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しあわせは日々のなか

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2007-10-31 Wed

今月の読了本

  1. 夏目漱石 『硝子戸の中』 新潮文庫
  2. 斎藤美奈子 『妊娠小説』 ちくま文庫
  3. 木地雅映子 『悦楽の園』 ジャイブ
  4. 花井愛子 『ときめきイチゴ時代 ティーンズハートの1987‐1997』 講談社文庫
  5. 梨屋アリエ 『ツー・ステップス!』 岩崎書店
  6. 山田詠美 『風味絶佳』 文藝春秋
  7. サガン 朝吹登水子訳 『悲しみよ こんにちは』 新潮文庫
  8. 村上春樹 『神の子どもたちはみな踊る』 新潮文庫
  9. 佐藤友哉 『世界の終わりの終わり』 角川書店
  10. 三浦しをん 『極め道』 光文社知恵の森文庫
  11. 米澤穂信 『ボトルネック』 新潮社
  12. 島田雅彦 『優しいサヨクのための嬉遊曲』 新潮文庫
  13. ドン・ウィンズロウ 東江一紀訳 『ストリート・キッズ』 創元推理文庫
  14. 江國香織 『すいかの匂い』 新潮文庫
  15. 藤枝静男 『田紳有楽/空気頭』 講談社文芸文庫
  16. ナボコフ 若島正訳 『ロリータ』 新潮文庫
  17. 伊坂幸太郎 『陽気なギャングの日常と襲撃』 祥伝社ノン・ノベル
  18. 石井睦美 『白い月黄色い月』 講談社
  19. 村山由佳 『ヘヴンリー・ブルー』 集英社
  20. 夏目漱石 『それから』 新潮文庫
  21. 小野不由美 『屍鬼1』 新潮文庫
  22. 赤木かん子編 『Little Selections 17 家族』 ポプラ社
  23. 森博嗣 『スカイ・クロラ』 中公文庫
  24. 小野不由美 『屍鬼2』 新潮文庫
  25. 小野不由美 『屍鬼3』 新潮文庫
  26. 小野不由美 『屍鬼4』 新潮文庫
  27. 小野不由美 『屍鬼5』 新潮文庫
  28. 小川洋子 『冷めない紅茶』 福武文庫

からからからから空回り

 気遣っているつもりでも、そのベクトルがずれているんじゃないかと、空回りなんじゃないかと余計なお世話なんじゃないかと常に心配なのでした。

2007-10-30 Tue

今日のできごと

 昨夜、『屍鬼』(小野不由美新潮文庫)を四巻まで読んで、寝て、起きて、食堂に行って朝ごはんを食べた後、部屋に戻って最終巻を読みました。ああ怖かったおもしろかった、でもなんかもやもやする……。

 5限に補講があったので、学校へ。その前に、入院していたかの友人から退院したとメールが来たので、喜びいさんで電話しました。

小川洋子 『冷めない紅茶』 福武文庫

冷めない紅茶 (福武文庫)

冷めない紅茶 (福武文庫)

あの頃は、どんなささいな事でも、喋るのはとても難しいことだった。自分の会話には、必ずどこかに失敗があった。相手を白けさせたり、声が小さすぎたり、沈黙が長すぎたりした。喋ることは、わたしに切ない後悔をもたらした。だから、唇がすっかり乾いてしまうくらい長い時間、いつも黙っていた。わたしは、教室の軒に何ヵ月もぶら下げられたまま忘れられ、茶色くパリパリになってしまったドライフラワーのような子供だった。(P.21-22)

 胸が痛む。なんか涙出てきた。

2007-10-29 Mon

後片付け日

 学園祭の後片付けの日でした。

最近の読書

スカイ・クロラ』(森博嗣中公文庫)を読み終わりました。ハードカバーの方、装丁がきれいだなあと見かけるたびに思いつつ手を出していなかったこのシリーズを、最近ようやっと読み始めたのは、荻原規子が日記でおすすめしていたからでした。

 あと、小野不由美屍鬼』も読み始めました。

2007-10-28 Sun

学園祭終了

 台風一過。いい天気になったのが嬉しかったですー。

 自分の説明下手さっぷりというか喋り方の拙さというかそのへんに凹む。

 関わった各方面に、ありがとうもごめんなさいもいくら言っても足りないくらいの気持ち。

2007-10-27 Sat

学園祭記録

 台風のためになかなか大変なことになりました。

 そういえば昼ごはんを食べ忘れていた……

ども研(子どものためのプレイルームという遊び場を提供)

  • 「去年楽しかったからまた来たの」という女の子がいました。去年もいた者としては嬉しいですね。
  • シャーロック・ホームズが好き」という小学三年生の男の子の達者な口調にたじたじ
  • その子の学校ではあやとりが流行っているらしく、彼自身もものすごくあやとりが上手でした。手の動きがすばやい……
  • ちっちゃい子のミニスカ+ニーハイは犯罪的な可愛さを生み出すな

学生会バザー

  • 一人しかいない時に次々とお客さんが来て涙目に
  • 同年代の男性怖いよ怖いよ
  • けっこうたくさん買い込んでくれた老夫婦がいました。「また買うんですか、なんでも欲しがるんだから、もう」と奥さんが旦那さんに言う、その口調がやさしくて、ほんわかしました。
  • 片付け。6つのダンボール箱をのせた台車をなぜか一人で運ぶことになり風雨にあおられて転びかける

クラスの出店(わたあめ

  • 最終的に学園祭は、悪天候のため17時までの開催だったのが16時に。片付けしか手伝えなかったのが申し訳ない。中庭という場所柄やむをえず泥水に足をつっこむことに(一度汚れるとどーでもよくなりますねー)

動転した電話と安心した電話

| 20:35

 公衆電話から着信があって、もしやと思ったらやっぱり昨日入院した彼女でした。本人から状況が聞けてだいぶ安心できました。来週には退院のようなので、早く会いたいものです。

2007-10-26 Fri

だから何って、なんでもないよ

 自分より背の低い女の子にも自分より背の高い女の子にも「ちょうどいい〜」「落ち着く〜」といった調子で抱きつかれたことがあります!

