であった会津藩主の松平容保の配下に入って、8月に「新選組」と改称した。その後、約4年間にわたり、京都で尊皇攘夷派・倒幕派の弾圧を行った。新撰組の日は、壬生浪士組を会津藩預りとするとする建白書の提出された、2月27日(1863)の他に、会津藩預りが正式決定した3月13日などがある。

インテリアの日
(毎月第4土曜日)

[諸外国の記念日]
独立記念日
(ドミニカ共和国) 1844年、中米のドミニカ共和国が隣国のハイチから独立しました。

大海人皇子が即位し、天武天皇となる(672)
薬師寺が焼失(973)
豊臣秀吉が吉野の花見を開催(1594)
▲京都で「新撰組」の前身「壬生組」結成(1862)
▲日本、初めてパリ万国博覧会に出展(1867)
▲江華条約調印、朝鮮の鎖国が破れる(1876)
▲孫文が中国の北伐を宣言(1922)
▲2.26事件で東京全市に戒厳令が布告される(1936)
▲放火で国宝の松山城消失(1949)
横綱審議委員会設置(1950)
▲NHKテレビが総選挙開票速報を初めて放送(1955)
日本電気、国産初の大型電子計算機2206発表(1962)
人力飛行機、初飛行に成功(1966)

誕生:ロングフェロー(詩人・学者1807) ジョン・スタインベック(作家1902)
   長谷川一夫(1908) 君島一郎(ファッションデザイナー1929)
   白石かずこ(詩人1931) エリザベス・テーラー(女優1932) 
   夏木陽介(俳優1936) 高田賢三(ファッションデザイナー1939)
   大楠道代(女優1946) グッチ裕三[ビジーフォー](1952) 
   新沼謙治(歌手1956) 徳永英明(歌手1961)  富田靖子(女優1969)
   Marc Panther[globe](1970) 松岡俊介(俳優1972)
   
誕生花:おおあまな (Star of Arabia)   花言葉:純粋



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============== 2016.02.27(土) (本日の論説)  ============
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メディア時評 介護職が抱える問題 検証を=詩人・社会学者水無田気流
毎日新聞2016年2月27日 東京朝刊
水無田気流(みなした・きりう)

 「超」高齢化が進行するさなか、不穏な事件が起きた。川崎市幸区の有料老人ホームで3人の入所者が相次いで転落死。そのうち1人をベランダから投げ落としたとして、元施設職員の今井隼人容疑者(23)が逮捕された。同容疑者は、残る2件についても事件への関与を認めているという。

 本件について、2月17日の毎日新聞は、1、3、29面に記事を掲載。介護職従事者の人材不足と、低待遇で重労働の雇用環境について指摘した。今井容疑者は、仕事をめぐりストレスがあったという趣旨の供述をしているそうだ。この点について3面では、増え続ける高齢者虐待の現状を詳解。厚生労働省によれば、全国の自治体が2014年度に確認した高齢者虐待は1万6039件にも上り、高齢者虐待防止法が施行された06年度より27%増加している。介護施設における虐待の加害者の22%が30歳未満で最も多く、今井容疑者と同年齢層だ。虐待要因で最も多かったのが「教育・知識・介護技術等に関する問題」で、全体の6割以上。意思疎通が取りにくい認知症等に対する理解不足から引き起こされる虐待だという。人手不足から、職員が十分な教育や研修を受けずに現場に出ざるを得ない現状が示唆される。

 介護職は、高度な「感情労働」(A・R・ホックシールド)の側面をもつ。要介護者の心身に寄り添いつつ、職員当人は必要以上に感情移入せずストレスをため込まないようにするスキルは、正しい知識と研修などによる研さんを積まなければ身につかない。だが一般に介護職は、「奉仕の心」さえあれば、誰でもできる仕事だと誤解されている。このため専門性が軽視され、賃金水準も低い点は問題だ。14年の介護職員の平均月収は全産業平均を11万円も下回るという。

 安倍政権は「1億総活躍社会」実現の柱として介護サービスを受けられないことを理由とした離職をゼロとする目標を掲げた。だが、家族の介護や看護を理由とした離職・転職者数は、年間約10万人に上る。介護は社会的必要性が高く、人の命を預かる以上責任も重い仕事だが、この事実に反して社会的評価も待遇も低すぎる。これでは、人材不足の解消など望めない。放置すれば、急速な高齢化にともない類似の事件が続く可能性も指摘できる。今回の事件を、「特殊な人間が行った特殊な事件」として終わらせるのではなく、社会の構造的要因を解明し、問題の解決に寄与する報道を望む。(東京本社発行紙面を基に論評)


