時間が過ぎるのが、明日が来るのが、嫌で嫌でたまらなかった三月初頭の感触が、ふっ、と少しだけ戻ってきてひやりとした。多分こんななのは今だけだから、過ぎてしまえば楽になるから、と言い聞かせていた頃。
 ここでいつまでもこんな状態なら、頑張れないなら、ここにはいられないけど。きっと「これでいいのかな」って悩む、名残惜しさに襲われる、その時の自分の心情を想像するとぞっとする。

 こんなに外に出るのが怖かったら、こんなに人と話すのが怖かったら、こんなことで泣いてたら、ちゃんとした大人になれない……と小学生の頃から思っていた。誰に言われたわけでもないのに、そう予感して、怯えてた。
 その予感は今や着々と現実になりつつある。笑えない。

 危機感があるだけマシだよ、っていつだったか言われたけれど。危機感だけならあったんだよ、年齢一桁の頃からずっと。これでもがんばったつもりなの。それでこれなの。だめでしょう?