走ル

作者:羽田圭介河出文庫
八王子に住む高校生の本田は、自宅の物置にロードレースの自転車を見つける。
夏の終わりだった。八王子の自宅から四谷にある高校まで通学で向かう。
陸上部の朝連に出ていたが、そのまま、自転車に乗り、北に向かう。
埼玉県に入った時点で、授業はやすむことにした。
栃木県で野宿をし、目的を決めないままさらに北上する。
友人や彼女には「風邪をひいた」とうそをつく。
福島県から山形県を抜け、日本海沿いを自転車でひたすらに走る。
突然の豪雨や、股づれに悩まされるが、青森まで到着。
その間も自分の冒険を隠したまま、メールや電話で仲間には連絡を入れている。
野宿、食事はコンビニで買ったモノ。
何がしたいのかよくわからないのだが、高校生だったらこういう衝動もありだろう。
自転車をひたすら漕ぐしんどさは伝わってくるし、意味を考えない行動は高校生らしい。
150ページに満たない作品だったが、このくらいでちょうど良かったのでは?

走ル (河出文庫)

走ル (河出文庫)