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社説 シャープ 決断促した業界の興亡
毎日新聞2016年2月26日 東京朝刊

 シャープが、台湾の電子機器受託製造大手、鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下で再建を目指すことになった。買収総額は6600億円規模。家電大手が外資に買収されて再建を図る初のケースだ。

 この10年あまり、電機業界は新興国のメーカーが圧倒的な競争力を持つ一方で、日本企業は巨額の赤字計上や事業の分離を迫られてきた。こうした興亡の流れが、前例のない決断を促したと言える。

 シャープの経営悪化は2008年度の決算に始まった。液晶テレビの価格下落に歯止めがかからず、上場以来初めての赤字を出した。収益の多くを液晶関連に頼り、投資も集中させる「一本足打法」の成長路線に陰りが生まれた。

 だが、すでに日本の電機業界は00年以降、変調をきたしていた。

 ソニーは03年春に業績の大幅下方修正を発表し、株式市場に「ソニーショック」をもたらした。その後、ビデオカメラやパソコンも失速し、昔の輝きは取り戻せていない。04年度には三洋電機が大幅赤字に転落し、その後、パナソニックの完全子会社となって「消滅」の道をたどる。

 そのパナソニックも11年度と12年度で合わせて約1兆5000億円の赤字を出す。無配当に転落し、グループ全体の事業再構築を迫られた。

 また、比較的順調かとみられた東芝も、経営不振の実態を隠蔽(いんぺい)してきたことが、最近発覚した不正会計処理問題で明らかになった。

 日本の業界が総崩れに陥るのと裏表の関係で、中国や台湾、韓国の企業は力をつけた。高品質や多機能による差別化の成功体験が、低価格を押し出す戦略に屈したのである。

 米IBMのパソコン事業を買収した中国のレノボは、ここ3年続けてシェア世界一だ。三洋電機の冷蔵庫、洗濯機事業を買収した中国のハイアールは先月、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の家電部門を約6000億円で買収することを決めた。韓国のLG電子やサムスン電子は、次世代の薄型テレビ技術である有機ELテレビで世界をリードする。

 米アップルスマートフォンアイフォーン」の組み立てを受託するなど、連結売上高が約15兆円にのぼる鴻海がライバル視しているのは、こうしたメーカーだ。シャープの蓄積した技術を活用し、世界の開発競争で優位に立つ戦略だろう。

 柱の液晶事業が不振を続けるシャープには、利益を生みにくい部門を分離し、中核事業に経営資源を集中するGEのような選択もできなかったのが実情だ。鴻海の傘下入りがシャープにとってやむを得ない経営判断であり、興亡の歴史の帰結だったと受け止めるべきだろう。


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社説 炉心溶融 不信募らす東電の「発見」
毎日新聞2016年2月26日 東京朝刊


 なぜ今ごろになってこんな重要なことが「発見」されるのか。福島第1原発の過酷事故は、東京電力マニュアルに照らせば事故から3日後の2011年3月14日の時点で1、3号機は「炉心溶融メルトダウン)」と判断できていたという。

 実際に東電がメルトダウンを認めたのは2カ月後の5月。それまで「炉心損傷」という言葉は使っていたが「炉心溶融」は正式に認めていなかった。経済産業省原子力安全・保安院(当時)も「炉心溶融」という言葉を避け「燃料破損」や「炉心損傷」という言葉を多用していた。

 確かに、メルトダウンは定義があいまいな言葉ではある。しかし、「炉心溶融」は原発の緊急事態を政府に通報する際の要件のひとつとなっており、自社の判断基準を知らなかったというのは極めて不自然だ。5年後の「発見」を、単なる「言葉の使い方の問題」で片付けることはできない。

 事故当時、原子炉がどういう状態にあるかは国民にとっても専門家にとっても重大な関心事だった。海外の人々にとっても同じだ。もし、言葉の印象を弱めることで事故を過小に見せようとしていたとするなら隠蔽(いんぺい)であり、東電の信頼性を改めて損なうものだ。

 しかも、マニュアルの中身がなぜ今まで明らかにされなかったのか、疑問は大きい。新潟県に事故の経緯を説明する過程で初めて気づいたというが、これまで政府や国会の事故調査が行われた際にも点検されなかったのか。経緯を明らかにすることが欠かせない。

