下町日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007-05-27 「デジタル・ワークスタイル」 徳力基彦著 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

FPNでおなじみの徳力さんから、ご著書の献本をいただきました。ありがとうございます!(実は一ヶ月以上前からいただいていたようなのですが、オフィスに全く戻らなかったので、メールボックスに入ったままでした…。徳力さん、すみません…。)

一見すると、生産性を上げるためのお役立ちサービスやTipsが書かれている「ライフハック本」のように読めます。ただ著書の中で一貫して徳力さんが訴えているのは、「生産性向上によって生み出された時間を有効に使うことで、「個人としての」人生を豊かにすること」。そのために、さまざまなウェブサービスをつかって、個人の力をレバレッジしましょう、と。

コンサルタントって、この辺のところが得意そうに見えますが、実はすごく苦手な人が多い分野です。意外と仕事無駄が多いし、空いた時間をまた仕事に投下するものだから、気がついたらネタが枯渇している…、ということも少なくないのです。徳力さんからは「皆さんのような方には必要ないかもしれませんが」というコメントをいただきましたが、「必要ない」と思っている人こそ、読むべき本だと思います。

2007-01-19 Blog Marketingだって、基本は同じ このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 手法、媒体理論ー。マーケティングと呼ばれる領域は日々変化している。でも、基本的な考え方はそれほど変わっていないはずだ。対象を定め、その嗜好にあったモノ/サービスを生み出し、その行動特性にあったチャネルを使って広告流通させ、購買に至らしめる。これはインターネット上でも変わらないし、むしろインターネット上ではこの基本を忠実に実行するためのツールが比較的そろっている。しかし、こと「Blog Marketing」となると、なぜかこの基本が忘れ去られてしまうような気がしてならない。

 17日夜、大手町ビジネスイノベーションインスティチュート(Obii)でご一緒させてもらっている、ガ島通信の藤代さんに誘われて、神楽坂のとあるホテルの一室を訪ねた。ソニーブロガー向けイベント「Extention Line by VAIO 体験サロン」に参加するためだ。元々、ソニーという会社が好きでないこともあって、なんとも釈然としない気持ちで、ソファーに座りながら説明を聞いていた。「モニター」と称して、ある製品を渡したいと申し出られ、藤代さんがお断りしていたとき、ソニー担当者が言った。「たしかに、なぜこの6人なのかと聞かれたら答えられません。この6人をお呼びした理由が、不明確だからです」ー。おいおいと思った。同時に釈然としない理由が分かった。何となく違和感があったのは、ソニーが好きでもないのにその場にいたことではなく、会の趣旨/目的が不明確で理解しがたかったからだった。

 ソニーは、立派な会社だ。きっと普段のプロモーションでは、きちっとセグメンテーションをしてターゲットを絞り込み、これを訴えたい、これを感じてほしいとメッセージを絞り込んでいるはずだ。でも、ことブログマーケティングとなると、それが吹き飛ぶ。確かに前回の失敗もあるだろう。でもその失敗も、いつも当たり前にやっていたことを怠ったが故の失敗ではなかったか。

 ソニーに限らず、ブログマーケティングで問題になったものは、すべからくこの基本が抜けているような気がする。「売る!」とか「知ってほしい!」とか、そこにあるのはむき出しの欲望だけではないだろうか。少なくとも、ブロガーにどういう形でその商品について語ってもらいたいのか、どういう場の設定をしたら語ってもらえるのか、どういうブロガーなら思っている方向性で語ってくれそうなのか、が見えない。要は、なぜそのブロガーなのかがよく分からないのだ。結果として、単純に有名ブロガーを集めて、様々な便宜を与え、そのブログを読む読者から、ブロガーも企業も反感を買うことになったりする。こうなれば、普通ブロガーなら、おいそれと近づけないなと考えてしまう。藤代さんもよく言及されているが、その結果、PRブロガーばかりになる恐れがある。