赤木かん子編 『Little Selections 17 家族』 ポプラ社

ああもう、ちゃんと「連絡ありがとうございます」って言うの忘れた

| 23:12

 ぼやーっとしてるところへ電話がかかってきたせいか、「もしもし」と言おうとしてなぜか「すみません」と言ってしまった。ばかだよもう自分ばかだよ。

 その上「けけけ怪我の程度をお伺いしてよろしいですか」とどもってしまったしうー落ち着け自分。

 とりあえず大きな怪我はないようだけれど検査入院?ってことかな……骨折とかはなくても、怪我したのが頭みたいだし心配だけれど……ほんとに大したことないならいいけどな……。

2007-10-25 Thu

グループ日記

 はてなグループ100冊読書のグループ日記を、数日前からひたすら読んだり買ったりした本・漫画の書影を貼るだけの場所として使用中。

わざわざ書くということはよほど嬉しかったのでしょう

 かわいー先輩にかわいーと言われて嬉しかったです。

2007-10-24 Wed

授業:SFファンタジー概論

 前回まではゲド戦記の話、今回から指輪物語の話。映画「旅の仲間」を少し観ました。

 原作は読んだけれど、映画は初見だったので、「ああ三浦しをんさんがエッセイでアラゴルンかっこいいかっこいい連呼していたけれどこの人か……」などと考えながら観てました。

授業:ネオ・ファンタジー

 前回まではエンデの話、今回からはゲド戦記の話。

 昨日、授業「アニメ研究」で、スタジオジブリゲド戦記についての先生の見解(「ファーストシーンを見た瞬間席を立とうかと思った」「原作に敬意をはらっていない」「原作の換骨奪胎甚だしい」「優秀なアニメーターたちをこんな腐った企画に使うなんて」「腹が立つあまり夜中に目が覚めた」)を聞いたばかりだったので、ゲド戦記づいてるなあ最近、と思ったり。

 ちなみにわたしはこれも原作既読映画未見。

携帯から更新

 部屋の鍵が見つからなーい、って…部屋の中に無いわけないんだよう鍵がないと部屋入ってこれないんだから!(オートロックなのです)今部屋の中に自分がいるってことは鍵も中にあるはずなのに!

 ……気にかかることがいくつかある上に探し疲れたのと自分が情けないのとで泣きそう。

見つかった……

| 23:26

 こう書いた直後に……

2007-10-23 Tue

19歳のうちに書いておきたかったこと

 仏壇のある薄暗い部屋で、初めて祖母から19歳で死んだ叔父の話を聞かされた7歳の頃から、19歳は特別な年齢になった。

 叔父がこの世を去ったのは、高校を卒業して就職したその年。お盆で、帰省中の頃だったらしい。友達が運転する車に乗っていて、その車が交通事故に遭ったのが原因だったそうだ。

 その事故が起きたのはわたしの両親が結納をかわしていくらもたたない頃だったらしくて(父と叔父はけっこう年が離れてたのだ)、もちろんわたしはまだ生まれてもいない。

 でも、実家で生活していた頃は、「交通事故で死んだおじちゃん」の存在を知らされる機会はたびたびあった。叔父の月命日の夕食はお煮しめだったし、お盆やお正月には「おじちゃんにあいさつしてきなさい(=仏壇の前で手を合わせなさい)」と言われてきたし、祖母からは「あんたがもし大学とかに行くときはおじちゃんのお金(賠償金のこと……だろうな多分)があるけんね」と通帳を見せられたこともある(小さい頃の話なので金額までは覚えていないけれど)。

 初めてその話を聞いた時、わたしは、19歳で死んじゃうなんてかわいそうだな、と思った。でも、それが死ぬには早すぎる年齢だとはわかっても、7歳にとっては19歳なんて十分に遠い年齢だった。

 遠かったはずの19歳にわたしはいつの間にかなってしまい、一日一日無事に20歳へと近づいているけれど、20歳はわたしにとって、成人する年というより叔父が生きた年月を追い越す年なんだと思う。

2007-10-22 Mon

思い出し恥ずかしがり

 1ヶ月ほど前のことなのだけれど、宛先間違いメールを送ってしまったことがあって、いまだにふと内容(鬱々とした言葉がずらずら、てな感じの)を思い出すたび恥ずかしくなる。ひー。

2007-10-21 Sun

美人だったら言ってみたい

人生激場 (新潮文庫)

人生激場 (新潮文庫)

 三浦しをんさんの友人J子さんのエピソードを引用。(文庫化に際し加筆した部分)

 J子は先日、新宿キャッチセールスの兄ちゃんに声をかけられたそうだ。

「けっこうです」の意をこめて、ちょっと会釈して通り過ぎようとしたところ、兄ちゃんは「ブス!」と吐き捨てた。J子はピタッと立ち止まり、まわれ右してツカツカと兄ちゃんの前に戻ると、「本当にそう思うの?」と問いただした。ちなみにJ子は、滅多にいないほどの美人だ。

「なんだよ、うぜえなあ」と、たじろぐ兄ちゃんを、「人を傷つけるようなことを言うのはやめてちょうだい」とJ子は穏やかかつ厳しく諭したという。

 やっぱりいい女だな、と思う次第だ。(P.198)

 か、かっこいー。「本当にそう思うの?」って真面目に問いただしてみたい!美人だったら!