 東電は「この件で収束作業が遅れたとは考えていない」と述べているが、後付けで言っても説得力がない。「炉心溶融」と公表していなかったことによって、事故対応にあたった人々を危険にさらした恐れはあるし、住民の対応や避難対策に影響した可能性も否定できない。

 専門家の中には「メルトダウンと認めれば国民がパニックを起こす。知らせるメリットはなかった」との見方もあるようだが、筋違いだ。もし、情報隠しを前提としなければ成立しないシステムなら、運用してはならないはずだ。

 平時でも事故時でも情報を隠さず国民に伝えるのは当然のことだ。今回の事故でも情報不足によって放射能の高い地域に避難した人々がいたことを思えば、なおさらだ。

 最悪の事態を想定した上で、国民に情報をどのように伝え、国民をどう守るか。電力会社と政府の責任であり、その準備ができていないなら再稼働は許されない。今回の遅すぎた「発見」を契機に、電力会社も政府も再点検してほしい。


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発信箱 重力波の賭け=青野由利

毎日新聞2016年2月26日 東京朝刊

 「重力波は2010年までに検出されるか」。英国の2人の物理学者が老舗のブックメーカー(賭け屋)にそんなテーマを持ち込んだのは04年のことだ。賭けは盛り上がったが、結局、検出は昨年9月。「賭けには負けたけど、6年待ったかいがあった」。今回の検出チームの一人で、賭けの設定者でもある物理学者が英BBCに語っている。

 いかにも英国らしい話だが、重力波の賭けの本当の勝者は全米科学財団(NSF)かもしれない。「1992年、検出装置の建設に財団始まって以来の多額の投資を決めた。大きなリスクがあったが、リスクをとって基礎科学を支援するからこそ、先端知識の獲得において米国が世界のリーダーでいられる」。今月、米ワシントンで開かれた重力波発見の記者会見で代表が胸を張った。

 歴史的に小規模なプロジェクトを支援してきたのがNSF。それを思うと重力波への総額約11億ドル(約1230億円)の投資は確かに冒険だったはず。自慢したくなる気持ちはわかる。

 基礎科学が巨大化し、「人類の知の地平を広げる」コストが増え続けているのはどの国も同じだ。日本も総額160億円の重力波望遠鏡「KAGRA」が建設中だが、スーパーカミオカンデの後継機「ハイパーカミオカンデ」や、素粒子加速器「ILC」など、巨大装置の構想や計画はまだまだある。何にどれだけ投資するか。選択は簡単ではない。

 NSFが重力波に懸けたころ、米国は巨大素粒子実験装置の建設を断念している。おかげでヒッグス粒子発見は逃したが、重力波とあわせてどう総括するか。「一番じゃなくちゃだめなんですか」という言葉を改めて思い出す。(専門編集委員



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=============== 2016.02.27(土)  (近頃の世情) =============
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加古川女性殺害 「金が欲しかった」逮捕の男供述
毎日新聞2016年2月27日 08時00分(最終更新 2月27日 08時00分)


 兵庫県加古川市加古川で昨年12月、アルバイト店員の大山真白(ましろ)さん(当時20歳)の遺体が見つかった事件で、殺人容疑で逮捕された食料品店アルバイト、礒野和晃容疑者(21)=同市=が「金が欲しくて殺した」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で分かった。「100万円を持って来させ、受け取った後にハンマーで頭を殴った」とも話しているといい、県警加古川署捜査本部は金銭目的とみて追及する。


 捜査関係者によると、礒野容疑者は昨年12月7日の事件後、数十万円を支払って中古バイクを購入していた。県警は、受け取った現金を支払いに充てたとみている。大山さんは事件前、自分の口座から数回に分けて現金計約100万円を引き出し、1人で加古川市に向かったとみられている。

 一方、礒野容疑者が大山さんとやり取りした携帯メールや無料通信アプリ「LINE(ライン)」には、金銭の記述がなかったといい、捜査本部は、礒野容疑者がどのように大山さんを呼び出したのかなど詳しい経緯を調べている。【矢澤秀範、藤田宰司】

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兵庫女性殺害 被害者「自分に何か…疑う人は」手書きメモ
毎日新聞2016年2月19日 07時00分(最終更新 2月19日 07時00分)