 でもどうだろう。エントリでしばしば様々な商品について、新しい使い方を提案しているブロガーばかりを集めて、ある商品の使い方を考えてもらうようにしたら、きっとそんなに反感を買うことはない。同様に、企業のマーケティングについて言及するエントリを書いているブロガーを集めて、ある商品の売り方/見せ方を考えてもらったら、これもそんなに反感を買わないのではないか。つまり単純に「商品について書いてほしい。できれば好意的に」ではなく、「どういう切り口で商品について書いてほしいか」という方向性を示した上で、その方向性にあった、しっかりとしたエントリを多くあげているブロガーを見つけ、集めれば、納得が得られるのではないかということだ。エントリという、ブロガー人格と企業が開く場の方向性が合致さえすれば、「この方向性なら、この人が選ばれるよね」と読者から好意的に受け止められると思う。つまり、ブログでのプロモーションも、マスメディアでそれを行う場合と同様かそれ以上に、その目的/方向性にあった媒体ブログ)を慎重に選ぶことが重要でなのだ。あまりにも単純で、面白くも何ともないが、新しいメディアでも、きっとそんな単純で面白くないことが意外と大事なんだと思う。

 ところで、よく考えてみると、当日に見せていただいた商品にしてもそうだ。丸いテレビサイドパソコン、同じ形のデジタルチューナ、WiFiオーディオ。どれも、どう使ってほしいかは伝わってくるが、誰にどんなときに使ってほしいのか、が分からない。こう使ってやろう、という意欲をかき立てるものでもない。でも商品はちょっといまいちだったけど、開発者、企画者、マーケッターはとても面白い人たちだった。不思議なもので、その思いや商品の愛着を聞くと、ちょっと欲しいなと思った。ソニーも捨てたものじゃないなと思った。きっと、いつか、彼らが呪縛や見えないプレッシャーから解放されたなら、いい製品ができることは間違いない。そのときにはiMacThinkpadの片脇に、バイオを置いてみたい。

  generated by feedpath

2007-01-16 > Findoryに生命維持装置 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

Findoryに生命維持装置

アメリカのパーソナライズニュースサービス、Findoryが事実上お蔵入りとの記事。
このサービスは、amazonレコメンデーション機能のニュース版という感じで、読者の購読特性によって、読みたいであろう記事をレコメンドしていくというもの。制作者のブログによると、「新たな方向性を探っていて、いろいろアイディアは出たけど、やる気にならなかった」とのこと。ただ起業家らしく「FindoryがGoogleMSAOLに影響を与えた。これは誇らしいことだ」とも述べている。これに対して、TechCrunch日本語版では

今回の件もまた、オンラインニュースの分野が供給過剰気味だという兆候のひとつだろう。新しいスタートアップは、よほど抜きん出たテクノロジーがないと駆動力を発揮することはできそうにない。

と分析している。

ここで「こんなサービスでも止めちゃうくらいなんだから、日本新聞社サイトなんて」とか書いてみても面白くないわけで。それよりも、パーソナライズサービスソーシャルブックマークなど、ニュース編集を機械、もしくは多くの人にお任せすることの是非を考えてみたい。

いきなりで恐縮なのだが、まずはニュースから離れて、amazonレコメンデーションから考えてみたい。私がamazonレコメンデーションで本を買うのは、「この本を買った人はこんな本も買っています」という項目だけだ。なぜかというと、しばしば「これって何の関係があるの」という本が混ざっていることがあるから。トップページメールでくるレコメンデーションを「直球」と表現するなら、「この本を〜」は「変化球」という感じだろうか。この変化球多種多様な人の行動からたまたま導きだされたためだろうか、機械がその人や似たような人の購買特性から真っ正直にレコメンドした場合には出てこない。

これをニュースのパーソナライズサービスに当てはめても、同じ。直球ばかりでは飽きるのだ。私が整理記者時代心がけていたのは、担当面のどこかに変化球を混ぜることだった。特に直球記事が多い国内政治面の時には、ちょっと面白そうな政界記事を使って、いかに見出しレイアウト変化球を投げるかということばかり考えていた。そうでもしなければ、誰も国内政治面なんて読まないと思ったからだ。ちゃんと使っていないので推測でしかないが、このFindoryもどちらかというと直球が多かったのだと思う(もちろん問題はそれだけではなくて、例によってマネタイズが難しかったことも一因だと思う)。

それでは、「はてブ」のような人力によるソーシャルブックマークはどうか。こちらの場合も残念ながら、結果的には同じだ。はてブも開設当初は硬軟が程よく混ざった面白いサイトだった。しかし今はどうだろう。しばしば「衆愚化」などと形容されるように、面白さの源泉であったバランスが崩れてしまったようだ。なんというか、変化球ばかりで飽きてしまうという感じ。結局はamazonで「リスト」を見るように、トップページを横目に見ながら、過去フィーリングがあった人のブクマを見ることになる。

