ナルニア国ものがたり

 ナルニア国ものがたりを読み切った時の感動は、きっと一生忘れないと思う。泣ける、とかいう種類の感動じゃなくて、自分の考えの及ぶ範囲の外に大きくはみだして広がっていった深い世界を、考えが及ばないながらおぼろげに感じとって呆然としたというかなんというか。


 「この世には、自分には思いも及ばない摂理を体現した、大きな力が働くことがあるかもしれない……と、どこかで思う、世界への敬虔さに似た感情を、文章のなかに表現したもの」(荻原規子さんのアンダンテ日記より)に触れた気がしたのでした。