知人に貸した現金巡りトラブル 殺人容疑で21歳男逮捕

 兵庫県加古川市加古川で昨年12月、アルバイト店員の大山真白(ましろ)さん(20)=大阪府吹田市=の遺体が見つかった事件で、殺人容疑で逮捕された食料品店アルバイト、礒野和晃容疑者(21)=加古川市東神吉町砂部=と大山さんは、大山さんが知人に貸した現金を巡ってトラブルになっていたことが18日、捜査関係者への取材で分かった。礒野容疑者は「間違いありません」と容疑を認めている。【矢澤秀範、藤田宰司、川畑展之】

 県警加古川署捜査本部は、大山さんが加古川市に持参したとみられる約100万円がなくなっていることから、礒野容疑者に渡ったとみて追及する。また、大山さんが自宅に「自分に何かあったら疑ってほしい人がいる」との趣旨の手書きメモを残していたことも新たに分かった。名前は書かれていなかったが、礒野容疑者を示唆する記述があり、事件前に危険を感じていたとみられる。

 捜査関係者によると、大山さんは以前、専門学校時代の同級生の男性に現金約10万円を貸し、返済を巡ってトラブルになっていた。昨年夏、大山さんの知人がトラブル解決のために礒野容疑者を大山さんに紹介。礒野容疑者は男性に返済を迫っていたが、何らかの理由で大山さんともトラブルになったという。

 大山さんは昨年12月、自分の口座から複数回にわたって計約100万円を引き出していた。同6日、友人と吹田市の商業施設エキスポシティを訪れた後、1人で「加古川に行く」と言って友人と別れており、この際に約100万円を持っていたとみられる。

 大山さんは声優を目指し、神戸市専門学校を昨春卒業。アルバイトをしながらレッスンに励んでいた。

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お天気なるほドリ 雪から空のことが分かるの?=回答・久野華代
毎日新聞2016年2月26日 東京朝刊


 Q 雪から空のことが分かるの?

 A 降ったときの気象条件や、降った量が推測できます

 なるほドリ 雪の結晶(けっしょう)っていろんな形があるよね。

 記者 結晶の形は、雲の温度や大気中の水蒸気の量で変化します。これを発見したのは、世界で初めて雪を人工的に作り出した物理学者中谷宇吉郎(なかやうきちろう)博士(1900〜62年)。「雪は天から送られた手紙」という言葉を残しました。

 Q 雪から他にはどんなことが分かるの?

 A 積もった雪を調べると、当時の気象条件と、いつ、どのくらい降ったのかが推測できます。複数の地点で調査すれば、ある地域で特定の日や時期に降った雪の全体量が分かり、防災対策に役立てられます。

 Q へえ。どうやって調べるの?

 A 雪に含まれる海の塩と同じ成分(海塩粒子(かいえんりゅうし))の濃度を分析します。日本で大雪になるのは(1)西高東低(せいこうとうてい)の気圧配置(2)太平洋岸の南を低気圧が通過する気圧配置−−が代表的ですが、塩分が含まれていれば(1)、ほとんどなければ(2)の時に降った雪と考えられます。海の波しぶきから飛び出した塩分が雲に巻き込まれ、対流の度合いで濃度が変わるためです。この結果を天気図と照合すれば、降った時期が分かります。(科学環境部)

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ひまわりEYE 雲の一生、ダブル観測

毎日新聞2016年2月26日 東京朝刊

ひまわり8号が撮影した2015年8月3日のオホーツク海上の様子(可視と近赤外の画像から作成)
 雲は地球を冷やしたり暖めたりすることで地球の気候に影響を与えるが、どのような雲がどの高度にあるかを正確に把握する必要がある。雲の性質にはエアロゾルと呼ばれる大気中の微粒子も関係する。雲とエアロゾルの高度情報を得るには、衛星を使った雲レーダーやレーザー光による観測が有効だ。

図1 地球観測衛星の軌道
 このような衛星観測は2006年6月に始まった。米国の2基の地球観測衛星は昨年8月3日、北海道からオホーツク海の上空を通り(図1)、雲とエアロゾルの観測データをもたらした。

図2 地球観測衛星が観測した雲の様子。縦が高さ(キロメートル)、横が東経を表す
 レーザー光のデータでは、日本のすぐ北の高度4〜9キロに森林火災起源と思われるエアロゾルが確認できた。雲レーダーによると、オホーツク海では、高度10キロ以下に氷の厚い雲が存在(図2)し、雲粒子のサイズが下層ほど成長していることが分かる。ひまわりの画像でも、雲やエアロゾルが検出された。

