Hatena::ブログ(Diary)

餞驟窟誌

2018-01-11

【こよみ 平成30年01月11日(木)小寒 旧暦十一月廿五日(大安)長潮 】 68候 水泉動 小寒次候 鏡開き 蔵開き 塩の日 1.11忌

2018.01.10(水) 七十二候 小寒次候 68候 水泉動 しみずあたたかをふくむ
 地中で凍った泉が動き始める 01月10日(水)〜01月14日(日)

鏡開き
その年の年神さまに供えた鏡餅を小さく割り、お汁粉などにして食べる行事。元々は武家社会の行事で、具足開き(鎧や兜に供えた餅を雑煮などにして食べた)といった。そのため、鏡餅は刃物で切ると切腹のようだと手や木槌で割り、開くようになったことから、鏡割りでなく、鏡開きという。

蔵開き

商売をする家では新年初めて蔵を開き、商売繁盛を祈る行事をこの日に行う。鏡開きのように鏡餅を割って食べる。

塩の日
1569年(永禄11年)に上杉謙信が宿敵武田信玄に塩を送り、「敵に塩を送る」という言葉のもとになったことから。新潟県糸魚川市長野県松本市間を結ぶ「塩の道・千国街道」によって塩が運ばれた。
1/11は、武田領の松本に塩が届いた日とされ、松本ではこの日(現在はその前後の土日)に塩市が開かれている(名称は江戸初期の頃より「飴市」に変わった)。

厚生省発足記念日
1938年(昭和13年)に国民の体力向上をはかるために厚生省が発足したことによる。2001年(平成13年)から労働省と統合され「厚生労働省」としてスタート。

[著名人の誕生日・命日]
1.11忌

路傍の石』等で知られる小説家山本有三の1974(昭和49)年の忌日。

カエサルルビコン川を渡りローマに入る(BC49)
イスラム教の祖マホメットメッカに入城(630)
▲日本初の自然銅を武蔵の国秩父郡が献上、元明天皇はこれを喜び、元号を「慶雲」から「和銅」に改元(708)
幕府、鉄砲づくりを開始(1615)
太平天国の乱(1851)
▲徳川一行、パリ万国博へ出発(1867)
伊豆七島静岡県から東京府に移管(1878)
イギリスで30歳以上の女性に参政権。ちなみにアメリカは2年後、日本は占領軍の指示で1945年(1918)
厚生省発足(1938)
東京でスモッグ警報、初めて発令(1965)
▲初のスキー特急「新雪」運行開始。走行区間東京新潟・石打(1969)

誕生:伊能忠敬(地理学者1745) 鈴木善幸(元首相1911) 
   エラリー・クイーン(作家1915) 山岡荘八(作家1907) 岡田茉莉子(1933)
   古今亭志ん馬(落語家1935) 江利チエミ(歌手1937) 河原崎長一郎(1939)
   ちばてつや(漫画家1939) 連城三紀彦(作家1948) 氷室冴子(作家1957) 
   内海光司[(光GENJI)](1968) 松岡昌宏[TOKIO](歌手1977)
   深津絵里(女優1973) 持田真樹(女優1975)
     
誕生花:においひば (Arbor-Vitae)   花言葉:堅い友情



季語刻々 <坪内稔典>  晩冬 2018.01.11(木) 小寒


 水仙や藪の付きたる売屋敷


毎日新聞 2018年1月11日 東京朝刊


 ◆昔


  水仙や藪(やぶ)の付きたる売屋敷 浪化上人 
       

解題


 こんな家だと、「あっ、買いたい!」と私は思う。庭がやぶになった家、屋根が今にも崩れそうな家などになぜか強くひかれるのだ。西国街道沿いのわが家の近所にもこのところ空き家が急増、私好みの家が増えている。散歩の折、「この家、買いたいなあ!」を連発している。今日の句の作者は芭蕉門の俳人東本願寺派の僧だった。<坪内稔典


語釈・晦渋語 &出典


西国街道沿いのわが家の近所にもこのところ空き家が急増、私好みの家が増えている。散歩の折、「この家、買いたいなあ!」を連発している。今日の句の作者は芭蕉門の俳人東本願寺派の僧だった。<坪内稔典