 もしわたしが「ブス」なんて面と向かって言われたら、すごすごと引き下がって「わかってるよ本人が一番よくわかってるよ何もズバズバと本当のことを言うことないじゃないか」とぶつぶつ心の中でつぶやきつつ数日間部屋に引きこもってしまうよ。……とか言いつつおもしろい本読んでお菓子食べたら翌日にはけろっとしてそうだけれど。

2007-10-20 Sat

しあわせは日々のなか

 寝転がって本を読む。幸せ幸せとっても幸せ。なまけもので動くのを面倒がる性質なんだなあ、とつくづく思う。

 でも、今の寮の部屋だと、ベッドの上でしかごろごろできないのがちょっと残念。物心ついた時から高校卒業するまで、家で本を読むときは畳の上で座り込むか寝そべるか寝転がるかしていたので、そういう習慣が身についているのです。

 実家は、築何十年か(祖母に聞いてもよくわからなかったのです)経つ木造家屋で、台所とか浴室とか以外は全部和室です。わたしは、外からかすかに聞こえてくる、ござを織る機械の音やござがすれあう音(実家はい草農家なので、農作業をしている間はこういう音がしていた)をBGMにごろごろしながら本を読むというたいへん幸福な子ども時代を過ごしたのでした。

2007-10-19 Fri

大好きな物語について語る時に使いたくない言葉

 「ヤンデレ」という言葉を聞くたび、新井素子ひとめあなたに…』(角川文庫)のあとがきを思い出します。

 どこか普通でない女の子や女が、おいつめられておいつめられて狂うのって――好きなんですよね、書くの。(ま、大概やたらと暗くなっちゃうので、あんまり書きませんが)何ていうのかな、狂ってゆく女って、情景として異様にきれいな気がするんです。あと、屈折、ね。屈折した愛情、屈折した憎悪、屈折した反抗心が、屈折しすぎたが故にもう何がなにやら訳わかんなくなっちゃって……って、好きだなあ。特に、屈折しすぎて、もう、ほとんど狂気の世界においこまれて――で、じわじわ狂っていく女の子って、書くの好きだし、きれいだと思うんですよね。

 で、ずーっと、「ヤンデレ」という言葉を新井素子の書く女の子に当てはめるのは適切かどうか、と考えていたのですが。……「適切かどうか」以前に、わたしはそれを「当てはめたくない」ことに気づきました。

 「ヤンデレ」も、「ツンデレ」もそうだけれど、元々はゲームやアニメのキャラクターに使われてた言葉ですよね。でも、「キャラクター」自体やその行動や性格を指し示す言葉なのだから、小説などにも適用できる。それで思い出すのが、Dainさんの「ツンデレ小説ベスト」です。中学生の時に読んだ『春琴抄』や、大好きな荻原規子西の善き魔女」シリーズが「キャラがツンデレ」という視点から語られていたことにものっすごい衝撃を受けたのでした。それらの作品をそういう視点から見たことがなかったので。おもしろいと思う一方で、ちょっともやもやした抵抗感みたいなものも残ったのでした。特に荻原規子作品には、思い入れがあるので。「ツンデレ」といった軽い感じの言葉を適用してほしくない……と言いたいような(もちろん、人に強制できることではないけれど)。

 元々「ツンデレ」「ヤンデレ」という言葉を適用されてこなかった作品に、そういう言葉を当てはめてみる、その「縛り」を使ってみるという語り方はおもしろいので、自分以外の人がそういう方法で語っていたら、ついつい興味を引かれてしまいます。

 でも、わたしは大好きな物語について語る際に、それを使いたくないのでした。使わずに語る方法をとりたい。


 ……た、ただ今日考えたことを記録しておくつもりで書き始めたのに、なんか決意表明みたいになってしまった。

ぱんちら…はしてないけれど

 スカートの裾がまくれあがった状態のまま廊下歩いてた……指摘されるまで気づかなかった……恥ずかしすぎるー。お見苦しいところをお見せして申し訳ありません、という気持ち。「見えてなかったから大丈夫だよ〜」と言われたのが唯一の救い。

2007-10-18 Thu

乙一『The Book 〜jojo's bizarre adventure 4th another day〜』

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-08-780476-8&Sza_id=MM

 id;sindenさん経由で知りました。

<祝「ジョジョ」20周年!! 乙一渾身の小説化!!>「週刊少年ジャンプ」「ウルトラジャンプ」誌上で絶大な人気を誇る荒木飛呂彦氏の長期連載『ジョジョの奇妙な冒険』を稀代の若手作家乙一氏が構想・執筆に2000日以上をかけ、渾身の小説化を実現!

 発売予定日は、2007年11月26日。とうとう出るのか…… 

 そういえば、『さみしさの周波数』のあとがきに、こんな記述がありました。

この勢いに乗ってさらにメジャーへ、というつもりもあまりなく、今は『GOTH』の印税を食いつぶしながら半ば趣味のような小説(某社のノベライズ)をゆっくり書いている。締め切りを完璧に無視した仕事ぶりに周囲から呆れられているはずである。

 このあとがきの日付は、「2002年11月24日」です。某社のノベライズってジョジョのことなんだろうか。元々の締め切りっていつだったんだろうか……結果的に祝20周年になったから良かったんだろうか。

さみしさの周波数 (角川スニーカー文庫)

さみしさの周波数 (角川スニーカー文庫)

藤枝静男 『田紳有楽/空気頭』 講談社文芸文庫

田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫)

田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫)

 川上弘美のエッセイに出てきたことがあって、気になっていたので読みました。

 私は池の底に住む一個の志野筒形グイ呑みである。(中略)暫くのあいだひねくりまわされたり出がらしの茶に漬けられたりしたあげく、玄関前の池に放りこまれてそのまま住みついている身の上である。(『田紳有楽』P.15)