 18年には世界初の機能を持つレーダーなどを搭載する日欧共同の地球観測衛星「アースケア」の打ち上げが予定されている。雲をより高感度で観測できるようになり、雲の上下方向の動きも分かるようになる。これにひまわりの時間的に詳細な観測結果を合わせると、雲の生成から消滅までを追うことができ、雲研究は大きく前進すると期待される。(岡本創・九州大応用力学研究所教授)

 共同企画・監修 情報通信研究機構(NICT)/千葉大環境リモートセンシング研究センター


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国勢調査 初の人口減 1億2711万人
毎日新聞2016年2月26日 東京夕刊

総人口の推移
 総務省が26日午前に発表した2015年簡易国勢調査の速報値によると、昨年10月1日現在の外国人を含む日本の総人口は1億2711万47人で、10年の前回調査から94万7305人(0・74%)減り、1920(大正9)年の調査開始以来、初めて減少に転じた。39道府県で人口が減少し、11年に東京電力福島第1原発事故が起きた福島県は、過去最大の11万5458人減となった。

 厚生労働省人口動態統計では05年に初めて出生数が死亡数を下回った。10年調査からの減少について、総務省は死亡数が出生数を上回る「自然減」が主な要因とみている。前回調査から人口が増えたのは、「東京圏」の東京、神奈川、埼玉、千葉4都県と、沖縄、愛知、福岡、滋賀の各県。

 人口増加率は、出生率が高く死亡率が低い沖縄県が2・97%増でトップ。前回1位の東京都は2・69%増で2位だった。減少率が最も高かったのは秋田県で5・82%減。福島県の5・69%減、青森、高知両県の4・71%減が続いた。大阪府は0・30%減で、第二次世界大戦の影響で減った47年の臨時国勢調査を除くと、戦後初めて人口が減少した。

 福島県の減少率は、原発事故前の10年調査(2・98%減)からほぼ倍増した。東日本大震災の被害が大きかった岩手県(3・78%減)と宮城県(0・59%減)は、10年調査の減少率と同水準だった。

 全国1719市町村の8割を超す1416市町村で人口が減少し、半数近い828市町村では10年調査より5%以上減った。

 福島県内では、全域が避難指示区域になっている6町村のうち大熊、双葉、富岡、浪江4町は人口がゼロ。飯舘村は99・3%減の41人、葛尾村は98・8%減の18人だった。15年調査の直前の昨年9月5日に避難指示が解除された楢葉町は87・3%減で、全域が避難指示区域の6町村を除くと減少率が全国で最も高かった。

 全国の世帯数は前回比2・8%増の5340万3226世帯となり、比較可能な1960年以降では最多を記録。1世帯当たりの平均人数は前回比0・08人減の2・38人で、60年以降最少になった。【青木純】


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国勢調査 衆院選挙区9増15減必要 アダムズ方式、1票格差2.3倍 15年
毎日新聞2016年2月26日 東京夕刊

2015年国勢調査を基に衆議院議員定数を10減すると…
 高市早苗総務相は26日午前の閣議で、昨年10月に実施した2015年簡易国勢調査の速報値を報告した。速報値によると、衆院小選挙区の「1票の格差」は最大2・334倍になった。10年国勢調査に基づく衆院議員定数の「0増5減」で最大格差は1・998倍に縮小したが、憲法違反かどうかの目安にされる2倍を再び超えた。衆院議長の諮問機関の答申に従い、小選挙区を6減して「アダムズ方式」で都道府県に配分し直すと、毎日新聞の試算では「9増15減」が必要になる。格差是正を巡る与野党協議は難航しそうだ。【青木純、中島和哉】

 今回の調査で人口が最多だったのは東京1区で63万5097人。最少は宮城5区の27万2077人。宮城5区との格差は、最大の東京1区を含め12都道府県の37選挙区で2倍を超えた。

 人口比をより反映しやすいアダムズ方式で289の小選挙区(現行は295)を配分すると、東京都で4、神奈川県で2、埼玉、千葉、愛知各県で1増える。一方、青森、岩手、宮城、福島、新潟、三重、滋賀、奈良、広島、山口、愛媛、長崎、熊本、鹿児島、沖縄の15県では1ずつ減る。10年国勢調査に基づく試算では「7増13減」になるが、今回の速報値だと、東京都神奈川県でさらに定数が増え、福島、山口両県が新たに削減対象になる。答申を踏まえて比例代表を4減する場合、東京ブロックが2増、東北、北関東など6ブロックが各1減される。