鑑賞

こんな家だと、「あっ、買いたい!」と私は思う。庭がやぶになった家、屋根が今にも崩れそうな家などになぜか強くひかれるのだ。

俳人

浪化上人


(ろうか、寛文11年12月17日(1672年1月16日)- 元禄16年10月9日(1703年11月17日))は、江戸時代中期の浄土真宗の僧・俳人。父は東本願寺14世法主琢如。幼名は正丸。名は晴寛。法名は応真院常照。俳号は自遣堂・応々山人・休々山人など。京都の出身。

1677年(延宝5年)7歳のとき得度して越中国井波瑞泉寺の住職となるが、京都との間を往来した。父も兄も北村季吟の門人であり、初め季吟に師事したが、のち向井去来に学んだ。1691年(元禄4年)に刊行された『卯辰集』ではじめて句が入集している。1694年(元禄7年)閏5月、去来を通じて京都嵯峨の落柿舎で松尾芭蕉に会い、芭蕉の門に入った。芭蕉の没後も芭蕉への敬慕の念が厚く、塚を立て、遺髪を得て黒髪庵を建立している。また芭蕉の門弟らと交流し、各務支考と親しかった。


================================================================
===============================================================
=========仲冬 2018.01.10(水) 冬至(近頃の世情)) ==========
===============================================================
================================================================

木語 習近平戦略と陽明学坂東賢治
毎日新聞 2018年1月11日 東京朝刊
 <moku−go>

 明治維新から150年。NHKでは大河ドラマ「西郷(せご)どん」が始まった。維新の功労者にもかかわらず、賊軍の将として散った西郷隆盛は清朝末から1920年代にかけ、中国知識人の間でも人気を博していた。

 在日華僑作家の譚〓美(たんろみ)さんは「中国新時代に立ち向かう際の理想的なモデルとしてあがめられ、真の英雄として語り継がれてきた」(「中国共産党を作った13人」新潮新書)と評している。

 西郷は大塩平八郎吉田松陰らと共に日本の陽明学の系譜を代表する人物とも受け止められていた。明の儒学者の思想が明治維新に影響したという見方が改革を求める中国の人たちを鼓舞したようだ。

 辛亥革命で清朝を倒した孫文(そんぶん)は革命前、東京で清からの留学生を前に「明治維新の諸豪傑は中国哲学の大家である王陽明(おうようめい)の知行合一説に夢中になっていた」と語っている。

 孫文の死後、中華民国の実権を握った蒋介石(しょうかいせき)は日本留学中、多くの日本人が王の「伝習録」を読んでいることに感銘を受けたという。台湾移転後には居を構えた台北市北部の山を「陽明山」と名付けた。

 毛沢東(もうたくとう)も若い頃に陽明学を学んだが、革命後は批判に転じた。唯物論を主張する共産主義者なら当然と思えるが、その共産党政権から陽明学を再評価する指導者が現れた。習近平(しゅうきんぺい)国家主席だ。

 就任以来、たびたび、王陽明に言及し、「中国伝統文化の中の精華」と持ち上げている。中国メディアは王が唱えた「知行合一」説を、理論と実践を統一し実践を重視する考えと解説している。

 三島由紀夫が「革命哲学」と呼んだ陽明学にはテロ反体制運動につながりかねない要素もあるとされる。だからこそ、明治維新の思想的背景になりえたのだろうが、なぜ習氏があえて評価するのか。

 昨年12月の米フォーリン・アフェアーズ誌でシドニー大のバボネス准教授が習氏の目指す「中華民族の偉大な復興」を理解するには「フランス人ならフランス革命、日本人なら明治維新を想起すればいい」と指摘していた。

 共産党指導力国民統合を図ろうとしているとの見方だ。習氏が明治維新を意識しているかは不明だが、改革志向が強いことは確かだろう。

 郷土の英雄である吉田松陰を信奉し、国会演説でも「知行合一」に触れてきたのが安倍晋三首相だ。今年は日中首脳の交流が期待されるが、習氏と陽明学論議を交わしてはどうか。習氏の戦略がより明確になるのではないか。(専門編集委員