 私にとって、肉親の見苦しい姿は、そのまま理屈抜きに私自身の醜さとして映る。それが他人の眼にさらされる苦痛にはほとんど堪えることができない。衝動的な羞恥から、私は肉親に怒りを感じる。そして胸を噛むような後悔と愛憐の情が、後になってまるで潮のように湧きあがって来る。(『空気頭』P.149)

一人分くらい食べられるようになりたい

 おなか空いて帰ってきても、寮の晩御飯が全部食べられないのはなんでかなー。ごはんとか、自分でよそわなきゃいけない分は少なめにしているのだけれど、それでも残さず食べることができなかったりする。いつから食べられる量の上限がこんなに少なめになったんだろ。

2007-10-17 Wed

江國香織 『すいかの匂い』 新潮文庫

すいかの匂い (新潮文庫)

すいかの匂い (新潮文庫)

  • 収録作:『すいかの匂い』『蕗子さん』『水の輪』『海辺の町』『弟』『あげは蝶』『焼却炉』『ジャミパン』『薔薇のアーチ』『はるかちゃん』『影』

 あー……怖いな。気持ち悪いな。

 せみの声をきくと目眩がするので、夏はあまり外にでない。そして、外にでなくても、それは執拗に私をとり囲み、耳にはりつく。鳴き声というのは建物に浸透してしまうものなのだろうか。(『水の輪』冒頭 P.49)

 いちいち的確できっぱりした言葉で語られていて、全体を通しての文章の印象は「きれい」なのだけれど。強い日差しが降りそそぐ、一見美しくてまぶしい夏の情景にひっついてくる気持ち悪いものまで淡々と語られるから、もう怖くて仕方がない。

人間にとっては生きていることの方が不自然なのだと、生理的に知っていた。(『水の輪』P.51)

私は、母が私を嫌いなことを知っていた。仕方がないとも思っていた。(『あげは蝶』P.104)


 生理的嫌悪感がどっとわきあがってきた箇所もありました。

 いちばん奥の建物の陰、アパートと塀のすきまに私たちを招きいれると、お兄さんはにこにこした顔のままで、ちょっとパンツをおろしてみて、と言うのだった。

「大丈夫、なんにもしないからね」

(中略)

「ありがとう。もういいよ」

 さわやかに言う。お兄さんは去り際に飴を二つくれ、私たちは、たったいまのできごとを誰にも言わないと約束した。(『はるかちゃん』P.196-197)

 ……思わず、男たちなど滅びてしまえ*1と呟きたくなった。主人公は、小学二年生の頃のこの出来事を特に感想を付け加えることなく淡々と語っているのだけれど……気持ち悪かったなー。


 共感できた箇所もありました。

(前略)ときどき店の前に男の子たちがあつまっていた。そういうとき、私はそこを通るのがいやだった。男の子たちはたいてい自転車に乗ってきていて、それをそのへんに停めたまま、ひとところにかたまって立っていた。ある種の感嘆語――うそだろ、とか、ばかじゃねえの、とか――をばかに大きな声でさけぶ子がいて、私はそれがとても怖かった。(『焼却炉』P.120)

 ああ、これはすごくわかる……男の子の集団は怖かった。『焼却炉』の語り手は小学生で、ここで想定されている「男の子」とはやっぱり小学生の男の子なのだろうと文脈から推察できるのだけれど、わたしは「同年代の男の子の集団」が高校生の頃まで怖かった。今もちょーっとはやっぱり怖いかもしれない。


 川上弘美さんの、「長生きして、たくさん小説を書いてください。/どうぞどうぞお願いいたします。」としめくくられる解説に、ほっこりした気持ちになりました。

2007-10-16 Tue

School Days 最終回のこと

 アニメ化の前に、id;kotohogi_kさんのこのエントリ経由でゲームの方の映像を見て(存在自体と、だいたいの評判はそれ以前にも巡回先のそこここで見かけたので知っていたけれど)、一途すぎて狂っちゃう女の子ってかわいーなーとか思っていたのでした。

 そんなわけでニコニコ動画アニメの方もちょこちょこ観てました。最終回にて、首だけになった誠が登場するあたりで「京極夏彦」とか「魍魎の匣」とかいうコメントが流れてきて、ああ言われてみればそうかも……連想できるかも……それにしてもこの動画を観てる人の何パーセントくらいが京極夏彦読んだことあるんだろう……と思いました。某友人とこの話題になった時、この疑問を呟いてみたら、「エロゲの中でも普通の学園恋愛ものじゃなくて、あんなのをわざわざやるような(観るような)、ねじくれた人なら結構本読んでる層とかぶるんじゃないかと思うんですけど」とのコメントをいただきました。なるほど……って納得していいんだろうか。

西魔女外伝!新作!!

http://www.chuko.co.jp/cnovels/

 ↑PDF「中公エンターテイメントニュース 2007.10」より。

 創刊25周年記念アンソロジーC☆N25の紹介の中に……

荻原規子×桃川春日子

[彼女のユニコーン、彼女の猫]

西の善き魔女 番外編

 ぶはっ(鼻血を噴く音)

 これと森博嗣×荻原規子対談のために買ってしまいそうだ……

2007-10-15 Mon

授業:イギリス児童文学入門

 授業名には「イギリス」と入っているけれど、イギリスに限らずいろんな作品が取り上げられています。前回も今日も三島由紀夫が取り上げられてたし。

 今日はこの映画を途中まで観ました。

 出てくる少年少女たちがそろいもそろってかわいかったです。

ドン・ウィンズロウ 東江一紀訳 『ストリート・キッズ』 創元推理文庫

ストリート・キッズ (創元推理文庫)

