黒い春

作者:山田宗樹幻冬舎文庫
日本国内で口から黒い粉を吐き散らしながら死亡する病が発生。
黒手病と名づけられた伝染病はじわじわと被害を拡大していく。
原因、感染源を突き止めようとする3人の医師と研究者たち。
その後、琵琶湖に浮かぶ小島の石棺から病原体が見つかる。
病気のルーツは遣隋使に隠されていた。医学ミステリーかつ歴史ミステリー。
この謎解きだけでも十分面白いのだが、後半部分は家族の絆を描く内容になる。
感染源が判明したものの、主人公である医師の家族にも感染が認められる。
効果的な治療法が見つからないままに、死と向き合う家族。
クライマックスの描写は感動した。「嫌われ松子の一生」もよかったが、
これも負けてはいない。何故話題にならないのだろう?

黒い春 (幻冬舎文庫)

黒い春 (幻冬舎文庫)