================================================================

経済観測 競馬で養う分析力=三菱商事調査部長・武居秀典
毎日新聞 2018年1月11日 東京朝刊

 かれこれ20年近く、趣味と実益を兼ねて競馬を楽しんでいる。ただ、実益といってもお金ではなく、分析力を養うという意味だ。競馬の予想では、馬の血統、過去の成績、体重の増減の他、騎手や当日の馬場状態など、数多くの検討すべき要素がある。これらの要素と出走馬の情報などのデータを基に、1、2着馬、時には3着馬まで予想する。

 競馬でも、経済地政学などのマクロ環境分析と同様、数多くの検討要素の中から重視する要素を思い切って絞り込む。レースによって異なるが、得意な距離かどうか、騎手が誰か、天気が悪い場合には悪天候に強いか、などだ。検討要素が多過ぎると論理だった予測が難しくなり、絞り込みが的外れだと本質を見失う。マクロ環境分析でも、数多くの検討要素から、事象の変化に大きな影響を与える要素を見つけ出せるかが予測の精度を左右する。

 さらに、データだけを見て勝ち馬を予想するのではなく、どのようなレース展開になりそうか、想像力を働かせていくつかのシナリオを設定する。それらをデータなどに基づき検証し、シナリオ自体を直しながら絞り込む。シナリオを設定・検証する手法は、予測プロセスの効率と精度の向上に役立つ。

 なにより競馬は、マクロ環境分析と異なり、たった数分で結果がでる。外れることが多いが、自分の想定したシナリオとどこが違ったのか、すぐに検証(反省)できる。これは分析力を養う場としての大きな利点だ。ただ、競馬を的中させるのは本当に難しい。最も読みにくい馬のやる気も大きく影響する。ここに競馬の面白さがあり、世の中に通じるところもある。激変する内外経営環境で、いかなる要素に注目し、どのようなシナリオを描くか、今年もしっかり見極めたい。

================================================================

憂楽帳 宅配お国事情
毎日新聞 2018年1月11日 大阪夕刊 【岡田功】

 昨年、留学中の米国から次の留学先のロンドンへ、着古した服などを段ボール箱で送った。予定日よりかなり遅れて届いたのは肝心の荷物ではなく、日本の郵便局に相当する「ロイヤルメール」からの通知状。40ポンド(約6100円)を超す関税を払わない限り廃棄するか発送元へ有料で送り返す、とあった。

 航空便の送料で既に1万円以上かかっている。買い直す手間とコストを考えて渋々応じた。しかし、試練はここから。悪評高いロイヤルメールは不在が3回続くと有料で勝手に発送元へ送り返してしまう。配達時間は何時になるか分からず、配達日が守られないことも珍しくない。結局、受け取るまでにまるまる2日間が無駄に。アマゾンで買い物をした商品が2カ月たっても届かず、注文がキャンセルになったこともあった。

 米国やタイにも住んだが宅配事情は似たり寄ったり。時間指定もできる日本は奇跡としかいいようがない。ドライバーの人手不足に伴う料金値上げは頭が痛いし、正確無比に慣れ過ぎるのもどうかと思う。しかし、世界に誇るこのサービス、やはり手放したくない。【岡田功】


================================================================

【こよみ 平成30年01月10日(水)小寒 旧暦十一月廿四日(仏滅)小潮 】 68候 水泉動 小寒次候 十日戎(えびす)初金比羅 110番の日(警察庁1985) 明太子の日

LPガス消費者保安デー(毎月)

二十四節気・七十二候・雑節
泉水温をふくむ(68候)

七十二候の一つ。小寒次候 68候 水泉動 しみずあたたかをふくむ 地中で凍った泉が動き始める 01月10日(水)〜01月14日(日)

金比羅
金比羅様の初縁日

110番の日
1985年昭和60年)12月に警察庁が制定した日で、翌年の1986年(昭和61年)より実施している。110番通報の大切さとその適切な利用をアピールする日で、110番を日付にすると1月10日になることからこの日となった。

明太子の日
1949年(昭和24年)に創業以来研究を重ねてきた「明太子」をはじめて店頭に並べ、福岡名産「からし明太子」が誕生した。福岡の食品会社ふくやが制定したもの。