 自民党は、「1人別枠方式」を事実上温存する独自の計算で「0増6減」を主張している。その手法を速報値に当てはめると、青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県がそれぞれ1減になる。10年調査に基づく試算では削減対象だった沖縄県が外れ、奈良県が入った。民主、公明、維新などはアダムズ方式を基本的に受け入れると表明しており、採用に慎重な自民の対応が焦点になる。

 参院選挙区では、議員1人当たり人口が最多の埼玉県(121万212人)と最少の福井県(39万3550人)との間で最大格差は3・075倍になった。13年参院選では最大4・77倍だったが、夏の参院選に向けて鳥取県島根県徳島県高知県をそれぞれ一つの選挙区に「合区」したため、格差が縮小した。速報値の人口には選挙権を持たない外国人も含まれている。

1票の格差が大きい選挙区

 <衆院小選挙区

          人口(人)  1票の格差(倍)

(1)東京1区   635097 2.334

(2)東京3区   599501 2.203

(3)東京5区   594968 2.187

(4)北海道1区  592964 2.179

(5)愛知12区  588647 2.164

 ※格差は宮城5区(272077人)が基準

 <参院選挙区>

           議員1人当たり人口(人) 1票の格差(倍)

(1)埼玉県(6)  1210212      3.075

(2)宮城県(2)  1167108      2.966

(3)新潟県(2)  1152549      2.929

(4)神奈川県(8) 1140915      2.899

(5)東京都(12) 1126145      2.862

 ※カッコ内は定数。格差は福井県(定数2、議員1人当たり人口393550人)が基準

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藤原帰一の映画愛 スティーブ・ジョブズ
2016年2月15日
人生の三つの瞬間描く 舞台劇のように魅力的

 スティーブ・ジョブズ。パソコンの名機マッキントッシュやiPhoneによって私たちの暮らしを塗り変えた人ですね。アップルの創立に加わり、マッキントッシュの開発を主導しながらアップルを追われますが、業績の低迷するアップルに再度迎えられるとiMacがヒット、iPodやiPhoneを発表し、56歳の若さで亡くなりました。

 これだけ波瀾(はらん)万丈だと映画にしたくなる。2013年に発表された「スティーブ・ジョブズ」は正統派の伝記映画でしたが、邦題は同じでもこちらの「スティーブ・ジョブズ」はだいぶ違う。青年時代から晩年まで人生の浮き沈みを追う代わりに、ジョブズの人生の中から三つの時期、いや、瞬間だけを取り出します。1984年のマッキントッシュ発表会、88年、これも新製品NeXT Cubeの発表会、そして最後に98年のiMacの発表会。会社の運命を左右する新製品を発表する大イベント三つに絞り、さらにイベント直前の数分間だけを描いています。

 これがもう、大変なんです。最初の例でいえば、発表直前のマッキントッシュが、ちゃんと「ハロー」といってくれない。その騒ぎのなかでジョブズの娘リサを元恋人のクリスアンが連れてきて、子どもを認知しないジョブズを責め立て、生活費を要求する。アップル社最初のヒット商品アップル2を開発したスティーブ・ウォズニアックがやってきて、発表会でアップル2を作ったチームに謝辞を述べてくれと頼み込む。製品を発表する直前のごく僅かな時間に、棄(す)てた女性、自分の娘、元の仲間が押しかけて大騒ぎになるわけです。

 ポイントは、三つのイベントに向かい合うジョブズの性格がだんだん変わっていくところ。最初はもう酷(ひど)いもんで、スタッフを脅して無理難題を強要し、元の恋人はもちろん娘にも信じがたい暴言を吐き散らす。そのジョブズが、後の二つのイベントでは自分の弱さを認め、ほんの少し人間らしくなる。発表会前の混乱は同じでも、そこにいるジョブズは変わってゆくわけです。

 これはもう、3幕ものの舞台劇ですね。脚本が中心の映画ですが、そのシナリオを書いたのが、アーロン・ソーキンです。テレビドラマの「ザ・ホワイトハウス」で大当たりを取り、フェイスブック創立者を追い掛けた「ソーシャル・ネットワーク」ではアカデミー脚本賞を受賞した、いまアメリカで一番売れている脚本家の一人です。

 でも、ジョブズを演じるマイケル・ファスベンダーと、ジョブズをサポートするホフマンを演じたケイト・ウィンスレットアカデミー賞候補になったのに、脚本を書いたソーキンは候補じゃない。あれ?