「硬軟混ざった情報源」という点においては、新聞というのはなかなか優秀な媒体だ。新聞記事の編集者は毎日違うので、少しづつだがレイアウト見出しの付け方も、記事扱いの軽重も違う。昔の私のように妙なやつもいれば、NHKに頼って価値判断しちゃうような小心者もいる。その辺が楽しめるようになると、新聞もちょっとは面白くなる。しかし、なぜかネットになるとそのよさが死んでしまうのが、新聞社サイト不思議なところだ。いまそれが実現できているように思うのは、情報の提供先である「Yahoo! Japanトピックス」だけ、というのは皮肉以外の何者でもない。

  generated by feedpath

2007-01-14 > iPhone、ビジネス用端末としてはどうなのか? このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

iPhone、ビジネス用端末としてはどうなのか? より。

たしかに、マックに乗り換えるのはいいと思うんですが、マックそのものがビジネスに不向きじゃないですか?アプリケーションではなく、ハードウエアが。とくにラップトップアメリカではいいとしても、日本では重過ぎますよ。

ちなみに、わたしもデスクトップiMacですが、ラップトップIBMThinkpadです。で、仕事で使っている会社ラップトップ弁当箱のようなUS Toshibaのもの。グローバル一括調達のわが社の現状から推察するに、アメリカ人ってのはあんまり重さとかサイズをラップトップに求めないんでしょうね。

ということで、アメリカの皆さんはマックに乗り換えていただいて、日本の皆さんは小型軽量のMacbookの発売を強く求めることにしましょう。

feedpath tags:   generated by feedpath

2006-12-09 「見える化」は危険な言葉〜わかりやすい言葉、わかった気にさせる言 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 新聞記者時代から気にはしていたことなのですが、最近特に気になるのは「言葉」。もしかすると、単語とかフレーズとかと言い換えたほうが、よりニュアンスが伝わるかもしれません。とりあえず、以下の2点は特に気にしてます。


 まず当然のことですが「難しい言葉」「横文字フレーズ」を使わないこと。商売柄、横文字フレーズは必ず出てくるし、同僚と話す分にはむしろ好都合な場合もあります。ただ、得意とする分野が違う人やお客さんと話すとき、そして、そういう人向けに文章を書くときには、なるべく使わないようにしています。使うとかっこいい(ような気がする)し、相手も分かったような顔をされることが多いのですが、数分後に議論が噛み合わないことに気がついて、時間を無駄にすることが往々にあるからです。そこでちょっと面倒ですが、言葉が長くなっても簡単な日本語にするか、例え話を交えて話すようにしています。ただ某戦略ファームのように、横文字フレーズを無理矢理「かっこよく短い」日本語にすると、むしろ分かりにくくなる場合もあるので、要注意です(例:キャッシュフロー=資金流、とか)。


 またその正反対で「わかりやすい言葉」にも気をつけています。わかりやすい言葉イメージしやすい言葉も、横文字フレーズ同様「わかった気にさせる言葉」であることが多いからです。例をあげると「見える化」。これはローランドベルガーの遠藤さんが流行させた言葉で、現状を可視化することで、問題を素早く認識し、アクションにつなげようという意味だと僕は理解しています。「見える化」は特に中高年層に浸透している言葉だと感じますが、使っている人を見ていると字面通りにしか理解していない。つまり「現状を可視化する」ことにのみ注力して、「なぜ可視化するのか」を考えていない人が多いのです。「そんなの遠藤さんの本を読んでいないからでしょ」という一言で片付けるのは簡単です。ただ、わかりやすい言葉こそ、伝わりやすく、使われることも多い。だからこそ注意しないと、誤った理解を広めてしまい、結果的に意図と反した動きを作ってしまうことがあるのです。


 まあ、あまり気にしすぎると、「無口で不気味な人」になってしまうので、程々にするのがよさそうです。

R30R30 2006/12/29 22:40 いや、見える化はもともとトヨタ用語「視える化」ですよ。トヨタだけでなく、製造業の人たちには極めて一般的な用語です。遠藤さんはそっち方面に造詣が深いので、それを工場現場からもっと広げたメソドロジーとして語ったというのが本当のところだと思いますが。