徳川綱吉、没。64歳(1709)
▲甘藷(サツマイモ)の栽培はじまる (1724)
江戸に大火がおこる(1794)
ロンドンに世界最初の地下鉄開通。6キロ(1863)
政府徴兵令を公布(1873)
クレオパトラの墓、発見(1890)
国際連盟が正式に成立(1920)
ロンドン国際連合の第1回総会が開催(1946)
公務員の勤務時間、冬33時間、夏39時間から週48時間制へ。出勤時間が 早まり、遅刻者が相次ぐ(1949)
▲NHK教育テレビが開局(1959)
シャネル没。87歳(1971)
▲日本唯一の講談寄席上野本牧亭閉鎖(1990)

誕生:島村抱月(評論家1871) 高山樗牛(評論家1871) 伴淳三郎(俳優1908) 
   三遊亭圓歌(落語家1929) 長門裕之(俳優1934) 雁屋哲(漫画原作者1941)
   嵐山光三郎(作家1942) 小松政夫(タレント1942) 
   ロッド・スチュワート(ミュージシャン1945) あおい輝彦(俳優1948)
   林あまり(1963) 財前直見(女優1966) 山口達也[TOKIO](歌手1972)
   AKKO[My Little Lover](歌手1973) 田中祐二[爆笑問題](1965)
   
誕生花:つげ (Box-Tree)     花言葉:堅忍


季語刻々 <坪内稔典>  晩冬 2018.01.10(水) 小寒


海遠し一輪挿しの水仙


毎日新聞 2018年1月10日 東京朝刊


 ◆今


  海遠し一輪挿しの水仙に 横山康夫
       

解題


 水仙は海辺に自生する花。この句の水仙は、海から遠い場所に生けられている。その一輪挿しの水仙は遠い海を思っている。もちろん、その思いは水仙を見ている人の思いだ。句集「往還」(書肆麒麟)から引いたが、1949年生まれの作者は大分県中津市に住む。「踏青や玄界灘の見ゆるまで」も同じような思いを詠んだこの句集の傑作。<坪内稔典


語釈・晦渋語 &出典

句集「往還」(書肆麒麟)から引いたが、1949年生まれの作者は大分県中津市に住む。「踏青や玄界灘の見ゆるまで」も同じような思いを詠んだこの句集の傑作。<坪内稔典


鑑賞

水仙は海辺に自生する花。この句の水仙は、海から遠い場所に生けられている。その一輪挿しの水仙は遠い海を思っている。もちろん、その思いは水仙を見ている人の思いだ。

俳人

横山康夫


横山康夫(よこやま・やすお)、1949年、大分県生まれ。



================================================================
===============================================================
=========仲冬 2018.01.10(水) 冬至(近頃の世情)) ==========
===============================================================
================================================================

水説 60年前の大発明=中村秀明
毎日新聞 2018年1月10日 東京朝刊
 <sui−setsu>

 世界中で毎日約3億食近くが消費されている食べ物がある。カップタイプも含む即席めんだ。

 世界ラーメン協会によると、2016年の消費量は975億食にのぼる。13年をピークに微減傾向だが、「国際食」の地位は健在である。

 世界に広まったメード・イン・ジャパンといえば高品質の自動車カラオケなどを思い浮かべるが、すべてを差し置いて即席めんというべきかもしれない。そんな画期的な発明が世に出て、今年で60年を迎える。

 大阪府北部・池田市の民家の裏庭に作った粗末な小屋で、即席めんは生まれた。

 家の主は台湾出身の安藤百福さん。理事長だった信用組合が破綻し、戦後に築いた事業や資産を失って借家の自宅だけが残った。

 幼いころに両親を亡くし、祖父母の手で育てられた。繊維事業で身を起こしたが、大阪にあった工場などは空襲ですべて焼失している。破綻の責任を問われた信用組合は、実業家としての信望を見込まれ、請われて引き受けた結果だった。

 彼はこの時、すでに47歳。しかし、「失ったのは財産だけやないか」と言い聞かせたという。

 そして、五つの要素を持った家庭でも食べられるラーメンの開発に取り組んだ。おいしくて飽きない、簡単な調理、長期の保存性、安全、手ごろな価格の五つだ。裏庭の小屋に早朝から深夜までこもり続けて約1年。試行錯誤を重ねて、「チキンラーメン」の誕生にこぎつけた。