ストリート・キッズ (創元推理文庫)

 おもしろかった。

 追記(といってもコメント欄で書いたことと同じ):主人公の二ールと、彼を探偵として育てた「父さん」ことグレアムのやりとりが楽しくて好きです。

2007-10-14 Sun

島本理生 『生まれる森』 講談社文庫

生まれる森 (講談社文庫)

生まれる森 (講談社文庫)

そばにいると苦しくてたまらないのに、離れようとすると大事なものを置き去りにしているような気持ちになった。(P.40)

理解できないのは経験がないせいではなく、自分はそんな状態に陥る人間ではないからだと信じていた。(P.65)

彼を少しでも救うことができれば、一丁前にそんなことを思ったりもしたけれど、ひかれればひかれるほど、深みに足を取られていく自分を感じた。(P.96)

「わたしはあの人に幸せになってもらいたかったんです。眠る前に新しい朝が来ることを楽しみに思うような、そんなふうになってもらいたかった。けど、わたしには無理だった。

 その力不足を未だに認めたくないのかもしれないです」

「自分が他人を幸福にできるなんて発想は、そもそも行き過ぎなのかもしれないよ」

(中略)

「幸せにしたいと思うことは、おそらく相手にとっても救いになる。けど、幸せにできるはずだと確信するのは、僕は傲慢だと思う」

(P.123-124)

 どんなに明るいほうに戻ろうと手を引いても、気がつくと一緒に深い森の中に戻っている、抜け出す努力を放棄したまま大人になってしまったこの人と十年も二十年も一緒にいるなんて冗談じゃないと、そんなふうに心の一番深いところでは、思っていたのかもしれない。(P.130)

 読む時期によって響いてくる箇所が違うなあと思いつつ大量引用。

2007-10-13 Sat

米澤穂信 『ボトルネック』 新潮社

ボトルネック

ボトルネック

 恋人が死んだ場所に花を手向けに来たリョウ。彼は、眩暈に襲われて崖から転落したはずだったのですが、目覚めた時には見慣れた自分が暮らす街にいました。わけもわからず帰宅すると、見知らぬ女性に出迎えられます。どうやらリョウは、姉が生まれず自分が生まれてきた世界から、姉が生まれて自分が生まれてこなかった世界へと移動してしまったらしいのです。

 間違い探しという言葉に、ぼくは少しひっかかりを覚えた。こちら側とぼくの側とで差があったとしても、別にそれは間違いじゃないだろう。それを間違いと呼ぶのは、ちょっと残酷じゃないか。……もっとも、二つのよく似たものを比べて差を見つけるという行為を「間違い探し」という遊びに見立てるのは無理のある飛躍ではないので、ぼくは黙っていた。(P.33)

 序盤では少しひっかかりを覚える程度だった「間違い探し」という言葉が、物語が進むにつれどんどん重みを増してきます。うわあ。

 事前に「痛い」「痛々しい」「とにかく痛い」という評判をあちこちで目にしていたので心の準備をして読みました。でも、痛いのも救いがないのもわかるんですが、なんて言うか、身につまされない痛さなんですね。中に入ってこないというか。これは相性の問題なのだろうけれど。

 小説を読んでいて、身につまされる「痛い」体験は、女性作家の作品の本筋に直接関わるわけではない瑣末なエピソードで味わうことが多いです。『西の魔女が死んだ』(梨木香歩新潮文庫)の、母親が電話で自分のことを「扱いにくい子」「生きていきにくいタイプの子」と言っているのを聞いてしまう場面とか。『薄紅天女』(荻原規子徳間書店)の、苑上の「どうしてこんなに自分はやさしくないのだろう」と考えるところとか。読み手のわたしは一応女だから、書き手が同性の作品の方にこういう反応を起こしやすいのは当然かなあ、と思うのですが。

 例外が乙一さんだなあ。『Calling you』のニキビを気にしてるエピソードとか、「あの子、小学校のときからあの髪型だけど、全然似合ってないよね」とか、もうぐっさぐっさと刺さる刺さる痛い痛い。

2007-10-12 Fri

佐藤友哉 『世界の終わりの終わり』 角川書店

世界の終わりの終わり

世界の終わりの終わり

 佐藤友哉は絶対に、わたしが好むものを書く人ではないとわかってはいるのですが、今どんなの書いてるのかなあ……と気になってしまう人でもあるのでした。

 「フラグ」だとか「無茶しやがって…」だとか、(主に)Web上で符丁として使われる言葉を頻出させるあたりが、やっぱり好みじゃないなあと思いました。物語の発動条件とか語っちゃうところはわりと好きです。

どうしてわたし(の日記)なんかのこと見てるの?

 ……ごめんなさいタイトルは遊んでみたかっただけですごめんなさい。

 リンク元アンテナからその人のはてダに飛んだ場合、ですね。そこから読書傾向似てるなーというのがうかがえると、アンテナ登録されている理由が推察できてなんとなく納得がいくのですが、そうでない場合ものすごく不思議なんですね。うちの日記のどこがおもしろいんだろう、と。

 いや、わたしも、趣味が違ってても「なんとなく好き」で読んでいる日記はけっこうあるし、巡回先すべてについて「何がおもしろくてそのサイトを見ているのか述べよ」と言われたらたいへん困るし答えられないのですが。それでも、このページに来てくれる人に、どうして読んでくれるんですか?と問いかけたくなることがあるのでした。

