リフォーム日記 vol.3 実測

大規模にリフォームする際には、今住んでいる家の図面が必要になります。ただ、実際には図面が残っていなかったり、残っていてもなんだか実際の建物とちょっと違うなんてことも少なくありません。


我が家の場合も、ご多分に漏れず、古い図面は部分的にしか残っておらず、現状をすべて図面に起こし直すことになりました。このために行う作業が実測です。


「実測」とは、文字どおり、家の寸法を実際に測定することです。柱や壁の位置や高さ、階段の段数などを主にチェックしていきます。リフォームでは、柱や階段の位置を変えないことが多いので、このあとリフォームのプランを考えていくうえでとても重要な作業です。


そして、この作業が、じつにおもしろいんです。


柱や壁の位置を1つひとつメジャーで確認しながら、図面を起こしていくのですが、その作業の中で、普段は意識していない家のカタチが立体的に感じ取られるようになります。


古い家をつくった建築家や大工さんがどのようなことを考えながら、間取りを考えていたかがだんだんと見えてきて、なるほどよく考えられているんだな(ときにはそれは考え過ぎじゃない、もありますが)と、今住んでいる家がより身近になってきます。


我が家の場合、実測は3時間程度で終わりました。あまり大きくなく単純なプランであったことや、古い家のため、基本的に真壁[※1]だったので、柱の位置が分かりやすくこの程度で終わりました。最近の家は、大壁[※2]が多いので、同じくらいの大きさの家でも、もう少し作業がかかるかもしれません。


さて、これで現在住んでいる家の図面(平面図)が手に入りました。いよいよ次は、この図面もとにした新しいプランの打ち合わせです。


どうなるか。楽しみです。


※1:柱が見える壁の仕上げ方。和室などに用いられます
※2:柱を見せない壁の仕上げ方。柱の位置が外から分からないので、実際に柱がどこにあるかは、壁をはがしてみないと分かりません。

リフォーム日記 vol.2 リフォームするのはどんな建物か?

今後、どのようにリフォームが進むのかをレポートしていくことになるかと思いますが、その前に現在の家の状況などをざっくり紹介します。


今回、リフォームすることになった住宅は、築42年の木造住宅です。2階建てですが、総2階ではなく、一部下屋を伴い、部屋数は6畳が5つにトイレと浴槽があります。


敷地面積は約75平方メートル(22坪[※1])、建築面積[※2]は約52平方メートル(15坪)、延べ面積[※3]は約93平方メートル(28坪)です。


敷地は道路と私道に接して(接道して)いますが、道路はいわゆる2項道路[※4]で、道路の幅が4mありません。


ここまでは、古い家によくある例ですが、我が家が他の家と大きく異なる特徴があります。それは、もともと2部屋をアパートとして貸していたため、玄関が合計3つ、階段が2つあり、それぞれの部分で行き来ができない点です。


この「3つの家」を1つにまとめること。これが今回のリフォームの1番大きな目標です。




※1:1坪を3.3平方メートルと計算しています。
※2:建築面積とは、建築の外壁、柱の中心線で算定される建物の水平投影面積。ざっくりいって建物を上から見たときの輪郭部分の面積です。
※3:建物の1階と2階を併せた面積
※4:建築基準法42条2項で定義されている道路。法律上、建物の敷地は4m以上の幅(幅員といいます)の道路に接している必要がありますが、特定行政庁が特別に認めた狭い道路です。建物を新築する場合、基本的には将来4mの道路をつくれるように、建物をセットバックして建築しなければなりません。

リフォーム日記 vol.1 リフォーム、はじめます。

突然ですが、リフォームすることになりました。


もっとも、リフォーム自体はここ数年、我が家では常に話題に挙がっていて、頼んでみたい建築家さんも決まっていました。


ただ、そのためにやらなければならないことをあれこれ話していると、いつも最後は「来年くらいにはね」という結論になって、なかなか具体的に前に進みませんでした。


それが今回、ついにリフォームすることになったのは、本当に偶然が重なってのことです。


たまたま、お願いしたい建築家さんのホームページを見ていたら、3日後にリフォームのセミナーに講師の一人として講演されることが分かりました。


建築家さんとはこれまで仕事で何度かお会いしたり、オープンハウスを見学させていただいことがあったのですが、ここ数年はご無沙汰しており、最近の設計について話を聞いてみたいなと思っていたところでした。


また、新築をメインに設計されている方なので、リフォーム事例をみられるのも面白そうだと思い、さっそくかみさんと二人で参加することにしました。


結果的にはこのセミナーへの参加が、リフォームへの第一歩となったのでした。


セミナー終了後、挨拶にうかがったとき、自宅のリフォームを考えていることをそれとなく話したら、以前、仕事中の雑談でその話をしたことを覚えていてくださって、とにかく事務所においでよ、ということになり、翌週末におじゃますることになりました。


これまで、なかなか超えられなかった「建築家さんへの相談」というハードルを、意外なかたちであっさりクリアすることになりました。

あまりの急な展開に、かみさんと二人で「決まるときは決まるもんだね」とか「でも、まだ引き受けてくれたわけではないからね」などと、期待と不安を感じながら、セミナー会場を後にしました。

2011年05月28日のツイート

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