 池田市横浜市にある安藤百福発明記念館には、世界の食を変えた小屋が復元されている。6畳ほどの板張りの作業スペースには、年季の入った製めん機や調理器具などが並び、研究に没頭した日々がうかがえる。

 日清食品を創業した安藤さんは後に「発明にたどりつくには、やはり48年間の人生が必要だった」と振り返っている。激しい浮き沈みの半生もまた糧となったのだ。

 幼いころに苦労した安藤さんの遺志を受け、池田市の記念館は入場無料、横浜市は高校生以下が無料だ。たくさんの子どもたちに発明・発見の楽しさ、ものづくりの面白さを伝えたいという願いが込められている。

 「転んでもただでは起きるな!」(中公文庫)に、こんな言葉を見つけた。

 「人生に遅すぎるということはない。50歳、60歳からでも新たな出発はある」

 多くの人を力づけ、奮い立たせる言葉だ。(論説委員

================================================================

経済観測 お正月のもちをめぐって=農業ジャーナリスト・青山浩子
毎日新聞 2018年1月10日 東京朝刊

 毎年「正月用に」と知り合いの農家がもちを贈ってくれる。今年に限り、開封前に小さなカビの生えたもちがあった。正月に親戚にその話をすると、「実は」と、過去におすそわけした別の農家のもちにもカビが生えていたなど、喉のつかえがとれたように親戚が話し始めた。話題が出なければ声なき声として終わっていただろう。農家に即座に伝える必要性を感じつつ、食品メーカーが製造する長期保存が可能な包装もちに慣れて、「もちにカビはつきもの」という感覚が希薄になったとも感じた。

 包装もちの生産量は年々増え、年齢別では20代の購入量が微増している。全国餅工業協同組合によると2016年度は約7万トンで40年間に倍増した。その分、自宅でもちをつく習慣は消えつつある。ましてやきねと臼でもちをつく家はごくわずかだろう。

 野村アグリプランニングアドバイザリーの調査によると、農産物や加工品を消費者に直販する法人の5割が「顧客からのクレームは年に数回のみ」と答え、4割が「ほとんどない」と答え、顧客からのクレームは意外と少ないと分析している。しかし、小売店農産物直売所などを通さず、農家と消費者が直接取引する場合は特に面と向かって苦情を言いづらく、何らかの問題をきっかけに購入を中止するサイレントクレーマーが相当数いるのではないかと感じる。

 こうした事情を知らないまま、気づけばもちの注文が減ったという事態は避けたい。昔ながらのきねつきもちを作って販売する農家もおり、味わいは格別だ。一方、消費者の信頼を失ってはならない。農家には、加工技術の向上や衛生管理の徹底が求められる。加工に携わる農家に対し、行政からの情報発信や啓蒙(けいもう)活動が欠かせない。

================================================================

憂楽帳 ネットの恵み
毎日新聞 2018年1月10日 大阪夕刊 【皆木成実】

 奈良県御所市の葛木御歳(かつらぎみとし)神社は、地域が支える小さな「村の鎮守」だ。正月に訪れる年神をまつる神社総本社という由緒を持つが、過疎地にあり、氏子の高齢化で荒廃していた。それが近年、女性宮司の手で再興を果たした。

 大学で環境生物学を学んだ「理系女子」の東川(うのかわ)優子さん(55)。活用したのはインターネットだ。ブログなどで支援を募るうち、由緒に関心を持った地域外の人々がボランティアで境内の整備に駆けつけた。刺激を受けた氏子も積極的になり、共に協力して本殿などを修復。交流の場となる“神社カフェ”も3年前、ネットで募った資金で併設した。

 「言霊(ことだま)がネットで伝わった」と東川さん。大阪出身で、縁あって宮司職を継いだ。当初は孤立無援だと思っていたが、再興を祈る言葉が遠方から会ったこともない味方を呼び寄せたと喜ぶ。

 ネットの普及は23年前、阪神大震災での情報ボランティアの活躍が契機といわれる。人の善意を運ぶための情報技術。神社再興にもその原点を感じる。ネットは年神のように人に恵みをもたらす。今年もそうあってほしい。【皆木成実】


================================================================