2007-10-11 Thu

江國香織

 今、江國香織の作品を取り上げている授業がある影響で、手持ちの江國香織詩集『すみれの花の砂糖づけ』をぱらぱらと読み返してみた。

 あなたは私の子どもでもつくるべきだったのであって

 子どものあたしに手を出すべきじゃなかった

 ……印象的な言葉は、しばらく頭の中にとりついて離れなかったり、する。

 江國さんの小説に関しては、「経済的な苦労」があんまり出てこない(作品によっては出てくるけれど)ところとか、「ボーイフレンドっていいわよね。いるあいだはたのしいし、いなくなるときもちがいい」(『流しのしたの骨』より)とかいう台詞がぽんと出てくるところとか、自分とは程遠くて、おとぎばなしみたいで……それを楽しめる時と、なんだか寂しくなってしまう時があるのでした。

 中高生の頃は、掛け値なしに「言葉の遣い方が好き」と江國香織を評していた気がするけれど、最近そうでもなくなってきたというか、複雑化してきたというか、なんというか。

買った本

結婚の条件 (朝日文庫 お 26-3)

結婚の条件 (朝日文庫 お 26-3)

 べべべ別に結婚したいわけじゃなくて授業の参考図書に指定されてるから買っただけですよ!と誰にも問われてないのに言い訳。

2007-10-10 Wed

SFファンタジー概論

 講義の中で、乙一さんに関する話が出てきました。「乙一」という名前が出ただけでテンションが上がってしまう。相変わらずファンだったんだなあ……というか信者だなあ……と、少々自分にあきれました。

 というわけで、先生のお話の内容メモの一部。

  • 乙一作品はトラウマ論から見てもおもしろい
  • トラウマからの回復→一作品の中にそれが複数ある
  • 変わった・不思議な作家
  • 先生は『傷―KIZ/KIDS―』が一番お好きだそう

ネオ・ファンタジー

モモ [DVD]

モモ [DVD]

 授業で観ました。

 カシオペア(カメさん)の表情が豊かだったなー。

 ピンクの花びらが舞うシーン、花びら一枚一枚が大きいなあ……と感じてしまい、やっぱり日本人だから、ピンク色の花びら=桜の(小さな)花びらを連想してしまってるんだなあ、と考えました。

五周先回り

 かえって迷惑かも、これぞ五周先回り逆自意識過剰*1のうざったい行動でしかないのかも、と思いつつ、何故かそうせずにはいられなかったのでした。ちゃんちゃん。

2007-10-09 Tue

えええええええ

 Yahoo!ニュース見てぶっとんだ。

 何それ何それ何それ!

 日本で映画化されるのは知ってたけどそれとはまた別らしい。

 こ、この行き場のない感情をどうすればいいだろう……というわけでとりあえず日記に書いてみた。

 だいたい「ゴシックホラー風ラブストーリー」ってなんなの!「ラブストーリー」って言い切るな!あれは「愛情ではなく執着」なんだからね!!(信者的意見)

落ち着かない時にやること

 なんか寝れなくて落ち着かなくてもやもやする時、自分のサイトをちょこちょこいじるのが効果的な場合があります。デザイン変えたりとか、著者別読了本リストがどーやったら見栄えがよくなるかいろいろ試したりとか、誤字脱字直したりとか。黙々と淡々とひたすら作業してるとちょっとは落ち着く。

 本に関するリスト作るのがほんとに好き。なんでこんなに好きなんだろうってくらい好き。タイトルや著者名がずらずら並んでるのを見ると幸せになれる。お手軽だ。

授業:アニメ研究

 ウィンザー・マッケイアニメをいくつか観ました。『ルシタニア号の沈没』とか、「世界初の怪獣映画」と言われているらしい『ペット』とか。

 『ペット』は、マッケイの漫画『チーズトーストの悪夢』が原作の、連作短編アニメの一つ。最初は可愛い子犬みたいな外見だった生き物が、なんでもむしゃむしゃ食べてどんどん大きく成長して怪獣みたいになってしまう話。毒入りのえさを食べさせた時の、ぼこぼこできものが浮いてくるようすが気持ち悪いことこの上なかったです。

2007-10-08 Mon

スカートにガムテープ

 山田詠美『風味絶佳』を読んだらキャラメルが食べたくなったなあと思いながらぼけっと歩いていたら、通りすがりの人に「あの、すみません、スカートにガムテープついてますよ」と話しかけられました。出かける前にamazonから届いたダンボール箱の開封をしていたのだけれど、その時にガムテープの切れ端がスカートにくっついたことに気づかず出歩いていたらしい。は、恥ずかし……!

 恥ずかしさのあまり慌ててしまって、指摘してくださった方に思わず「すみません」と言ってしまいました。謝ってどうするんだ。お礼言わなきゃいけない場面だろうに。

梨屋アリエ 『ツー・ステップス!』(イラスト・菅野由貴子) 岩崎書店

ツー・ステップス! (わくわく読み物コレクション)

ツー・ステップス! (わくわく読み物コレクション)

どうか、うまくとべますように

みんなの流れにのれますように

みんなと同じかっこうで

 主人公、小学五年生の小野崎藍は、「オノザ」と呼ばれています。本当はその呼び名があまり好きではないのですが、下の名前で呼ばれては、藍が所属している仲良しグループのリーダー格「アイアイ」こと今井亜衣とかぶってしまうので、仕方がない、と思っています。

 みんな、たいてい、アイアイと同じものがほしくなる。でも、全部そっくりなひと真似をしてはいけない。ほしいときは、色違いやデザイン違いを選ぶのだ。もしもどうしても同じものがほしいときは、四人で相談して、全員で同じものをそろえることにする。それがわたしたちのルールだ。(P.38)

 小学生に人気のブランド「ファン・ガル」のマフラーを四人でおそろいにしよう、と決めたものの、藍は、自分の親はおねだりしただけでそれを買ってくれるほど甘くはないからとあきらめていました。ひょんなことから買ってはもらえたものの、アイアイのマフラーが本物そっくりの偽物で、藍のものが本物だったことで、仲良しグループからはずされてしまいます。