 脚本が悪いわけじゃありません。それどころか最近の映画では最高の出来ですが、脚本が強すぎる。もともとソーキンは古風なドラマが上手な反面、ハイテクには興味ない。「ソーシャル・ネットワーク」でも、映画は見事なのに脚本はハイテクおたくの自己喪失というお話でした。今回の「スティーブ・ジョブズ」も欠点だらけの男のなかに人の心が芽生えるという、「クリスマス・キャロル」みたいなお話です。

 「ソーシャル・ネットワーク」がソーキンの脚本にもかかわらず成功したデヴィッド・フィンチャーの映画だとすれば、この「スティーブ・ジョブズ」は脚本を書いたアーロン・ソーキンの妄執に監督も主演俳優も巻き込んでしまったような作品。言葉のやりとりで映画が進むので、映画というより舞台劇なんですが、その言葉がひとつひとつ観客に突き刺さるので息が抜けません。

 とても映画には思えない。それでも、最初から最後まで引き込まれる。とても不思議で、とても魅力的な作品です。(東京大教授)

   ◇

 次回は「ディーパンの闘い」です。

■監督 ダニー・ボイル

■出演 マイケル・ファスベンダーケイト・ウィンスレットセス・ローゲンジェフ・ダニエルズ

■122分、アメリカ

■東京・TOHOシネマズ日劇、大阪TOHOシネマズ梅田ほかで公開中

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藤原帰一の映画愛 オデッセイ
2016年2月1日
絶体絶命でも明るく元気 伝わるつくり手の温かさ

 火星に派遣された探検隊が巨大な嵐に襲われた。早く逃げださないと全滅してしまう。ところが撤退を急ぐなかで1人が負傷して動けなくなった。助けようとすれば全滅は確実。厳しい選択を迫られた隊長は、負傷者を置いて撤退します。

 ところが、火星に残されたそのひとり、マット・デイモンは死んではいなかった。とはいえ食料も、水も、それでいえば空気だって僅かしかない。マット・デイモン、さ、どうする、というお話です。

 これはもう、お馴染(なじ)みの宇宙サバイバル映画ですね。宇宙で迷子になったサンドラ・ブロックが苦闘する「ゼロ・グラビティ」が典型でしょう。そしてサバイバル映画は暗いのが普通。ひとりだから冗談を言う相手もいないし、何より絶体絶命の危機ですから笑ってる場合じゃありません。

 ところがこの「オデッセイ」、そこが違う。明るいんです。元気なんです。ユーモアもあるんです。

 火星ただ一人の人類マット・デイモン、どんなに追い詰められてもめげません。地球との交信設備は壊れ、食料は乏しく、エネルギーだって僅かしかありませんが、知恵と工夫で生き延びます。

 まずジャガイモ耕作を始めます。ステーションに土を敷き詰め、土壌には自分の排泄(はいせつ)物を肥料に加え、水を発生させる機械まで作って、苗を育てます。エネルギーが乏しくなれば、昔の探検隊が火星に残した機材を探しだし、とうとう地球と交信する方法まで開発する。災難に襲われても創意工夫で打開するところは「ロビンソン・クルーソー」、それにアドベンチャーゲームにも似ていますね。マット・デイモン、今度は何を思いつくかなとワクワクしながら待つ感じです。

 茶目(ちゃめ)っ気もある。マット・デイモンが生きているとわかった後でも、司令部はそのことを母船に教えない。母船が地球に近づいた頃にやっと、置き去りにしたデイモンが生きていたと伝えるんです。胸が潰れる展開ですが、ここで母船のクルーが火星のマット・デイモンにメッセージを送る。その内容は、置き去りにして悪かったな、ほんとはおまえのことキライなんだよ。読んだマット・デイモンは爆笑します。

 これはすごい。アブナいメールを見た観客はハラハラし、マット・デイモンが爆笑したので安心し、一緒に笑っちゃう。この設定から笑いを取るんですよ。大したもんです。

 監督はリドリー・スコット。「ブレードランナー」とマッキントッシュコマーシャルで名声を確立した人ですね。初期の「エイリアン」から近作の「プロメテウス」までキャラクターよりもビジュアル表現に力が入っていましたが、今回はキャラクターを表に出して、おまけに明るい。いつもとスタイルが違います。