 ああ……「小学校高学年の女の子の仲良しグループ」ってどうしてこんなにややこしいんだ……と、自分がその中にいた頃のことも思い出して、ため息をついてしまいました。

 場の雰囲気を見極める、というのは、年齢に関係なく要求されると思うけれど。まだ「子ども」と呼ばれる年齢の、むきだしで移ろいやすい感情を考慮しながら動かなくちゃいけないというのは、大人とは違ったしんどさがあるんじゃないだろうか。学校って怖いところだ、とつくづく思う。

 梨屋アリエは、あんまり作品の中で使うモチーフを一貫させない、って印象があります。冒頭の詩とか、体の弱いお姉ちゃんとか、「下品な笑い方」と注意されることとか、物語の最後までキーワードとして機能するのかな?と思った事柄がいくつかあったのだけれど、ある程度登場しただけでそれっきり、なんですね。

 こう思ってしまうのは、これも伏線だったのか!と思うような事柄まで伏線として回収される話に慣れちゃったから、かもしれない。

2007-10-07 Sun

トラウマ本大歓迎

 件の『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』は未読なのですがごめんなさい、触発されて「子ども」の「読書」の話について少し書きたくなったので。

 対象が児童、という枠には「教育」がくっついてくるから、どうしても「児童文学」というジャンルはおりこうさんな作品が多いという印象になってしまうのだと思う(そうでないのもたくさん生み出されているのですが)。子どもにそういう「おりこうさん」とは真逆の話を与えてもいいのかどうかという問題については、先にid;yamada5さんが書かれている『地球最後の日 SFセレクション (5)』についてのエントリの中の言葉を引き合いに出したいと思います。

「だれかを好きになった日に読む本」でさえいたいけな少年少女の心に大きな心の傷を残したというのに、さらに怖い話を上積みしていったい何がしたいというのでしょうか。ひょっとして赤木かん子トラウマ児童文学界の王座をねらっているのか?こういう事はどんどんやってください。子供の心に傷を与えるのは児童文学の重大な使命のひとつですから。

児童書読書日記 - 『地球最後の日 SFセレクション (5)』(赤木かん子)

 この意見に全面的に賛成です。

 それにしても、児童書読書日記で何度か「トラウマ本として名高い」と紹介されているアンソロジー、『だれかを好きになった日に読む本』を、小学生の頃スルーしたのが悔しい。

 2003年2月に川島誠の「セカンド・ショット (角川文庫)」、そして4月にこの「The End of the World」が一般書として出版されたことに因縁を感じた人も多いでしょう。そう、これは「電話がなっている」と「The End of the World」の「だれかを好きになった日に読む本 (きょうはこの本読みたいな)」コンビなのです。この本は脳天気なタイトルに似合わず、最後の2編に少年漫画誌では出せない内容の「電話がなっている」、最終核戦争を描いた「The End of the World」が配置されている希有な本です。このため「だれかを好きになった日に読む本 (きょうはこの本読みたいな)」はトラウマ本として広く認知されているようです。

児童書読書日記 - 「The End of the World」(那須正幹)「約束」が一推しです

 このシリーズ、他は読んでたんです。『忘れ物をした日に読む本』とか『おかあさんがいない日に読む本』とか。『だれかを好きになった日に読む本』だけは、タイトルからして手にとるのが恥ずかしくて読まなかったんだ……。

10歳の自分の感想を知りたかったです。

 このアンソロジーの編者の中の、一人の先生に話を聞く機会があったのですが、『だれかを好きになった日に読む本』の中では、長崎源之助「観音だんご」・川島誠「電話がなっている」・那須正幹「The End of the World」で三部作のつもりだったそうです。逆説的な作品として。でも、過激すぎるとか衝撃的過ぎるとかで、学校図書館から苦情が来たこともあったとか。

2007-10-06 Sat

木地雅映子 『悦楽の園』 ジャイブ

悦楽の園

悦楽の園

 なんだか困ってしまうくらい、琴線に触れる言葉に出くわす率が高い。ほとんど、ページをめくるたび、と言ってもいいくらい。

 友達は麻薬だ。一度味わった後ではもう、それなしで生きて行くなんて、考えられなくなる。二度と元の暮らしはできない。後戻りはできない。(P.119)

大人が子供を潰さなかった時代など、歴史上には存在しない。(P.329)

 書影を載せるのは、なるべくきちんと感想を書いた時だけにしたい……というのが、一応ブログを書く上での方針だったりする(まあ、手抜きして、好きな言葉を引用しただけの時にも載せちゃってますけどね)。

 この本を読んだ感想なんて直後に書けるわけないのに(同著者の『氷の海のガレオン』だって、感想を言葉にするのにずいぶん時間がかかった)、載せてしまうのは、すぐ買って読んだんだよーそれくらい好きなんだよーと示したい、自己顕示欲によるものだなあ、と思う。

今日のできごと

 電車の中で、金髪碧眼の美少女(推定年齢10歳前後)を見かけた。もうほんとに驚嘆するほどかわいらしくて見惚れてしまった。「絵に描いたような」「お人形さんみたいな」と形容したくなったけれど、この表現あんまり好きじゃないなー(当人に失礼な言い方な気がして)と考えてみたり。ただかわいいと思う対象に見惚れていただけでも、それが男性→年端もいかない美少女だと、どうかすると変質者扱いされる可能性が出てきそうなので、わたし女でよかったなあとちょっと思ったり。