 これと正反対の作品が、一昨年公開された「インターステラー」でした。この映画でもマット・デイモンが異星に取り残されるんですが、こちらのデイモンは怒ってばかりで暗かった。ビジュアルは見事だけどキャラクターがごく薄い映画でした。

 これ、皮肉ですね。「インターステラー」を監督したクリストファー・ノーランは「エイリアン」や「ブレードランナー」から強い影響を受けました。まだ若いノーランがリドリー・スコットと張り合うようなビジュアルに邁進(まいしん)する時、既に70代も後半に入ったスコットはキャラクター表現に転じたわけです。

 それが愉(たの)しい。私が歳(とし)をとったためかもしれませんが、SF映画に生身の人間が現れるとホッとします。映画の画面を塗り替えてしまったリドリー・スコットが、老齢を迎えて人の心に向かい合う映画づくりを発見した。映画の温かさからつくり手の温かさを感じさせる作品です。(東京大教授)

   ◇

 次回は「キャロル」です。

■監督 リドリー・スコット

■出演 マット・デイモンジェシカ・チャステインクリステン・ウィグケイト・マーラショーン・ビーンセバスチャン・スタン

■142分、アメリカ

■東京・TOHOシネマズスカラ座、大阪・TOHOシネマズ梅田ほかで2月5日公開

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経済観測 プロパガンダばかりの大統領選挙=インターネットイニシアティブ会長・鈴木幸一
毎日新聞2016年2月26日 東京朝刊

 米大統領選挙の予備選や党員集会が集中する3月1日のスーパーチューズデーが近づき、大統領選が過熱する時期である。それにしても、序盤4州の予備選を終えて候補者の顔ぶれを見ると、なんだか冗談のような気がする。

 共和党不動産王で暴言が止まらないドナルド・トランプ氏が予備選で3連勝を果たした。当初本命といわれたジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事は撤退し、保守強硬派のテッド・クルーズ上院議員や、主流派の若手マルコ・ルビオ上院議員の勢いは弱い。民主党ヒラリー・クリントン国務長官と、民主社会主義者を自任するバーニー・サンダース上院議員だ。クリントン氏以外は、大統領にもし就任したら、どんな政策を実行するのだろうかと、不安感ばかりが増幅する。

 パクス・アメリカーナ(米国による平和)という時代は過去のものになったにしても、国際政治、世界経済を主導する米大統領としての資質を持つ政治家とは思えない。過去にも過激な政治姿勢を掲げた大統領候補はいたが、結局はマイナーな候補にとどまった。究極のプロパガンダの応酬に終始しているように見える今回の大統領選挙を遠い場所から傍観していると、「いずれ収まるところに収まる」といった楽観的な見方では済まなくなってきたような気もする。

 こうした状況では仕方がないとしても、クリントン氏さえも、激しい言葉で環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に反対し、「米国労働者を破壊しかねない為替操作には断固たる措置をとる」と、日本や中国を過激な言葉で問題視する演説をしている。

 経済政策に関する論争も、世界政治についての論争もなく、ひたすら大衆に訴えるプロパガンダの争いがいつまで続くのだろうか。



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憂楽帳 伝えることの原点

毎日新聞2016年2月27日 大阪夕刊


 新聞記者になりたての20年前、「記事を書いてこそ一人前」と言われ、一生懸命、取材したことをいかに文章にするかを勉強した。上司に怒られたのは、あくまでも「原稿の分かりやすさ」だった。

 しかし、昨今の「新聞離れ」が言われる大きな理由の一つに、「文字が多すぎて読む気がしない」があげられる。見出しや紙面のレイアウトを考える編集担当になり、知恵を拝借しようと開いた美術系専門学校生との交流会でも、「新聞はおじさんが読むもの。難しい」などと言われ、提案されたのは文字情報がほぼない、実現化は無理な紙面だった。

 そこまで極端ではなくても、原稿の内容に加えて「見た目で分かりやすく」は、5年前の東日本大震災の際、被害や福島第1原発爆発事故の状況を地図や図解で示す工夫から加速したといわれる。最近では広島土砂災害被害状況、尼崎連続変死事件の人間関係図など文章では伝えづらい情報を、限られたスペースでいかに「見せる」か、取材記者らと知恵を絞る。まだまだ雑誌や先行する他紙には及ばないが、「分かりやすく」は原点だと、肝に銘じている。【松久英子】

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