2007-10-05 Fri

授業メモ「児童文学の読み方」

  • 一人称の限界
  • 子どもの「存在不安」
  • 子どもの感覚を大人の言葉で表現

 今日の授業メモ。


 ずいぶん書くのに時間がかかっていたこの授業の課題レポートは、なんとかちゃんと提出することができて一安心です。任意の作品(児童文学に限らず絵本でもアニメでも漫画でもよい、という)の構造分析に挑戦する、という課題でした(ちなみにわたしはX文庫ティーンズハートの藍川晶子作品でやりました)。2000字程度という規定だったのだけれど、5000字ほど書いてしまってました。無駄に長くてすみませんと謝りたくなりましたがそのまま出しました……。

 ああでも学生会の機関誌の原稿書かなきゃいけないのを忘れてはいけない……。

2007-10-04 Thu

ハチクロと恋する伊勢物語

 高校時代、『ハチミツとクローバー』を読んだ時に、好きな女性の使ったタオルに顔をおしつける云々のエピソードが出てきて、これってなんか、似たようなエピソードを詠んだ短歌があったなあ……俵万智だったなあ……たぶん中学生の時読んだ『恋する伊勢物語』の中に出てきたはず……とずっと気になっていたのですが、今日やっと確認しました。本編じゃなくて解説の中で引用されていたのでした。

 第六十段には「五月待つ花橘の香をかげばむかしの人の袖の香ぞする」という歌があったが、『かぜのてのひら』には、


君が使いしタオルと気づく思いきり君の匂いをかいでしまって

(後略)

 これでした。確認できてもやもやが晴れたー。

恋する伊勢物語 (ちくま文庫)

恋する伊勢物語 (ちくま文庫)

かぜのてのひら (河出文庫)

かぜのてのひら (河出文庫)

成績通知書

 やっと来た!前期の成績やっとわかった。うちの大学遅いよやっぱり……どうして学年末は郵送なのに前期は先生から手渡しなんだ……。

 夏休み、母校に遊びに行ったら、旧知の先生に「あなたの成績表はこっちにも郵送されるから」*1とにこやかに言われて、むやみやたらと怯えてたのです。推薦してくださった先生たちに顔向けできない結果だったらどうしよう……!と。とりあえず顔向けできなくなるほどどん底ではなかったので、よかったよかったと一安心。

ども研活動

 部誌に載せる原稿の締切でした。無事出せたー。去年はなんにもしなかったから、今年は何か書きたかったんです。本の感想と、前期の授業(編集入門)の課題で書いたなんか掌編(というのもおこがましいな……いろいろひどいよあれ……)みたいなもの。どちらも一応ぎりぎりまで手直ししたけれど出来はあんまり気に入らない。

 そして、名前二つ使うなどというややこしいことをしてすみません先輩。感想文と創作に同じ名前がくっつくのがどうしようもなく恥ずかしかったんだ……

*1:指定校推薦だから

2007-10-03 Wed

講談社「ミステリーの館」2007年10月号

今月の西尾維新さんはすごい。新刊『不気味で素朴な囲われた世界』を講談社ノベルス版とハードカバー版で同時刊行、そして『きみとぼくの壊れた世界』もハードカバー版で刊行します!

 作者からのコメントも。

きみとぼくの壊れた世界』・『不気味で素朴な囲われた世界』は二部作で終わらせるつもりだったのですが、もう一回! 同じ世界観で推理小説を書いてみたくなってしまいました。

タイトルは『きみとぼくが壊した世界』。

発表がいつになるかというのは例によってわかりませんが、それまで『不気味で素朴な囲われた世界』を読みながら、お待ちいただければと思います。

 ああ……戯言シリーズ完結と同時にわたしの西尾維新ファン度は急激に下がったと思っていたけれど(『化物語』も『刀語』も読んでいないのだ)、この予告を見て期待が高まってしまうあたりまだちょっとはファンだったんだなあ……。

 ノベルス版→ハードカバー版というパターンだと、荻原規子の「西の善き魔女」シリーズを思い出します。

2007-10-02 Tue

「個性的」という言葉

いま私たちが考えるべきこと (新潮文庫)

いま私たちが考えるべきこと (新潮文庫)

「個性」という言葉は広く社会に浸透しているのであるが、この人間の出合う個性とは、「自分とは違う質の他人が持っている、自分には理解できないへんな部分」である。それを「へん」として拒絶しないのが、「個性の容認」である。つまり、個性とは「拒絶の一歩手前の容認」で、その人間の理解する「個性的」とは、「それ以上言語化される必要のない異物感、違和感」なのである。(P.214-215)

「個性的」という言葉をほめ言葉だと誤解している人間はいくらでもいるが、しかし、「個性的」にならざるをえなかった人間にすれば、「個性的」という言葉は、「差別になる一歩手前で踏み止まった、侮蔑を曖昧にする止揚表現」でしかないのである。(P.217)

 「個性的」という言葉に抱いていた違和感が、きっちり言語化されててすっきりしました。

秋です秋

 基本的に薄着があんまり好きじゃない(=薄着にならざるをえない季節もあんまり好きじゃない)せいか、涼しくなってからの方が、着る服を選ぶのが楽しいです。

2007-10-01 Mon

夏目漱石 『硝子戸の中』 新潮文庫

硝子戸の中 (新潮文庫)

硝子戸の中 (新潮文庫)

 私の座敷へ通されたある若い女が、「どうも自分の周囲がきちんと片付かないで困りますが、どうしたら宜しいものでしょう」と聞いた。

(中略)

「何処かさっぱりした家を探して下宿でもしたら好いでしょう」

「いえ部屋のことではないので、頭の中がきちんと片付かないで困るのです」(P.52)

精霊の守り人 最終話

  • 狩人たちの高飛車な誘導→実はチャグムと会えるようにとの計らい、っていう流れはとってもよかったです
  • 原作中の大好きなあの台詞をアニメでも言ってくれて感動。
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